“スマホゲーム”に押され気味の携帯ゲーム機だが、スピード感あふれるアクションゲームや圧倒的なグラフィック&ストーリーからなるRPGなどは、やはりゲーム機じゃないと物足りない! そんな筆者は、「ニンテンドー3DS」と初代「PlayStation Vita(PCH-1000シリーズ)」を持っている(そして、スマホゲームやPCゲームでも遊ぶ)。毎日ゲームをする時間はないけれど、予定のない休日は「ニンテンドー3DS」で「とびだせ どうぶつの森」、「PlayStation Vita」で「プレイステーション」時代の懐かしのゲームをしたりと、いろいろなゲームをちょっとずつ遊ぶプレイスタイルで過ごす。
このように、ゲーマーというほどやり込みもせず、軽く遊んでいるレベルの筆者だが、量販店で見かけた新型の「PlayStation Vita(PCH-2000シリーズ)」に一目ぼれ。6種類のカラーバリエーションが用意されており、表面と裏面の色が違うというポップさ! 初代「PlayStation Vita (以下、PS Vita)」でもまだ十分使えるのだが……新型のかわいさにヤラれ、その場で購入してしまった。
ちょうど手元に新旧モデルが揃ったことだし、旧型の比較を交えつつ、「PS Vita」をレビューしてみよう。
冒頭で記したように筆者はコアなゲーマーではないのだが、一丁前に初代「PS Vita」には不満があった。何が不満だったのかと言うと、重さ。 約279g(3G/Wi-Fiモデル。Wi-Fiモデルは 約260g)も重量があり、外出時に持って行くか悩ましいところであった。ちなみに、「ニンテンドー3DS」は約230g、「iPhone 5S」は約112gと、携帯する機器の中ではダントツの重さ。その不満だった重量が、新型「PS Vita」では約219gに改良されたのだ。それとともに、厚みも20%減少。薄く軽くなった新型「PS Vita」は、携帯性がぐっと増したと言える。その一方で、ディスプレイが有機ELパネルから液晶パネルに変更された。初代「PS Vita」の表示品質は非常に高かったので、画質や視野角にどれほど差が出るのか気になるところだ。
上記仕様表のオレンジ色の文字のところが、初代との大きな相違点。若干、縦横サイズは増えているものの厚みが3.5mmも減り、軽量化され、バッテリーの持続時間が延びたことがわかる。また、約1GBのメモリーカードが内蔵されているので、「PS Vita」を購入してすぐにゲームを楽しむことが可能(ゲームによっては、別売のメモリーカードが必須のものもあり)。
正面からは初代、新型のサイズに差を感じない(白いボディが新型、黒いボディが初代)
厚みを見ると明らかな差が!
微妙な違いではあるが、新型は「SELECT」「START」ボタンが大きくなり、押しやすくなった
メモリーカードが内蔵されているが、約1GBではすぐに容量がいっぱいになるので、別売のメモリーカードを購入しておくほうがよい。ちなみに、別売のメモリーカードを差し込むと、内蔵メモリーカードは使えなくなる
独自規格のマルチユース端子が廃止され、汎用性の高いマイクロUSB端子を搭載。USBポートを搭載したモバイル電源やパソコンなどからも充電できる
スペックの大きな違いは、軽量、薄型、ディスプレイ、バッテリーの持続性だということがわかった。では、実際に使って、操作性や表示品質を確かめてみよう。
<CHECK1>表示品質
液晶ディスプレイになった新型は、色が浅く、ボヤっとした印象だ。とくに、右の新型に表示されたWebサイトの白い部分が黄色っぽく見えるが、実際はそれほど黄色味は帯びていない。初代に比べるとクリアな白色とは言いがたいが、白色であると言っていいだろう。これらの結果から、色の鮮やかさ、視認性の高さは初代の有機ELディスプレイが圧勝。とは言え、新型も文字が読みづらかったり、プレイ中のゲーム画面が見にくいなど、そういった問題はない
<CHECK2>音
スピーカーは穴の配列が少し違うが、位置がほぼ同じなので仕様は同じかと思われたが、新型のほうが最大音量が格段に大きかった。ボリューム調節は、初代と同じく30段階で行える
<CHECK3>操作性
薄くなったがグリップ感は損なわれておらず、むしろ軽くて快適。「PS Vita」はモーションセンサーを搭載しており、本体自体をコントローラーのように使って、振ったり傾けて操作するプレイがある。そんな動きを要するゲームでは、軽量化された新型のほうが操作性はよい。また、本体背面にあるパッドをタッチして操作する時の手にかかる負担も、劇的に軽減された
初代「PS Vita」を使っている人ならば、まず、何よりも薄さと軽さに感激するだろう。筆者も初めて新型「PS Vita」を手にした時、「か、軽〜い」と片手に「PS Vita」を乗せて、ちょっとスキップしてしまうほどだった。わずか60gの差だが、実際に感じる重さはこれほどまでにも違うのか……。初代「PS Vita」をカバンに入れた時の重さ、プレイしていると疲れてくる手首……。そんな、ちょっとシンドかった思い出がアタマをかすめた。現在、新型「PS Vita」で遊ぶ時は、布団の中でゴロゴロしながら、が筆者の基本スタイル。軽いから、うつ伏せでも仰向けでも横向きでも、どんな体勢でも楽しめてしまう。こういう楽さが、イイ。
薄型化・軽量化と並び、大きな仕様変更となったディスプレイについては、正直、残念。画質は、初代「PS Vita」のほうが断然きれいだ。「PS Vita」のゲームはグラフィックがすばらしいので、その色彩が損なわれてしまうのは勿体ないように感じる。画質を徹底的にこだわる人は不満を感じるかもしれないが、筆者の優先順位は、“軽量・薄型 > 画質”。バッテリーの持続時間も1時間以上増えているので、携帯性を求める人なら新型「PS Vita」を“買って損する”ことはないだろう。もちろん、初めて携帯ゲーム機を持つ人やPSPから「PS Vita」へ乗り換える人にも、うってつけだ。
「PS Vita」では、「プレイステーション」時代のゲームや「PSP」のタイトルも楽しめる。筆者はもっぱら懐かしのゲームをする派なのだが、今回は「PS Vita」ならではの操作感を体感するために、2013年12月5日に発売されたばかりの「Tearaway 〜 はがれた世界の大冒険〜」をプレイ。背面タッチパッドやモーションセンサー、カメラ、マイクを使った操作を初めて体験したところ……、楽し過ぎる! そして、気付けば3時間が過ぎていた。……ヤバイ! “ゲームっ娘”になっちゃうかも!?
<今回プレイしたゲームはこれ!>「Tearaway 〜 はがれた世界の大冒険〜」
紙の世界を冒険するアクション・アドベンチャーゲーム。「PS Vita」の機能をフル活用できる操作が満載
「PS Vita」の機能をフル活用できる操作が満載。本体背面のタッチパッドをタッチすると、ゲーム画面上に指が出てくるアクションがおもしろい。ペーパークラフトのようなキャラクターと世界に引き込まれてしまうこと、間違いなし!
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