レビュー
軽自動車でもはたして快適に眠れるのか?

見た目はよし! 寝心地はどう? スズキ「ハスラー」でガチ車中泊してみた


近年、人気が高まっている「車中泊」。各メーカーから車内で快適に眠れる自動車が続々と登場しているが、本当に寝心地はいいのだろうか。そこで、実際にそんな自動車で1泊して確かめてみることに! 夏から1台ずつ試している車中泊、最初の1台は人気の軽自動車「ハスラー」だ!!

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見た目と走行性能と安全性を兼ね備えた軽自動車

2013年に発売されて以来、スズキの中でも非常に高い人気を継続している「ハスラー」。軽ワゴンとSUVが融合したようなアウトドアイメージの強いデザインはインパクトがあるにもかかわらず、飽きを感じさせない。もちろん、見た目だけがいいワケではない。燃費性能にもすぐれ、かつ、安全装備が充実している点も大きな魅力だ。近年、軽自動車でも車載カメラやレーダーを使って周囲を監視する予防安全技術の導入が進んでいるが、ハスラー(Xグレード)にも、2つのカメラで人や自動車をとらえ、自動ブレーキを作動させる「デュアルカメラブレーキサポート」が搭載されている。燃費においては、ターボなしのNAエンジン車に、加速時にモーターでエンジンをアシストする「S-エネチャージ」を装備し、従来の「エネチャージ」からモーターでアシストする時間と頻度を拡大。NAエンジンのCVT車で32km/Lというすぐれた燃費効率を実現しており、S-エネチャージ搭載車は、すべてエコカー減税の免税対象車となっている。このようなハイレベルなデザイン、燃費性能、安全装備を兼ね備えながら、リーズナブルな価格であることがユーザーの高い支持を得ている理由だろう。

SUVをイメージさせる少し高めの車高と、キュートな丸型ヘッドライトのデザインは遠くから見てもひと目でハスラーとわかる特徴的なもの。このデザインは、新しい意匠の潮流を形成しているとして2017年度の「全国発明表彰 発明賞」を受賞している

インパネに外観と同じ配色のカラーパネルを多用するなど、内装のデザインも意欲的。運転するのが楽しくなりそうだ

2つのカメラで前方を監視し、自動ブレーキをはじめ車線の逸脱やふらつきを警報する機能など、先進安全機能も搭載している。これにより、JNCAPの予防安全性能アセスメントの最高ランクである「先進安全車プラス(ASV+)」を獲得

さっそく、車中泊してみよう!

ハスラーはコンパクトな車体ながら、多くの荷物を積載したり、車中泊もできたりするように車内スペースの効率化が図られている。特にシートアレンジは多彩で、前席はヘッドレストを取り外せば背もたれが完全に水平になるようにうしろに倒せるほか、後席は前後で倒す方向を選択可能。ただし、後席は完全に水平になるまで後ろには倒せない。

後席は後方にはリクライニングさせられる程度だが、前方にはペタリと倒すことができる。この状態で、前席も前方に倒せば、長さのあるものも余裕で載せることが可能だ

このようなシートアレンジを利用して車中泊をするわけだが、寝る体勢は2パターンから選ぶこととなる。1パターン目は、前席の背もたれを後ろ側に倒し、後席の背もたれを前側に倒すというスタイル。こうすれば、より広いスペースを作り出すことができる。ただし、後席はシートの背面が上になるので、そのまま寝転ぶと身体が痛いかもしれない。マットなどを敷くほうがいいだろう。

もっともフラットなスペースが確保できるのは、前席は後方に、後席は前方に倒した、このスタイル。後席のほうは、もともとラゲッジスペースを拡充するするために用意されたシートアレンジなので、クッション性はない

このままの状態で寝るのは少々つらいので、試しにヨガマットを敷いてみた

やはり、ヨガマットの厚みではゴツゴツとした感触は身体に伝わってくる。車中泊用やキャンプ用のマットを用意したほうがいいかも。それでも完全に横になれるのは快適だ

そして、もう1パターンは、前席の背もたれを倒し、後席をリクライニングさせてシートの座面に横になるスタイルだ。シートにクッション性があるので寝心地はいいのだが、リアシートが水平にならないため、身長によっては完全に横にはなれない。175cmの筆者の場合、少し身体を斜めにする必要があった。

前席の背もたれをフラットに倒して寝るパターン

前席の背もたれをフラットに倒して寝るパターン

身長175cmの筆者の場合、斜めになっても身体を少し曲げて眠ることになるが、足はほぼまっすぐ伸ばすことができた。クッションが効いているので、何も敷かずに寝ても快適だ。今回は、用意するマットの選定をミスったので、このスタイルで車中泊することにした

実際に車中泊をしていいなと思ったのが、車内空間を有効活用できる工夫の数々だ。小物を外から見えないように入れておける収納スペースや車内で食事をとりやすくするための設計など、車内で快適に過ごせるワザが随所に見られた。

財布やスマホ、カギなどは車外から見えないように収納しておきたい時には、助手席側にあるインパネボックスを使えばいい

助手席のシート下に設けられた収納ボックスに荷物を入れれば、横になるスペースがより広く確保できる

しかも、その収納ボックスは持ち運びできるようになっている

シートをフラットな状態にする際に置き場に困ることも多いヘッドレストは、シート下に収納することができる

シートをフラットな状態にする際に置き場に困ることも多いヘッドレストは、シート下に収納することができる

リアドアのポケットには、ペットボトル2本が入るポケットを装備

車内で寝ていると夜中に喉が乾いて目が覚めることが何度もあったのだが、取り出しやすい位置にペットボトルを用意しておくことができ、ありがたかった

車内で食事をとる時に役立ったのが、助手席側にあるインパネボックスのフタ。開くとテーブルとして使うことができるのだ

車体の最後部にシガーソケットがあるのも便利。前席と後席を倒した状態で車中泊する際や、アウトドアで電源が必要な時に使いやすい位置だ

まとめ

実際にひと晩車中泊してみると、外観のコンパクトさとは裏腹にフルフラットにした車内はかなり快適。軽自動車をはじめとするコンパクトな自動車を得意とするスズキらしいスペース効率の妙が感じられた。今回のレビューは夏に行ったので、暑さのせいで少々寝づらい思いもしたが、寝心地は満足できるレベルだ。ただ、やはり軽自動車なので、スペース的には大人2人が寝るのがギリギリといったところ。ハスラーのユーザーはアウトドアアクティビティを楽しむために出かけ、現地で車中泊をするという使い方をする人が多そうだが、アウトドア用品などの荷物があると少々きゅうくつかもしれない。とはいえ、ハスラーは、細く、多少荒れた道でも気にせず入って行ける小回りのよさがある。そんな特性を生かし、気ままに出かけて現地で車中泊するような使い方をしたい車種だ。

夏の暑い日だったので、上にはなにもかけずに寝てしまったが、軽自動車とは思えないほど快適な車中泊が体験できた。車内スペースが広い車種はほかにもあるが、デザインのよさや道を選ばないSUV的な走りで出かけ、現地で車中泊をするならハスラーは最高の選択肢かも

なお、ハスラーには車中泊用のマット「ベッドクッション」がオプションで用意されている。車種専用なので車内スペースにぴったりと収まり、シートの凹凸や背面の硬さもしっかりカバー。また、このほかにも日差しをさえぎるためのシェードや、車内空間を拡張できるアイテムなども揃えられている。

純正オプションの「ベッドクッション」なら、車内サイズぴったりに敷き詰められる。大人2人でも足を伸ばして横になれるので快適だ

フロントとサイドの窓に「フロントプライバシーシェード」、後方の窓に「リアプライバシーシェード」を装着すれば、外からの光をシャットアウトできるほか、外から車内が見えなくできる。今回、車中泊をしていてもっとも気になったのは人の目と日差しだったので、このアイテムを用意すべきだった……

開けたハッチにかぶせることで、テントの前室のようなスペースが作れる「タープキット」もあるとより快適に!

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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