レビュー
まだまだ加熱式タバコはおいしくなれる

期間限定はもったいない! 世界的シェフと先鋭のバーテンが作った「アイコス」スティックがうまい

加熱式タバコ「アイコス」の専用たばこスティック(ヒートスティック)「マールボロ」シリーズに、具体的に何の味か定めのない新機軸の「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ」3種「アミール」「ノア」「ユウゲン」が、期間限定で発売された。いずれも世界的シェフとバーテンダーが味を決めたというが、どんなおいしさを感じさせてくれるのか、試してみよう。

写真左から「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ・アミール」、「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ・ノア」「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ・ユウゲン」。2020年5月17日発売で、どちらも20本入り530円(税込)

世界的な分子料理のシェフと先鋭のバーテンダーが加熱式タバコの味わいを進化させる

紙巻きタバコユーザーの大半は、加熱式タバコの味わいに違和感を覚える。確かに白い蒸気を生み出すために含まれたグリセリン類や、燃やさないことでタバコ葉が出す臭気や味は独特なので、当然だ。これに対し、各メーカーは、ひたすら不自然さを上書きするためのメンソールやフレーバーの強化などで克服しようとしてきた。

ただそうした違和感をマスキングするためのフレーバー添加には限界もある。

今回「アイコス」がとった戦略は、社外の味覚のエキスパートによる味のプロデュースである。抜擢されたのは、科学的なアプローチで繊細な美味を生み出す分子料理エキスパートのシェフ、ホワン・アマドア氏と、科学に基づいた斬新なカクテルを生み出す“混ぜる学者”=ミクソロジストと呼ばれる先鋭バーテンダー、ルネ・ソフナー氏の2人である。

彼らはさまざまなハーブやスパイスを用いることで、上書きではなく、新たな加熱式タバコの味に挑戦したという。それでは、その斬新なアプローチを順に味わっていこう。

左がシンガポールのミシュラン1つ星レストラン「アルマ」を展開する分子料理シェフのホワン・アマドア氏、右がミクソロジストのルネ・ソフナー氏

じんわりとしたおいしさ「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ・ノア」

まずはレギュラータイプの「ディメンションズ・ノア」から吸ってみよう。タバコ自体の基本特徴がわかりやすく、メンソールで感覚が麻痺してしまわないためだ。

フレーバー説明は「あたたかく刺激的」、イメージは涼しいカリブ海の休日。どちらも全然具体的ではない。NOOR(ノア)はアラビア語で「光」という意味で、あえて具体的な味を指定していない。

加熱前は上質なシガーのようなフレーバーで、加熱式タバコ特有の酸味はない。シトロネラ(シトラス風味を持つハーブ。虫除けにも活用される)、パイナップル、ナッツにスパイスを加えて仕上げたというが、味の想像がつかない。

ゆっくりめに蒸気を吸い込むと、確かにあたたかみのある蒸気が流れ込み、ピリッとしたスパイス感とともにナッツの香ばしさを感じた。パイナップルはタバコ葉の旨味を深めるために隠し味的に使われ、甘みはそれほど感じない。じんわりとしたおいしさは、時間をゆっくりと流れさせるようだ。

不思議だったのは、加熱式タバコ特有の酸味のあるポップコーン臭が気にならないこと。味の芯にはあるのだけれど、さまざまな味わいの妙で、いやなニオイがそのままおいしい風味に変換されているのだ。滋味とでもいうのか、自然を感じる絶妙なおいしさは、今まで感じたことのないものだ。

さらに吸い殻がニオわないのもいい。自分がニオイの強いデバイス=「アイコス」を吸っているという感覚が薄くなる。

時間帯イメージは午後を担当する、フレーバー系レギュラー「ノア」

時間帯イメージは午後を担当する、フレーバー系レギュラー「ノア」

これまでのヒートスティックとは明らかに違うアプローチだ

これまでのヒートスティックとは明らかに違うアプローチだ

キレもよく、甘みも残らないアジアンテイスト「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ・アミール」

次は「ディメンションズ・アミール」。フレーバー説明は「まろやかなハーブ」で、非常に複雑な味わいが特徴だ。AMMIL(アミール)はアラビア語の口語の一種で、“氷や水をキラキラさせるもの”とのこと。使用されているのはバジルやウッディなバニラの香りということで、そこにスペアミントの清涼感が加わる。

実際に吸ってみると、単なるメンソールではない不思議な感覚が押し寄せる。早朝というにはかなりややこしい味わいなのは、バジルのためか。通常、バジルはイタリアンのイメージだが、かなりアジアンメニュー寄りである。

メンソールは喉奥に届くが辛くない。鬱蒼(うっそう)とした森のような神秘的な香りとともに味わう清涼感、ハーブとミントを効かせた料理感のある不思議な味わいは、キレもよく、甘みも残らず、いまだかつて吸ったことのない味を生み出す。

吸い殻も不思議なことに、上質な煙の香りだった。ただそのニオイも、すぐに消える。

時間帯イメージは早朝、日の出だというフレーバー系メンソール「アミール」

時間帯イメージは早朝、日の出だというフレーバー系メンソール「アミール」

フローラルさを秘めたフルーティー「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ・ユウゲン」

最後は「ディメンションズ・ユウゲン」。「豊潤でフローラル」と表現されるフレーバー系メンソール。名前は日本語の「幽玄」から来てている。その意味は、計り知れない宇宙の神秘的な美しさとでも言えばいいだろうか。

そのイメージを、梨、ラベンダー、ジャスミンティーを使い、フローラルに仕上げたという。

これはひと口吸うだけで、普通においしい、かなりわかりやすいパンチのあるスースータイプだ。普段から「マールボロ・ヒートスティック・パープル・メンソール」などのパープル系を吸っている人なら、違和感なく移行しやすい味だ。ただ、それだけでは終わらない複雑さが特徴になる。

吸えばガン!と強烈なスースー感が鼻の奥まで直撃するのだが、その後に広がるのは、いくつもの香りが重なったフローラルとフルーティーの結合だ。ラベンダーやジャスミンなどフローラル系のアロマ感が強いと、途端に芳香剤的な印象になって吸いにくいものだが、これは控えめ。梨が包み込むことでフローラルさを秘めたフルーティーという絶妙な地点に着地するのは見事だ。

確かに、よくよく味わえば宇宙のような広がりを感じさせるが、そこまで繊細に味あわなくても、通常のフローラル系メンソールとしておいしく味わえるだろう。

時間帯イメージは夕方だという強めのフレーバーメンソール「ユウゲン」

時間帯イメージは夕方だという強めのフレーバーメンソール「ユウゲン」

期間限定というのはもったいない

「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ」3種を味わったところ、加熱式タバコ特有の違和感のある風味を、これまでと違ったアプローチで解決していることに驚いた。「まだまだ加熱式タバコはおいしくなれる」。そう思うと筆者はうれしくなった。

何よりも、料理人とドリンクの名手を起用したことが素晴らしいと思う。フレーバーではあるが、香りの専門家がアプローチしてもこうはならない。ベイプ用リキッドなども含めて、アロマが強すぎる製品は、ルームフレグランスにはいいが、吸うのには厳しいことがほとんどだ。

さらに、周囲へのニオイの問題を大きく解決したのは、今のおこもり生活にも適していると思う。自宅のあちらこちらで吸うことが難しい同居人がいる環境でも、さほど気にならないレベルにまでニオイを抑えているというのは、「喫味は強いがニオイも強い」という「アイコス」のイメージを覆すものである。

「マールボロ・ヒートスティック・ディメンションズ」シリーズは、日本初の期間限定製品だというが、正直ここまで複雑なおいしさを構築したのだから、ぜひとも定番化してほしいと、筆者は強く思った。

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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