東京モーターショー2017で注目の1台が、トヨタブースに展示されている「CROWN Concept」こと、2018年夏頃に発売が予定されている新型「クラウン」だ。
トヨタ「CROWN Concept」(新型クラウン)
新型クラウンでは、走行性能にさらなる磨きが掛けられている。先代クラウンよりプラットフォームが一新されており、ドイツのニュルブルクリンクで走行テストを重ねることで意のままに操れるハンドリング性能や、あらゆる路面における走行安定性を実現しているという。
トヨタ「CROWN Concept」(新型クラウン)
また、新型クラウンはトヨタが注力している「コネクティッドカー」としての役割も担う。トヨタでは、新型クラウンに車載通信機を全車標準装備することで、道路とクルマ間を通信させて交通事故を減らす「ITS Connect」のさらなる普及や、故障や整備などを遠隔操作で診断できるようにするなど、さまざまなサービスをユーザーに提供したいという。
東京モーターショー2017のトヨタ プレスブリーフィングに登壇したトヨタのディディエ・ルロワ副社長
東京モーターショー2017のトヨタプレスブリーフィングに登壇した、トヨタのディディエ・ルロワ副社長は、今後の鍵を握る技術は“人工知能”と“コネクティッドカー”であると話す。
人工知能を搭載し、人を理解するトヨタ「Concept-愛i(コンセプト・アイ)」
東京モーターショー2017で日本初公開となった、トヨタ「Concept-愛i(コンセプト・アイ)」では、人工知能によりドライバーの心境を読み取ることで事故のリスクを減らすことができるほか、ドライバーが何を好むのか、どのような情報が欲しいかなどを理解することで、ドライバーとの間に密な関係を築くことができるという。
トヨタ「CROWN Concept」(新型クラウン)
そして、その人工知能を提供するためにはコネクティッド技術とビッグデータが不可欠であり、新型クラウンがコネクティッドカーの新たな基準になると、ルロワ氏は説明する。
さらに、ルロワ氏は2020年までに日米のほぼすべてのトヨタ車に車載通信機を搭載し、クラウド上にあるトヨタの「モビリティ・サービス・プラットフォーム」につなげていくと話した。トヨタが目指すコネクティッド戦略の重要な役割を担うのが、新型クラウンだ。
ルロワ氏は自動運転の話にも触れ、クルマがすべての運転タスクをこなす「ショーファー(自動運転)」とシステムがドライバーの安全を見守る「ガーディアン(高度安全運転支援)」の両方を開発しており、2020年に高速道路向けに、2020年前半には一般道向けに導入すると発表した。
トヨタがWEC(世界耐久選手権)で戦うレースカーを想起させるデザインの「GR HV SPORTS concept」
「GR HV SPORTS concept」には、ヨタハチ(トヨタスポーツ800)やスープラのようなエアロトップスタイルが採用されている
「GR HV SPORTS concept」ではボタンひとつでマニュアルモードへの切り替えが可能なほか、オートマチック車でありながら6速マニュアルのHパターンシフトが採用されている
シフトノブは開閉式で、プッシュ式のスタートスイッチが内蔵されている
ミニバンとSUVの融合という、魅力的な提案の「Tj CRUISER」。リアがスライドドアでありながら、SUVならではの無骨なスタイリングは崩れていない
2018年半ばに発売予定のトヨタ 新型「センチュリー」。20年ぶりにフルモデルチェンジされる3代目は、先代の5リッターV12エンジンが廃止され、代わりに5リッターV8エンジンが搭載される
FCV(燃料電池自動車)の利点を生かして、広い内装と大電力によるインテリア装備の充実が図られた「Fine-Comfort Ride」