ガンプラでおなじみのバンダイスピリッツから、まさかのプラモデルが登場しました。「BEST HIT CHRONICLE 1/1 カップヌードル」です! 何を言っているかわからないと思いますが、カップヌードルのプラモデルです。もちろん発売日に手に入れましたので、組み立てレビューをお届けします。
バンダイスピリッツの意地と英知をかけた新商品です
「BEST HIT CHRONICLE」とは、バンダイスピリッツと企業とのコラボレーション企画で、多くの人々を魅了し世の中に革新を与えたヒット商品をプラモデル化していくシリーズ。その第一弾と第二弾は、プレイステーションとセガサターンでした(組み立てレビューはこちら)。その最新作はまさかのカップヌードル! しかもスケールは1/1なのでまさに実物大。誰もが知っている世界初のカップ麺をどうプラモデルにしたのか? そのとんでもない構造を、作りながら、そして本物と比較しながら見ていきましょう。
ランナーのご紹介。まずは白いカップ。カラフルなパーツはきっとアレですよ
麺です。ヌードルです。こんなプラモのパーツ見たことありません
何やら円形のパーツがずらり。そしておなじみのロゴも
文字周りはシールです。フォントも本物と同じなんですって。赤色の不思議な形のシールについては後ほどご紹介
おなじみのフタ止めシールは、本物と同じものが付属しています
そして謎のグリーンのビニールテープ。これも後ほどご紹介します
では作っていきましょう。ランナーは全部で14枚ですが、1ランナー1パーツのものもあるので、パーツ数は多くありません。
まずはカップの外装から。見慣れた金色と赤のラインは、なんとリング状のパーツを組み合わせて作ります。小さな合わせ目がちょっと見づらいのですが、そこはさすがバンダイで、ピッタリとはまってしっかり組み上がります。もちろん接着剤不要のスナップキットですよ。
まずはカップの上側を作ります。リング状のパーツでラインを表現します
きれいにはまりました。ここにさらにリング状のパーツを付けていきます
カップヌードルのあの特徴的なプリントを、金色と白のパーツの組み合わせで再現
凸凹が見事にかみ合っています。ここまで6つのパーツを使用。見覚えある仕上がりになってきてますね
ここで現在発売している本物(写真左)と比べてみましょう。上部のラインが完璧に再現されています
続いてカップ底側。リング状のパーツを5つ組み合わせていきます
カップの底側が完成
続いてカップの中央部分を作りますが、ここはロゴや文字情報などが入ったパーツで、言わばキモの部分。ではまずメインのロゴを作っていきます。もちろんこれも全部パーツで構成されています。
見てください! 赤いロゴパーツに白い文字パーツをはめ込んでいくスタイル。作っていて実に気持ちがよかったです
どうです! この美しさ! カップヌードルのロゴは独特ですが、改めて見るととてもカッコイイですね
組み立てたロゴを、カップ中央部パーツにはめ込みます。これだけでもすごいのですが、下のカタカナに注目。「カ」の字など、パーツだけではちょっと色が足りない部分がありますよね
その部分を、小さな赤いシールを使って補います。「カ」の字や、「プ」と「ダ」の濁点がはっきりわかるようになったでしょう
裏側の文字情報などはシールを使うのですが、実はパーツ側にもちゃんと文字が掘られています。これすごいですよ。フォントも同じです。
見えますか? 注意書きすべてがパーツに掘られています。技術のある方はシールを貼らずに、自分で墨入れみたいにして塗装するのもおもしろいかと
使うパーツはこれだけ。右の赤い小さな四角いパーツは、注意書き部分のロゴマークです
パーツのはめ込みができました。が、これだとやはり本物(写真左)に比べると寂しいですよね
そこでシールの出番です。注意書きやロゴマーク部分にシールを貼ると、この通り!
外装ができたら次は内部です。いやいや内部って言ったら、もう麺と具しかないですよね。もちろんここもプラモデルで作ります。食べられないカップヌードルが爆誕しますよ!
ランナーから麺のパーツを切り出します。すごい日本語だな……
4つのパーツでできた麺塊に、さらに4つの麺パーツを付けていきます
さらに上下にパーツを付けて、合計10個の麺パーツで麺塊が完成!
カップヌードル独特の「疎密麺塊構造」がプラモデルで再現されています。実物の麺を3Dスキャンしてパーツを作り上げたそうで、もはや変態的としか言いようがありません。実際にカップヌードルを食べるときって、麺は上からしか見えないじゃないですか? お湯を入れちゃうと塊はほどけてしまうわけで、なかなかこういった麺塊の状態を見ることがないですよね。そこを、手を抜かずに完全再現しているところに執念を感じます。
また、カップヌードルは輸送や移動時の振動で壊れにくいように、麺がカップの底から浮いている「中間保持構造」となっています。もちろんそれも再現していて、ロゴ部分のパーツを取り外すことで見ることができます。
ロゴ部分のパーツを外すことで、いつでも中間保持構造を見ることができます。ちょっと感動
残るは具材です。カップヌードルの具材といえば、エビにタマゴに謎肉。なんとこれらの具材パーツも、本物を3Dスキャンして作られています。タマゴと謎肉は8つ。エビは5つのパーツが入っており、エビは付属のシールを貼ることでさらにリアルさを再現可能。
具材パーツを切り出しました。タマゴと謎肉の凸凹感とか、すごくよくできています
エビは、半透明のシールを貼ることで、絶妙な色合いを再現できます
残る具材のネギは、緑の細長いパーツを切り分けて使います。触ってみるとプラスチックではなく、お弁当の仕切りでおなじみのバランと同じ素材感でした。
好みの長さに切ってネギにしましょう
これらの具材を、麺の上に乗せていきます。どうでしょう? カップヌードル感が出てきましたね!
本物は具材がもうちょっと小さく、そしていっぱい入っていますね
具材だけ取り出してみました。左が本物で、右がプラモデル。タマゴなんてそっくりすぎて間違って食べちゃいそうです
さて、具材を入れて、フタのシールを貼ったら完成です。このフタのシールは何度も貼ってはがせるので、実際のカップヌードルを作るときのような、半分めくった状態なども再現できます。
完成です。と言ってこれだけ見せられても、本物のパッケージにしか見えませんよね
フタのシールも本物そっくり。裏側を見てもプラモデルとは思えません
本物と見比べても、本当に見ただけでは判別できないくらい完璧な再現度です。
さて皆様、どちらが本物がおわかりになりますか?
上から見るとさらに似ています
裏側から見ると、少し違うところがありますね。正解は写真左が本物で、右がプラモデルでした!
底面は、賞味期限などの表記もシールで再現。プラモデル(写真右)は製造工場名が異なりますね
本物との決定的な違いはスープ粉の有無ですね。本物は麺がやや茶色っぽくなっていますが、プラモデルの麺はきれいです
一見、ネタ的とも思えるプラモデルですが、そこはさすがバンダイスピリッツ。最新技術を使った完璧な再現度。そしてガンプラで培った、作る楽しさ、おもしろさが体感できます。作っていてとても楽しいんですよね。特に麺塊のところではニヤニヤが止まりませんでした。
プラモデルとしての難易度は高くありませんが、リング状のパーツの組み合わせや、ゲートの処理、シール貼りなどをしていると2時間弱くらいの時間がかかりました。カップヌードルのように3分でできあがりとはいきませんね。
このなんとも言えない達成感を味わってほしいです
注意すべき点としては、作っている最中にカップヌードルを食べたくなってしまうこと。かなりお腹が空いてきます。見比べるためにも食べるためにも、本物のカップヌードルを隣に用意して組み立てることをおすすめします!
「月刊PCエンジン」誌で編集ライターデビュー。「64DREAM」誌デスクを経て前職はXbox 広報のゲーム漬け人生。猫とガンプラとaqoursが存在理由のホビー担当。