ホンダは、N-BOXを2017年秋にフルモデルチェンジすると発表し、新型N-BOXの外観や内装などを早くもティザーサイトで公開した。
ホンダが2017年秋にフルモデルチェンジを控える新型「N-BOX」。 [左奥]:新型N-BOX 標準モデル/[右前] :新型N-BOX カスタム
2011年末に発売されたホンダ「N-BOX」は、5年半で107万台の累計販売台数を数え、2015年、2016年と2年連続で軽自動車の販売台数No.1の売れ行きを誇る、人気の軽トールワゴンだ。
現行のN-BOXでは標準モデルとカスタムの2モデルがラインアップされているが、新型N-BOXの画像も標準モデルとカスタムが公開されていることから、ラインアップに大きな変更はなさそうだ。
[左上]新型N-BOX/[右下]現行のN-BOX。画像で比較すると、フロントグリルに改良が施されているほか、ヘッドライトやボンネットも若干の変更を受けている
新型N-BOXの外観は、キープコンセプト。標準モデル、カスタムともにフロントグリルの意匠が変更されている。標準モデルは小変更に留まっているが、カスタムモデルはフロントエンブレム付近のシルバーガーニッシュを中心に、ヘッドライトなどにも大きく変更が施され、フロントフェイスの印象もだいぶ異なっている。
[左上]新型N-BOXカスタム/[右下]現行のN-BOXカスタム。画像で比較すると、カスタムはフロントフェイスが大きく変わっている
なお、リアについては現時点では公開されていないために、ホンダからのさらなる続報を待ちたい。
新型N-BOXで注目なのが「助手席スーパースライドシート」だ。助手席シートの前後スライド量が57cmに拡大している。
新型N-BOXの「助手席スーパースライドシート」を最も前へスライドさせた状態
新型N-BOXの「助手席スーパースライドシート」を最も後ろへスライドさせた状態
ロングスライドシートといえば、トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」の助手席に備えられた「スーパーロングスライド機能」があげられる。スーパーロングスライド機能では、助手席とその後ろのセカンドシートを同じレール上に設置することで、116cmものロングスライドが可能となっている。
アルファード・ヴェルファイアに採用される「スーパーロングスライド機能」で、助手席を最も後ろへ動かした状態。2列目シートと同じレールを使用しているため、2列目とほぼ同じ位置にまで下がることができる
アルファード・ヴェルファイアのスーパーロングスライド機能は、助手席でくつろげる空間を提供するのが目的であったが、新型N-BOXの助手席スーパースライドシートは利便性の向上が目的となる。
たとえば、助手席を後ろへ大きくスライドさせれば、助手席に乗ったままで後席に座るお子さんの様子を間近で見て話すことができ、助手席を前へスライドさせれば後席ドアから乗り込んで、お子さんを後席に乗せた後、そのまま運転席へ座るといったことが可能となる。
「助手席スーパースライドシート」を大きく後ろへスライドすることで、2列目シートへ移動しなくても後席のお子さんの様子を間近で見ることができる
「助手席スーパースライドシート」を大きく前へスライドさせれば、後席シートにお子さんを乗せた後、そのまま運転席に座ることができる
新型N-BOXのティザーサイトには、現行のN-BOXを所有している女性に新型N-BOXを試乗してもらったコメントが掲載されているが、
「イスが動かしやすくなり、荷物を置く自由度が広がった」
「後席から運転席へと乗り込めるのが便利」
「シートを互い違いにすることで、N-BOXなら軽自動車でもグループで遠出が出来そう」
といった、N-BOXユーザーならではの目線で、助手席スーパースライドシートの使い勝手のよさについてのコメントが多くみられた。
なお、新型N-BOXは助手席スーパースライドシートの影響からか、フロントシートがベンチからセパレートへと変更されている。
新型N-BOXでは、フロントシートがセパレートとなる
さらに、新型N-BOXでは助手席スーパースライドシートのみならず、インパネもメーターやエアコンのほか、スターターなどのボタンの類いからドリンクホルダーに至るまで、多岐に渡る改良が施されている。
特に、新型N-BOXで新たに採用されているメーターは運転席の高い位置へと変更されたことで運転中の視線移動が少なくなり、メーターの視認性も大きく向上しているものと思われる。
[上]:新型N-BOXのインパネ画像/[下]:現行のN-BOXのインパネ画像。比較するとメーターのほか、エアコンやボタンなど様々な変更が施されている
新型N-BOXのメーター部分の拡大画像。右にスピードメーター、左にタコメーターが表示されている。メーターが上へ配置されることで、ドライバーの視線移動が少なくなるメリットがある
新型N-BOXでは、安全面も大きく向上している。ミリ派レーダーと単眼カメラで安全運転を支援する「Honda SENSING」が、全グレードに標準装備されるからだ。
新型N-BOXの「Honda SENSING」使用イメージ
Honda SENSINGとは、衝突軽減ブレーキやアクセルの踏み間違いによる誤発進の抑制機能、標識を認識する機能やアダプティブクルーズコントロールなど、ホンダの最新の安全装備がパッケージ化されたものだ。
新型N-BOXの内装画像のステアリングをよく確認すると、右側のステアリングスイッチにアダプティブクルーズコントロールと車線維持支援システム(LKAS)のスイッチが備わっていることからも、他のホンダ車と同様の安全装備が備わる可能性が高い。
新型N-BOXのステアリング画像を拡大。ステアリング右側に備わるスイッチには、アクティブクルーズコントロールのスイッチと、車線維持支援システム(LKAS)のスイッチが見える
現行のN-BOXでは、衝突を軽減する「シティブレーキアクティブシステム」が一部のターボ車を除きオプションとして設定されているうえに、クルーズコントロールもターボ車のみに標準装備されており、NA(自然吸気エンジン)車には装備することすらできなかった。
だが、新型N-BOXでHonda SENSINGが全車標準装備されることによって、新型N-BOXを購入したすべてのオーナーが最新の安全装備を享受できるようになることは大きなポイントだろう。
本田技研工業 代表取締役社長の八郷氏は、Honda SENSINGの導入について「新型N-BOX以降、軽自動車を含めた全ての新型モデルで標準装備化する」と述べている。
ホンダでは、ティザーサイトで新型N-BOXに関する情報を今後も順次公開していくと発表している。いまだ、新型N-BOXの搭載エンジンやターボモデル、燃費や価格、派生モデルなどについての情報は公開されていないので、今後の情報を期待して待ちたいところだ。
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