レビュー
音ゲー風アプリと連携してゲームみたいに弾ける

実は37年間進化してきた! カシオ「鍵盤が光るキーボード」の楽しさ大解剖

「カシオ、コンシューマー向けデジカメ事業撤退」という衝撃ニュースが流れたのは、今からちょうど半年ほど前、2018年5月のことでした。あのとき、「ひと時代終わったな」と切ない気持ちになった人も多いと思います。

しかし電卓開発で培ったその技術力で、幅広い分野に浸透する“カシオ的おもしろさ”は、きっとこれからも健在のはず。そこで今回は、いま改めて注目したい、カシオのモノづくり精神が伝わってくる製品をご紹介したいと思います! ずばり、電子楽器「光ナビゲーションキーボード」です。

……わかってます、近年のカシオの主力製品と言えば、みんな大好き「G-SHOCK」とか「オシアナス」とかの腕時計ですよね。それは紛れもない事実ですが、価格.comマガジンの楽器アイテム担当者として、ここはあえて「光ナビゲーションキーボード」を推したい。なぜならば、カシオの電子楽器には「楽器専業メーカーではないからこそできる挑戦」が詰まっているんです。

実は37年の歴史あり! カシオの「演奏をナビするキーボード」

カシオの光ナビゲーションキーボードと言えば、「鍵盤が光ること」が最大の特徴。「演奏する楽曲にあわせて、次に押さえるべき鍵盤が自動で光り、演奏をナビゲートしてくれる」という、初心者にやさしすぎる電子キーボードです。

光った鍵盤を押さえれば正しい音を鳴らせる! キーボード自体が演奏をナビゲートしてくれます

光った鍵盤を押さえれば正しい音を鳴らせる! キーボード自体が演奏をナビゲートしてくれます

ぜひ以下の動画をご参照ください。光る鍵盤のナビゲーションのおかげで、小さなお子さんも楽譜なしで簡単に演奏練習できているのがおわかりいただけると思います。

この光ナビゲーションキーボードの原型が登場したのは、1981年。鍵盤の上部に設置されたガイドランプが曲の進行にあわせて点灯する「メロディガイド機能」付きの61鍵電子キーボード「CT-701」が始まりでした。点灯するガイドランプで、次に弾くべき鍵盤を教えてくれるのです。「楽器を触ったことがない初心者でも、まずは楽しく使えるように」と、当時のカシオのデジタル技術を駆使して開発された製品でした。

以来、カシオの「演奏をナビするキーボード」は進化を続け、ついに1994年発売の「ML-1」(ミニ鍵)で鍵盤自体が光るようになりました(標準鍵で光るようになったのは1996年発売の「CTK-520」)。そして近年では、「光ナビゲーションキーボード」という名のシリーズになり、毎年新モデルが登場しています。

正直、鍵盤が光るなんて、楽器として見たら型破り。しかしそれは、「誰でも簡単に楽しめる楽器を作ろう!」という切り口から出発しているゆえの設計でした。これぞ、「楽器専業ではないからこそできる挑戦」と言えます。CT-701の「メロディガイド機能」の時代からスタートした、37年にわたる進化の最新形が光ナビゲーションキーボードなのです。

弾いてみよう! 光ナビゲーションキーボードの楽しさ体験

そして、2018年発売の光ナビゲーションキーボード最新世代「LK-511」では、なんとスマートフォン/タブレット用の「音ゲー風アプリ」と連動させて弾けるように進化しました。ちゃんと最新のトレンドを押さえているのがポイントです。

従来のレッスン機能も踏襲しており、3つのステップで練習できる「ステップアップレッスン」ボタンを搭載するのが特徴。演奏のグレードにあわせて3つのボタンを使い分けて、楽しく演奏練習できます。

こちらが光ナビゲーションキーボード最新モデル「LK-511」。61鍵盤を備えるモデルで、同時発音数は最大48音、600音色をプリセットしています

コントロールパネルの中心には、大きなディスプレイを装備

コントロールパネルの中心には、大きなディスプレイを装備

ディスプレイの左側には、代表的な内蔵曲一覧がプリントされています(ポップスからクラシックまで、内蔵曲数は200!)。その下には、音量調整ノブや内蔵曲の再生/停止ボタンなどが並びます

ディスプレイの下には、3つのステップで練習できる「ステップアップレッスン」ボタンを装備。楽しく上達できるレッスン機能です

▼まずはお手本を聴く!

どんな楽曲を演奏する場合でも、まずはその曲の全体像やイメージを把握することが大切ですよね。「ステップアップレッスン」【1】ボタンを押すと、選んだ楽曲のお手本を自動再生してくれます。これで正しい演奏を脳内にたたき込むことができます。

▼光る鍵盤にあわせて弾く!

お手本を聴いたら、光ナビゲーションによる演奏練習をしてみましょう。「ステップアップレッスン」【2】ボタンを押すと、光ナビゲーションモードになります。BGMにあわせて、光る鍵盤を追いかけるようにして弾きます。

以下の動画にある通り、間違った鍵盤を押すとBGMがストップし、正しい鍵盤を押すとBGMも進む仕組みになっています。演奏を検知して、BGMをリアルタイムで制御するってすごいですね。

つまりこれ、演奏者の弾き方によって、リズムが決まります。正しい鍵盤を押さえている場合でも、リズムに乗って弾かなければちゃんと楽曲が進んでいきません。むしろ、リズム感を付ける練習になるなと思いました。ガチガチのレッスン用というよりも、「リズムに乗りながら、光る鍵盤を正しく押す」というゲームをしている感覚です。

ちなみに「ステップアップレッスン」【3】のボタンを押すと、鍵盤が光らないモードになります。それまでの練習成果を生かして、光らない鍵盤による普通の演奏にチャレンジできますよ。

演奏が終わると、できがイマイチだったときは「モウイチド!」、よく弾けたときは「スバラシイ!」と表示して評価してくれるのも楽しい

「ステップアップレッスン」の左にある「らくらくモード」ボタンを押すと、どの鍵盤を押さえても正しい音を鳴らしてくれるモードになります。つまり、ノリで適当に鍵盤を押せば楽曲が弾けるんです。まだ演奏に慣れていない段階でも、「とりあえず弾いてる感を楽しみたい!」という方にうってつけ

J-POP最新ヒットを搭載! 実は内蔵曲が毎年リニューアルされてる

もうひとつ、光ナビゲーションキーボードの注目点は、内蔵曲が毎年少しずつリニューアルしていること。新モデルが発売されるたびに、直近のJ-POPヒット曲が数曲加わっているんです。たとえば、LK-511の内蔵曲ナンバー001「ドラえもん」を再生してみると……

「こっちのドラえもんか!」とおどろきました。「こんなこといいな」でもなく「あったまテッカテーカ」でもなく、「すっこしだけふしーぎーな(by星野源さん)」のほう。この曲がリリースされたのは2018年2月ですから、その半年後に発売されたLK-511に超速で採用されたことになります。

余談ですが、前世代機である2017年モデルの内蔵曲ナンバー001は、同じく星野源さんの「恋」でした。2016年下期に放送されたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が大ヒットした翌年ですから、これしかない選曲ですね。近年の星野源さんの勢いをココでも感じます

アプリと連携させて、音ゲーに合わせて弾ける!

続いて、最新モデルであるLK-511ならではの新機能をご紹介しましょう。スマホ/タブレットアプリと連携して演奏ができる「メロディマスター」モードです。

専用アプリ「ソングバンクプラス」をインストールしたスマホ/タブレットをLK-511に接続すると、いわゆる“音ゲー風”のアプリ画面にあわせてLK-511を弾けるようになるのです。文字で説明するより、画像と映像で見たほうが早いと思うので、詳細は以下をご覧ください。

専用アプリ「ソングバンクプラス」はiOS/Android用に無料配布されています。ただし、キーボードと連携させての利用はLK-511専用。LK-511以外のキーボードでは使用できません(2018年12月時点)

iOS版を使用する場合は、市販の「Apple iPad Camera Connection Kit」を使って、iOS機器をUSB接続すればOK

iOS版を使用する場合は、市販の「Apple iPad Camera Connection Kit」を使って、iOS機器をUSB接続すればOK

タブレットを接続すると、ディスプレイに「アプリレッスン」と表示され、ちゃんとつながっていることがわかります

これが音ゲー風の「メロディマスター」モード画面。アプリ自体は無料ですが、楽曲によってはアプリ内課金が発生します(240円〜)。ちなみにこのアプリ、LK-511と接続していない場合は、普通の音ゲーアプリとして使うことができます

もちろん「メロディマスター」モードでも、ちゃんと鍵盤が光ってくれます

もちろん「メロディマスター」モードでも、ちゃんと鍵盤が光ってくれます

せっかくなので、新曲の「ドラえもん」を「メロディマスター」モードで弾いてみることにしました。正直、アプリ画面を見ながらやるのは結構難しい! けど、だんだん楽しくなってきて練習しがいがあります。以下の動画をご参照ください。

「初心者が楽しめるコミュニケーションツール」となることが目標

カシオの楽器製品のマーケティングを担当するカシオ計算機 仁井田隆氏は、同社の電子楽器開発コンセプトについて、「ただ音が鳴るだけではなく、使う人の暮らしを楽しくすること」と語ります。

カシオ計算機株式会社 事業戦略本部 楽器BU 営業戦略部 第二企画室 室長 仁井田隆氏は「最近、改めて光ナビゲーションキーボードの魅力を実感します」とコメント

「子どもの練習用だけではなく、大人も一緒になって楽しめる製品を作ることで、キーボードを中心に家族間のコミュニケーションが起こることをイメージしています」(仁井田氏)。

仁井田氏は、幅広い製品を手がけるカシオで長年、楽器以外の事業にも携わってきた人物。同氏によれば、この「使う人の暮らしを楽しくする。そして、みんなで簡単に使えるコミュニケーションツール」というコンセプトは、カシオ製品の共通した開発思想なのだそう。「みんなで楽しんで使えること」を主軸にした、カシオのモノづくり精神が受け継がれてきたことがうかがえます。

確かに筆者としても、実際に光ナビゲーションキーボードを使ってみて感じたのは、「楽しみながら弾ける」という魅力でした。上達するためのガチガチのレッスンではなく、ゲーム感覚で使えて素直に「楽しい!」と思えます。

これなら、小さいお子さんなどが触っているうちに、演奏の楽しさに目覚める可能性大でしょう。ここから本物のピアノにステップアップしていくための導入としては、かなりアリだと思います。それに今の時季なら、クリスマスプレゼントとしてもぴったり! 子どもから大人まで、家族みんなで楽しめるアイテムとしていかがでしょうか?

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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