新製品レポート
クラシカルな雰囲気と乗り心地を備えた2モデルを発表

2気筒エンジンのトルク感がたまらない! トライアンフの新型ネオレトロ系モデルがかっこいい!!


輸入バイク市場において近年大きな躍進を遂げている英国バイクメーカー「トライアンフ」が、2019年モデルの第1弾となるネオレトロ系の2車種を発表。クラシカルな外観に現代的なスペックのエンジンなどを搭載したネオレトロ系モデル(同社ではモダンクラシックと称している)は、トライアンフの中でも人気で、同社販売台数の7割を占めるという。今回発表された「ストリートツイン」と「ストリートスクランブラー」は、特に支持の高いモデル。発表会で見てきた進化点と、試乗した所感をお伝えしよう。

クラシカルな外観に最新の装備を搭載した「ストリートツイン」

丸いライトに存在感のあるエンジンを装備したバイクらしいスタイリングに、英国車伝統のバーチカルツインエンジン(シリンダーが直立した並列2気筒)を採用した「ストリートツイン」は、現代の車両らしく水冷エンジンだが、空冷エンジンっぽいフィンが刻まれ、クラシカルな雰囲気を演出している。そんなストリートツインの2019年モデルはエンジンの最高出力が従来モデルより18%向上した65PSとなり、最高回転数も500rpmアップ。さらに、制動の要であるフロントブレーキがブレンボ製の4ピストンキャリパーとなったことで、ブレーキ性能が大きく改良された。このほか、前輪を支えるフロントフォークも現代的なカートリッジ式に変更。フロントフォーク内に封入されたカートリッジにより、より緻密に減衰力を制御できる仕組みとなっており、乗り心地や路面追従性の向上が期待できる。

新型「ストリートツイン」のサイズは2,090(全長)×785(全幅/ハンドル除く)×1,114(全高)mmで、車重は198kg。価格は105万600円(税込)と、輸入車としては比較的リーズナブルなのも人気が高い理由のひとつだ。2018年12月15日発売予定

出力が大きく向上した900ccの空冷2気筒エンジンには、大型のフィンが刻まれ空冷のように見える

出力が大きく向上した900ccの空冷2気筒エンジンには、大型のフィンが刻まれ空冷のように見える

今回のモデルチェンジで排気音も迫力を増したという。マフラーのデザインも個人的には好みだ

今回のモデルチェンジで排気音も迫力を増したという。マフラーのデザインも個人的には好みだ

ブレンボ製となったフロントブレーキキャリパー。ブレンボはイタリアのメーカーだが、レースシーンでも多く採用される信頼性の高いメーカーで、単純な制動力だけでなくコントロール性にも定評がある。タイヤのサイズは100/90-18

ブレーキのマスターシリンダーはニッシン製。タンク別体のものが装備されている

ブレーキのマスターシリンダーはニッシン製。タンク別体のものが装備されている

リアもディスクブレーキを搭載。タイヤサイズは150/70 R17で、キャストホイールを装着している

リアもディスクブレーキを搭載。タイヤサイズは150/70 R17で、キャストホイールを装着している

電子制御も見直され、「Road」と「Rain」2種類の走行モードが選べるようになったほか、ABSや切替式のトラクションコントロールが追加され、雨の日などグリップが悪い天候時の安心感がアップ。さらに、トルクアシストクラッチ機構を採用したことにより、クラッチ操作が劇的にラクになったという。なお、タイヤの空気圧をモニタリングするシステムもオプションで装備可能だ。

ライディングモードの切り替えは、左手側のスイッチで行う

ライディングモードの切り替えは、左手側のスイッチで行う

クラシカルな雰囲気に貢献するタックロールシートは、シートフォームの厚さが10mm増し、クッション性が向上。また、シート下にはUSB電源が装備されているので、スマートフォンなどへの給電が行える

丸目のライトはLEDではなく、マルチリフレクター式を採用

丸目のライトはLEDではなく、マルチリフレクター式を採用

速度とタコメーターが一体となったシンプルなメーターだが、情報の表示量は意外と多い

速度とタコメーターが一体となったシンプルなメーターだが、情報の表示量は意外と多い

ストリートツインに限らず、カスタマイズ用のアクセサリーが豊富に揃えられていることもトライアンフの魅力だ。ストリートツイン用の純正アクセサリーだけでも140を超える数がリリースされているので、自分だけのスタイルを楽しむことができるはず。また、オーダー時に「Urban Ride」と「Cafe Custum」という2種類のキットを選択すれば、それぞれの雰囲気にマッチしたカスタムパーツで仕上げられた完成車を手に入れることができる。もちろん、このキットのみを購入することも可能。

「Urban Ride」のキットを装着したストリートツイン

「Urban Ride」のキットを装着したストリートツイン

ワックスコットンを使用したパニアバッグやブラウンのキルトベンチシートが装着されている

ワックスコットンを使用したパニアバッグやブラウンのキルトベンチシートが装着されている

ちょっとした林道も走れる「ストリートスクランブラー」

続いて、ストリートツインと一緒に発表された「ストリートスクランブラー」を紹介しよう。車種名の中にある「スクランブラー」は、まだオフロード専用モデルがなかった時代に、通常のモデルにアップタイプのマフラーやオフロード向けのタイヤを装着して未舗装路も走れるようにした車両のことで、トライアンフが1963年に発売した「ボンネビル T120 TT」が世界初のスクランブラーと言われている。数々の過酷なオフロードレースにも参加し、高い評価を獲得してきた同社のスクランブラーの伝統を受け継ぐ新型「ストリートスクランブラー」は、もちろん、少々荒れた路面も走破可能。エンジンやフレーム、ブレーキなどは前述のストリートツインと共通だが、アップタイプの2本出しマフラーやオフロード寄りのタイヤを装備し、高めの車高となっている。このほか、走行モードに「Road」「Rain」のほか、「Off-Road」が用意され、ABSが切替式となっているのもストリートツインとの相違点。これらは、わざとリアブレーキをロックし、タイヤをすべらせてターンすることもあるオフロード走行のための配慮だ。

新型「ストリートスクランブラー」のサイズは2,125(全長)×835(全幅/ハンドル含む)×1,180(全高)mmで、車重は198kg。2018年12月15日発売予定で、価格は128万100円(税込)

アップタイプとされた2本出しのマフラーが迫力。オフロードは走らなくても、このスタイルに魅力を感じて購入する人も多いという

ちょっとした未舗装路も走れるパターンのタイヤを装備。ホイール径はストリートツインより大径の19インチで、タイヤサイズは100/90 R19となっている

フロントブレーキはストリートツインと同じくブレンボ製のキャリパーを採用し、制動力とコントロール性を向上させている

リアタイヤはストリートツインと同様の17インチ。タイヤサイズは150/70 R17と共通だ

リアタイヤはストリートツインと同様の17インチ。タイヤサイズは150/70 R17と共通だ

マスターシリンダーがニッシン製なのは同じだが、ハンドルはストリートツインに比べて幅とライズが大きくなっている

シート高はストリートツインより30mm高い790mmとなり、形状もやや小さめのスタイルとなっている(タンデムは可能)。リアにはキャリアも装備

やや小ぶりなライトもスクランブラーらしい雰囲気でいい

やや小ぶりなライトもスクランブラーらしい雰囲気でいい

エンジン下にはプロテクションを追加。オフロード走行に対応するための仕様だ

エンジン下にはプロテクションを追加。オフロード走行に対応するための仕様だ

タンクにニーグリップ用のパッドが装着されている点もストリートツインと異なる。個人的には、このパッドがあるデザインのほうが好み

ストリートスクランブラーにも120種類以上の純正アクセサリーが用意されている。キットは「Urban Tracker」の1種類のみ。

マフラーやハンドル、パニアケースなどが装備された「Urban Tracker」キットで仕上げられたストリートスクランブラー

フェンダーはアップタイプに見えるが、泥をハネやすい後ろ側はダウンタイプというユニークなデザインとなっている

雨の夜道を走る!

発表会のあとは試乗へと移る。筆者は以前、トライアンフの同シリーズに試乗したことがあるのだが、その際、ブレーキにやや不満を感じていた。2019年モデルではフロントブレーキキャリバーがブレンボ製になったことで、どれほどブレーキ性能が変わったのかなど気になるところはたくさんあるのだが、多くのメディアが集まったこともあり、筆者が試乗できたのは日が落ちたあと。しかも、雨まで降ってきたではないか!

数人のグループに分かれ、ストリートツインとストリートスクランブラーを順番に試乗。スタート当初はこんなに明るかったのに、筆者が乗った時には夜で雨……

ちなみに、みんなが着てるジャケットはトライアンフ純正。ライダー用に展開しているアパレルは街乗りにもマッチするデザインで、人気が高い

筆者もトライアンフのジャケットを着ているが、写真に写らないほどの暗さに……。とはいえ、雨だからこそよりブレーキ性能は感じられるかもしれない! と、気を取り直して発進!! ちなみに、最初に試乗したのはストリートツインだ

街中を走る試乗コースは短めで、一般車の渋滞もあり、速度はそれほど出すことはできなかった。しかし、そんな状況でも楽しめるのがストリートツインだ。まず、一般的に水冷エンジンは始動もアイドリングもスムーズで、味気ない乗り味になりがちだが、ストリートツインは空冷エンジンのような「ドコドコドコ」という鼓動があり、渋滞が多くてもバイクに乗っている感はたっぷり。新型は排気音が従来モデルよりも迫力を増していることもあり、この感覚をより味わうことができた。そして、クラッチをつないで走り出す際には、270°クランクのエンジンが効果を発揮。低速の段階から地面を蹴り出すようなトラクション感が強く、大排気量の2気筒エンジンらしい加速感が味わえるのだ。発進のたびに、この加速感が体感できるだけで、バイクを操っている感覚に浸ることができる。それでいて、新たに採用されたトルクアシストクラッチの操作性の軽さがすばらしい。これなら、長距離ツーリングに出かけても疲れにくいだろう。そして、筆者がもっとも気になっていたブレーキのフィーリングも上々で、安心感は確実にアップ。英国車らしいクラシカルなスタイルとフィーリングを兼ね備えながら、現代のバイクらしい安心感は確保しているのが、ストリートツインの魅力といえる。

ストリートスクランブラーにも試乗したが、基本的な乗り味はストリートツインと同じ。ただ、ストリートスクランブラーのほうがより耳に近いところで排気するため、排気音で感じる気分の高まりは大きい印象だ

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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