レビュー

BMWアルピナ「B3ツーリング」、極上の乗り味とエンジンフィールに完全陶酔……!

エレガントな超高性能ワゴンの最高峰、「BMW ALPINA B3 Touring Allrad (4WD)」に試乗して、脳内がトロけそうになった自動車ライター、マリオ高野です。

BMWベースのチューニングカー作りを手がけてきたアルピナ(ALPINA)。その歴史は60年以上におよび、本国ドイツでは自動車メーカーとして公認されています。BMWのハイパフォーマンスカーといえば「M」シリーズがすぐに思い浮かびますが、性能、フィーリングともにコンペティションさを極めた「M」とは異なり、超高性能を徹底追求しながら極上のコンフォート性も両立。超絶的ダイナミック性能と、ドライバーを陶然とさせる甘美な乗り味を究極まで高めてきました。

ベースとなるBMW車をホワイトボディのレベルまで戻してチューニングを施し、内装などは今も熟練の職人による手作業で生産されるなど、すべてにおいて緻密な作りであることも大きな魅力です。

今回試乗した「B3」は、G21型と呼ばれるBMW・3シリーズのツーリングをベースに、ワゴンボディとしては世界最高峰の性能と質感を実現。 ALPINA史上最もパワフルなエンジンは最新世代の3リッター直列6気筒で、「ビ・ターボ・チャージング・システム」と呼ばれるツインターボ過給により、462馬力の最高出力と700Nm[71.4kgm]の最大トルクを発生するという、途方もない高性能を誇ります。

超弩級の高性能でありながら、スポーツモードに入れても野蛮さは微塵も感じられず、ただひたすらジェントルなフィーリングを損ないません。低回転数域でも排出ガスのエネルギーが効率的にブースト圧力に変換されるので、ターボ過給特有のタイムラグは一切なく、もっと大きな排気量のNAユニットのような厚みのあるトルクを、アクセルを踏み込んだ瞬間から得られます。

そのままアクセルを踏み続ければ、絹のように滑らかな回転フィールとサウンドが高まり、途方もない快楽に浸る世界が見えるのでありました。状況が許せば時速300kmで安定した巡航が可能でありながら、欧州の超高性能モデルにありがちな過度な演出が見られないことからも、気品の高さを感じさせます。

環境対応などさまざまな制約が立ちはだかる今の時代にあって、これだけの性能と甘美さを両立できる技術力、そして作り手の執念には敬服するばかり。この世でもっとも高貴な内燃機関のひとつと讃えたくなる甘美さは、技術というより芸術であります。

ハンドリングやブレーキ性能、乗り心地にも極上のエレガントさが感じられ、ALPINAブランドに陶酔する至福に浸ったのでありました。

「BMW ALPINA B3 Touring Allrad (4WD)」
車両価格:1229万円(オプション含まず)
全長:4720mm
全幅:1825mm
全高:1470mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:1950kg
搭載エンジン:3.0ℓ直列6気筒ツインターボ
最高出力:462馬力/5500〜7000回転
最大トルク:700Nm/2500〜4500回転
ミッション:8速AT (アルピナ伝統のスウィッチ・トロニック付き)
駆動方式:4WD (アルピナ独自のリヤ寄りの駆動力配分)
巡航最高速度:303km/h
0-100km/h加速:3.8秒

試乗車の装着オプション:
・ツーリングボディ:68万円
・スペシャルペイント(イモラレッド):70万円
・ヴァーネスカレザーインテリア:20.5万円
・ALPINA Saftyパッケージ:61万円
・ALPINA Luxryパッケージ:79.9万円
・サンルーフ:20.6万円
・ラゲッジ コンパートメントパッケージ:5.5万円
・サンプロテクションガラス:9万円
 など

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
B3 ツーリングの製品画像
アルピナ
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(レビュー-人・クチコミ-件)
新車価格:1430万円 (中古車:385〜788万円
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