レビュー
毎月1,500円節約するための「ヒーツ」という選択肢

“50円安い”「アイコス」専用スティック「HEETS(ヒーツ)」全11フレーバーを一気吸い

2020年10月のタバコ税増税にともなう値上げは、加熱式タバコも例外ではなかった。「アイコス」の「マールボロ・ヒートスティック」は、520円→550円と、四捨五入で600円となるレベルに突入した。

そこで注目したいのが、「アイコス」専用ヒートスティックの廉価版ブランド「HEETS(ヒーツ)」である。もちろん、ヒーツも値上げしたが、470円→500円と何とかワンコインの範疇に収まっている。そこで、少しでも安く吸いたい「アイコス」ユーザーのために、「ヒーツ」現行11種類を味わって、切り替えの可能性を探ってみた。

※製品写真のパッケージ、デザインは、現状と異なる場合があります。

「マールボロ ヒートスティック」より50円安い「ヒーツ」。パッケージは、マットな質感のマッチ箱テイストで、シンプルなデザインだ

●「マールボロ ヒートスティック」現行ラインアップはこちら!
全種解説! アイコス「マールボロ ヒートスティック」は現在11種類

「ヒーツ」全11フレーバーを一気に吸い比べ!

「ヒーツ」は、現在11種類(2021年7月現在)をラインアップ。レギュラータイプが4種類で、メンソールタイプが4種類、そしてフレーバー系メンソールタイプが3種類だ。

2021年7月時点の「ヒーツ」の全ラインアップ

2021年7月時点の「ヒーツ」の全ラインアップ

「マールボロ・ヒートスティック」とのいちばんの違いは、加熱式タバコのために開発されたというだけあり、「ヒーツ」のほうが独特の臭い、いわゆる「アイコス臭」が抑えられていること。

味においては、雑味が少なく、マイルドでシンプル。喫味は軽めに感じるものが多い。また、「マールボロ」はフレーバーも濃厚な印象があるが、「ヒーツ」はあくまで主役がタバコで、フレーバーは脇役扱いであることが多い。

そこで改めて、「マールボロ・ヒートスティック」との互換性を含め、今1度「ヒーツ」全種類の味わいを確かめてみよう。

左が「ヒーツ」で右が「マールボロ」。フィルターに描かれたロゴ以外、スティックの見た目に違いは見当たらない

●レギュラータイプ

コクうまレギュラー「ヒーツ ディープ ブロンズ」

「ヒーツ ディープ ブロンズ」【味わいDATA】香り:●●●●● コク:●●●○○ 強さ:●●●●○

「ヒーツ ディープ ブロンズ」【味わいDATA】香り:●●●●● コク:●●●○○ 強さ:●●●●○

「ヒーツ」の中では、最高喫味の王道レギュラー味。加熱前のスティックを嗅げば、良質なタバコならではの樹木の香りがする。

アイコス臭は見事に軽減されている。吸うとロースト感が広がり、フルーティーな甘みが後に残るのが特徴だ。紙巻きタバコからのスイッチ組にも適した、シンプルなおいしさである。

吸っているうちに次第に酸味が強くなっていき、ロースト感とコクが強まり、独特のクセが出てくるが、重厚感では「ヒーツ」の中で最強。この価格でこれだけのタバコ感を感じさせてくれるのなら、文句はない。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック レギュラー」の味わいに最も近いが、それよりは幾分か軽い。

キツすぎないまろやかレギュラー「ヒーツ ピュア ティーク」

「ヒーツ ピュア ティーク」【味わいDATA】香り:●●●●○ コク:●●●○○ 強さ:●●●●○

「ヒーツ ピュア ティーク」【味わいDATA】香り:●●●●○ コク:●●●○○ 強さ:●●●●○

「やさしい味と香りの絶妙なハーモニー」というキャッチフレーズで登場した「ヒーツ ピュア ティーク」。「まろやかでクセがなく、中程度の喫味がいい」というユーザーの声から開発されたという。

箱を開けると、確かにやさしさにあふれる穏やかなタバコ葉の香りがした。加熱してもそのプロフィールは変わらない。蒸気を吸い込むと、ふんわりとしたマイルドなタバコ葉そのものの香りが広がる。

コーヒーで言えば、上質な「モカマタリ」。ほどよい酸味が苦味を中和して、おいしい水のように感じる瞬間に近い。喫味は強くないが、この素直でプレーンなやさしい吸い応えは、飾り立ててない分、飽きにくい。

「ヒーツ ディープ ブロンズ」ではロースト感が強過ぎる、「ヒーツ バランスド イエロー」ではうまみが濃厚過ぎる、「ヒーツ クリア シルバー」では軽過ぎると感じた人には、「ヒーツ ピュア ティーク」が大正解だろう。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
方向性は若干異なるが、上品レギュラーという意味で、「マールボロ ヒートスティック リッチ レギュラー」

●詳細なレビューはこちら!
「ヒーツ」の新レギュラー「ピュア・ティーク」はキツすぎないまろやかレギュラー
https://kakakumag.com/hobby/?id=16410

まろやかな酸味がおいしい「ヒーツ バランスド イエロー」

「ヒーツ バランスド イエロー」【味わいDATA】香り:●●●●● コク:●●○○○ 強さ:●●●○○

「ヒーツ バランスド イエロー」【味わいDATA】香り:●●●●● コク:●●○○○ 強さ:●●●○○

黄色いパッケージは、シトラスを連想させるものの、れっきとしたレギュラータイプで、酸味がしっかりと立ったマイルドな吸い心地のタバコ味だ。加熱前のスティックを嗅ぐと、ほのかなシトラス風味を感じる。

加熱後は、ブレンドの妙でアイコス臭を丸め込んでおり、クセは少ない。そして、吐いた蒸気がよりタバコ的だ。レギュラーでマイルドな酸味をはっきり感じたい人におすすめ。いわゆるタール値高めの洋モク(海外タバコ)が好きな人なら、グッとくるのではないだろうか。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック バランスド レギュラー」

軽やかレギュラー「ヒーツ クリア シルバー」

「ヒーツ クリア シルバー」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●○○○ 強さ:●●○○○

「ヒーツ クリア シルバー」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●○○○ 強さ:●●○○○

アイコス臭が中和されつつ、酸味も甘みも抑えられているのが、「ヒーツ クリア シルバー」。こちらもレギュラータイプだが、ほのかにメンソールのような爽やかさがある。レギュラーの紙巻きタバコを最も再現している味わいと言ってもいい。タール値4〜5mg程度の、幾分軽いマイルドなタバコ味だ。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック スムース レギュラー」

●メンソールタイプ

甘くない史上最強のメンソール「ヒーツ アイシー ブラック」

「ヒーツ アイシー ブラック」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●●

「ヒーツ アイシー ブラック」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●●

パッケージを開けた段階では、強烈なメンソールという感じのしない、ほどよいミントの香り。実際に加熱を始めても、目にしみる揮発成分は感じない。

しかし蒸気を吸い込むと、舌の中央からのどまで、しっかりとした冷感メンソールが駆け抜ける。吸った後の呼吸は、すべてクールになり、実に気持ちがいい。メンソール感が強いいっぽうで、まろやかにも感じるから不思議だ。のどの上のほうに向かって咳き込ませようとする辛いだけのメンソールとは一線を画している。しかも、全体として甘みや酸味は抑えられているが、タバコの味はしっかりとしている。

「マールボロ ヒートスティック」で言えば、甘さを控えたクールなメンソール「ブラック メンソール」と同じ位置付けだと思う。しかし、吸った時のズンとしたワイルドなメンソール&タバコ感の部分が、「アイシー ブラック」の場合、冷涼感は強いが、ジェントルな印象でまとまっている。洗練された刺激という新境地。甘くないメンソールが好きなら、1度試してみてほしい。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック ブラック メンソール」

●詳細なレビューはこちら!
史上最強で甘くないメンソール「ヒーツ・アイシー・ブラック」
https://kakakumag.com/hobby/?id=16705

クセのない純粋メンソール「ヒーツ フロスト グリーン」

「ヒーツ フロスト グリーン」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●○

「ヒーツ フロスト グリーン」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●○

「ヒーツ」が登場した当初は、“メンソールが弱い”と表現されがちだったが、その巻き返しを図るべく投入されたのが、「ヒーツ フロスト グリーン」だった。しっかり強めのペパーミントな清涼感が特徴で、刺激的な辛みがのど奥を直撃し、目が覚めるタイプである。

草原のようなフレッシュなメンソールが見事にアイコス臭を包み込み、気にならない。臭いの少なさにおいては抜群だ。

ほぼクセのない純粋メンソールタバコで、タバコ感もズシッと来る。飽きの来にくいタイプなので、メンソールの紙巻きタバコユーザーでも吸いやすいのではないだろうか。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック メンソール」

神秘的な印象の大人なアロマ「ヒーツ クール ジェイド」

「ヒーツ クール ジェイド」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●●○○ メンソールの強さ:●●○○○

「ヒーツ クール ジェイド」【味わいDATA】香り:●●○○○ コク:●●●○○ メンソールの強さ:●●○○○

「クール ジェイド」は、直訳すると「冷たい翡翠(ヒスイ)」。どんな味なのか想像がつかないが、加熱前のスティックを嗅ぐと、高級感のある香りがする。

実際に吸ってみると、辛みを抑えた爽快なメンソールでありながら、どことなく神秘的な印象を受けた。メンソール自体は爽やかに広がるタイプの清涼感で、謎の香料(ハーブ)がそこに彩りを加えている気がする。“大人なアロマ感”としか表現しようのない芳香だ。

クセのないシンプルな軽やかメンソールなので、「ヒーツ フロスト グリーン」では強過ぎると感じた人によいだろう。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック ミント」に似たキャラクターを感じたが、よりハーバル

爽やかメンソール「ヒーツ フレッシュ エメラルド」

「ヒーツ フレッシュ エメラルド」【味わいDATA】香り:●○○○○ コク:●●○○○ メンソールの強さ:●○○○○

「ヒーツ フレッシュ エメラルド」【味わいDATA】香り:●○○○○ コク:●●○○○ メンソールの強さ:●○○○○

「ヒーツ フレッシュ エメラルド」は、「ヒーツ」ローンチラインアップのひとつであるメンソールタイプ。タバコ味主体のメンソールとして、完成度は非常に高いのだが、登場時は「刺激が弱い」と酷評されてしまった過去がある。

メンソールは、ペパーミントタイプで、ノドの奥がカッとなるタイプだが、あくまで脇役なのが特徴だ。しっかりしたタバコ味があり、それを際立てるように清涼感がよい仕事をする。

確かに強烈なミントメンソール味に慣れた人には物足りないかもしれないが、昭和のメンソールタバコのレベルは実はこんな感じだった。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
同様のものが存在しない。あえて言うなら、「マールボロ ヒートスティック ミント」の刺激をさらに少なめに調整した感じ

●フレーバー系メンソールタイプ

吐息がふんわりおいしい「ヒーツ フレッシュ パープル」

「ヒーツ フレッシュ パープル」【味わいDATA】香り:●●●○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●○

「ヒーツ フレッシュ パープル」【味わいDATA】香り:●●●○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●○

加熱式タバコのみならず、VAPE用リキッドでも人気の高いベリーメンソール味の「ヒーツ フレッシュ パープル」。ブドウ果皮の紫色を感じるベリーメンソールは、ワインのボディ感のような深みを与えるので、タバコ味と相性がよい。

しかし、この「フレッシュ パープル」は、パープル感は抑えめ。吸っている時よりも、蒸気を吐くタイミングでふんわりと喫味を豊かにしてくれており、シンプルにおいしい。

「マールボロ ヒートスティック」には、「パープル メンソール」という“ベリーメンソールの金字塔的製品”がラインアップされているが、「ヒーツ フレッシュ パープル」はそのアロマ感を弱くした感じで、さながら「パープル メンソール ライト」といった印象である。

ただ、チェーンで吸っていくとわかるのは、「ヒーツ フレッシュ パープル」のシンプルなおいしさ。蠱惑(こわく)的で濃厚な味わいが少ない分、続けて吸ってもくどくならないのだ。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック パープル メンソール」

ほのかなシトラス感「ヒーツ シトラス グリーン」

「ヒーツ シトラス グリーン」【味わいDATA】香り:●●●○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●○

「ヒーツ シトラス グリーン」【味わいDATA】香り:●●●○○ コク:●●●●○ メンソールの強さ:●●●●○

シトラスとは、オレンジやライムなどの柑橘系のこと。ただ、この「ヒーツ シトラス グリーン」のシトラス感は控えめで、メンソールに上書きされてしまっている。加熱前のスティックの段階でも、感じ取るのは難しいレベルだ。

吸ってみると、メンソールの清涼感がノドの奥で広がって爽快なのだが、シトラス感はあまり感じない。意識をすれば、メンソールの爽快さに酸味がわずかに加わっている感じもするが、それはアイコス特有のニオイを低減する効果はあるものの、味としてしっかり感じるかというと微妙だ。

フレーバー系メンソールとしては、香りの弱いタイプだが、クセがない分、チェーンスモーキングしやすいというメリットはある。シトラスがほのかに香って、キレがよいように感じるからだ。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック イエロー メンソール」の香りを控えたような味わい

サマーカクテルのような南国メンソール「ヒーツ トロピカル イエロー」

「ヒーツ トロピカル イエロー」【味わいDATA】香り:●●●●○ コク:●●○○○ メンソールの強さ:●●●●○

「ヒーツ トロピカル イエロー」【味わいDATA】香り:●●●●○ コク:●●○○○ メンソールの強さ:●●●●○

加熱を完了させ、スーッと蒸気を吸い込むと、まずはごあいさつのようにメンソールのストレートパンチ。蒸気を吐き出すタイミングで、トロピカルな味わいが口の中に広がる。「トロピカル」とひと口に言っても、エスニックなクセのあるものから、ほんの少しの南国感をアクセントに加えたものまでいろいろあるが、これは後者だ。

軽くマンゴーをあしらった、トロピカルフルーツとココナッツミルクによるサマーカクテルという味わいで、フルーティーさは感じるが、酸味はそれほど強くない。中盤からは、メンソールが抜けてくる分、トロピカルが前面に出てくるが、同時にタバコ感もアップする。

クセが強すぎるトロピカルテイストは、人を選ぶ。しかし、「ヒーツ トロピカル イエロー」は、高級ホテルのラウンジで提供されていそうなサマーカクテルのように、クセをしっかりと抑えることで、“香料的なケミカルさは感じないが、南国的な風味は楽しめる”という絶妙なラインを攻めている。また、フレーバー系メンソールではあるが、メンソール度は高く、タバコの味もしっかりと楽しめるのもうれしいポイントだ。

★互換性を感じる「マールボロ ヒートスティック」★
「マールボロ ヒートスティック イエロー メンソール」

●詳細なレビューはこちら!
「アイコス」の「ヒーツ」に南国風メンソール「トロピカル イエロー」が追加! 吸ってみた
https://kakakumag.com/hobby/?id=17145

値上げダメージを受けないための「ヒーツ」という選択肢

「ヒーツ」と「マールボロ ヒートスティック」との価格差は50円。1日1箱吸う人の場合は、1か月(30日)で1,500円の違いとなる。これは結構大きいのではないだろうか。

もちろん味に一切の妥協はできないという人なら仕方ない。しかし、タバコは嗜好品。第1印象だけで決めるのはもったいない。味に慣れるために、せめてひと箱は吸い続けてみるのがおすすめだ。その間に、「ヒーツ」ならではのおいしさを感じる瞬間が来るかもしれないからだ。

「マールボロ ヒートスティック」と「ヒーツ」には、もちろん差があるが、それはおいしさの差ではなく、「キャラクターの差」と言うほうが正確だ。タバココスト削減のためにも、先入観を捨てて、今1度じっくりと味わってみることをおすすめしたい。

※本記事は喫煙を推奨するものではありません。ご利用にあたっては、健康リスクなどをご考慮のうえ、注意・マナーを守ってご使用ください。

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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