クラウド連携で歴代Fenderアンプの音を再現

楽器もIoT!? Fenderの世界初Wi-Fiギターアンプ「MUSTANG GT」がアツい

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1946年の創業以来、世界中のアーティストに愛されてきたギターブランド、Fender(フェンダー)。エリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリクス、リッチー・ブラックモア、カート・コバーンなど、Fenderユーザーの名をあげていくだけでロックの歴史になってしまう。そんなFenderが発表したデジタルギターアンプの新モデル「MUSTANG GT(ムスタング ジーティー)」が、音楽好きの間で話題だ。実際、ギターアンプとして世界で初めてWi-Fiを搭載するなど、“次世代ギターアンプ”とも呼べる魅力的なギミックが満載。その実機がついに日本でも公開されたので、体験してきた。

今年で創業71年を迎えるFenderの歴史の中で、アーティストのステージングを支えるために、ギターやベース開発と同等に注力されてきた事業がアンプ開発だ

世界初、Wi-Fiを搭載するギターアンプ

まずは製品の詳細から見ていこう。「MUSTANG」は、現在のFender製デジタルアンプの中でもっとも売れているというヒットライン。その最新モデルとして登場したMUSTANG GTシリーズ3機種は、ただ従来製品のアップデートで終わらない革新的な機能を備えている。そのキーワードは、「Wi-Fi」「クラウド」「Bluetooth」「スマホアプリ」と、非常に現代的だ。まず大きいのは、ギターアンプとして世界で初めてWi-Fiを搭載すること。これによってPCに接続しなくても、MUSTANG GT単体で、内蔵されるファームウェアのアップデートを行える。

なお、シリーズ3機種の主な違いは、内部に備えるスピーカーユニットの構成。上位モデル「GT200」は12インチ×2、「GT100」は12インチ×1、「GT40」は6.5インチ×2のユニットをそれぞれ搭載する。なお、型番GTの後に続く数字はアンプの出力数を表しており、GT200は200W、GT100は100W、GT40は40Wを確保する。そのほか、Wi-Fiや、後述するプリセットモード、Bluetooth接続などの機能面は3機種とも共通している。

話題のMUSTANG GTシリーズは、3機種をラインアップ。左からGT40、GT200、GT100

本体上面にゲインやリバーブなどのノブを装備。素材を工夫することで、本体の軽量性を高めているのもポイントだ

視認性の高いカラー液晶ディスプレイを備えている。Wi-Fiを搭載しており、単体でネットワークに接続して最新のファームウェアにアップデートすることができる

GT200とGT100には特別デザインのCelestionスピーカーを搭載。楽器のトーンをエンハンスするだけではなく、Bluetooth音声のクオリティも高めるとのこと(写真はGT100の背面)

歴代Fenderアンプのサウンドをモデリング! エフェクター不要で楽しめる

Fenderのアンプ開発は1940年代から続き、「Bassman」や「Twin Reverb」などの人気・定番モデルをラインアップしてきた。最新のMUSTANG GTの中には、これら歴代のFenderギターアンプのサウンドがモデリングされているのも大きな魅力だ。たった1台で、歴代アンプのサウンドを切り替えて鳴らすことができる。

さらに、同社が“スタジオクオリティ”とするエフェクトも入っているので、別途エフェクターがなくてもギター演奏が楽しめるのもポイント。21種類のアンプサウンドと47種類のエフェクトを組み合わせて、さまざまなプリセットを作って本体に登録しておくことが可能だ。

加えて、有名アーティストが実際にステージやスタジオで使用したさまざまなFenderアンプのプリセットモードも用意されており、これらをWi-Fi経由でクラウドからMUSTANG GT本体にダウンロードできる。誰でも簡単に、有名アーティストと同じサウンドを設定してギター演奏できるのは魅力だろう。ヒップホップからメタル、ポップ、ジャズまで、多彩な音楽ジャンルで多くのアーティストに使用されてきたFenderならではの機能だ。

21種類のアンプサウンド(画像上)と47種類のエフェクト(画像下)を搭載

21種類のアンプサウンド(画像上)と47種類のエフェクト(画像下)を搭載

アンプとエフェクターを組み合わせて、さまざまなプリセットを作れる。サウンドの種類は今後増えていく予定とのこと

フェンダーミュージックが開催したプレビューイベントでは、プロギタリストの菰口雄矢さんが登場し、MUSTANG GTのプリセットを使ったサウンドをデモンストレーションした。

プロ目線からも、MUSTANG GTの機能を「現代的で面白い」と語った菰口さん。実際のサウンドについては、ぜひ以下の演奏動画をご覧いただきたい

専用アプリ「FENDER TONE」から操作が行える

もうひとつ大きなポイントは、Bluetoothに対応しており、専用アプリ「FENDER TONE」を使ってスマートフォンからの操作が可能なこと。アプリでは、上述のプリセットやエフェクトの管理、セットリストの作成などが行える。また、自分がMUSTANG GTで作成したプリセットを、アプリを使ってクラウドにアップロードし、他のユーザーとシェアすることもできる。反対に、他のユーザーが作成したプリセットをクラウドから自分のMUSTANG GTにダウンロードして使うことも可能で、Fenderユーザーのコミュニティを広げる新機能となっている。

FENDER TONEは、iOS/Android用に無償配布されているアプリ

FENDER TONEは、iOS/Android用に無償配布されているアプリ

アプリを使用して、簡単にプリセットを作れるのもポイント。もちろん有名アーティストのプリセットもアプリから呼び出してセッティングできる。写真右はデヴィッド・ギルモア『クレイジー・ダイアモンド』のプリセット

Bluetoothスピーカーにもなる! YouTube音声にあわせてギター演奏も

また、Bluetooth経由での音声入力にも対応しており、MUSTANG GTの内蔵スピーカーで音楽再生することもできる。つまり、Bluetoothスピーカーとしても使えるのだ。普通にスマホ内の音楽を楽しむことはもちろん、音楽再生しながらギター演奏をあわせてミキシングして鳴らすこともできる。

たとえば、最近はYouTube上にギター練習用のバッキング音源がたくさん存在する。こういった音声を、スマホからBluetooth経由でMUSTANG GTのスピーカーで再生し、そのサウンドにあわせてギターの練習をするといった使い方ができるわけだ。ギターを始めたばかりのエントリー層でも、指先ひとつでサウンド作りを無限に楽しむことができる。

Bluetoothでオーディオストリーミングを楽しむことも。高品位な内蔵スピーカーでクオリティの高い音を楽しめるようにしている

以下の動画は、Bluetooth再生したYouTubeのバッキング音源にあわせて演奏練習する様子。

そのほか、別売のオプションフットスイッチ(GT200には付属)を使って、ルーパー機能を楽しむことも

これからギターを始める入門者にも、かつてギター少年だった大人にも

上述のクラウド連携やBluetooth機能なども含め、言うなれば“IoT的”な要素を備えるMUSTANG GT。フェンダーミュージック代表 エドワード・コール氏は、「70年のギターアンプ開発によるノウハウ、技術を集結させ、現代のプレイヤーのニーズに合わせた」とコメントした。特に、有名アーティストのプリセットモードに関して可能な限り音の再現性にこだわっていたこともあり、本製品の開発にはトータルで3年ほどの期間を要したという。

エドワード・コール氏

エドワード・コール氏はFenderの製品開発思想について「全てのプレイヤーにとっての理想的なサウンドを作り上げること」と語った

クラウド連携やアプリ操作など、現代だからこそできるアプローチをもって、世界2大ギターブランドのひとつであるFenderがこの製品に取り組んだというのも大きいだろう。同社は以前より、「より多くの人にギターの楽しさを伝えたい」と語っていたが、まさにMUSTANG GTの面白さは、これからギターを始めたいと思う入門者に訴えかけるものだし、いっぽうで、かつてギター少年だった大人がもう1度ギターを手に取りたくなる魅力も備えている。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。あ、90年代アニメも好き。

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2017.8.23 更新
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