特別企画

古い緑茶の葉を「ウマいほうじ茶」にリメイクする方法をプロに教わった

近年人気上昇中のほうじ茶。香ばしい香りがクセになりますよね。実は緑茶の葉を使って、自分でおいしいほうじ茶が作れるのをご存じですか(香りや味わいが薄れてしまった茶葉でもOK)。日本茶専門店で“焙(ほう)じ方”のコツを聞き、実際に自宅でも楽しんでみました

近年人気上昇中のほうじ茶。香ばしい香りがクセになりますよね。実は緑茶の葉を使って、自分でおいしいほうじ茶が作れるのをご存じですか(香りや味わいが薄れてしまった茶葉でもOK)。日本茶専門店で“焙(ほう)じ方”のコツを聞き、実際に自宅でも楽しんでみました

ここ数年、カフェチェーンなどで「加賀棒茶ラテ」や「ほうじ茶ティーラテ」といった、ほうじ茶ベースのメニューをよく見かけるような気がしませんか? カフェ以外でも、飲料メーカー各社からほうじ茶のペットボトルが販売されていたり、アイスやプリンなどのスイーツでもほうじ茶フレーバーをよく見かけたりと、ちょっとした“ほうじ茶ブーム”と言ってよい状態が続いているようです。

かく言う筆者も、元々熱烈なコーヒー派だったものの、妻が出産・育児のタイミングでコーヒー代わりにほうじ茶を飲むようになったのにつき合ってちょくちょく飲むようになると、その独特の香ばしさがすっかりお気に入りに。今では、仕事のお伴のドリンクや、カフェで頼むメニューの選択肢として定着しています。

筆者の祖母は自分でほうじ茶を作っていたらしい

先日、そんな“ほうじ茶熱”について実家で何気なく母親に話したところ、「そういえば、昔おばあちゃん(筆者の祖母)が、古くなった緑茶の葉を自分で焙じてほうじ茶を作っていて、その時のよい香りをよく覚えているわね」などと言うではありませんか!

残念ながら筆者は祖母のその姿は覚えていないものの、ほうじ茶が自分で作れるのはちょっと面白そうだし、何より「作っているときのよい香り」は気になります。しかも、時間が経って香りや味わいが薄れてしまった茶葉をほうじ茶にリメイクできるというのは、普段マネー編集者としておトクや節約を追求する記事を作っている筆者にとって刺さるものがあります……。

というわけで、今回は、日本茶のプロに「ほうじ茶の正しい焙じ方」を教わり、自宅で「ほうじ茶リメイク」を楽しんでみました。

今回、「ほうじ茶リメイク」の方法を教えてくれたのは、東京都立川市の日本茶専門店「狭山園」3代目店主の池谷(いけや)香代子さん(上写真)。日本茶インストラクター協会認定の日本茶インストラクターとして、「ほうじ茶の作り方」を始めとする日本茶のさまざまな楽しみ方を伝える講座やイベントを国内外で開催されています。https://sayamaen-japanesetea.com

今回、「ほうじ茶リメイク」の方法を教えてくれたのは、東京都立川市の日本茶専門店「狭山園」3代目店主の池谷(いけや)香代子さん(上写真)。日本茶インストラクター協会認定の日本茶インストラクターとして、「ほうじ茶の作り方」を始めとする日本茶のさまざまな楽しみ方を伝える講座やイベントを国内外で開催されています。https://sayamaen-japanesetea.com

ほうじ茶を自分で作るのに必要なもの

まず、池谷さんが「必要な道具はこれだけでOKです」と教えてくれたのが、急須の形にちょっと似たこの道具。

焙烙(ほうろく・ほうらく)

焙じるときは茶葉を焦がさないように常にゆすり続けるのですが、口が狭くなっている焙烙は、ゆする際に茶葉が飛び散りにくい形状を採用しています

焙じるときは茶葉を焦がさないように常にゆすり続けるのですが、口が狭くなっている焙烙は、ゆする際に茶葉が飛び散りにくい形状を採用しています

「焙烙(ほうろく・ほうらく)」は、素焼きの土鍋の一種で、茶葉を焙じたり、ごま、銀杏、豆などの食材を炒(い)ったりするのに使う伝統的な道具です。

見た目からややハードルが高そうな印象を受けるかもしれませんが、昔からごく普通に一般家庭で使われてきたもので2,000〜3,000円台で手に入ります。なお、詳しくは後述しますが、ご自宅にあるフライパンやホットプレートなどでも代用は可能です。

続いて、材料はこちら。

緑茶の葉(今回は茎茶を使用)

茎(くき)茶は、煎茶を作る際、煎茶を加工する際に選別されて茎だけを寄り集めたもので、「出物(でもの)」とも呼ばれ、価格的にも比較的安いお茶に分類されます

茎(くき)茶は、煎茶を作る際、煎茶を加工する際に選別されて茎だけを寄り集めたもので、「出物(でもの)」とも呼ばれ、価格的にも比較的安いお茶に分類されます

池谷さんによると、ほうじ茶にリメイクするのはどんな緑茶の葉でも大丈夫とのこと(香りや味わいが薄れてしまった茶葉でも)。ただし、自分で焙じる場合は焦げが大敵(ここは次章の「作り方」で解説します)。その意味で、細かい葉が多い深蒸し煎茶や粉茶などを使うと、思いのほか早く焦げてしまい、初心者が焙じるのは意外と難しいそうです。

その点、茶の茎の部分で作る茎茶の場合、茎に含有される水分量が多いことから比較的ゆっくりと火が通るため、加減を見ながら焙じられて初心者にもおすすめとのこと。使う量はひとり分5gが目安です。

ほうじ茶リメイクの3つのコツ

後は、焙烙に茶葉を入れてしばらく火にかけるだけでよいそうですが、焙じ方にはちょっとしたコツがあるとのこと。池谷さんは次の3つを教えてくれました。

【コツ1】焙烙は事前に十分加熱しておく

冷たい状態の焙烙に茶葉を入れ、後から加熱しても、茶葉がうまく焙じられずなかなか色が付かないそうです。そのため、茶葉を焙じ始める前に焙烙を十分に加熱しておくのが最初のポイントになります。火から離した焙烙に手を近づけて熱を感じるくらいが目安で、この状態で茶葉を入れると、比較的すぐに煙が出てきます。この煙が、茶葉が焙じられている証です。

コンロの火加減は弱火〜中火ぐらいで。なお、焙烙はIHコンロでは使えないのでご注意を

コンロの火加減は弱火〜中火ぐらいで。なお、焙烙はIHコンロでは使えないのでご注意を

【コツ2】上下左右に揺らしながら焙じる

茶葉を焙烙に入れた後は、焦げを防ぐために焙烙を左右や上下に揺らしながら焙じ続けるのが鉄則。また、中華鍋でチャーハンを作るようなイメージで、茶葉を焙烙の上の縁(ふち)のあたりまで動かすと、茶葉によい具合に空気が含まれて焦げを防げるとのことです。しばらく焙烙を揺らし続けると、煙に乗ったほうじ茶特有のよい香りが漂ってきます。

基本的に、焙じている間は焙烙を動かし続けます

基本的に、焙じている間は焙烙を動かし続けます

【コツ3】色が変わり始めてからは短時間勝負

先ほども書きましたが、自分でほうじ茶を焙じる場合、茶葉が焦げるのを防ぐことが重要です。池谷さんによると、茶葉が少しでも焦げてしまうと、飲んだときの味がその焦げに支配されてしまって、せっかくのほうじ茶本来の味が楽しめなくなってしまうそうです。

初心者であれば、まずは40秒から1分ぐらいの“浅炒り”を目安にするのがおすすめ(時間は室温や湿度によって変わります)。茶葉の色が変わり始めると、そこから焦げるまでは意外と短いため、火を止めて余熱で仕上げてもよいそうです。

最初は平たかった茎茶の茎が、水分が抜けてぷっくりと膨らんでくるくらいが、浅炒りの焙じ上がりの合図

最初は平たかった茎茶の茎が、水分が抜けてぷっくりと膨らんでくるくらいが、浅炒りの焙じ上がりの合図

左が焙じる前。右が焙じ上がった状態の茶葉です。全体にうっすらと茶色が付き、茎も膨らんでいます

左が焙じる前。右が焙じ上がった状態の茶葉です。全体にうっすらと茶色が付き、茎も膨らんでいます

“香ばしさ”と“爽やかさ”が同居するおいしさ!

さっそく、できたてのほうじ茶をいただきますが、ほうじ茶には淹れ方にもコツがあるようです。

「ほうじ茶は香りを楽しむお茶です。普通の緑茶は60〜70度まで冷ましたお湯でじっくりと出しますが、ほうじ茶の場合は、沸かしたてのできるだけ熱いお湯でさっと出して、立ち上る蒸気に含まれる香りを楽しむとよいですよ」(池谷さん)

熱々のお湯でさっと淹れるのがコツ

熱々のお湯でさっと淹れるのがコツ

見事な黄金色! おいしそうな手作りほうじ茶が完成しました

見事な黄金色! おいしそうな手作りほうじ茶が完成しました

焙じたてのほうじ茶でまず印象的なのが香り。とにかく立体的で力強い! それでいて、筆者がこれまで飲んできた市販の茶葉で淹れたほうじ茶と比べると、角がなくまるみのある香りです。味は、ほうじ茶本来の香ばしさをしっかりと感じつつ、ほどよい“緑茶感”の爽やかさが残っていて、それらが絶妙に合わさったオリジナルなおいしさだと感じました。そして、飲み終わりの際に鼻を抜けていく豊かな香りもクセになりそうです。

「今回は、焙じる時間の短い“浅炒り”で作ったので、ほうじ茶の香り成分である『ピラジン』の香りのよさが引き立ち、さっぱりした味に仕上がったと思います。焙じ方には正解はないので、たとえばもっとコクが欲しい場合は、焦げに注意しながら焙じる時間を延ばして“深炒り”で楽しむのもアリです。色々と試して好みの味を探してみてください!」(池谷さん)

焙烙を持っていない場合は?

ちなみに、家に焙烙がない場合でも、フライパンやホットプレートで代用できるそうです。その場合は、焦げを防ぐために、テフロン加工の有無に関係なくクッキングシート上で焙じます。焙烙のように大きく茶葉を揺らし続けるのは難しいので、菜箸などで茶葉を動かし続けるのがうまく焙じるコツです。

ただし、フライパンなどを使う場合は、フライパンにこびりついている食材のにおいが茶葉に移りやすく、飲んだ際に気になってしまう場合が多いそうなので、あらかじめしっかりと洗ってから焙じたほうがよさそうです。

茶葉を箸で動かして焦げないように注意を

茶葉を箸で動かして焦げないように注意を

ほうじ茶は”普段使い”から“嗜好品”へ

おいしいほうじ茶をいただきながら、筆者があまり知らなかった、ほうじ茶そのものについても池谷さんにお話をうかがいました。 そもそもほうじ茶ってどんなお茶なんでしょうか?

「ほうじ茶は文字どおり、緑茶を焙じて作るお茶です。お茶の世界では、いわゆる新茶(一番茶)と呼ばれるその年で最初に収穫されるお茶がいちばんおいしいお茶として重宝され、その後に収穫される二番茶、三番茶……と呼ばれるお茶はやや低く扱われてきました。ほうじ茶は、こうした二番茶以降の葉や、煎茶を作る際に選別される茎などを使って作られるお茶で、緑茶の一種ではあるものの、お客様に出したり贈り物にしたりするお茶ではなく、あくまでも自分でご飯のお供にするというような“普段使いのお茶”として親しまれてきたお茶なんです」(池谷さん)

ほうじ茶は、まさに庶民のためのお茶だったわけですね!

「ただ最近は、香りのよさやカフェインが少ない(※)といった点、クセが少なくてアレンジがしやすいといった点などが評価され、ほうじ茶そのものの人気が高まっています。それにともなってほうじ茶の世界も多様化していて、あえて高級な一番茶で作ったほうじ茶なども出てきています。また、ご存じのとおりカフェなどのラテやスイーツなども増えていますし、今回のように手作りでオリジナルのほうじ茶を楽しむ人も増えています。その意味で、“普段使いのお茶”から”嗜好品”に変わりつつあって、主体的に楽しむ人が増えている印象です」(池谷さん)

※筆者注:ほうじ茶のカフェイン量は使う材料によって異なります。たとえば、元々ほうじ茶に使われることの多かった番茶はカフェイン含有量が少ないため、ほうじ茶=カフェインが少ない、というイメージが定着していますが、一番茶を使ったほうじ茶の場合はその限りではありません。

写真は、池谷さんおすすめのほうじ茶アレンジのひとつ“スパイシーほうじ茶”。筆者もいただきましたが、スパイスとほうじ茶の相性がよく、アジアのどこかの国で飲んでいるようなオリエンタルな気分に浸れます。まさにほうじ茶の多様化を実感させる楽しみ方ですよね

写真は、池谷さんおすすめのほうじ茶アレンジのひとつ“スパイシーほうじ茶”。筆者もいただきましたが、スパイスとほうじ茶の相性がよく、アジアのどこかの国で飲んでいるようなオリエンタルな気分に浸れます。まさにほうじ茶の多様化を実感させる楽しみ方ですよね

スパイシーほうじ茶の作り方
・材料は、ほうじ茶と、シナモン、クローブ、黒コショウ。
・焙じたほうじ茶に、クローブ、シナモン、黒コショウを加えて少し混ぜる。
・後は普通どおりにお湯を入れて出すだけ。お好みでミルクを加えてもOK。

家で「ほうじ茶リメイク」を試してみた!

池谷さんに作り方を教わって“ほうじ茶熱”が高まった筆者。せっかくなので自宅でも「ほうじ茶リメイク」を楽しんでみました。

「狭山園」さんではおいしい浅炒りのほうじ茶をいただいたので、自宅ではちょうどよい具合の深炒りを目指し、それを使ってほうじ茶ラテを作りたいと思います。

「狭山園」さんではおいしい浅炒りのほうじ茶をいただいたので、自宅ではちょうどよい具合の深炒りを目指し、それを使ってほうじ茶ラテを作りたいと思います。

まずは浅炒りをおさらい

焙じる時間は室温や湿度で変わるとのことだったので、まずは、我が家の環境で、「狭山園」さんでいただいたような浅炒りのほうじ茶を作ってみます。

焙烙を揺らすこと40秒ぐらいでよい具合の浅炒りに

焙烙を揺らすこと40秒ぐらいでよい具合の浅炒りに

仕上がり具合はこんな感じ。味も悪くありません。我が家のコンロの火力が強いのか、気持ち、「狭山園」さんの時よりも早く焙じ上がった気がするので、それを念頭に深煎りにチャレンジしてみます

仕上がり具合はこんな感じ。味も悪くありません。我が家のコンロの火力が強いのか、気持ち、「狭山園」さんの時よりも早く焙じ上がった気がするので、それを念頭に深煎りにチャレンジしてみます

深炒りは何分が正解か?

続いて、深炒りです。池谷さんからは「40秒〜1分くらいが浅炒りの目安」とうかがっていたので、やはりそれ以上は焙じたほうがよいだろうということで、まずはあえて時間を決めて2分間焙じてみます。

40秒ぐらいまではさきほどの浅炒りと同じ。それを過ぎると、どんどん色が茶色に変わっていき、すでにちらほらと焦げている部分も……

40秒ぐらいまではさきほどの浅炒りと同じ。それを過ぎると、どんどん色が茶色に変わっていき、すでにちらほらと焦げている部分も……

それでも構わず2分間焙じた結果がこちらの写真。明らかに茶葉が焦げてしまっています

それでも構わず2分間焙じた結果がこちらの写真。明らかに茶葉が焦げてしまっています

お茶を淹れてみると色の差は歴然。手前が浅炒りで、後方が“焦げほうじ茶”です

お茶を淹れてみると色の差は歴然。手前が浅炒りで、後方が“焦げほうじ茶”です

“焦げほうじ茶”を口に含んだ瞬間は、「あれ? 意外とイケるかも」と感じるものの、すぐに焦げの味が追いかけてきて、次第にそればかりが気になってしまう状態に。よくよく舌で味を確かめてみても、香りが飛んでしまっているのか、ほうじ茶らしさが感じられず非常に味気なく感じられます。正直これは大失敗です。

やはり、焙じる時間を決めるより、茶葉の状態を見ながら焙じるのが、好みの味への近道のようです。ということで、次は「まず40秒程度焙じる。その後は様子を見ながら、色が濃くなってきたと感じたところで火を止め、余熱で仕上げる」ことに。

そうやってできたのがこちら。時間にすると焙じた時間は1分弱。そこで火を止めて焙烙を動かし続けて余熱で仕上げました。色的には、浅炒りより少し濃いめに。若干火が入りすぎた葉もあるかも?ですが、今回はぎりぎり許容範囲ということにしました

そうやってできたのがこちら。時間にすると焙じた時間は1分弱。そこで火を止めて焙烙を動かし続けて余熱で仕上げました。色的には、浅炒りより少し濃いめに。若干火が入りすぎた葉もあるかも?ですが、今回はぎりぎり許容範囲ということにしました

飲んでみると、浅炒りの時に残っていたほのかな“緑茶感”が消えて、より香ばしさが際立つ味に。コクも増して、肉料理などによく合いそうなほうじ茶に仕上がりました

飲んでみると、浅炒りの時に残っていたほのかな“緑茶感”が消えて、より香ばしさが際立つ味に。コクも増して、肉料理などによく合いそうなほうじ茶に仕上がりました

ほうじ茶ラテも作ってみた

ひとまず、これを筆者の深炒りほうじ茶の完成系として、この茶葉で最終目標のほうじ茶ラテを作ってみます。池谷さんに教えていただいたほうじ茶ラテのレシピがこちら。筆者はここに少しアレンジをきかせて、牛乳をミルクフォーマーで泡立ててから入れてみます。

ほうじ茶ラテの作り方
・ひとり分約200mL材料は、ほうじ茶6g、熱湯60mL、牛乳140mL(豆乳や濃いめの牛乳で作るのも可)。
・好みの焙じ方でほうじ茶を作り、60mlのお湯で約3分、濃いめに抽出する。
・そこに温めた牛乳を加えてできあがり。

(写真左上から時計回りに)先ほど作った深炒りを60mLと少なめのお湯で3分間じっくり抽出→この間に、温めた牛乳をミルクフォーマーで泡立てておきます→)濃いめに淹れたほうじ茶に……→泡立てた牛乳を注げば完成!

(写真左上から時計回りに)先ほど作った深炒りを60mLと少なめのお湯で3分間じっくり抽出 → この間に、温めた牛乳をミルクフォーマーで泡立てておきます → 濃いめに淹れたほうじ茶に…… → 泡立てた牛乳を注げば完成!

というわけで、できあがった自家製ほうじ茶ラテがこちら。40代のおじさんが作った割に女子力高めの絵面となりましたが、はたしてそのお味は?

というわけで、できあがった自家製ほうじ茶ラテがこちら。40代のおじさんが作った割に女子力高めの絵面となりましたが、はたしてそのお味は? ※写真を見て後で気づいたのですが、牛乳を入れた後もう少しかくはんして、最後に牛乳の泡をいれたほうがよかったかも? 次回以降の課題にしたいと思います

う〜ん、手前みそですがこれはちょっとレベルが高い気がします。濃いめに淹れたほうじ茶のコクや香ばしさと、牛乳のクリーミーさが調和して、とても上品な仕上がりです。特に砂糖は入れていないのですがほのかな甘さも感じられ、原稿書きに疲れた頭と体にしみわたり、ほっとします。

また、特によかったのが、飲み込んだ後に鼻を通る香りの爽やかさです。深炒りをそのまま淹れて飲んだときにはさほど意識していなかったのですが、こうしてラテで飲んでみると、ほうじ茶の香りの爽やかさが牛乳のまろやかさの後から追いかけてくる感じがしてより強く印象に残ります。

いずれにせよ、満足度の高い一杯だったことは間違いなく、試飲につき合ってくれた妻の反応も上々。寒くなるこれからの季節、我が家のティータイムにちょくちょく登場しそうな予感がします!

まとめ:ほうじ茶には自分でアレンジする楽しみがある

緑茶を焙烙やフライパンで焙じるだけでOK。「ほうじ茶リメイク」の原理は実にシンプルです。でも、実際にやってみると、ちょっとした焙じる時間の違いで味や風味が変化する面白さがあると感じました。

今回取材した池谷さんは、煎茶のようにプロがブレンドした“完成したお茶”と異なり、味がシンプルなほうじ茶はアレンジするのが楽しいお茶だと話します。実際、焙じる際にハーブを混ぜたりする人もいるとのことで、その人の好みでどこまでもこだわれる奥深い世界が広がっていそうです。単に、香りが好みという理由で市販のものを飲んでいた筆者も、今回の体験を通じて、ほうじ茶の見え方が変わり、その奥深い世界の入り口ぐらいには立てた気がします。

少し手間はかかるかもしれませんが、その分、できたてのおいしさや香りは格別! 秋になり、急に気温が下がる日も増えてきました。「ほうじ茶リメイク」でほっとひと息ついてみてはいかがでしょうか?

写真(店内):富本真之

野 洋介(編集部)
Writer / Editor
野 洋介(編集部)
書籍や月刊マネー誌の編集者を経て価格.comマネー編集部。“世界3大投資家のひとり”を含む投資家、専門家、経営者、副業実践者などへの取材経験豊富。名字の読みは「の」。ルーツは北陸(らしいです)。
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