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「アイサイトX」搭載で手離し運転が可能になった

新型「レヴォーグ」の価格とスペックが判明! “アイサイトX”も含めて試乗レビュー

スバル 新型「レヴォーグ」の発売が近づいている。2020年8月20日に、スバルの販売店では先行予約の受付を開始した。正式な発表は2020年10月15日が予定されている。だが、販売店によると「納車の開始は11月末以降で、正確な日程がはっきりしない。販売店に試乗車が配車されるのも、おそらく11月末以降」と言う。

スバル 新型「レヴォーグ」が、2020年10月15日にいよいよ正式発表される

スバル 新型「レヴォーグ」が、2020年10月15日にいよいよ正式発表される

そんな新型レヴォーグの正式発表に先駆けて、プロトタイプ車に試乗することができたので、試乗レビューをお届けしたい。なお、販売店では、8月20日の先行予約開始に先立ち、価格を明らかにしている。独自調査によるグレードごとの価格やスペックについては以下のとおりだ。

新型「レヴォーグ」STI Sportグレードのフロントエクステリアとリアエクステリア

新型「レヴォーグ」STI Sportグレードのフロントエクステリアとリアエクステリア

■スバル 新型レヴォーグのグレードラインアップと価格
(価格については販売店調べ)
GT:3,102,000円
GT EX:3,487,000円
GT-H:3,322,000円
GT-H EX:3,707,000円
STI Sport:3,707,000円
STI Sport EX:4,092,000円
※「〜EX」は「アイサイトX」搭載グレード

■スバル 新型レヴォーグの主なスペック
駆動方式:AWD(常時全輪駆動)
全長×全幅×全高:4,755×1,795×1,500mm
ホイールベース:2,670mm
最低地上高:145mm
車重:1,550〜1,580kg
最小回転半径:5.5m
燃費(WLTC):13.6〜13.7km/L
エンジン:水平対向4気筒 1.8L DOHC 16バルブ デュアルAVCS 直噴ターボDIT(CB18)
最高出力:130kW(177PS)/5,200-5,600rpm
最大トルク:300N・m(30.6kg・m)/1,600-3,600rpm
燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:リニアトロニック(マニュアルモード付)前進無段 後退1速

先代レヴォーグに搭載されていたエンジンは、水平対向4気筒の1.6Lターボ(170PS/250N・m)と2Lターボ(300PS/400N・m)の2種類だったが、新型では新開発の水平対向4気筒1.8Lターボエンジン(177PS/300N・m)のみになる。動力性能も、新型では全グレード共通だ。駆動方式は、従来と同じくAWD(4WD)のみ。

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の試乗イメージ

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の試乗イメージ

比較として、先代(初代)「レヴォーグ」にも試乗した

比較として、先代(初代)「レヴォーグ」にも試乗した

1.8Lターボは先代の1.6Lターボよりも洗練されており、ノイズが小さく快適性を向上させている。また、1,500〜3,500rpm付近におけるターボの特性が少し強い。アクセルペダルを25%程度、一定に踏み込みながら加速を続けると、次第に加速力が強まっていく。開発者にたずねると、「意図的にターボらしさを演出した面もある」と言う。動力性能を、ターボを装着しないNAエンジンに置き換えると、排気量は3Lに相当する。先代の1.6Lターボは2.5L相当で、実用的には十分でもスポーティーなワゴンとしてはやや物足りなかった点が改善されている。ちなみに、先代の2Lターボは3.8L並みの性能なので、さすがに、先代の2Lターボから新型に乗り替えるともう少しパワーが欲しいと感じるかもしれない。

WLTCモード燃費は、GT系が13.7km/L、GT-HとSTIスポーツは13.6km/Lだ。JC08モード燃費は、16.6km/L・16.5km/Lになる。従来型のJC08モード燃費は、1.6Lターボが16km/L、2Lターボは13.2km/Lだった。新型レヴォーグは、先代の1.6Lに比べて動力性能と燃費の両方で向上が図られている。

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の試乗イメージ

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の試乗イメージ

走行安定性は、先代でも満足できるものであったが、新型ではステアリングホイールを回し始めたときの微小舵角から、車両の向きがさらに正確に変わるようになった。クローズドコースでダブルレーンチェンジを試してみたが、先代と比べて一発の舵角でビシッと決まる印象だ。この特性は、あまり突き詰めるとクルマの挙動が神経質になってしまい、スバル独特のリラックス感覚が薄れたり、直進安定性を阻害する心配も生じるが、新型レヴォーグではそのあたりが行き過ぎないようにうまくバランスが取られている。

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の試乗イメージ

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の試乗イメージ

カーブを曲がるときの挙動は、前輪が確実にグリップして旋回軌跡を拡大させにくい。感覚的には、先代はフロントタイヤの外側付近を中心に路面をつかんでいる感じだったが、新型ではタイヤの接地面全体を有効活用している印象だ。また、新型レヴォーグは高速道路を走るときなどの直進安定性を向上させている。足まわりをしなやかに伸縮させているので、直進時の乗り心地はおおむね快適だ。低速域では少し硬めに感じるが、段差を通過するときの粗さは抑えられている。

新型「レヴォーグ」のSTI Sportグレードに搭載されている「ドライブセレクトモード」画面

新型「レヴォーグ」のSTI Sportグレードに搭載されている「ドライブセレクトモード」画面

STI Sportグレードには、スバル初の「電制バンパー」によって乗り味を変えることができる「ドライブモードセレクト」が搭載されている。選べるモードの種類は「COMFORT」「NORMAL」「SPORT」「SPORT+」「INDIVIDUAL」の5つで、INDIVIDUALは「パワーステアリング」「ダンパー」「AWD」「アイサイト(ACC)」「エアコン」のそれぞれの項目を任意に設定することが可能だ。前述の通り、新型レヴォーグはNORMALでも少し硬めのセッティングなので、市街地や高速道路の巡航などではCOMFORTを選べば乗り心地が柔軟になるだろう。また、峠道を走ったりスポーティーな気分を味わいたいときには、ショックアブソーバーの減衰力を常に高めてくれるSPORT+を選ぶといいだろう。

「渋滞時ハンズオフアシスト」を作動させることで、手離し運転が可能になる

「渋滞時ハンズオフアシスト」を作動させることで、手離し運転が可能になる

「渋滞時ハンズオフアシスト」は、0km/hで停止しても前車を捕捉し続けるので、ブレーキを踏む必要がない。また、発進時にはステアリングのボタンなどを押すなどの操作をする必要がなく、前車が発進すれば自動で追従していく

新型レヴォーグで注目の「アイサイトX」は、従来のアイサイトの進化型だ。アイサイトXでは、準天頂衛星やGPS、3D高精度地図データを利用することによって、渋滞時のハンズオフ(手離し走行)が可能となっている。「渋滞時ハンズオフアシスト」は、50km/h以下であれば手離し運転が可能となっており、ステアリングやアクセルから手や足を離していても、操舵やアクセル、ブレーキ操作を行ってくれる。また、渋滞時ハンズオフアシスト作動時に0km/hで停止した際も作動が解除されず、前方車が発進すれば自車も発進してくれる(渋滞時発進アシスト)。

また、先代レヴォーグに搭載されていた「アイサイト・ツーリングアシスト」では、全車速追従クルーズコントロールとアクティブレーンコントロールによって、ハンドルを握っているだけで全車速域でステアリング、アクセル、ブレーキを制御してくれていたが、アイサイトXではそのあたりもさらに進化している。

新型「レヴォーグ」で「アクティブレーンチェンジアシスト」機能を作動させている様子

新型「レヴォーグ」で「アクティブレーンチェンジアシスト」機能を作動させている様子

「全車速追従クルーズコントロール」作動中に料金所に入ると、メーターに料金所の表示がされるとともに速度を落としてくれる

アイサイトXでは、「アクティブレーンチェンジアシスト」機能が搭載されている。同機能は、ACC作動中にウィンカーを操作するだけで、ドライバーがステアリングを動かさなくても車線変更してくれるという機能だ(70km/h〜120km/hで作動)。さらに、同じくACC作動中にコーナー前に適正な速度まで減速してくれる「カーブ前速度制御」機能や、料金所の手前で速度を落としてくれる「料金所前速度制御」機能も加わった。

手離し運転中に前方を見ないと警告が表示され、それを無視すると画像のようなメーター表示とハザード点滅、クラクションが断続的に鳴り、ハンドルが自動制御されて停止するために徐々にスピードが下がっていく

また、アイサイトXには「ドライバーモニタリングシステム」も装備されている。手離し運転の際に、よそ見などをしていると警告が表示される。それでもドライバーが前方を見ない場合には、意識を失うなどの緊急事態が発生したと判断し、ハザードランプを作動させてクラクションを断続的に鳴らしながら速度を下げていく機能が備わっている。なお、コネクティッドサービス装着車には緊急時にオペレーターに発信する「SOSコール」機能もあるので、ドライバーモニタリングシステムと連動させると効果的だ。異常時には、自動的に通信機能を起動させ、かつドライバーの様子も映像で伝えてくれるので、安全性がさらに高まる。

新型「レヴォーグ」のステレオカメラは広角になり、前側方にレーダーセンサーが採用されるなど、安全性はさらに向上している

新型レヴォーグは、先代に比べて安全装備がさらに充実している。ステレオカメラは新型になって広角化され、先代で備わっていた真後ろの超音波センサーと後側方(左右)のレーダーセンサーに加え、新たに前側方(左右)のレーダーセンサーや電動ブレーキブースターが装備されている。

前側方のレーダーセンサーなどが備わったことによって、新たに右折時の対向車や右左折時の歩行者、自車の前方を横切る自動車や自転車などを検知し、衝突の危険性がある場合には警報やブレーキ制御によって衝突回避をサポートしてくれるようになった。たとえば、せまい枝道から大通りに出るときなど、建物などに遮られて左右を見通せないことはよくあるシチュエーションだ。こういったときに、車両が左右から近づいてきて衝突の可能性がある場合には、ドライバーに警報を発してくれる。ドライバーやカメラから見えない死角を、レーダーが補ってくれるのだ。

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の走行イメージ

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の走行イメージ

また、衝突被害軽減ブレーキには、警報とブレーキ制御のほかにステアリング制御が新たに加わった。ブレーキ制御だけでは止まれない場合、ステアリングを自動制御することで衝突回避を助けてくれる。これは前方車両に対してだけでなく、たとえば車線変更時に後方から急接近する車両を見落としたときなども同様で、警報を発しながらパワーステアリングを制御して車線を戻す手助けをしてくれる。

このほか、サイド、カーテン、ニーエアバッグ、衝突時に座面を持ち上げてシートベルトを適切に作動させる助手席シートクッションエアバッグ、ボンネット上で展開する歩行者保護エアバッグといった安全機能については、全グレードに標準装備されている。

新型「レヴォーグ」のインパネ(STI Sportグレード)

新型「レヴォーグ」のインパネ(STI Sportグレード)

新型「レヴォーグ」のフロントシートとリアシート(STI Sportグレード)

新型「レヴォーグ」のフロントシートとリアシート(STI Sportグレード)

新型レヴォーグの居住性は快適だ。前席の座り心地は少し硬いが、先代型に比べるとしなやかになった。腰から大腿部がシートにすっぽりと収まる感覚で、着座姿勢が乱れにくいのでスポーティーな運転にも適している。後席は、座面の前側を少し持ち上げて柔軟性を持たせている。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半だ。これだけの余裕があれば、ファミリーカーにも適しているだろう。

手のひらなどを近づけることで電動リアゲートが開く「ハンズフリー」機能はGT-H以上のグレードに採用されている

GT-Hグレード以上で採用されている電動リヤゲートの「ハンズフリー」機能は、キーを携帯しながらヒジなどをリヤゲートのエンブレムに近づけると作動する。ハンズフリーは、リヤゲートの下で片足を出し入れする方式が一般的だが、開発者は「荷物を両手で持ちながら片足で立つと、路面が滑りやすい場合、お客様が転ぶ心配も生じる。そこで、足を路面から持ち上げずに開けられるようにした」と言う。

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の走行イメージ

新型「レヴォーグ」(プロトタイプ)の走行イメージ

最後に、新型レヴォーグの価格について考えてみたい。ベースグレードのGTは3,102,000円で、アイサイトXが装備されているGT EXは3,487,000円、その差額は385,000円になる。だが、この差額には「11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ」「インフォテイメントシステム」「ドライバーモニタリングシステム」「コネクティッドサービス」のセットオプション(275,000円)が含まれている。したがって、アイサイトXの純粋な価格差は11万円になる。アイサイトXの機能を考えれば、GT EXは割安だろう。

GT-H(3,322,000円)は中級グレードで、アルミホイールのサイズが18インチになり、リヤゲートにはハンズフリーの電動開閉機能が備わる。助手席の電動機能、後席左右のシートヒーターなども加わり、シート生地は上級化する。これらを含めて、GTと比べたときの価格上昇は22万円。価格差としては、妥当なところだ。

GT-H EX(3,707,000円)は、GT EXと同様にアイサイトEXや11.6インチセンターインフォメーションディスプレイなどが加わり、385,000円の価格上昇になる。GTと同様に割安だ。なお、GT-H EXには、メーカーオプションとして本革シート(110,000円)や液晶のスマートリヤビューミラー(55,000円)なども装着することができる。

新型「レヴォーグ」STI Sportグレードの外観イメージ

新型「レヴォーグ」STI Sportグレードの外観イメージ

さらに上級グレードになるのがSTI Sport(3,707,000円)だ。GT-Hとのもっとも大きな違いは、前述したドライブモードセレクトが加わることだ。モード変更によって、ZF製電子制御式ショックアブソーバーの減衰力や電動パワーステアリングの操舵感、アイサイトXが加減速するときの反応などを調整することができる。4WDの作動も、2段階に切り替えることが可能だ。そのほか、専用の本革シートなども加わって、価格はGT-Hに比べて385,000円高になる。本革シートのコストをのぞいたドライブモードセレクトの価格は約27万円だ。

機能と価格のバランスを考えれば、もっとも買い得なグレードはGT EXだ。EXであれば、運転支援のアイサイトXに加えて死角を補うデジタルマルチビューモニターやドライバーモニタリングシステムなども加わり、安全性と快適性が総合的に高められる。ほかのグレードを選ぶときも、なるべくEX仕様にしたい。

先代レヴォーグの価格は、1.6GTアイサイトスマートエディションが3,003,000円であった。新型のGTは3,102,000円だが、動力性能や操舵感、安定性や乗り心地、安全装備など幅広く向上させている。この違いも踏まえると、新型レヴォーグは買い得感が高い。

試乗車が用意されるのは2020年11月以降になるだろうが、できれば1.8Lターボエンジンの感覚を確認したい。アクセルの踏み方が一定でも、速度が予想以上に高まる性格があるので、運転して違和感が生じないかをチェックしてほしいからだ。加えて、視界や取り回しなどにも問題がなければ、今や数少ない高性能な国産ステーションワゴンとして、購入すべき1台になることだろう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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