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“子育て世代”が真剣に選んだ1台は? コンパクトミニバンと軽ハイトワゴンを家族で比較!

みなさん、すてきなカーライフをお過ごしでしょうか? 私編集部の北島は、すてきなカーライフを過ごせておりません。というか我が家にはクルマがありません! 「都内在住だし」とか「電動自転車あるし」と先送りしていたマイカー購入ですが、子どもが1人、2人……と増えることで、日々の買い物や子どもの送り迎えもしんどくなり、休みの日に家族でちょっとお出かけ……なんて考えただけでぐったりするレベルです。

ということで今回、編集部員北島の「我が家にあったクルマを探し!」という公私混同企画をぶち上げさせていただきました。しかも2023年10月には、ホンダ「N-BOX」の新モデルや、さらにその先にはトヨタ「ルーミー」の新モデルなど、子育て世代にもうれしい注目車種が続々登場します。

自動車の専門家と一緒に、人気のコンパクトミニバンや軽スーパーハイトワゴンなどを中心に本気でマイカーを選んでいますので、購入や買い換えを検討している方の参考になったら幸いです。

子育て世代に合ったクルマ選びとは?

それでは、さっそくクルマを選んでいきたいところですが、無数にあるクルマの中から我が家に合ったマイカーを探すのは大変です。そこで実際にクルマを選ぶうえで大切なのは、自分が「クルマに求めていること」を知ることでしょう。

ということで、クルマ選びで重要な5つの項目をピックアップしました。

(1)家族構成
(2)主な運転者
(3)主な使用方法
(4)希望条件の優先順位
(5)我が家に不要な装備や性能

それぞれチェックしていきますが……。
↓それより先に専門家が選んだクルマを知りたい方はこちらから
↓実際に試乗している内容を知りたい方はこちらから
↓とにかく結論が知りたい方はこちらから

ということで、改めて我が家を例にそれぞれチェックしていきます。

(1)子どもの人数と年齢でチャイルドシートの設置数が変わる

チャイルドシートはさまざまな種類があるので、子どもの年齢に合わせて適切なものを選ぶようにしましょう

チャイルドシートはさまざまな種類があるので、子どもの年齢に合わせて適切なものを選ぶようにしましょう

最初のポイントは家族構成。というのも6歳未満の子ども(幼児)を車に乗せる場合は、チャイルドシートの着用が義務化されているからです。そのため子育て世代のクルマ選びでは、子どもの人数と年齢に合わせてチャイルドシートを設置できるクルマを選ぶ必要があるので、必ずチェックしましょう。

ちなみに我が家は4人家族(私40代、妻30代、娘4歳、息子11か月)のため、2つチャイルドシートを設置する必要があります。

(2)誰がメインで運転するのか

運転に慣れている人が使うのか、あまり運転しない人が使うのかによって、クルマ選びのポイントも変わってきます

運転に慣れている人が使うのか、あまり運転しない人が使うのかによって、クルマ選びのポイントも変わってきます

続いてのポイントが、主な運転者の把握です。ファミリーカーの場合、運転する人が複数になる場合があり、普段から運転をしている人だけが運転する場合は、幅広い車種からクルマを選べますが、普段あまり運転しない人も運転する場合は、運転しやすいクルマを選ぶのが無難と言えるでしょう。

我が家の場合は、週末たまに運転する程度の私がメインで運転しますが、ペーパードライバーの妻もまれに運転する可能性があるので、運転のしやすいクルマ選びがマストです。

(3)よく行く場所や走る道などに合った車種

毎日長距離を運転する場合は走行性を重視したいですし、送迎などで街中や路地の運転が多い場合は小回りの利くタイプが便利など、使い方で選び方も変わってきます

毎日長距離を運転する場合は走行性を重視したいですし、送迎などで街中や路地の運転が多い場合は小回りの利くタイプが便利など、使い方で選び方も変わってきます

続いてはクルマの使用方法の確認です。毎日の通勤で使用する場合や、子どもの送迎で使う場合、趣味のアウトドアで使用するなど、ライフスタイルに合ったクルマ選びが重要です。

我が家では、基本的に土日を中心に街乗りで使用することが考えられます。近所での買い物や駅などへの送迎、近隣施設など2〜3kmくらいの移動がメインで、毎回長距離を運転したり、通勤で使用したりする予定は今のところありません。

(4)クルマに求めるものの優先順位を決める

ここまでは家族や環境的なポイントでしたが、やはりクルマ選びで気になってくるのは搭載された機能や装備、性能ではないでしょうか。最近の車種は、運転安全システムや両側スライドドア、ハイブリッド仕様の有無など、さまざまな機能を搭載したモデルが登場していて目移りしてしまいますが、選ぶうえで肝心なのは優先順位を決めておくことでしょう。

ちなみに我が家の優先順位はこんな感じになりました。

1.車内空間の確保
・チャイルドシートが2つ設置できること
・各シートを設置したうえで可能ならベビーカーを積めるとベスト
2.安全性や運転支援機能の搭載
・運転支援システム(衝突軽減、車庫入れサポートなど)があるとうれしい
・車体なども安全性能の高いボディほどうれしい
3.運転性能および車内使いやすさ
・子どもも乗りやすく荷物も載せやすいパワースライドドア
・自宅が路地なので小回りがきいて運転しやすいモデルが◎
4.燃費とローンは低いほどうれしい!
・長距離運転をするわけではないですが低燃費だとうれしい
・月々のローンを検討しつつですが、可能なら車体価格は200万円前後で収めたい!

(5)我が家に不要な装備や性能

もし、いろいろことを度外視にしていちばん欲しいクルマは何かと聞かれたら、それはアウディです(笑)。全然上記の希望と違いますけど、実家の父親が乗っていて、学生時代によく借りて遠出をした思い出のクルマでもあります。でも必要かと聞かれたら、たぶん「今ではない」のでしょう

もし、いろいろことを度外視にしていちばん欲しいクルマは何かと聞かれたら、それはアウディです(笑)。全然上記の希望と違いますけど、実家の父親が乗っていて、学生時代によく借りて遠出をした思い出のクルマでもあります。でも必要かと聞かれたら、たぶん「今ではない」のでしょう

(4)までは必要なものや欲しい機能などをポイントにあげていましたが、逆に必要としていないものを明らかにしておくことも大切です。

最近の車種には、豊富な機能が搭載されているので悩んでしまうこともあると思いますし、今の家族環境に必要な機能や装備なのかを把握しておくことで、クルマ選びがスムーズになることもあります。

【我が家がこだわらないものの例】
・スピード重視の性能(走りの楽しさは不要です、安全性を重視)
・おしゃれさや車内の豪華さ(どうせ子どもが汚すので……)
・ガチのアウトドア仕様(今のところ未舗装道路を走る予定はなし)

長くなってしまいましたが、家族構成はもちろん使用環境やライフスタイルに合った選び方が重要ですので、購入を検討しているみなさんも、まずは一度チェックしてはいかがでしょうか?

専門家に教えてもらった子育て世代にぴったりなクルマ7選

ここからは自動車ジャーナリストまるも亜希子さんに、我が家の希望内容を参考に、子育て世代にぴったりな自動車を7車種ピックアップしていただいたので、「おすすめポイント」と「注意ポイント」をあわせて紹介していきます。

1.ホンダ「N-BOX」
2023年10月に新モデル登場! 日本で最も売れている自動車

ホンダ「N-BOX」

ホンダ「N-BOX」

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●おすすめポイント

・ホンダ独自の低床技術を最大限に生かして広くなった室内空間

・パワフルで滑らかな走り(特にターボモデル)

・徹底的なボディ剛性アップ、防音対策による驚くほど静かな車内

・キャンプ道具や自転車なども積みやすいスロープ仕様も選べる

・先進の安全運転支援技術「Honda SENSING」が全車標準装備

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●注意ポイント

・カラーコーディネートにこだわった特別デザインのグレードも注目

・ハイブリッドではないですが、ECONボタンを押すと省燃費運転が可能

・価格帯がどの程度になるかも注意が必要

まず1台目はホンダ「N-BOX」。2023年10月に新モデルの発売を予定している軽ハイトワゴンで、やはり注目は広い車内でしょうか。走りもパワフルになり、安全性能も搭載で日本でいちばん売れているのも納得の印象です。

2.三菱「デリカミニ」
アウトドアテイストを取り込んだオシャレで使いやすいハイトワゴン

三菱「デリカミニ」

三菱「デリカミニ」

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●おすすめポイント

・多くのファンを持つオールラウンドミニバン「デリカD:5」の軽自動車版

・4WDモデルは大径タイヤを採用し、オフロードの走行性能も◎

・後席はロングスライドで人はゆったり、荷物はたっぷり

・ミシュランのタイヤ「パイロット」を装着する上級グレードは高速道路も安心

・撥水撥油加工のシートで、子どもがどろんこになっても掃除しやすくストレス軽減

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●注意ポイント

・人気車種のため、納車まで数か月〜半年待ちということも

・価格は手ごろだけど同ジャンルにしてはちょい高かも

続いては2023年5月25日に発売された、三菱の軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」。広い室内も魅力ですが、アウトドアっぽいデザインやちょっとした汚れになども掃除しやすい仕様は子育て世代にもうれしいポイントでしょう。

3.トヨタ「シエンタ」
広い車内と便利な3列シートで人気のコンパクトミニバン

トヨタ「シエンタ」

トヨタ「シエンタ」

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●おすすめポイント

・コンパクトカーの延長といった手軽さで7人乗りミニバンとして運転できる

・車内で過ごす時間を快適にすることも考えたインテリア

・ソファのようなニット素材のシートは座り心地がよい

・街中ではキビキビと高速道路では安心感のある走りで遠出もラク

・スライドドア開口部が広がり、室内の天井も高くなったので、乗り降りがしやすくなり、チャイルドシートのお世話でも大人が頭をぶつけにくくなった

・衝突被害の軽減や駐車支援など先進安全技術を搭載

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●注意ポイント

・3列シートだが2列目にチャイルドシートを置くと3列目の格納機能を使うのがやや面倒

・2列目にチャイルドシートを置く場合は、3列シートは出しっぱなしか、格納しっぱなしになりそう

・3列目がいらない人は2列シート5人乗りモデルを選択するのもアリ

2022年8月にフルモデルチェンジをしたトヨタの人気コンパクトミニバン「シエンタ」。5ナンバーのコンパクトサイズながら7人乗りの3列シート装備が魅力。チャイルドシートとの相性が気になるところです。

4.ホンダ「フリード」
広さも、走りも、安全性も、ちょうどいいミニバン!

ホンダ「フリード」

ホンダ「フリード」

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●おすすめポイント

・小さくてもしっかりミニバンとして使える希少なモデル

・6人乗りならセンターウォークスルー機能が有用。雨の日などで車外に出ることなく前席と後席を行き来できるのが、子育て世代には特に便利

・4WD性能で頼もしく走れる性能にこだわっている

・ホンダならではの低床技術でラゲッジのフロアも低く、開口部が大きいので自転車などの大物も積みやすい

・3列シートで車内空間を広く使うことができる

・衝突軽減ブレーキなど安全運転支援技術「Honda SENSING」を装備

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●注意ポイント

・ハイブリッドモデルが一世代前

・3列目シートの跳ね上げ格納操作がやや重い

2016年に発売され、根強い人気のコンパクトミニバンと言えば、ホンダの「フリード」でしょう。広い室内はもちろんですが走行性能にもこだわっていて、しっかり運転支援システムも装備されているのが魅力です。

5.ルノー「カングー」
とにかくオシャレ!街乗りもアウトドアにもバッチリ

ルノー「カングー」

ルノー「カングー」

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●おすすめポイント

・収納スペースたっぷりで使いやすくなったインパネ

・3席独立の後席、3人がけでもストレスフリー

・ラゲッジ容量は5名乗車時でも775L、床面長は1020mmを実現

・後席は6:4分割で折りたため、すべてたたむと2800L

・出っ張りがほとんどないスクエアな形状で、フロア地上高が594mmと低く抑えられているため、効率よく荷物が積める

・バックドアは観音開き。ピクニックやフリマ出店などでも楽しく使える

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●注意ポイント

・同種の国産車よりも価格が高い

2023年3月にフルモデルチェンジをしたルノーの新型「カングー」。おしゃれさと収納力が魅力で、たくさん荷物を積んで出かけたくなる印象です。ただおしゃれなだけでなく、使い勝手のよい観音開き式のバックドアもポイント。

6.ホンダ「ヴェゼル」
SUVらしい走りが楽しめ、広い車内空間も完備

ホンダ「ヴェゼル」

ホンダ「ヴェゼル」

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●おすすめポイント

・コンパクトSUV随一のゆったりとした後席スペース

・ファッショントレンドを意識したおしゃれな内外装(特にPLaY)

・SUVらしいキビキビした走りが楽しめる

・衝突軽減ブレーキなど安全運転支援技術「Honda SENSING」を装備

・座面が高めの設計で子どもの乗せ降ろしも楽

・スタイリッシュなデザイン

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●注意ポイント

・スライドドアではないので、狭い駐車場などでの扱いに注意が必要

続いて人気のSUVから、2021年にフルモデルチェンジされたホンダ「ヴェゼル」。コンパクトボディですが室内空間は広く、使いやすいラゲッジルームなど子育て世代にも嬉しい仕様です。

7.マツダ「CX-30」
とにかくかっこいいデザインと爽快な走りが魅力的

マツダ「CX-30」

マツダ「CX-30」

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●おすすめポイント

・自然と背筋が伸びるような最適な運転ポジションが取れ、安全運転や疲労軽減に効果的

・エンジンはガソリンとディーゼルが選べる

・SUVらしい爽快な走り

・デザイン性(マツダらしい赤が特によい)

・リアのドアも広く、座面が高めの設計で子どもの乗せ降ろしも楽

・広く使いやすいトランクルーム

自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん
自動車ジャーナリスト まるも亜希子さん

●注意ポイント

・スライドドアではないので子どもの乗せ降ろしには注意が必要

さらにかっこよさでも注目のSUVと言えば、2019年に発売されマツダ「CX-30」も外せません。走りにこだわりたい人はもちろんですが、意外と子どもの乗せ降ろしが楽な構造も子育て世代にうれしいところ。

コンパクトミニバン? それとも軽ハイトワゴン? 試乗してわかったこと

今回、自動車ジャーナリストのまるもさんにピックアップしていただいた7車種の中から、実際に三菱「デリカミニ」とトヨタ「シエンタ」の2台を借りることができたので、それぞれ実際に乗ってみてわかったことや、使ってみて感じたことなどをレポートしていきます。

【試乗-1 デリカミニ】
ホントに軽なんだよね……と確認したくなるくらい広い車内

まずは、2023年5月25日に発売された三菱の「デリカミニ」から見ていきましょう。おすすめとなるポイントは上記で紹介しているとおりですが、「デリカミニ」を実際に使ってみていちばん強く感じた魅力は、やはり軽とは思えないくらい広くて使いやすい車内空間です。

特にその広さを感じたのが、チャイルドシートを2台設置したときでした。実際の様子を撮影したので、下記の動画もご参考にしてください。

三菱「デリカミニ」のグレードラインアップと価格(すべて税込)
-NAエンジン-
G:1,804,000円[2WD]/2,015,200円[4WD]
Gプレミアム:1,985,500円[2WD]/2,149,400円[4WD]
-ターボエンジン-
T:1,881,000円[2WD]/2,092,200円[4WD]
Tプレミアム:2,074,600円[2WD]/2,238,500円[4WD]

チャイルドシートの1つはベビー用のベッド型と言われる大きめのシート(コンビホワイトレーベル THE S ISOFIX エッグショック ZD」)、もう1つはチャイルド用のシートタイプの標準的なサイズのシート(コンビジョイトリップ アドバンス ISOFIX エッグショック SA」)を用意したのですが、どちらも余裕をもって設置できたうえに、頭上や足下にも十分なスペースがあるのが伝わるかと思います。

今回使用したチャイルドシートは、シートベルトを使わずにクルマとシートを連結するISOFIXに対応しており、安全性はもちろんですが設置や取り外しも簡単で使いやすいのも魅力です

今回使用したチャイルドシートは、シートベルトを使わずにクルマとシートを連結するISOFIXに対応しており、安全性はもちろんですが設置や取り外しも簡単で使いやすいのも魅力です

またリアシートも前に約320mmスライドが可能なため、後ろの子どもの様子や世話もしやすいのがうれしいポイントです。また、シートをスライドすることでラゲッジルームも広がり、折りたたみが可能な一般的なサイズのベビーカー(※)であれば収納もできて使いやすさもバッチリです。

※使用するベビーカーの種類やサイズによっては収納できない可能性もありますので、事前にご確認お願いいたします。

樹脂仕様のラゲッジボードとPVC仕様の後席シートバックが設置されているので、ちょっとした泥汚れなども掃除しやすく、子どもの外遊び道具やアウトドアグッズなども収納しやすいのもポイントです

樹脂仕様のラゲッジボードとPVC仕様の後席シートバックが設置されているので、ちょっとした泥汚れなども掃除しやすく、子どもの外遊び道具やアウトドアグッズなども収納しやすいのもポイントです

あと家族から好評だったのが、両手がふさがっていても、つま先をドアの下にスッと出し入れするだけでドアが自動で開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」機能。クルマの乗車時は子どもを抱えていたり、買い物の荷物を持っていたりすることが多いので、とにかく便利だし、全部のクルマに付けてほしい! と大絶賛でした。

つま先を出し入れする位置を覚えるまで多少の慣れは必要ですが、両手がふさがっている状態でも簡単に開閉できるのは本当に便利な機能です

つま先を出し入れする位置を覚えるまで多少の慣れは必要ですが、両手がふさがっている状態でも簡単に開閉できるのは本当に便利な機能です

後部座席には充電用USBポート(Type-A)があり、暇さえあればタブレットで動画を見ている子どもたちにはうれしい装備です。もし1点あるとすれば、Type-Cだとさらにうれしいかったです

後部座席には充電用USBポート(Type-A)があり、暇さえあればタブレットで動画を見ている子どもたちにはうれしい装備です。もし1点あるとすれば、Type-Cだとさらにうれしかったです

小回りがきいて狭い路地や都内の駐車場もらくらく!

使いやすさに続いて、「デリカミニ」の走行面も見ていきましょう。今回は都内周辺を70kmほど走行してみたのですが、いちばん感じたのは運転しやすくてちょっとした街乗りにぴったりだなという印象です。

筆者自身久しぶりの運転でしたが、小回りがきくので自宅周辺の狭い路地や都内の込み入った駐車場でも、スムーズにストレスなく走行できたのが、個人的に気持ちがよかったポイントと言えます。

そのほかに歩行者を検知する「衝突被害軽減ブレーキシステム」や「踏み間違い衝突防止アシスト」など、運転支援機能が搭載されているという安心感も強いです。

車両サイズは幅1475x奥行き3395x高さ1830mmとコンパクトで我が家の狭い駐車スペースでも難なく収まりました

車両サイズは幅1475x奥行き3395x高さ1830mmとコンパクトで我が家の狭い駐車スペースでも難なく収まりました

またハイトワゴンは高さがあるので、強風であおられやすかったり、カーブに不安があったり、という意見もよく見ますが、今回の運転時では不安を感じるようなことは一切ありませんでしたし、当日はゲリラ雷雨にも見舞われましたが、しっかり安定して走行していたので、「デリカ」らしさを感じることができたのかなと。

少し気になったことがあるとすれば、急な坂道での加速や高速道路の合流でしょうか。軽自動車ということや手ごろな価格帯を考慮すれば、十分な走行性能だと思いますが、やはり加速が重たく感じたり、長時間長距離の運転では疲れやすさも感じたりするので、もう少しパワーがあるとよりスムーズに運転できるのではと感じました。

【試乗-2 シエンタ】
快適な車内環境と気持ちいい走りで運転するのが楽しいクルマ

続いては2022年8月23日にフルモデルチェンジされたトヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」を見ていきましょう。

まずは使ってみての印象ですが、やはり最大の魅力は3列シートの広い車内空間ではないでしょうか。こちらも実際に設置して使用している様子を撮影したので、下記の動画もご参考にしてください。

トヨタ「シエンタ」のグレードラインアップと価格(すべて税込)
-1.5L ガソリンエンジン搭載車(2WD)-
X:1,950,000円 [5人乗り]/1,990,000円 [7人乗り]
G:2,300,000円 [5人乗り]/2,340,000円 [7人乗り]
Z:2,520,000円 [5人乗り]/2,560,000円 [7人乗り]
-ハイブリッド車(2WD)-
X:2,380,000円 [5人乗り]/2,420,000円 [7人乗り]
G:2,650,000円 [5人乗り]/2,690,000円 [7人乗り]
Z:2,870,000円 [5人乗り]/2,910,000円 [7人乗り]
-ハイブリッド車(E-Four)-
X:2,578,000円 [5人乗り]/2,618,000円 [7人乗り]
G:2,848,000円 [5人乗り]/2,888,000円 [7人乗り]
Z:3,068,000円 [5人乗り]/3,108,000円 [7人乗り]

2列目のリアシートに2つのチャイルドシートを設置した状態でも、中央にスペースが空くくらい車内空間に余裕があり、さらに3列目シートをたためば、ベビーカーも余裕で収まるスペースを確保できます。これだけの広さがあれば、いろいろな遊び道具を積んで子どもと出かけたり、多めに買い物をしたりしても大丈夫でしょう。

3列目シートをたたむとラゲッジスペースもかなり広がり、我が家のA型ベビーカー(1か月から寝かせた状態でも使えるタイプ)も余裕を持って収納できました

3列目シートをたたむとラゲッジスペースもかなり広がり、我が家のA型ベビーカー(1か月から寝かせた状態でも使えるタイプ)も余裕を持って収納できました

あと、家族から好評だったのが、両手がふさがっていても、つま先をドアの下にスッと出し入れするだけでドアが自動で開閉する「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」機能。やはり小さな子どものいる家庭には便利です。

個人的には、運転シートが座りやすくソファみたくて気持ちいいのが印象的でした

個人的には、運転シートが座りやすくソファみたくて気持ちいいのが印象的でした

後部座席には充電用USBポート(Type-C)が2つあり、1つは子どもたちのタブレット用で、もう1つはスマホの充電など、使い分けができるのもうれしいポイントです

後部座席には充電用USBポート(Type-C)が2つあり、1つは子どもたちのタブレット用で、もう1つはスマホの充電など、使い分けができるのもうれしいポイントです

広くて、使いやすくて、装備も充実した車内空間ですが、1つ気になることがあるとすれば、3列シートの使い道でしょう。

特に我が家のように2列目にチャイルドシートを2つ設置する家庭では、3列シートに座る際に一度チャイルドシートを外して使用することになり、かなり面倒になります。

設置や取り外しが簡単なISOFIX対応のチャイルドシートであれば、付け替えの手間自体は軽減されますが、複数のチャイルドシートを設置している場合は3列シートを使った乗り降りは現実的ではなさそうです

設置や取り外しが簡単なISOFIX対応のチャイルドシートであれば、付け替えの手間自体は軽減されますが、複数のチャイルドシートを設置している場合は3列シートを使った乗り降りは現実的ではなさそうです

もし3列シートを格納しっぱなしにするのであれば、最初の段階で2列シートの5人乗りモデルを選択するのもアリですが、価格が大きく安くなるわけでもなく、せっかくの3列シートを有効活用しづらい点はややもったいなく感じてしまいます。

チャイルドシートの着用義務は6歳までなので、子どもが小学生以上であれば、3列シートもより活用しやすくなると感じました

チャイルドシートの着用義務は6歳までなので、子どもが小学生以上であれば、3列シートもより活用しやすくなると感じました

静かで振動も少なく気持ちのよい走り

ここからは「シエンタ」の走行面を見ていきましょう。こちらも都内周辺を70kmほど走行してみての感想ですが、長時間のドライブでも快適なのがいちばんのポイントです。

振動も少なく、静かにスイスイ進む印象で、長時間の運転もリラックスして快適に気持ちよく走行できた気がします。

スムーズな加速で街中もキビキビと運転できますし、高速での運転も安定感があって安心して運転できます

スムーズな加速で街中もキビキビと運転できますし、高速での運転も安定感があって安心して運転できます

そんな快適さが魅力の「シエンタ」ですが、もし1点、気になるところをあげるとすれば、クルマのサイズ感でしょうか。「シエンタ」は5ナンバーサイズで、全幅1695mm、全長4260mmと一般的に見たら十分コンパクトで、全幅もレンタカーなどでもよく見かける、ホンダ「フィット」と同じくらいです。ただ、全長が少し長いので普段運転していない妻が使用する場合は少し心配になるサイズ感でもあります。

もちろん追突回避や被害軽減をサポートする機能など、さまざまな運転支援が搭載されていますし、狭い駐車場への車庫入れをアシストしてくれるのも理解していますが、家族で使うことを考えると悩ましいところです。

我が家の駐車スペースがかなり狭いこともありますが、車庫入れすると敷地ギリギリだったので、購入前に駐車スペースを確認することが重要だと改めて認識しました

我が家の駐車スペースがかなり狭いこともありますが、車庫入れすると敷地ギリギリだったので、購入前に駐車スペースを確認することが重要だと改めて認識しました

【まとめ】我が家にあったクルマ選びの答え

今回「子育て世代のクルマ選び」をテーマに識者に取材を行い、三菱のハイトワゴン「デリカミニ」とトヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」に試乗してわかった、ポジティブなポイントとネガティブなポイントを改めてまとめてみたいと思います。

【デリカミニのポジティブなポイント】
・十分広い車内空間
・小回りがきいて運転しやすい
・手ごろな価格帯
【デリカミニのネガティブなポイント】
・パワー不足を感じるときがある
・長時間長距離の運転だと疲れやすい

【シエンタのポジティブなポイント】
・かなり広い車内空間
・便利で使いやすい車内装備
・長距離も疲れず快適に走行できる
【シエンタのネガティブなポイント】
・3列目シートの使い勝手が悩ましい
・(運転に慣れないと)車体サイズが大きく感じる
・(モデルによっては)価格が高い

「デリカミニ」の広い車内と運転しやすさが我が家に◎

総合して見ると、今の時点で我が家の求めるニーズにより近いのは、三菱の「デリカミニ」だと言えるでしょう。今必要としている、チャイルドシートを2つ設置できる車内空間も、街乗りに適した運転のしやすさも十分に叶えてくれます。また気になっているパワー不足や長距離運転も、街乗り中心の使用環境では問題にならないことが多いので、気にするほどではない! というのが個人的な結論です。

三菱「デリカミニ」のリアシートにチャイルドシートを設置した状態

三菱「デリカミニ」のリアシートにチャイルドシートを設置した状態

トヨタ「シエンタ」の2列目にチャイルドシートを設置した状態

トヨタ「シエンタ」の2列目にチャイルドシートを設置した状態

三菱「デリカミニ」のドアを開放した様子

三菱「デリカミニ」のドアを開放した様子

トヨタ「シエンタ」のドアを開放した様子

トヨタ「シエンタ」のドアを開放した様子

もちろん「シエンタ」は運転しやすく、車内空間も広くて使いやすいのは確かです。しかし、現時点ではひんぱんに長距離を運転する予定もなく、3列目シートの使い勝手を悩むほど広い車内空間を求めているわけではないので、今回は見送らせていただきます。

ただし、子どもが小学生を過ぎると外遊びや習い事などで行動範囲が広がり、遠出も格段に増える可能性があります。そして、ネックだったチャイルドシートの問題も解消されるので、「シエンタ」の使いやすさが上回ってくる印象ですし、普段から通勤などで使用する人にとっては間違いなく快適な1台になるでしょう。

といろいろ書いてきましたが、10月にはホンダ「N-BOX」の新モデル、さらにその先にはトヨタ「ルーミー」の新モデルなど、子育て世代を悩ませるような魅力的な車種がドンドン登場する予定です。

この記事がみなさんのライフスタイルに合った1台を見つけるきっかけになったら幸いですし、気になる車種が見つかったら、ぜひ価格.comのクチコミを参考にしたり、販売店で試乗してみてください。

北島圭介(編集部)
Writer / Editor
北島圭介(編集部)
出版社で10数年、編集者として経験を積み、2022年にカカクコム入社。家電製品から文房具など、さまざまな商品を検証するモノ雑誌の編集経験を生かし、価格.comマガジンで生活家電を中心に気になる製品をレビューしている。
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