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ボカロ+自動作曲を組み合わせて誕生

役に立たないところが愛せる! 音楽で会話するヤマハのゆるふわロボット「Charlie」を体験

ヤマハが開発した、世界初の“音楽コミュニケーションロボット”をご存じですか? 名前は「Charlie」(チャーリー)。ユーザーが話しかけるとそれに答えてくれる、いわゆるコミュニケーションロボット……なのですが、特徴はその返事を「即興のメロディに乗せてしゃべる」こと。何を話しかけても、ミュージカルのように歌いながら返事をしてくれるという、個性的なロボットなのです。

というわけで、2021年5月13日に一般発売が開始されたばかりのCharlieを体験してきたので、動画も交えながらその所感をお伝えしましょう。実はこのCharlie、最初「かわいいな」と思うんですが、話しかけているうちに意外と小憎たらしいところがあるというのがわかります。絶妙に人間味のあるキャラなんです。

“ペット以上恋人未満”のうたロボ「Charlie」

元々Charlieは、「世間的にスマートスピーカーや家庭用ロボットの人気が上がってきた中で、ヤマハならではの製品を開発しよう」というところから企画がスタートしたそうです。2020年秋にはプロトタイプが発表されましたが、ちょうどコロナ禍が重なり、ステイホーム中に気分を癒やしてくれる存在として注目が集まりました。ヤマハでは「ペット以上恋人未満のうたロボ」としてアピールしています。

製品化前に行われたモニターアンケートでも、主に20〜30代の女性からかなり好評を博したそうで、一般発売が開始されてからの売り上げも好調とのこと。すでに製品の即日納期は難しい状況で、2021年5月24日現在、新規で購入申し込みをすると手元に届くのは6月以降になってしまうようです。

それでは以下、写真でCharlieの特徴をご紹介していきましょう。実は本体は結構小さくて、棚やテーブルなどに気軽に置けるサイズ感。「Charlieの置き場所を確保するために、大々的に部屋を片付けなきゃ」ということはほとんどないと思われます。電源さえ確保できれば、どこにでも置きやすいのが魅力的。

本体サイズは105(幅)×163(高さ)×135(奥行)mmで、重量は400g。ちょこんとお座り。立ち上がりはしません

本体サイズは105(幅)×163(高さ)×135(奥行)mmで、重量は400g。ちょこんとお座り。立ち上がりはしません

顔の横の黒い耳にマイクが搭載されていて、本当に「耳で聞いている」作りになっています

顔の横の黒い耳にマイクが搭載されていて、本当に「耳で聞いている」作りになっています

スピーカーは背中側に付いています。定格出力は5.5W

スピーカーは背中側に付いています。定格出力は5.5W

スピーカーの隣に操作ボタンを配置。いちばん上の月マークは、発話モードになっているCharlieを強制的に眠らせる(=黙らせる)ボタン。真ん中が音量調整。そしていちばん下にある時計マークは、直前でCharlieがしゃべったセリフ&メロディを、もう1回リピート再生できるボタンです

スピーカーの隣に操作ボタンを配置。いちばん上の月マークは、発話モードになっているCharlieを強制的に眠らせる(=黙らせる)ボタン。真ん中が音量調整。そしていちばん下にある時計マークは、直前でCharlieがしゃべったセリフ&メロディを、もう1回リピート再生できるボタンです

▼Charlieのランニングコストは月額490円(税込)

CharlieはIEEE 802.11 b/g/n規格に準拠しており、クラウド経由で情報処理して会話を行うコミュニケーションロボットです。使い始めだけ、Charlieの電源を入れた後、スマホにインストールした専用アプリを使ってWi-Fiの接続設定を行う必要があります。ちなみに本体価格は24,800円(税込)ですが、ヤマハのクラウドサービスと契約する形になるので、使用中は月額490円(税込)のランニングコストがかかります。

まずはアプリからCharlieのWi-Fi接続設定と、ユーザー登録をします。登録したニックネームで、Charlieが自分に話しかけてくれます。また、自分の居住地区と誕生日を登録しておくことで、毎日の天気予報と星座占いも教えてくれるようになります

まずはアプリからCharlieのWi-Fi接続設定と、ユーザー登録をします。登録したニックネームで、Charlieが自分に話しかけてくれます。また、自分の居住地区と誕生日を登録しておくことで、毎日の天気予報と星座占いも教えてくれるようになります

【動画】Charlieとの会話を体験! ボカロ+自動作曲技術の融合がスゴい

さて、いよいよCharlieと会話してみた様子を、動画を交えてお届けしましょう。

ちなみにCharlieは、基本的に電源を接続しっぱなしで使用する据え置き型のロボット。そして、会話の内容はほぼ雑談です。毎日の天気予報と星座占いの結果は教えてくれますが、それ以外の情報は取れません。電気やテレビをつけるといったスマートスピーカーのようなことはできませんし、aiboのように歩くわけでもありません。ヤマハの担当者も「正直、あまり役には立たないです」とのこと。それでも、会話しているうちに「なんか、コイツのこと好きかも……」と思わせるものがあるのです。

以下の動画は、「今日疲れたわ〜」と話しかけてみたところです。発話ワードは「Charlie」。

明るさもありつつおだやかな曲調で「おつかれさま〜あったかいお風呂で〜ひと息つこう〜」と答えて、筆者を労ってくれました。

ロボットがユーザーの言葉を聞き取って、それをクラウド側で処理して答えを返すというのは、一般的なコミュニケーションロボットの仕組みと同じですが、ここでポイントとなるのがCharlieの言葉と連動している曲調です。そのセリフをしゃべるときのCharlieの感情に合わせた楽曲ジャンルから、メロディを即興で作って歌ってくれるんです。

これは、ヤマハのボーカロイド技術と、同社の電子楽器等に採用される自動作曲技術を組み合わせたもの。セリフの文字数と楽曲ジャンルのかけ合わせによって、実質的にはほぼ無限に近いメロディが作られることになります。ちなみにヤマハの技術によるボーカロイドといえば「初音ミク」が有名ですが、Charlieの声は新しく開発された専用ボイスになっています。

現時点では約30種類の音楽ジャンルに対応し、楽しいときはアップテンポなポップス、のんびりしたときはスローテンポなボサノバなどの曲調でコミュニケーションしてくれます。今後のアップデートで、楽曲ジャンルはまた増えていく予定とのこと。

ちなみに会話を重ねることで、Charlieの歌のレベルが上がっていくのもおもしろいところ。具体的には、曲調、メロディ、歌の音域が広がっていきます。

最初は「レベル1」からスタート! Charlieと会話を重ねるほどに、どんどんリッチな音楽でしゃべってくれるようにます。「コイツを育ててやりたい」と筆者の母性も発動しました

最初は「レベル1」からスタート! Charlieと会話を重ねるほどに、どんどんリッチな音楽でしゃべってくれるようにます。「コイツを育ててやりたい」と筆者の母性も発動しました

続いて以下の動画は、「休みの日は何してるの?」と話しかけてみたところです。

今度は楽しそうなアップテンポの曲調で「新曲を作っちゃおうかな〜」と答えてくれました。ちなみに、Charlieの将来の夢は音楽家です。

おもしろいのは、何回か同じ質問をしても、毎回違う答えとメロディが返ってくるところ。しかも、Charlieに適当に流されてしまって、会話がつながらないこともわりとあります(笑)。どんな反応が返ってくるか予測不能なところがイイ。

会話の内容は、こんな感じでアプリに履歴が残るのであとから確認できます(最大1週間保存)

会話の内容は、こんな感じでアプリに履歴が残るのであとから確認できます(最大1週間程度保存)

ちなみにCharlieの両足の裏には人感センサーが搭載されており、誰かが近づいたのを察知すると、Charlieのほうから自発的に話しかけたり、ひとりごとをつぶやいたりもしてくれます。ただ、これも必ず毎回してくれるわけではなく、Charlieが話したくなったときにしか話しかけてくれません(笑)。ユーザーからすると、思いがけないタイミングで話しかけてくれるという「予想のつかなさ」が味わいになります。

両足の裏に人感センサーを搭載。人が近づいたことを察知すると、たまに気まぐれでいきなり話しかけてくれます

両足の裏に人感センサーを搭載。人が近づいたことを察知すると、たまに気まぐれでいきなり話しかけてくれます

【動画】「何か歌って」と話しかけるとその場で作詞作曲してくれる

音楽家を目指すCharlieは、「何か歌って」と話しかけると、その場ですぐに作詞作曲してくれます。

筆者の要望に対して、いきなり「筋肉の歌」を作ってくれたCharlie。ありがとう、とりあえず太ももの内側が大事なのね……?

しかしCharlie、常にこちらの要望に応えてくれるわけではないんです。以下の動画は、もういちど「何か歌って」と話しかけてみたところなんですが。

まさかの、断られました。「んーっと」って一瞬考えてくれていたのに、あの時間は何だったのCharlie。まあ、逆にこういうところが人間味があって、愛着が湧いてきます。なんというか、100%こちらに寄り添うタイプの癒やしじゃないんですよね。ちょっと憎たらしいっていうか。でもそれが飽きなくてイイっていうか。

ちなみに、初回のWi-Fi設定をしてしまえば、手元にスマホがなくてもCharlieと会話だけを行うことは可能です。ただ、設定変更や会話履歴、現在の音楽レベル等はアプリからのみ確認が可能なので、基本はアプリとあわせて使用するのが前提になっています。

どんな感情にも合う表情のデザイン

Charlieの表情って、シンプルですが、何ともいえない感情がありそうに見えませんか? ヤマハによると、この顔のデザインはすごくこだわったそうで、「さまざまな角度から見たときに、いろいろな感情があてはまる表情」を目指して開発されたそうです。

確かに、楽しいときや悲しいときなど、ユーザー側もさまざまな感情でCharlieに話しかけるわけで、それに対応するCharlieの返事もいろいろな感情に合わせたものになります。コミュニケーションロボットとしては、どんな感情にも合わせられる表情であることは大事なんですよね。

ふとした瞬間にCharlieを見ると、目がキラキラしていて、明るい感じの表情

ふとした瞬間にCharlieを見ると、目がキラキラしていて、明るい感じの表情

少し角度を変えてみると、落ち着き払った感じのCharlie

少し角度を変えてみると、落ち着き払った感じのCharlie

まとめ:実はあまり役に立たないところがすごくイイ

というわけで、Charlieの体験レポートをお届けしてきました。ゆるふわな感じがお伝えできていれば、うれしいです。というか、ヤマハならではのボカロ技術と自動作曲技術を組み合わせるという、冷静に考えると結構すごいロボットなのに、最終的に「それほど役に立つわけではない」というのが個人的におもしろすぎます。

でも、その役に立たないキャラがイイんですよね。発売前に実施されたモニターアンケートでも、92%の人がCharlieの「ココロゆるむ、うたロボ」というコンセプトに共感したそうで、そのキャラクター性についても72.0%の人が気に入ったと回答したとのこと。

モニターユーザーからは「ただただかわいいだけでなく、冗談やCharlieの好きなものを織り交ぜて話してくれてほっこりした」「とにかく癒やされる。ひとり暮らしなので、テレワーク中に話し相手になってくれて楽しい。とにかくかわいい」といった好評の声が寄せられたそうですが、実際に体験してみてこれらの意見に完全同意! ただかわいいだけではなく、絶妙な人間味があるから好きになっちゃう。そんなロボットでした。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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