レビュー
コスパ最強! ほとんどの銘柄が加熱式タバコに

第4の加熱式タバコ「ヴェポライザー」で、タバコ代は半分以下になる

今年10月にも値上がりが予定されているタバコ。加熱式タバコも例外でなく、「アイコス(IQOS)」のヒートスティックは、1箱460円(税込)から500円(税込)になる。加熱式狙い撃ちと言われる税制変更が元になっているので、「グロー(glo)」や「プルーム・テック(Ploom TECH)」も追随する可能性が高いだろう。

左から、手巻きタバコ用のシャグ2種、中央の黒いデバイスがヴェポライザー「C-VAPOR3.0」、紙巻きタバコのマールボロ、アイコスのヒートスティック、紙巻きタバコのショートホープ

そこで紹介したいのが、最近日本でも注目され初めた「ヴェポライザー」。通常の紙巻きタバコや、手巻きタバコ用の葉をまとめた安価な「シャグ」を加熱式タバコに変えてしまうというデバイスだ。結果として、タバコ代は半額以下となる。今回は、なかでも人気の高い「C-VAPOR3.0」(WEECKE社)という機種を使用し、その特徴を解説していこう。

好きなブランドの紙巻きタバコを、加熱式タバコに変身させる仕組み

アイコス、グローなどの加熱式タバコは、専用のヒートスティックなどの専用タバコ葉を仕込んだカートリッジが必要となる。ところが「ヴェポライザー」は、一般的な紙巻きタバコを加熱式で吸うことを可能にするのだ。まずはその仕組みを見ていこう。なお、欧米では数年前からブームになっており、珍しいものではない。

Amazon.co.jpのタバコ製品関連売り上げランキングでは、アイコスやプルーム・テックなどの加熱式タバコよりも上位に食い込んだこともある人気機種「C-VAPOR3.0」。製品の箱の中に入っているのはヒーティングチューブスペーサー内蔵の本体(写真中央)と、(写真右上から)日本語取扱説明書、フィルターを使う際の吸い口(ドリップチップ)、掃除用のブラシ、葉をかき出す用のスティック(パッキンツール)、充電用USBケーブルとなっている

樹脂製のマウスピースがついており、見た目はVAPEに近い。しかし、ヴェポライザーはタバコ葉を使用するので、ニコチンを摂取することが可能だ

近年「VAPE」と呼ばれるフレーバー付き蒸気を楽しむタバコスタイルの機器がブームを呼んでいるが、喫煙者が完全にVAPEにスイッチするのはなかなか難しい。国内ではニコチンリキッドを手軽に入手することができないので、VAPEでは純粋にフレーバーを楽しむ使い方になるからだ。

いっぽう、加熱式タバコはニコチンを摂取できるのはよいが、専用のスティックが1箱400円台後半という出費は結構痛い。1日1箱吸うと仮定すると、月13,000円以上かかってしまう。節約しようにも、専用カートリッジなのでどうしようもない。

そこで、通常の紙巻きタバコや手巻き用シャグを加熱式で使用できるヴェポライザーの出番となる。アイコスなどの加熱式タバコと違うのは、蒸気がほぼ出ないこと。タバコ葉はもともと少し湿っており、加熱することでニコチンを含んだ蒸気が発生するので、それを吸うというわけだ。

本体サイズは118mm(高さ)×26(幅)×50.5(奥行き)で重量126g。持つと意外に軽い。本体は上部のボタンひとつで操作する。5回連続クリックで電源のオン/オフを切り替える

本体底には、充電用のmicroUSBポート(中央)と、エアフロー調整弁(右)を装備。エアフロー調整弁を回すと、吸い込む時の抵抗(重さ)を好みで変更することができる。バッテリー容量は2,300mAhで、温度設定にもよるが、約15回(1回4分として)程度使用可能だ

マウスピースと、タバコ葉を詰めるためのヒーティングチューブスペーサー(写真上)を外すと、本体穴の奥に見えるのが「チャンバー」と言われる加熱部だ。セラミック製のこの炉部分が熱くなり、タバコ葉を熱する。周囲から加熱する仕組みはグローに近い

microUSBケーブルを接続して充電。アダプタは1A5Vのものを使用する(iPhone付属のアダプターなども使用可)。急速充電は不可で、充電中は使用できない

ヴェポライザーの人気機種「C-VAPOR3.0」を使ってみよう

では、早速吸ってみたいと思う。いくつかやり方はあるのだが、1番単純なのは紙巻きタバコを使用する方法だ。

加熱式タバコはどうしても専用ブランドの中からしか味を選ぶことができないが、「C-VAPOR3.0」などのヴェポライザーは、紙巻きタバコのほとんどで使用することができる。気にしなくてはならないのはタバコの太さのみ。スペーサーは通常のタバコサイズ。太い場合はスペーサーを使わずにそのままチャンバーに突っ込んでもいいが、逆に通常より細いタバコの場合は、チャンバー内に隙間ができてしまうので熱が伝わりにくい。そのままでは使えないが、中のタバコ葉を取り出してスペーサーに詰めれば使える。

ヒーティングチューブスペーサー(以下、スペーサー)という長い名前だが、タバコサイズの筒状のパーツ。そこに紙巻きタバコを差し込む

スペーサーの長さでちぎる

スペーサーの長さでちぎる

タバコの入ったスペーサーを、マウスピースを外した本体に入れる

タバコの入ったスペーサーを、マウスピースを外した本体に入れる

マウスピースを再びはめる。これで準備完了だ

マウスピースを再びはめる。これで準備完了だ

本体ボタンを5回連続クリックして電源をオン。ロック解除マークが表示される

本体ボタンを5回連続クリックして電源をオン。ロック解除マークが表示される

設定温度が上段に、現在のチャンバー内温度が下段に表示される。設定温度はボタン長押しで160〜230℃まで10℃刻みで調整可能。設定温度に到達するとバイブが作動する

あとはアイコスやグローのように吸えばいい。いきなり大きく吸うと蒸気が熱いので注意。驚くほど蒸気が少ない

アイコスは一度に約6分間使用可能だが、「C-VAPOR3.0」の動作時間は4分間と短め。蒸気もほとんど目に見えないので、不思議な感覚だ。何と言ってもほぼ透明の蒸気なのに、きちんとニコチン感や喉に対する圧(キック)を感じられるところはまさに新体験。

ニオイも温度設定によるが、下げれば下げるほど喫味は落ちるがニオイは減る。筆者がちょうどいいと感じたのは200℃あたり。そして何より、俗に「アイコス臭」と呼ばれる高温加熱式特有のニオイが少ない(アイコスは300℃以上)。アイコスのヒートスティックのブランドである「マールボロ」を吸うとわかるが、ヴェポライザーのほうがより自然な本家に近い味と香りだ。もちろん紙巻きタバコの味わいとは違うが、それでも十分おいしく感じる。

また、「C-VAPOR3.0」は4分で電源が自動でオフになっても、1回だけなら、再度5連続クリックして電源を入れ、連続喫煙が可能。しかも中の葉を交換せずに吸っても味が出るのがすごい。「コスパ最強」のゆえんである。

使用可能時間の残りが3分(180秒)を切ると、カウントダウンが始まる(上段数字)

使用可能時間の残りが3分(180秒)を切ると、カウントダウンが始まる(上段数字)

吸い終わったらマウスピースを外して、本体を逆さにするとスペーサーがコロンと出てくる。熱いので冷ましてから触ろう

スペーサーの中から押し出した吸い殻。もちろん火気を使っていないので燃える心配はない

スペーサーの中から押し出した吸い殻。もちろん火気を使っていないので燃える心配はない

1本のマールボロでスペーサー3〜4つ分=約3〜4回分。1箱20本なので1箱で60回以上使えるという計算だ。喫煙時間は少し短めになるけれど、コストは半減どころではないだろう。そもそも紙巻きタバコは、火傷防止のため物理的にすべての葉を加熱することはできない。アイコスのヒートスティックも使用可能だが、その場合は葉の部分が少ないので1回分しか取れない。そもそもヒートスティックを使ってしまっては節約にならないが・・・・・・

選べる銘柄はほぼ紙巻きタバコの数だけ! シャグを使えばもっとお得に

そして、ヴェポライザーの最大の醍醐味であり、最強のコスパを生むのが「シャグ」だ。これは古きよき時代の俳優・ハンフリー・ボガートらが、映画のワンシーンでみずからタバコ葉を紙で巻いて吸っていた頃に活用されていたもの。紙巻きするためのペーパーも付属するが、もちろん必要ない。

シャグはかなり種類がある。少し専門的なタバコ店に行けば、大量の銘柄が存在することがわかる。有名どころでは「アメリカンスピリット」などのシャグもある。紙巻きタバコをちぎって吸うよりも、濃厚な味わいを感じられることが多い。

大きめのタバコ店で手に入る袋入り手巻き用タバコ葉が「シャグ」だ。写真は、緑茶フレーバー「コルツ グリーンティー」(左上)、南国風味の「コルツ ライチ」(左下)、無添加タバコとして有名なチェ・ゲバラの肖像をパッケージに採用したライトな喫味の「チェ シルバー」右。封を開けるとモリモリと出てくる大量のタバコ葉。1袋で25g、紙巻きタバコ換算で約3箱分なのにこれらは550〜880円で手に入る。こぼして無駄にしなければ単純計算で200回(!)くらい使えることになる

これをスペーサーに詰め込んで、先ほどと同じようにして吸うのだ。ただ、詰めるのが面倒くさいというのもあるが、慣れないうちはジャグが必ず散らばる。そしてさすがにこの作業を出先のカフェで行うには、相当の勇気がいるはずだ。外出先で使用したい場合は、別売りのスペーサーにあらかじめシャグを詰めたものを持ち歩こう。

このちまちました作業がヴェポライザー使用のための最大の難関。手間と感じるか、何だかキセルの手入れをしているみたいで楽しいと感じるか……

出先でどうしてもヴェポライザーを使用したいという人のための別売パーツ。スペーサーがたくさん入っており、家でここにタバコ葉を詰めておけば、スペーサーの交換だけで済む

どうしても蒸気が欲しい、という人はグリセリンを添加

アイコス、グロー、プルーム・テックのような加熱式タバコは、グリセリン類を添加することで白い蒸気を出すことができる。ヴェポライザーはそのままだと、ほぼ無煙。どうしても蒸気がでないと物足りないというなら、タバコ葉を仕込む時に、1滴VAPE用のグリセリン類を追加することで、蒸気を出すことも可能だ。

1滴以上は機器の故障の原因となるので注意。また、電子タバコ用メンソールリキッドを垂らしてもおいしい

1滴以上は機器の故障の原因となるので注意。また、電子タバコ用メンソールリキッドを垂らしてもおいしい

とはいえこの程度が限界

とはいえこの程度が限界

タバコのランニングコストが大激減!

ヴェポライザーは、「葉を詰めるのが面倒」「蒸気があまり出ない」というウィークポイントがあるものの、コスパに関しては絶大なメリットがある。1日1箱の喫煙者を例に取り、試算してみよう。わかりやすいようランニングコスト重視で、機器代金は別にした。

■紙巻きタバコ
「マールボロ」 1箱460円×30日=13,800円

■加熱式タバコ
「マールボロ ヒートスティック」 1箱460円×30日=13,800円

■紙巻きタバコ+ヴェポライザー
「マールボロ」 1箱460円(3日分)×10=4,600円

■シャグ+ヴェポライザー
「チェ」(シャグ)+ヴェポライザー1袋550円(3日分)×10=5,500円

コスパだけを考えると、最強なのは紙巻きタバコをちぎって吸う「紙巻きタバコ+ヴェポライザー」。ただ味の面で、ヴェポライザーの実力を存分に味わうなら、個人的には「シャグ+ヴェポライザー」を推したい。10月のタバコ値上げを前にして、安価なタバコライフの実現のために試してみてはどうだろうか。

スペーサーを使っている限り、手入れも無水エタノールを綿棒につけてチャンバー内を拭き取ればいいので、さほど面倒ではない。ブレードなどがない分、アイコスよりも楽だ。ちなみにチャンバーにそのままシャグの葉を入れると、掃除がもう少し大変になる

協力:ヴェポライザー専門ショッピングサイト「VAPONAVI/ヴェポナビ」

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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