新製品レポート
素人から経験者までみんな楽しめる

まさかの“練習しないで弾ける楽器”がヤマハから登場!「sonogenic SHS-500」がおもしろい

ヤマハから、楽器を始めたい人にうってつけな新しいタイプのキーボードが登場した。それがこの「sonogenic SHS-500」(以下、SHS-500)。「スマホと接続して、好きな楽曲をかけながら適当に鍵盤を押せば、自動で最適な和音が鳴ってセッションできる」というおもしろい製品である。ヤマハが開催した発表会で実機を見てきたので、詳細をご紹介しよう。

練習ナシですぐに楽器が弾けるという夢を実現

さて、一般的にどんな楽器でも、練習は面倒くさいもの。ある程度弾けるようになるための努力が大変すぎて、スキルが上がる前に楽器をやめてしまう人は少なくない。「練習しないで楽器が弾けるようになればいいのに」と思ったことのある人も多いはずだ。そこで注目したいのが、このSHS-500。まさに、「練習ナシでいきなり弾けるキーボード」なのである。

その詳細は後述するとして、まずはSHS-500の基本スペックを簡単にご紹介。本機は、肩からさげて使用するショルダースタイルの37鍵電子キーボードとなる。0.7W出力のスピーカーを1基内蔵しており、単体で音を鳴らすことが可能。それでいて、本体重量は1.5kgという軽量設計だ。AC電源のほか、単3電池6本での駆動にも対応しているので、いろいろな場所に持ち出して演奏できる。

SHS-500はレッドとブラックの2色をラインアップし、2019年3月5日発売を予定。価格はオープンだが、3万円前後での実売を想定している

なお、もしかしたらパッと見でピンと来た方もいるかもしれないが、SHS-500の筐体はヤマハの既存モデル「ボーカロイドキーボード」(→詳細はこちら)の設計を受け継いでいる。ヒットモデルの構造を継承しつつ、基本コンセプトがまったく異なる新しい楽器に生まれ変わったのがポイント。

本体は重量約1.5kgで軽〜く使えるのが魅力。単3アルカリ乾電池6本使用時で、約10時間の連続駆動に対応

本体は重量約1.5kgで軽〜く使えるのが魅力。単3アルカリ乾電池6本使用時で、約10時間の連続駆動に対応

「JAM機能」で、スマホの音楽にあわせて簡単にジャムれる!

それでは、SHS-500のメイン機能をご説明していこう。スマートフォンの中にある音源を使ってジャムセッションができる「JAM機能」だ。スマホとSHS-500をBluetooth接続して、スマホの楽曲を再生しながら鍵盤を適当に弾けば、楽曲にあわせて自動で正しい音(コード)を鳴らしてくれるというものである。

この「JAM機能」は、ヤマハの無料アプリ「Chord Tracker」と連携させて使う。「Chord Tracker」は以前からヤマハが提供していたもので、スマホなどのデバイス内に入っている音源を自動解析し、その楽曲のコードを表示してくれるアプリとなる。

こちらが、デバイスに内蔵される音源のコードを自動解析してくれる「Chord Tracker」アプリ。なお、現在あるのはiOS版のみで、Android版は2019年5月にリリース予定

単体でも十分に便利なアプリだが、SHS-500と連携させることで「JAM機能」が使えるようになる。仕組みをざっくり言うと、スマホ内に入っている音源データを本アプリでコード解析し、そのコード情報と楽曲データをBluetooth経由でSHS-500側に送信する。このコード情報を元に、SHS-500の37鍵盤全てに該当するコード音が割り当てられる。鍵盤へのコードの割り振りは、再生中の楽曲フレーズにあわせてリアルタイムで変化する。

つまり「JAM機能」では、SHS-500の鍵盤のどこを押しても、そのとき再生中のフレーズに該当するコードが鳴るようになる。なので、ユーザーは楽曲を再生しながらノリで適当に鍵盤を押せばよい。楽譜が読めなくても、絶対音感がなくても、“ノリ”さえあればジャムセッションできるのだ。

以下の動画は、ハーフタレントのエリカさんが実際にSHS-500でジャムセッションしている様子。まったく演奏経験はないというエリカさんだが、流れる音楽にあわせてノリノリでジャムることに成功した。

エリカさんは動画SNS「TikTok」のフォロワー53 万人を持ち、若年層に絶大な人気を誇るモデル・タレント。今回のSHS-500についても「演奏動画をSNSに上げたいです!」と楽しそうな様子だった

実は、音楽経験者も楽しめるスペックがポイント

もちろんSHS-500は、「JAM機能」を使わずに、単体で音が鳴る普通のショルダーキーボードとしても使用できる。……といってもここまでの情報では、「しょせん、素人向けのキーボード」と思う方もいるかもしれない。しかし、SHS-500のおもしろいところは、エントリー向けでありつつ、同時に楽器経験者が楽しめるスペックも備えていることだ。

まず鍵盤だが、ヤマハのシンセサイザー「reface」シリーズに採用されるコンパクト鍵盤「HQ Mini」を搭載していて、ちゃんと演奏性にも配慮した作りになっている。このあたりは、さすが世界的ピアノブランドであるヤマハならではのこだわりと言える。

コンパクト鍵盤「HQ Mini」は、音の細やかな強弱をタッチで表現でき、鍵盤の根元でも演奏できる構造

コンパクト鍵盤「HQ Mini」は、音の細やかな強弱をタッチで表現でき、鍵盤の根元でも演奏できる構造

さらに本体には、ピアノ、シンセサイザー、ギター、ドラムなど全部で30の音色が搭載されており、さまざまなサウンドを高品位に鳴らすことができる。ピアノ音は、ヤマハの電子ピアノに搭載されているAWM音源を採用。ちなみに、ギターやシンセなどピアノ以外の音色を設定して上述の「JAM機能」を楽しむことも可能だ。

加えて、音程を変化させるピッチベンドホイールや、音にビブラートをかけるモジュレーションホイールも備えているほか、フィルターやリバーブなどのエフェクトを調整するノブも搭載しており、多彩なサウンドをコントロール可能。サウンド作りの楽しみ方がさまざまに広がる。「Chord Tracker」アプリを使えば、自分の演奏を有線接続でスマホに記録しておくこともできる(※2019/2/20追記:記事初出時、演奏をBluetooth経由でスマホに録音できると記載しておりましたが、こちらは誤りでしたので正しい内容に更新しました。お詫びし訂正いたします)。

各種ホイールやエフェクト調整ノブを搭載。本体側面に備えるディスプレイで、演奏中の楽曲情報や音色設定を確認できるようになっている

MIDI端子でMIDI対応機器と有線接続したり、PCとUSB接続して演奏を録音することもできる。3.5mmステレオミニ入力も備えており、音源を有線入力してジャムセッションするといったことも。もちろんヘッドホン端子も備えているので、時間や場所を問わずに演奏を楽しめる

まとめ

というわけで、SHS-500を見てきたが、いかがだっただろうか。繰り返しになるが、本製品は楽器の演奏経験がなくても、ノリさえあればジャムセッションできるというのがミソ。ここまでエントリー層向けの製品が、日本屈指の楽器メーカーであるヤマハから出たというのもイイ。

なお「JAM機能」のベースとなっているのは、もともとはヤマハの電子ピアノとスマホの音楽を連携できる機能「パフォーマンスアシスト」や、コードを自動採譜する「コードトラッカー」技術などだ。つまり、ヤマハが培ってきた電子楽器の知見と技術が詰め込まれている点も、SHS-500のトピックである。

結果的に、単なるエントリーユーザー向けの製品ではなく、経験者も楽しめる魅力的な1台となったSHS-500。これから楽器を始めたい方にも、すでに楽器経験のある方にも、ぜひ注目していただきたい。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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