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ヤマハの大ヒットギターアンプ「THR」が8年ぶりにモデルチェンジ!「THR-II」に進化

ヤマハのギターアンプ「THR」と言えば、ギター愛好家でその名を知らぬ者はいないだろう。従来のステージ用や練習用といった用途に固定しない「デスクトップで自由に使える第3のアンプ」として2011年に発売されて以降、国内外で高い評価を受けてきたロングセラーモデルだ。

このたび、このTHRシリーズが実に8年ぶりにモデルチェンジして、「THR-II」に生まれ変わった。果たして一体どこが進化したのか? 新しくなったTHR-IIシリーズの詳細をご紹介しよう。

記事の後半では、プロのギタリストたちによるTHR-IIの演奏動画もご紹介! 熱いプレイをお見逃しなく

記事の後半では、プロのギタリストたちによるTHR-IIの演奏動画もご紹介! 熱いプレイをお見逃しなく

新しい「THR-II」は3機種! 30W・20W出力モデル登場

まずは製品のラインアップについてざっと見ていこう。新しいTHR-IIシリーズとして、「THR30 II Wireless」「THR10 II Wireless」「THR10 II」の3機種が登場した。

写真左から、30W出力の「THR30 II Wireless」、20W出力の「THR10 II Wireless」と「THR10 II」

写真左から、30W出力の「THR30 II Wireless」、20W出力の「THR10 II Wireless」と「THR10 II」

天面コントロールパネルの様子(写真はTHR30 II Wireless)

天面コントロールパネルの様子(写真はTHR30 II Wireless)

THRシリーズと言えば、内部で真空管の灯がともるようなデザインも人気。THR-IIでも継承している。なお、実は地味にグリルの模様が「Y」型に変わっている

THR30 II Wirelessは、9cmのフルレンジユニットを2基搭載し、合計30W出力を確保する。本体サイズは420(幅)×195(高さ)×155(奥行)mmで、重量は4.3kg。従来のTHRシリーズで最も高出力なモデルとなる。2019年10月3日発売を予定しており、想定実売価格は54,000円前後。

THR10 II WirelessとTHR10 IIは、いずれも8cmのフルレンジユニットを2基搭載し、合計20W出力を確保する。本体サイズは368(幅)×183(高さ)×140(奥行)mmで、重量はTHR10 II Wireless が3.2kg、THR10 IIが3.0kg。2019年10月10日発売を予定しており、想定実売価格はTHR10 II Wireless が48,000円前後、THR10 IIが32,000円前後。

なおこの2機種は、従来シリーズ「THR10」と置き換わるモデルとなる。なお従来のTHR10が10W出力だったのに対して、新しいTHR10 II Wireless/THR10 IIとも型番は「10」のままなのに、出力が倍の20Wにアップしているのがポイントだ。

搭載する入出力端子は、INPUT(標準ジャック)/PHONES(ステレオミニジャック)/AUX IN(ステレオミニジャック)/USB(背面)。PCとUSB接続してギター演奏を録音することも可能で、製品にはDAW「CUBASE AI」もバンドルされる

THR30 II Wirelessのみ、背面にLINE OUT(L/R標準ジャック)も装備

THR30 II Wirelessのみ、背面にLINE OUT(L/R標準ジャック)も装備

3つのワイヤレス化がスゴい!

続けて機能面を見ていこう。なかでもTHR30 II WirelessとTHR10 II Wirelessの2機種は、名称に「Wireless」と付く通りで、3つのワイヤレス化を実現しているのが特徴だ。以下に、ひとつずつ解説していこう。

▼スマホとワイヤレス接続

まず、THR10 IIも含めた3機種とも、スマホとBluetooth接続することが可能になった。スマホの音楽をTHR-IIでワイヤレス再生し、そこにギター演奏を合わせるといった使い方はもちろん、単にTHR-IIをBluetoothスピーカーとして使うこともできる。また、無料のエディターアプリ「THR Remote」を使用することで、スマホからより細かな音作りを行ったり、追加パラメーターを簡単にエディットすることもできる。

Bluetooth経由でアプリからの設定操作が可能に

Bluetooth経由でアプリからの設定操作が可能に

▼バッテリー駆動できる

続いてわりと大きいのがコレ。THR30 II WirelessとTHR10 II Wirelessの2機種は、AC電源駆動のほかにバッテリー駆動にも対応しており、充電して手軽に持ち出すことができる。ストリートライブでの使用にもってこいだし、アウトドアに持ち出して使うのもよいだろう。ギターの演奏シーンを格段に広げてくれる進化と言える。なお、バッテリー駆動時には出力W数が下がり、2機種とも合計15W出力になることを留意されたい(THR10 IIはバッテリー非搭載でAC電源駆動のみ)。

▼ギターとワイヤレス接続

もうひとつは、別売のトランスミッター「LINE6 RELAY G10T」を使用することによって、ギターとワイヤレス接続できるようになった点だ。こちらも対応するのはTHR30 II WirelessとTHR10 II Wirelessの2機種で、これによりギター演奏時の自由度が上がる。

LINE6「RELAY G10T」は、THR-II本体に挿し込むだけでTHR-IIとペアリングでき、充電も行える

LINE6「RELAY G10T」は、THR-II本体に挿し込むだけでTHR-IIとペアリングでき、充電も行える(画像は充電中の様子)

THRならではの魅力を継承しつつ、サウンドが進化

そのサウンドについても、従来のTHRならではの魅力を継承しながら進化を遂げている。THR-IIの3機種とも、スピーカーキャビネット構造を見直すことで上述の通りアンプ出力を増強させていることに加え、ヤマハ独自のモデリング技術「VCM」や音の広がり感を生み出す「エクステンデッドステレオ」技術を採用し、リアルなアンプサウンド再生を図っている。

さらに、新しく3つのアンプモード「Classic」「Boutique」「Modern」を搭載するのもポイントで、これらに従来の「クリーン」「クランチ」「リード」といった5種類のアンプタイプを組み合わせ、合計15種類のサウンドを楽しむことができるようになった。さらに、コーラスやリバーブ、トレモロといった8種類の内蔵エフェクトもかけ合わせることで、幅広いサウンドバリエーションを享受できる。

THR30 II Wireless の天面コントロールパネルに備わる3種類のアンプモード切替スイッチ。従来はスタンダードモデルの「THR10」、ハイゲイン系アンプをコレクションした「THR10X」、そしてブティック系やヴィンテージアンプをコレクションした「THR10C」と、モデルごとに分かれていたコンセプトだったが、THR-IIでは全てのバリエーションが1台に集約されたことになる。アンプモード切替スイッチ非搭載のTHR10II Wireless/THR10IIでも、アプリを使用することで全てのサウンドを使用可能

【補足】THR10とTHR10 IIはどう違うのか?

では、バッテリー駆動やギターとのワイヤレス接続に対応しない「THR10 II」は、従来の「THR10」と比べてどう違うのか? ここでは、この2機種だけをフォーカスして、THR10からTHR10 IIへの変更点をまとめてみたい。

まず大きいのは、出力が10Wから20Wにアップしたこと。続いて、Bluetooth接続に対応したことだ。また、新しく3種類のアンプモードを搭載するのもTHR10 IIならでは。細かい点では、ヘッドホン端子が標準ジャックからステレオミニジャックに変更されたことを便利に感じられる方も多いと思う。

それに、従来ではPC用のエディターソフト「THR Editor」を使用していたところを、THR10 IIではスマホ用アプリ「THR Remote」が使えるようになった。さまざまな調整がより手軽にできるようになったのはトピックと言えるだろう。

THR10とTHR10 IIの比較。ヘッドホン端子がステレオミニジャックになったことで、ギターのシールドを挿し間違えることがなくなりそうだし、一般的な3.5mmステレオミニのイヤホンを変換プラグなしでそのまま接続できる点も便利。そのほか、細かい部分では「DELAY」の表記がECHOに、「USB/AUX」のOUTPUT表記がAUDIO OUTPUTに、電源がアナログタイプのトグルスイッチからボタン式になっているなどの変化がある

【動画あり】プロがTHR-IIでギターセッション!

それでは最後に、プロのギタリスト3名によるTHR-IIの演奏動画で本記事を締めくくろう。ヤマハが開催した製品発表会には、TOTALFATのKubotyさん、KEYTALKの小野武正さん、グッドモーニングアメリカの渡邊幸一さんが登場した。THR30 II Wirelessを使った熱いギターセッションの様子を、ぜひ以下からご覧いただきたい。3名ともTHR-IIとギターをワイヤレス接続し、自由度の高い状態で演奏していることにも注目。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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