「価格.comプロダクトアワード2016」連動企画

アワード受賞製品から2016年のトレンドを振り返る(自動車編)

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去る2016年12月1日、その年、ユーザーにもっとも支持された製品を選出する「価格.comプロダクトアワード2016」の結果が発表された。本企画では、当アワードにて、各カテゴリーごとの賞を受賞した製品に着目。その製品のどういった部分がユーザーから高く支持されたのか、その理由を綿密に探りつつ、今年2016年のトレンドを振り返っていく。連載最後となる第5回は「自動車編」だ(計5回連載)。

【自動車部門】走り重視のクルマ人気がややなりを潜め、堅実路線の車種が満足度を上げた1年

今年のプロダクトアワードの自動車部門(自動車本体)は、かなり意外な車種が上位に選出された。金賞=プロダクト大賞は、ホンダの「オデッセイ ハイブリッド」、銀賞はトヨタ「プリウス(4代目)」、銅賞はスズキ「アルトワークス」という顔ぶれだが、正直、久々のモデルチェンジとして注目を集めた「4代目プリウス」以外は、さほど注目されていた車種ではなかったからだ。「価格.comプロダクトアワード」は、決してその年売れた製品や、注目された製品ばかりが選ばれるわけではないのがユニークなところだが、それにしても、意外な結果になったという印象がある。

まず、ここ数年のプロダクトアワードで、根強い人気を誇ってきた「走り重視」、あるいは「デザイン重視」という車種が受賞していない。昨年2015年はマツダ「CX-3」が金賞を受賞、スバル「エクシーガ クロスオーバー7」が銀賞を受賞しており、一昨年2014年はスバル「レヴォーグ」が銀賞を受賞しているが、こうしたマツダ、スバルといった走り重視の車種がひとつも名前を連ねていない。また、一昨年に金賞を受賞したスズキ「ハスラー」のような、遊び心たっぷりの車種もない。銅賞に入ったスズキ「アルトワークス」は幾分そうしたテイストを持った車ではあるが、いかんせん軽自動車であり、注目度としてもさほど高いわけではなかった。

スズキ「アルトワークス」

スズキ「アルトワークス」


ただ、1年を通して人気ランキングなどを見ていても、こうした走りやデザインに注力した「遊びのあるクルマ」は、今年はややなりを潜めた感がある。これとは対照的に、人気が再燃してきたのが、いわゆる「ミニバン」、それも、トヨタ「ヴェルファイア」や「アルファード」に代表されるような比較的高級なミニバンだった。広い室内空間と高級なシート、使い勝手のいいインテリアのユーティリティ性能といった、高級ミニバン特有の特徴に加え、最新の安全性能と、ここ数年で醸成されてきた「走りへのこだわり」の部分も取り込んで、「実用的でありながらも結構走る」という車種が増えてきたのが、その人気の根幹にある。こうしたトレンドの中で、今年もっとも評価されたのが、ホンダの「オデッセイ ハイブリッド」だったというわけだ。

ホンダ「オデッセイ ハイブリッド」

ホンダ「オデッセイ ハイブリッド」


「オデッセイ ハイブリッド」は、名前の通り、ハイブリッドシステムを基幹に備えるミニバンだが、一般的なハイブリッドシステムのように、モーターがガソリンエンジンをアシストするというものではなく、基本的にはモーターで走りながら、ガソリンエンジンは基本的に発電用に使うという仕組みを採用している。つまり基本的にはEV(電気自動車)の体裁で、EVではなしえない長距離後続を可能にしたというクルマなのだ。この新設計のハイブリッドエンジンは、非常にトルクフルで静粛性に富み、乗り心地もいい。もちろん燃費はいいし、さらには、従来型ハイブリッドシステムよりもバッテリーを小型化できるため、室内空間も広々取れるというメリットもある。こうした点がすべてハマったのが、本車種の魅力につながった。

ちなみに、この「基本モーター+発電用のガソリンエンジン」という新型ハイブリッドシステムは、先日発売された日産「ノート e-Power」でも採用されており、こちらも発売からいきなりの人気を博している。来年は、この手の新型ハイブリッドカーが市場を席巻するかもしれない。

トヨタ「プリウス(4代目)」

トヨタ「プリウス(4代目)」


なお、銀賞を受賞したトヨタ「プリウス(4代目)」は、今期の自動車市場ではかなりの注目車種で、昨年12月の発売以来、順調なセールスを続けている。従来「プリウス」といえば、とにかく燃費性能だけで語られることが多かったが、この4代目では、新型プラットフォーム「TNGA」の採用などにより、剛性感がグンと引き上げられ、かなりカッチリした乗り心地のクルマになっている。最新の安全装備も搭載され、従来よりも安心感が高まったのが、ユーザーの高評価につながった。

このように、ここ数年の「操る楽しさ」を標榜するクルマから一転して、実用性に富み、安心感のあるクルマが再び人気となったのが、今年2016年の自動車市場の大きな空気感であった。もちろん、走りなどの楽しさを重視するクルマも、今年後半から来年前半にかけて、次々とリリースされてきており、来年の自動車市場がどのような動きになるのか、楽しみである。

【カー用品部門】カーナビは画面が大型化。ドラレコの人気が上昇した1年

カー用品部門では、「カーナビ」「タイヤ」「ドライブレコーダー」の3カテゴリーで、受賞製品が選出されているが、そのうちプロダクト大賞となったのは、「ドライブレコーダー」カテゴリー金賞のケンウッド「DRV-610」だった。

ケンウッド「DRV-610」

ケンウッド「DRV-610」


振り返ってみると、今年2016年は、ドライブレコーダーの認知が徐々に高まり、同市場が活気づいた1年だった。専用オプションや、カーナビオプションも含めて、さまざまな製品が登場したが、その中でも、もっとも評価の高かった「DRV-610」は、3月の発売開始以来、ほぼずっと同カテゴリーの売れ筋ランキングでは首位をキープしてきた製品であり、人気も評価もどちらも高い製品となった。最大の特徴は、フルHDを超える2304×1296という高解像度と、ワイドダイナミックレンジ機能を備えたカメラ性能。画面もキレイと高評価で、トータルでの満足度が高い製品となった。

アルパイン「ビッグX 11 EX11V-VE-B」

アルパイン「ビッグX 11 EX11V-VE-B」


また、「カーナビ」カテゴリーでは、アルパインの「ビッグX」シリーズが、金賞、銀賞のダブル受賞という快挙となった。「ビッグX」シリーズは、その名の通り、画面サイズが大きいのが特徴で、さまざまな車種用に用意された取り付けキットを使うことで、違和感なくキレイにカーナビを大画面化できる点で人気がある。今回のアワードで金賞を受賞した「ビッグX 11 EX11V-VE-B」は11インチ、銀賞を受賞した「ビッグX X9S-PR2」は9インチと、一般的な2DINカーナビの画面サイズである7インチよりもひと回り大きくなることで、画面自体が見やすく操作もしやすい点が、多くのユーザーに高く支持された。このように、最近のカーナビでは、大画面化がひとつのトレンドとなっており、各メーカーも、「ビッグX」シリーズのような大画面化キットを発売するに至っているが、この分野ではパイオニアとなる「ビッグX」シリーズにはすでに大きなアドバンテージがあり、この優位性はしばらく揺らぐことがなさそうだ。

ブリヂストン「REGNO GR-Leggera 165/55R15 75V」

ブリヂストン「REGNO GR-Leggera 165/55R15 75V」


最後に「タイヤ」カテゴリーだが、こちらはブリヂストンの「REGNO GR-Leggera」シリーズが金賞、銀賞のダブル受賞となった。本シリーズは、軽自動車用に特化して作られたエコノミータイヤであるが、軽自動車ではより気になるロードノイズを抑制する独自の技術が用いられており、実際に使用したユーザーからは「静粛性・乗り心地ともにはっきりわかるほど向上した」との声が多数寄せられた。元々「REGNO」シリーズは、そのパフォーマンスから評価の高いタイヤブランドであるが、同ブランド初の軽自動車専用タイヤは、予想の上を行くパフォーマンスをもたらしてくれたと言ってよさそうだ。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.3.27 更新
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