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200万円台で買える「フロンクス」vs「WR-V」乗り心地や走りを比較!

今注目のSUV、スズキ「フロンクス」とホンダ「WR-V」。前回は内外装を比較したが、今回は走りや乗り心地に焦点を当てて、両車を詳しく比較してみよう。

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2025/03/07 17:02

動力性能やエンジンフィールを比較

「フロンクス」のパワートレインは、1.5L直列4気筒ガソリンエンジンにマイルドハイブリッドが組み合わせられている。エンジンは最高出力101PS(6,000rpm)、最大トルク13.8kg-m(4,400rpm)を発揮し、トランスミッションは6速ATだ。通常、2L以下のエンジンにはCVTが用いられることが多いが、「フロンクス」には有段式ATが採用されている。

「フロンクス」のエンジンルーム

「フロンクス」のエンジンルーム

「フロンクス」の動力性能は、1.5Lエンジンとしては平均的だが、車重が1,070kgと軽いため加速力に余裕がある。低回転域でも駆動力がしっかり発揮され、マイルドハイブリッドのモーターアシストも感じられる。アクセルを踏み増すと、4,000rpm超で加速が活発になり、6速ATのメリハリある変速が楽しめる。「フロンクス」は、ATのダイレクト感と粘りのある加速感を両立させている。

「WR-V」の動力性能は、最高出力118PS(6,600rpm)、最大トルク14.5kg-m(4,300rpm)と「フロンクス」よりも高い数値だが、車重が1,230kgと「フロンクス」よりも160kgほど重いため、動力性能はさほど高く感じられない。だが、CVTの採用によってどの速度域でもスムーズな加速が可能で、運転がしやすい。

「WR-V」のエンジンルーム

「WR-V」のエンジンルーム

結論:
「フロンクス」はダイレクト感ある走りを味わえる
「WR-V」はスムーズな加速で運転がしやすい

走行安定性や操舵フィールを比較

「フロンクス」は軽量なボディにより、ステアリング操作に対する反応が機敏で、ワインディングなどの走行が楽しい。

「フロンクス」の走行イメージ

「フロンクス」の走行イメージ

いっぽう、「WR-V」は重いボディと長いホイールベースにより、進行方向の変化はゆるやかだが後輪の接地性が高く、直進安定性が高い。

「WR-V」の走行イメージ

「WR-V」の走行イメージ

結論:
「フロンクス」は街中やワインディングの走行に適している
「WR-V」は高速道路などの長距離巡航が得意

乗り心地を比較

乗り心地は両車ともに満足できるレベルだが、「WR-V」は路面の凹凸を伝えにくい。「フロンクス」は前席にボリュームがあって座り心地がよく、シートが乗り心地を向上させている。

「フロンクス」のフロントシート

「フロンクス」のフロントシート

「WR-V」のフロントシート

「WR-V」のフロントシート

結論:
乗り心地はどちらも快適

運転支援機能や快適装備を比較

衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能は両車とも標準装備だが、「フロンクス」の機能がより先進的だ。「フロンクス」は、電動パーキングブレーキを搭載し、運転支援機能が全車速追従型になっている。

「フロンクス」には電動パーキングブレーキが採用されている

「フロンクス」には電動パーキングブレーキが採用されている

いっぽう、「WR-V」はレバー式のパーキングブレーキで、運転支援機能は時速25km以下で解除される。

また、「フロンクス」には後方の並走車両を検知して知らせる「ブラインドスポットモニター」やインパネ上側の高い位置に各種の情報を表示する「ヘッドアップディスプレイ」、「前席シートヒーター」、さらにコンパクトSUVの大半がオプション設定にする「全方位モニター付きメモリーナビ」などを標準装着した。装備の充実度は「フロンクス」が勝っている。

「フロンクス」のヘッドアップディスプレイ

「フロンクス」のヘッドアップディスプレイ

結論:
運転支援機能や快適装備は「フロンクス」が勝る

燃費性能を比較

WLTCモード燃費を2WD同士で比較すると、「フロンクス」は19.0km/L、「WR-V」は16.2km/Lだ。「フロンクス」は、軽量なボディとマイルドハイブリッドによって燃費性能がすぐれている。

「フロンクス」の走行イメージ

「フロンクス」の走行イメージ

「WR-V」の走行イメージ

「WR-V」の走行イメージ

結論:
燃費は「フロンクス」のほうがよい

価格や納期を比較

「フロンクス」の2WDの価格は254万1,000円。「WR-V」は、2025年3月6日に改良されたのだが、価格が明らかになっていないグレードがある。価格が公表されているグレードのうち、売れ筋の仕様は特別仕様車のZ+ブラックスタイルで、価格は258万6,000円だ。その次に人気の高いZブラックスタイルは248万3,800円になる。

「フロンクス」は機能と装備が充実しており、お得感がある。「WR-V」は広い後席と荷室が特徴で、実用性が高い。納期は、「フロンクス」が約6か月、「WR-V」のブラックスタイルが2〜3か月である。

総合評価と推奨ユーザー

「フロンクス」(左)と「WR-V」(右)

「フロンクス」(左)と「WR-V」(右)

「フロンクス」は全長4m以下で、立体駐車場を利用しやすい全高なので、都市部に住むユーザーに適するコンパクトなサイズが特徴である。さらに、内装が上質でシートの座り心地も快適なので、プレミアム感を求めるユーザーに向いており、燃費性能にすぐれ装備を充実させて価格は抑えられているので買い得度も高い。

「WR-V」は、コンパクトSUVでありながら後席や荷室がとても広いので、ファミリーカーとしての利用に適している。昨今は、コンパクトワゴンの車種数が減っているので、その代替としても活用できるだろう。さらに、悪路を走破するSUVの雰囲気も漂わせているので、SUVならではの存在感を求めるユーザーにも推奨できるクルマだ。

(写真:島村栄二)

渡辺陽一郎
Writer
渡辺陽一郎
「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト
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桜庭智之(編集部)
Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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