「アイコス」の専用たばこスティックの代わりに、茶葉を使用したスティックを使用することでニコチンカットを実現する茶葉スティックがブームだ。
今回は中国の二大緑茶のひとつと言われる西湖龍井(シーフーロンジン)の茶葉を使用した「NONNICO(ノンニコ)」を、ヘビースモーカーであり、茶葉スティックも数多く吸ってきた筆者が試してみた。
吉岡製薬「NONNICO(ノンニコ)」。フレーバーは「アイスブルーベリー」「メンソール」2種類。各20本入り×3箱で1,197円(税込)だったので、1箱約400円
タバコ葉の代わりに茶葉を使用して、吸い応えはあるのにニコチンゼロを実現している茶葉スティック。ブームに火をつけた「ニコレス」は紅茶ベースだが、後発品はオリエンタルな中国茶風味や、そもそも茶葉感を押し出さずにタバコ味に近づけたものなど、種々雑多な製品が存在する。
「ノンニコ」は中国・浙江省の龍井(ろんじん)村産の高級銘茶の茶葉・西湖龍井(シーフーロンジン)を使用している。烏龍茶のような半発酵茶ではなく、緑茶というのがポイントだ。茶葉スティックの中でもまだ、緑茶ベースはそれほど多くない。
しかも、その茶葉をそのまま顆粒化するのではなく、エキスを抽出して独自製法で顆粒化しているというところが新機軸である。
作っているのは、吉岡製薬という、不織布マスクや栄養ドリンクとともに、アイコス互換機やベイプ製品を作っているメーカーだ。
中のスティックの包み紙の素材はフレーバーによって違う。「メンソール」は銀紙、「アイスブルーベリー」は厚手のトレーシングペーパー素材だ
左から、アイコス、ニコレス、ノンニコ。ノンニコ内部の蒸気冷却材のシリコンは、硬くてカッターで切れなかった
それでは実際に、「ノンニコ」2種類を吸ってみたい。
まずは、加熱式たばこでは定番人気のフレーバーであるベリー系メンソールの「ノンニコ アイスブルーベリー」だ。
箱を開けると、本物の果実に近い甘酸っぱいフレーバーが広がって、いい感じだ。加熱してもその香りはケミカルにならずに持続し、吸ってみると熱めの蒸気とともに甘酸っぱいブルーベリー味とともにすっきりとした辛すぎないメンソールがのど奥にまで広がった。
パッケージはフタ部分が完全にカットされていないためとても開けにくいが、スティックはサクッと挿さりやすかった。蒸気量も豊かである
緑茶感はかなり上品で、違和感はない。というよりもその洗練されたおいしさに驚いた。茶葉スティックはハズしも多いので覚悟していたが、これはいい。
茶葉スティックというものは、吸い始めはよくても、中盤以降は酸味やえぐみが出てくることが多い。しかしこれは甘酸っぱさがうまくマスクしていて、おいしいまま一服を終わらせることができる。
ケミカルさを感じない、上品なブルーベリーの果実感
加熱式たばこはもちろん、茶葉スティックの王道でもあるメンソール味の「ノンニコ メンソール」。箱を開けるといくぶん甘みのあるスペアミントのよい香りが広がった。
吸ってみると、清涼感がのど奥に飛び込んできて、心地いいスロートキックを生み出す。蒸気を吐き出す時、高級緑茶がすっきりとした爽やかさを演出。これがとてもおいしい。茶葉特有のいがらっぽさも少なく、変な甘みもない。これはすごい。
メンソール強度もしっかりスースーはするのだが、辛すぎないところがいい。気になる後半もおいしさは揺るぎなく持続。日常的に吸っても飽きにくいストイックなメンソールタバコ味。これは茶葉スティックのひとつの完成形だと思う。
パッケージからは想像できない洗練された味わい
アイコス・ユーザー限定のニコ断ち方法である茶葉スティック。その決定版とも言うべきクオリティを「ノンニコ」は叩き出したと思う。茶葉のクセやえぐみ、後半の強い酸味をすべてよきほうにまとめ上げたこのバランス感。まさに職人技で感動した。
パッケージはお世辞にも洗練されているとは言い難いし、箱の作りも高品質と言いにくいが、味はすばらしい。これは通常のニコチンスティックと同じ土俵で戦ってもよいレベルである。
したがって、初めてのニコ断ち挑戦だとしても、2本に1本の減煙なら楽勝だろう。むしろ「ノンニコ」2、3本に対して通常スティック1本の比率でも、かなりの人が成功すると思う。全面切り替えに関しても、この製品だったら夢ではないはずだ。
通常の顆粒タイプは茶葉を直接顆粒化しているが、「ノンニコ」はエキスを顆粒化。それがこのおいしさの秘密か。改めてタバコではないということを確認してしまう
※本記事は喫煙を推奨するものではありません。ご利用にあたっては、健康リスクなどをご考慮のうえ、注意・マナーを守ってご使用ください。
元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!