2017年5月19日、バンダイナムコエンターテインメント(以下、バンナム)とドリコムは共同出資による新会社「BXD(ビーエックスディー)」を同年の8月3日付で設立することを発表していたが、5月25日に早くもBXDで展開されるゲームタイトルが発表された。
気になるタイトルは、「ドラゴンボールZ 新作」「ファミスタ 新作」「アイドルマスター 新作」の3タイトル。これらは、2018年春のサービス開始時から配信が予定されている。また、BXDが提供する上記3タイトルは、全てスマホ対応のブラウザーゲームとなる。
BXDが2018年春に発売する「ドラゴンボールZ 新作」。このほかに「ファミスタ 新作」「アイドルマスター 新作」の3タイトルが、いずれもブラウザーゲームとして配信される
なぜ、いまブラウザーゲームなのか。25日に開かれたBXD 新会社設立にともなう発表会において、ドリコム 代表取締役社長の内藤裕紀氏は、「いまのゲーム市場に、もし“大きな変化”があるとしたら、再度ブラウザーゲームのマーケットが立ち上がってくるのではないか」と話す。
(左)バンダイナムコエンターテインメント 代表取締役社長 大下聡氏/(中央)BXD代表取締役社長(現バンダイナムコエンターテインメント NE事業部 第2プロダクション ゼネラルマネージャー)手塚晃司氏/(右)ドリコム 代表取締役社長 内藤裕紀氏
内藤氏によると2年前、バンナムとのゲームマーケットや協業などさまざまな話のなかで、バンナムもHTML5を中心としたブラウザーゲームの再興の可能性を考え研究を進めていることを知り、意見が一致。
そこから、ドリコムでは今のユーザーはネイティブアプリに慣れていることから、まずはHTML5でネイティブアプリにどこまで近づけるかの実験を進め、2016年夏にはネイティブアプリで提供している体験とほぼ同等のことを、HTML5で実現することができたという。
そして、本格的にプラットフォームの開発や初期タイトルなどを検討していくなかで、ゲームのみならず、エンターテインメントのプラットフォームとしてさまざまな可能性があることから、業務提携ではなくジョイントベンチャーを立ち上げたとする。
バンダイナムコエンターテインメント 代表取締役社長の大下聡氏は、「我々、バンダイナムコエンターテインメントは、キャラクターマーチャンダイジング(CMD)におけるパワーがあり、ドリコムさんはなんと言ってもHTML5という素晴らしい技術を保有している。この掛け合わせで、リアルとデジタルを繋ぐ新たなエンターテインメントの体験を世の中に提供したいと思っております」と語る。
バンダイナムコエンターテインメントでは「長年培ったCMDのノウハウや安定運用中の会員基盤」、ドリコムでは「多くのIPタイトルのヒット作やHTML5の技術開発力」、BXDではこの両社の強みを融合して新たなエンターテインメントを提供していくと説明する
また、BXDの代表取締役社長に就任する(現バンダイナムコエンターテインメント NE事業部 第2プロダクション ゼネラルマネージャー)手塚晃司氏によると、2018年春のサービス開始時には、3タイトルの発売だけでなく同タイトルに連動する商品の発売も予定しているという。詳細については検討中として明かされなかったが、シリアルコードや位置情報など日常生活に関わってくるものになる、と話す。
来年春には3タイトルのリリースだけでなく、タイトル連動商品の発売やサードパーティからのタイトルリリースの計画も進めているという
さらに手塚氏は、サードパーティからのタイトルリリースも計画中とし、すでに数社と話を進めているという。
単なるブラウザーゲームに留まらず、タイトルから派生するあらゆるサービスの可能性を秘めている今回の発表。来年春のローンチを楽しみに待ちたい。