レビュー
マニュアルシフト車・勝手に推進委員会

よりしなやかに、曲がりっぷりは変わらずに! ルノー・メガーヌR.S. TROPHY[6MT]

最近スポーツカーを買って、運転の楽しさの原点を満喫中の自動車ライター、マリオ高野です。

「FF世界最速」のひとつとしてクルマ好きから注目される、ルノー「メガーヌ」のR.S.(ルノー・スポール)シリーズがマイナーチェンジを受けたということで、ワインディングと高速巡航で走りを味わってみました。ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットでのラップタイプなどで「FF世界最速」の座を守ることも強く意識して開発されたという、今どき稀有なクルマです。

外装の変更点はほとんどなし。全車に歩行者検知機能付衝突被害軽減ブレーキが備わります

外装の変更点はほとんどなし。全車に歩行者検知機能付衝突被害軽減ブレーキが備わります

FFらしく前荷重が大きめながら、体感する接地感は前後50対50に近く、独自の旋回フィールが味わえます

FFらしく前荷重が大きめながら、体感する接地感は前後50対50に近く、独自の旋回フィールが味わえます

「Raceモード」を選択中にアクセルをオフにした際に鳴る排気のパンパン音は、やや演出過剰気味に感じられました

「Raceモード」を選択中にアクセルをオフにした際に鳴る排気のパンパン音は、やや演出過剰気味に感じられました

運転支援システムなどを新搭載

従来型のルノー・メガーヌ R.S. トロフィーでは、さまざまなハイテク技術も駆使した結果、異次元レベルの「エグい曲がりっぷり」に度肝を抜かれたのがまだ記憶に新しいところ。

(従来型の印象についてはコチラを)
エグいくらいによく曲がる! ルノー・メガーヌ R.S. トロフィー(6MT)

FF世界最速の座を争うVW「ゴルフGTI」やホンダ「シビックタイプR」ら、ライバル車とのバトルも注目される硬派なスポーツモデルも、もちろん武闘派であるばかりではありません。

今回の改良では「運転支援システム搭載」や「前後ライトのLED化」、「後席用USBポート追加」など、サーキットでのラップタイムをコンマ1秒削るためではない、実用的なメニューが施されたのが印象的。と思いきや「ローンチコントロール」という、発進加速性を高める機能もしっかり追加されています。コロナ禍で最速バトルはやや沈静化した雰囲気ですが、総合的な商品性を高めつつも、闘うための武器も抜かりなく追加。

運転支援システムも備わり、高速クルージング時の安心感がさらにアップ

運転支援システムも備わり、高速クルージング時の安心感がさらにアップ

メガーヌ R.S.の製品画像
ルノー
5.00
(レビュー9人・クチコミ97件)
新車価格:464〜504万円 (中古車:91〜599万円

スペック面での変化はほぼないが……

走行性能面では、トロフィーではない標準仕様のメガーヌR.S.も、パワーユニットが上位グレードのトロフィーと同じ300馬力になったぐらいで、スペック面での変化はほとんどみられません。

ですが乗ってみると、乗り心地のしなやかさが明らかに増していると感じます。荒れた路面の上を通過する際に乗員に伝わる振動のカドがより丸くなったという印象でした。

乗り心地がよくなったのと引き換えに、持ち前の「エグい曲がりっぷり」をはじめとするハンドリング性能が後退したと感じる部分は微塵もないので、ルノー・スポールの走りがヌルくなったわけではまったくありません。

むしろ、足がしなやかに動くと感じることにより、一般的なドライバーにとってはコーナリング時の挙動のわかりやすさやコントロールしやすそうな感覚がより増したと言えるでしょう。

排気量2リッター以下のターボエンジンとしては最強レベルのパワーと回転フィールが得られる珠玉のユニット。他の高効率小排気量ターボとは一線を画す刺激があります

排気量2リッター以下のターボエンジンとしては最強レベルのパワーと回転フィールが得られる珠玉のユニット。他の高効率小排気量ターボとは一線を画す刺激があります

FF世界最速マシン、やはり恐るべし!

実は今回の試乗では、個人的にちょっとした驚きがありました。同じタイミングで山道に持ち込んだスバルの新型「BRZ」から乗り換えたのですが、その直後はパワートレーン横置きFF車の重心の高さをわずかながら感じてしまったのです。今まで感じたことがなかったので自分でも驚きました。

しかし、いざ走り出せば「異次元の曲がりっぷり」により、そんな些細なことは瞬時に吹き飛ぶのでありました。従来型と同じく、まるで四輪駆動車のように4つのタイヤが地面を掻く感覚をともないながら、物理的にありえない、しかし違和感のない鋭敏なコーナリングが楽しめます。

排気量が3リッターぐらいあるエンジンにハイプレッシャー過給をかけたかのような極太トルクをフルに発揮させても破綻せず、そのすべてを曲がるためのパワーに変えてしまうかのような感覚に酔いしれました。やはりFF世界最速マシン、恐るべしであります!

ナッパーレザーやアルカンターラなどの高級素材を惜しみなく投入したコックピット。路面からの当たりがややマイルドになった分、ステアリングのしっとり感も増した印象です

ナッパーレザーやアルカンターラなどの高級素材を惜しみなく投入したコックピット。路面からの当たりがややマイルドになった分、ステアリングのしっとり感も増した印象です

レカロ製フロントシートの着座感は状況を問わず文句なし。1脚あたり23.5kgしかなく軽量化にも貢献

レカロ製フロントシートの着座感は状況を問わず文句なし。1脚あたり23.5kgしかなく軽量化にも貢献

エンジンが、低速からトルクフル、かつフラットトルクな特性なので、ワインディングでも変速の必要性をあまりないと思ってしまうところは難点としてあげられるかも知れません

エンジンが、低速からトルクフル、かつフラットトルクな特性なので、ワインディングでも変速の必要性をあまりないと思ってしまうところは難点としてあげられるかも知れません

高速巡航時のNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)耐性も向上したとの印象を受けました

高速巡航時のNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)耐性も向上したとの印象を受けました

運転支援システムのアダプティブクルーズコントロールの制御にも違和感はなく、MT車に備わる運転支援モノとしては不満のないものでした。スポーツカーだろうがMT車だろうが、もはや運転支援システムの充実化は避けては通れない道。価格の上昇幅を抑えながら“イマドキ進化”を遂げたと言えるでしょう。

この試乗の模様は動画でもご覧いただけます。

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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メガーヌ R.S.の製品画像
ルノー
5.00
(レビュー9人・クチコミ97件)
新車価格:464〜504万円 (中古車:91〜599万円
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