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漫画コンシェルジュ・小林琢磨が選ぶ

これからきっと話題になるぞ! 2019年にデビューした新作漫画10選

元号が令和に変わり、早くも1か月が経とうとしています。令和がどんな時代になっていくのか、どんな漫画がヒットしていくのか、想像しただけでもワクワクしますよね。というわけで今回は、令和の漫画界を支えていくであろう、2019年に連載がスタートした新作漫画10選をご紹介。年間1,000冊以上の漫画を読む漫画コンシェルジュ・小林琢磨が注目する、「ヒット作品の原石」を見ていきましょう。

1.左ききのエレンHYPE/かっぴー
天才になれなかった凡人は、天才に勝つことができるのか?

「左ききのエレンHYPE」は、大ヒット漫画「左ききのエレン」の続編となる作品です。もしも「左ききのエレン」のリメイク版に重版がかかったら第2部を書く、と作者のかっぴー先生が公言していたため、今か今かと心待ちにしていたのですが、ついに重版がかかり、2019年3月28日からWebサイト「cakes」にて連載がスタートしました。

「左ききのエレン」は、大手広告代理店「目黒広告社」を舞台に、天才に憧れる主人公「朝倉光一」が「エレン」という才能と出会ったことではじまる、さまざまな才能を持ったクリエイターの群像劇。作者のかっぴー先生は昔、広告代理店で働いていて、自身の経験をもとに描かれる描写のリアルさと個性豊かなキャラクターが魅力です。第1部の8年後を舞台とした本作では、目黒広告社で実力をつけ、人間的にも成長した朝倉光一が天才の元上司とコンペで対決することになります。果たして、天才になることを諦めた凡人は天才に勝てるのか? 今後の展開が楽しみで仕方がない、大注目の漫画です。

(C)かっぴー

(C)かっぴー

あらすじ
震災から8年後の2019年。目黒広告社内で確固たる実力をつけた朝倉光一の人生に、再び現れる「左きき」の影。しかし、それは青春をともに過ごした“彼女”ではなくて――。 待望の第2部「左ききのエレンHYPE」堂々開幕!(cakes作品ページより)

2.ケンガンオメガ/原作サンドロビッチ・ヤバ子、作画:だろめおん
熱い“漢”たちの戦いが再び帰ってきた!

小学館が配信するWeb漫画配信サイト「裏サンデー」にて2019年1月17日から連載を開始した「ケンガンオメガ」は、連載開始からまだ5か月ほどしか経過していませんが、「裏サンデー」から派生した漫画アプリ「マンガワン」の看板作品となっています。

本作は2012年4月から2018年8月まで「裏サンデー」で連載していた人気漫画「ケンガンアシュラ」の続編となる作品です。「ケンガンアシュラ」は迫力のあるリアルな格闘シーンはもちろん、格闘漫画としては珍しく先の読めない展開が魅力でしたが、その魅力は本作においても健在。企業同士の争いの決着を、雇った闘技者のタイマン勝負にゆだねる「拳願仕合(ケンガンジアイ)」を舞台に、新登場の主人公が躍動していきます。とにかく熱い漫画なので、個人的にもかなり注目している作品ですね。格闘漫画好きも、そうでない人も、読めば気持ちが熱くほとばしると思いますよ。

(C) サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん/小学館

(C) サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん/小学館

あらすじ
企業同士の争いを、雇った闘技者のタイマン勝負で決着をつける……裏格闘。“拳願仕合(ケンガンジアイ)”の存在を知った1人の男が、山下商事を訪れる……!! あのトーナメントから2年後……『ケンガンアシュラ』から続くシリーズ最新作、開幕!!! (小学館作品ページより)/文庫本は既刊1巻。

3.SPY×FAMILY/遠藤達哉
3人の疑似家族が織りなす、ほっこりスパイコメディ

2019年3月25日に連載が始まった「SPY×FAMILY」は、「少年ジャンプ+」でもっとも注目されている作品のひとつと言ってもいいでしょう。1話読んだだけで、「この作品は看板作品になる!」と直感できるほどおもしろい作品です。

本作は、とある小学校に潜入するために疑似家族を作るという超一流スパイの物語です。その任務が、「結婚して子どもをこさえろ」「猶予は1週間とする」というとんでもない無茶ぶりで(笑)。ただ、そこは超一流スパイ。しっかり娘役と妻役を手配するのですが、その娘が実は超能力者で妻役は殺し屋という、とんでもないファミリーができあがってしまう。そんな疑似家族が繰り広げるどたばたコメディと、ポップで可愛らしい描画は、読んでいてほっこりした気持ちになりますよ。

(C)遠藤達哉/集英社

(C)遠藤達哉/集英社

あらすじ
凄腕スパイ<黄昏>は、より良き世界のため日々、諜報任務にあたっていた。ある日、新たな困難な司令が下る——……。任務のため、仮初めの家族を作り、新生活が始まるのだが!? スパイ×アクション×特殊家族コメディ!(集英社作品ページより)

4.あーとかうーしか言えない/近藤笑真
話すの苦手、生活能力ゼロの天才少女がエロ漫画界に旋風を起こす

「裏サンデー」で2019年1月17日から連載が始まった「あーとかうーしか言えない」は、漫画家を題材にした漫画で、近藤先生のデビュー作です。4月12日には断行本第1巻が発売されています。

本作は、成人向けエロ漫画雑誌の編集者をしている「タナカナツミ」のもとに、基本的に「あー」とか「うー」しか話さない少女「戸田セーコ」が自身の作品を持ち込むところから物語が始まります。タナカは戸田とのコミュニケーションに苦しみながらも、エロ漫画なのに芯の通ったストーリーを描けるという天才的な才能を持つ戸田に惚れ込み、戸田と一緒に成人向けエロ漫画業界に旋風を巻き起こしていくことになります。

「バクマン。」や「響 〜小説家になる方法〜」など、作家を題材にした漫画に駄作なしと言われますが、この作品も素晴らしい作品です。今後の展開もそうですが、映像化にも期待したいですね。

(C)近藤 笑真/小学館

(C)近藤 笑真/小学館

あらすじ
成人向け雑誌「X+C(エクスタシー)」で編集者をしているタナカは、持ち込みにきた少女・戸田聖子の担当につく。あまり言葉を発さない戸田とのコミュニケーションに苦しむタナカだったが、戸田の漫画の才能に多くの人が惹き込まれていき―――!!! 1人の天才がエロ漫画業界に殴り込む!!! ここがエロ漫画の現場最前線!!!! (小学館作品ページより)/単行本は既刊1巻。

5.東京トイボクシーズ/うめ(小沢高広・妹尾朝子)
eスポーツを舞台に描く、高校生たちの青春漫画

ドラマ化もされている人気漫画「東京トイボックス」の続編にあたるのが、この「東京トイボクシーズ」です。2019年5月21日から「月刊コミックバンチ」で連載が始まったばかりの、まさにデビューしたての作品です。

「東京トイボックス」はゲーム会社を舞台とした「ゲームを作る側」の物語でしたが、「東京トイボクシーズ」はeスポーツを題材にした「ゲームをプレイする側」の物語です。連載開始前に配信されたプロローグでは、前作の登場人物が年老いた姿で登場していたり、主人公の息子と思われる人物が登場して本作の主人公になるのではないかと匂わせるような描写があったりと、さすがうめ先生、盛り上げ方がうまいですよね。僕自身、早く連載が始まらないかとずっとソワソワしていました。 「東京トイボックス」はゲームという“モノづくり”に賭ける人間の情熱やリアルさが魅力でしたが、本作では「eスポーツ」をどのように描いていくのか。大いに注目しています。

(C)うめ/新潮社

(C)うめ/新潮社

あらすじ
『東京トイボックス』『おもたせしました。』のうめ最新作、解禁!! eスポーツ×高校生!! 年齢も性別も体格も関係ない、熱い戦いが始まる――。(東京トイボクシーズ公式Twitterより)

6.アラタプライマル/原作:及川大輔、作画:村瀬克俊
原始サバイバル×ミステリーでワクワクが止まらない!

Web漫画におけるグロテスク&ホラーの走りとして人気のあった「カラダ探し」の作者である村瀬克俊先生が作画を担当する「アラタプライマル」は、2019年2月28日に「少年ジャンプ+」で連載が始まりました。5月2日には単行本第1巻が発売されています。

近づくと電子機器を壊してしまうという生まれつきの体質により、父親と2人で文明から隔絶された暮らしを送る主人公「新太(あらた)」が、世界規模の停電後、街の一部ごと過去にタイムスリップしてしまうというSFサバイバル漫画です。しかし読み進めていくとまもなく、ただのSFサバイバル漫画ではないことに気づく。タイムスリップ自体意図的なのではないか、現代の世界を救う鍵が原始時代にあるのではないか、といったミステリー要素がふんだんに含まれているのです。まったく先の読めないところが本作の魅力ですね。サバイバル知識をうまく活用して数々の困難を切り抜ける新太に、どんな未来が待っているのか? すべての謎をしっかり回収して完結させられたら、何らかの漫画賞を獲得する可能性もあるのではないでしょうか。

(C)及川大輔/村瀬克俊/集英社

(C)及川大輔/村瀬克俊/集英社

あらすじ
世界を救う鍵は原始の世界に有り!? つながる現在と過去。燃ゆる情熱が未来を切り拓く!! 時代と文明を超える原始サバイバルミステリー!! (集英社作品ページより)/単行本は既刊1巻。

7.チェンソーマン/藤本タツキ
借金まみれの主人公が、チェンソーの悪魔になってデビルハント

作者の藤本タツキ先生と言えば、宝島社の「このマンガがすごい!2017」オトコ編で第3位を獲得した「ファイアパンチ」が有名ですね。その藤本先生の新作となるのが、1月1日から「少年ジャンプ」で連載を開始した「チェンソーマン」。その独特な作風で連載当時、かなり話題を呼んだ作品です。

本作は、主人公の少年「デンジ」と、チェンソーの悪魔「ポチタ」がとある理由で合体し、デンジがチェンソーの悪魔へ変身して敵の悪魔を倒していくSFダークファンタジーです。チェンソーでバッサバッサと悪魔を斬り殺していくのですが、こんなグロテスクな漫画、今までの「週刊少年ジャンプ」にあったでしょうか(笑)。 そもそも変身するのがチェンソーってなんだよ! というツッコミどころ満載の設定とか、デンジが悪魔を倒す理由が「女性の胸を揉むため」とか、シリアスな展開の中にギャグ要素も含まれているところが本作の見どころです。グロテスクな描写が苦手でなければ、チェックしておくべきでしょう。

(C)藤本タツキ/集英社

(C)藤本タツキ/集英社

あらすじ
騙され借金まみれで、貧乏な生活を送っていた少年デンジ。チェンソーの悪魔のポチタと共にデビルハンターをしながらどうにか生きていたが、ある日残虐な悪魔に狙われてしまい……!?(集英社作品ページより)/単行本は既刊2巻。

8.それでも歩は寄せてくる/山本崇一朗
2人のやりとりが微笑ましい王道青春漫画

もともとは、「将棋のやつ」というタイトルで、2018年4月22日から作者のTwitterにて不定期更新されていたのですが、2019年の3月6日からタイトルを変え、「週刊少年マガジン」で連載が始まりました。

本作は、主人公で後輩の「田中歩(あゆむ)」とヒロインで先輩の「八乙女うるし」だけが在籍する将棋部を舞台に、2人の日常を描いたラブコメディ。うるしのことが好きで、将棋初心者ながら入部をした歩は、将棋で勝ったらうるしに告白しようと決意しているのですが、今のところまったく勝てる気配はありません(笑)。 ただ、歩がうるしを好きだということはバレバレで、うるしもまんざらではなさそうなのがまたおもしろい。告白させようと必死なうるしと、勝つまで絶対告白しようとしない歩のやりとりを見ていると、ムズムズ、キュンキュンしてきます。ぜひ手に取って、このムズキュンを味わってほしいですね。

(C)山本崇一朗/講談社

(C)山本崇一朗/講談社

あらすじ
週マガ60周年記念! 『からかい上手の高木さん』で一世を風靡した新世代ラブコメの旗手、山本崇一朗マガジン初登場‼ この恋、詰むや詰まざるや……?(講談社作品ページより)

9.姫様“拷問”の時間です/原作:春原ロビンソン、作画:ひらけい
迫り来る数々の拷問、あなたなら耐えられますか?

「姫様”拷問”の時間です」は、2019年4月2日から「少年ジャンプ+」で掲載されている漫画です。今回「少年ジャンプ+」の連載作品をいくつかピックアップしていますが、最近の「少年ジャンプ+」はおもしろい作品が多いですね。

“拷問”というタイトルだけ見るとシリアスな漫画なのかと思うかもしれませんが、まったくそんなことはなく、純粋なおバカ漫画です。一国の英雄である姫が魔王軍に捕らわれ、国の秘密を暴くために拷問されるのですが、その拷問が思わず「え?」と思ってしまうものばかり。たとえば1話では、目の前でめちゃくちゃおいしそうなホカホカのトーストを姫の目の前で食べるだけ。姫は数々の戦いにおける修羅場をくぐり抜けてきた英雄という設定なので、そんなことでは落ちないだろうと思いきや、姫は悶絶して簡単に秘密をばらしてしまいます。思わず「落ちんのかい!」と声を出してツッコんでしまいますよ(笑)。

(C)春原ロビンソン/ひらけい/集英社

(C)春原ロビンソン/ひらけい/集英社

あらすじ
囚われの身になった姫、その身に魔王軍から容赦ない拷問が執行される! (集英社作品ページより)

10.東京タラレバ娘2/東村アキコ
“令和”という新時代に、孤軍奮闘するタラレバ娘の物語

「東京タラレバ娘」と言えば、ドラマ化もされた大人気作品。ご存じの方も多いのではないでしょうか? 「東京タラレバ娘2」はタイトルの通り、その続編にあたる作品で、講談社の漫画誌「Kiss」で2019年4月25日から連載が始まりました。

「東京タラレバ娘」では、こうだっ“たら”とか、こうしてい“れば”と、女子会を開くたびにタラレバを言い合いながら幸せを探し求める「倫子」「香」「小雪」の3人の女性が主人公でしたが、本作の主人公は、図書館で司書のアルバイトをしている30歳未婚のフリーター女子。本作から初登場のキャラクターです。そしてもちろん、“タラレバ節”は健在。令和のタラレバ娘がどのように描かれていくのか楽しみですし、前作の主人公の3人がどのようにからんでくるのか、期待のふくらむ作品です。

(C)東村アキコ/講談社

(C)東村アキコ/講談社

あらすじ
令和になってもタラレバ言ってばかりの令菜は、ボーイズバーのオーナー・よしお1号からの問いかけを反芻しながら、いざタイムカプセルを掘り起こしに……!(Kiss次号予告ページより)

小林琢磨

小林琢磨

(株)ナンバーナイン代表取締役社長。大切な事は全て漫画から教わりました! 情熱こそ全てであり最優先。魂が震える作品が好きです。マンガサロン「トリガー」のオーナーと(株)人狼の代表も兼任。サーチフィールド創業者。アイコンはうめ先生制作。

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