今回ご紹介するのはバンダイのプラモデルですが、ガンプラではありません。まさかの、「PlayStation」と「セガサターン」のプラモデルです。1994年、当時のゲームキッズを驚かせたあの2大ハードが、26年の時を超えてプラモデルになったのです。しかも色やロゴまで徹底的にこだわりぬいた再現度。今回は、筆者の持っている実機と比較しながらご紹介します。
初代PlayStationと初代セガサターンのプラモデルなのです
とはいえ、ゲーム機のプラモデルと聞いても正直ピンとこないですよね。ガチャガチャなどでミニチュアが展開されていることはありますが、作る要素ってある?と思ってしまいます。しかし本キットは、なんと当時は見ることのできなかった内部、つまり基盤などの部分を組めるようになっています。マニアにはうれしいこだわりですよね。
PlayStationのランナーです。ガワだけでなく、内部のパーツも付いていることがわかります
こちらはセガサターン。PlayStationよりパーツが多いですね
また、背面プレートの型番情報などはホイルシールを使って再現されていて、こちらも思わずニヤリとしてしまいます。
では実際に組み立てていきましょう。
まずは、セガ・エンタープライゼス(後のセガ)から1994年11月22日に発売されたセガサターンから。PlayStationより少し早く発売され、当時の次世代ゲーム機のトップをきったハードですね。当時はアーケードでしかプレイできなかった、「バーチャファイター」がローンチタイトルとして登場したこと、そしてその再現度の高さなどが話題になりました。発売日当日に自宅で友人と「バーチャファイター」を遊んだことを、今でも覚えています。本キットでは、初代実機の型番である「HST-3200」が再現されています。
まずは本体上部。ボタンの青やCD-ROMトレイの黒い部分などは別パーツで色分けされています。トレイはちゃんとオープンボタンを押すと開くように組まれていますよ
内部を作ります。本物の内部は見たことがないのでこれは貴重。黒はCD-ROM読み取り部分ですね
あとは本体下部、基盤部分、本体上部を重ねて組み立てれば完成
セガサターン本体完成です。色合いがすばらしいですね。スケールは2/5で、手のひらサイズです
付属のCD-ROMパーツに貼るシールが3種類。筆者は「バーチャファイター」を貼りました
続いてコントロールパッドです。こちらも基盤部分にボタンを配置し、本体上部と下部を組み合わせます
完成です。電源ケーブルやテレビとの接続ケーブルのパーツは付属しておりません
では実機と比較していきましょう。ゲームキッズだった筆者は、もちろん初代型の実機を持っておりますよ。
上が実機です。経年劣化で色がやや変わってしまっているのはご容赦ください。大きさこそ違えど、再現度は完璧ですよね
実機は結構厚みがあったんですよね
コントロールパッドの比較。筆者の実機は上ボタンがグレーですが、キットでは青色でした
どうでしょう。サイズ感の違いはあれどほぼ実機と同じ色合いとスタイル。これなら飾りたくなりませんか? 写真では、よく見ないと実機なのかプラモデルなのか判別できないくらいです。ではもっと細かいところまで見ていきましょう。
トレイを開けたところです。開く角度から内部まで、実機を忠実に再現していますよね
サイド部分もそっくり
背面の端子部分や底の作り込みもすごいです。型番部分はホイルシール。実機ではあまり見たことのない部分もじっくり見ることができますね
ソフトの「バーチャファイター」も本物を持っていましたので比較。これまたシールで再現されています
セガ・エンタープライゼス(後のセガ)初の携帯型ゲーム機、ゲームギア先輩とも並べてみました
昨年9月に発売された「メガドライブ ミニ」のように、「セガサターン ミニ」の発売を信じて、このプラモデルで楽しみながら待ちましょう!
続いては、1994年12月3日に発売されたPlayStationのプラモデルです。大手のソニーがゲーム業界に参入するとあってすごい話題になりました。「1,2,3」のテレビCMも印象的でしたよね。こちらもアーケードでヒットしていた人気タイトルの移植や、2大ロープレ最新作が発売されるなど、据え置きゲームハードでは世界初の1億台突破をした伝説のハードです。当初はなかなか購入できず、他県まで遠征して購入しに行ったことを覚えています。
ではまず組み立てていきましょう。
こちらも本体上部から組み立て。本体上部のボタンもすべて別パーツです
内部を作っていきます。基盤を何層か重ねます
CD-ROM読み取り部パーツのボリューム感がすごいですね
上部と組み合わせれば本体完成です。こちらも手のひらサイズ
コントローラーは本当に特徴的でしたね。あとで実機と比較しますが、再現度が完璧です
完成。コントローラーのケーブルはリード線で再現。お好みの長さに切って調整できます
筆者が持っているPlayStationの実機は5代目で、初代発売の1年11か月後に出た「SCPH-5500」という型番のもの。初代も持っていたのですが、壊れてしまって買い直したんですよね。プラモデルは初代の「SCPH-1000」を再現したもの。大きな違いは出力端子の数です。そのあたりも含めて比べていきましょう。
上が実機です。メモリースロットやコントローラー、色合いやロゴまで完璧です
PlayStationはセガサターンに比べてあまり厚みがありませんでしたよね
サイドの特徴的なスリットもプラモデルで忠実に再現しています。底面もそっくり
背面です。出力端子の数の違いに注目
PlayStationは、型番が変わるたびに出力端子の数が減っていったような覚えがあります。実際に、初代の1000型にはRCA端子、パラレル入出力端子、S端子がありましたが、筆者の5500型はAVマルチ端子のみとなっています。
CDトレイの読み取り装置の位置も異なりますね
メモリーカードもプラモデルに付属。ちゃんとスロットに差し込めますよ
POWERなどの表記はシールで再現
PlayStationと言えば、コントローラーの形も独特でした。初代はアナログスティックが付いていないバージョンでしたね。プラモデルはそのコントローラーの曲線も見事に再現されています。
独特の形状のコントローラー。ボタンの模様はシールで再現します
この曲線も見事。うしろのボタン配置もPlayStationならではです
付属のCD-ROMはタイトル記載なし。どれか人気タイトルのシールがあればよかったのですが
ソニー歴代携帯ハードと並べてみました。小さくてかわいいですね
両方並べてみました
1994年当時、筆者はまだ社会人になりたての時期でした。新しいゲームハードの登場に、これからゲーム業界全体がすごいことになりそうだという期待感があふれていましたね。そんな時代を先導した2大ハードが、時を超えて手のひらサイズのプラモデルになって発売され、懐かしさと当時の活気を思い出して、ちょっと泣きそうになりました。特に色合いの再現度の高さがすごく、実機を持っていながらも感心してしまいました。ぜひ、シリーズを通して全ゲームハードをプラモデル化してほしいところですね。