レビュー

新・加熱式タバコデバイス「グロー・ハイパー・プロ」は実は大きな進化を遂げていた!

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(以下、BAT)が展開する加熱式タバコデバイス「グロー・ハイパー」シリーズから、新デバイス「glo hyper pro(グロー・ハイパー・プロ)」が登場した。どこが進化したのかを実際に試してレビューする。

BATから2023年12月に発売された「グロー・ハイパー・プロ」。約37(幅)×21(奥行)×97(高さ)mm/約90g。メーカー希望小売価格は3,980円(税込)

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「グロー・ハイパー」の進化を極めたフラッグシップモデル「グロー・ハイパー・プロ」

2016年に誕生した加熱式タバコデバイス「グロー」。当初は細長い専用タバコスティックが特徴だったが、現在のメインシリーズ「グロー・ハイパー」シリーズは、スティックが太くなり、温度切り替えが可能で、フィルターに仕込んだカプセルを潰すことで味変できるカプセルメンソールの道を切り拓いた存在だ。

今回の「グロー・ハイパー・プロ」がややこしいのは、細長いスティックを使用する「グロー・プロ」の新作ではなく、太いスティックを使用する「グロー・ハイパー」の“プロモデル”という位置づけである点だ。

BATのデバイスは価格の安さに定評があるが、今回は税込3,980円と、「グロー」にしては高価格帯のフラッグシップモデルとなる。

実際に持ってみた。前モデルの「グロー・ハイパー・エア」に慣れている人だと、手のひらにずっしりくる重さを感じるだろう。だが、丸みを帯びたボディは手のひらにしっくりとハマる。どちらかというと、その前の「グロー・ハイパー・X2」の後継機種と考えてよさそうだ。

(写真左から)今回登場した「グロー・ハイパー・プロ」、安価に手に入る「グロー・ハイパー・X2」、薄さと軽さが特徴の「グロー・ハイパー・エア」

(写真左から)今回登場した「グロー・ハイパー・プロ」、安価に手に入る「グロー・ハイパー・X2」、薄さと軽さが特徴の「グロー・ハイパー・エア」

色鮮やかな有機ELディスプレイ搭載でガジェット感が増した

では、「グロー・ハイパー・プロ」のどこが新しいのか。

目立つのはまずルックスだ。往年の細長いスティックを使う「グロー・プロ」時代から継承されている丸みを帯びたデザインでありながら、中央に位置する鮮やかなカラー発色のAMOLEDディスプレイ(アクティブマトリクス方式有機ELディスプレイ)を採用した「EASYVIEWスクリーン」が目を引く。

電源を入れると「Hi」とあいさつ。充電状況が見られるほか、上部の「TASTE SELECT」ダイヤルで選んだ加熱モード「BOOST(高温)」か「STANDARD(低温)」かの状況も明示する(ダイヤル自体を見れば、確認できるのだが……)。ただ、機器トラブルの際は、その状態もディスプレイに表示してくれるというのは楽しい。

丸みを帯びている分、手のひらにしっくりくる。ディスプレイを常に目視するならこの持ち方が正解だろう

丸みを帯びている分、手のひらにしっくりくる。ディスプレイを常に目視するならこの持ち方が正解だろう

本体上部のダイヤルで、オフ(シャッター閉じる)/「STANDARD」/「BOOST」から選べる

本体上部のダイヤルで、オフ(シャッター閉じる)/「STANDARD」/「BOOST」から選べる

新・加熱技術「HEATBOOSTテクノロジー」と喫煙時間の延長で満足感を高めた

「グロー・ハイパー・プロ」で筆者が気になったのは、やはりタバコデバイスとしての進化だ。わかりやすいところでは、喫煙時間(セッション時間)の延長。三大加熱式タバコの中でも、喫煙時間が短かった「グロー」だけに、「X2」や「エア」に比べてスタンダード(通常)モードの30秒延長(計4分30秒)は地味に大きい変化だと感じる。

そして、デバイスの核となる新・加熱技術「HEATBOOSTテクノロジー」とは、どのような喫味を生み出すのだろうか。実際に吸って確かめていきたい。

元々2ボタン操作だったのをダイヤル1個による操作に変更しているが、使用感はそこまで変わらない

元々2ボタン操作だったのをダイヤル1個による操作に変更しているが、使用感はそこまで変わらない

左がモードを選択できる「TASTE SELECT」ダイヤル。「オフ」(白い点)を選ぶと、シャッターがしまるので、ニオイ漏れを防げる

左がモードを選択できる「TASTE SELECT」ダイヤル。「オフ」(白い点)を選ぶと、シャッターがしまるので、ニオイ漏れを防げる

グロー特有のいぶったニオイが軽減された新・加熱システム

今回は1箱400円という驚異のコスパを誇る低価格スティック「ラッキー・ストライク・リッチ・タバコ」を吸ってみた。加熱終了のカウントダウンをディスプレイで確認しながら、高温の「BOOSTモード」でひと吸い。あれ、なんかマイルドになったような……。

「ラッキー・ストライク」はBATのスティックの中でもいぶしたロースト風味が強く、スモーキーでニオイがキツい印象があったが、洗練された蒸気の味わいに変わっていて驚いた。

前モデル「エア」や「X2」で同じスティックを吸うと、尖ったいぶし気味の刺激が喉にビシッとくるのだが、その分、吸い殻も含めて攻撃的なニオイがキツかった。つまり、加熱温度を吸い始めの時点でMAXにし、なるべくその状態を維持する加熱コントロールを採用していたわけである。

しかし、新・加熱技術「HEATBOOSTテクノロジー」では、加熱温度の上昇加減を新たな加熱曲線でコントロールし、常に洗練された味が楽しめるように工夫したようだ。

たとえば、「ラッキー・ストライク・ダーク・タバコ」はスモーキーさに辟易してしまう人も少なくなかったはずだが、「グロー・ハイパー・プロ」の「BOOSTモード」なら、香ばしさが先に立つウマいタバコ味が楽しめるようになったわけだ。

「スタンダード(通常)モード」の30秒延長(計4分30秒)も実感は大きい。他社製品の「アイコス イルマ」の6分、「プルーム X アドバンス」の5分には及ばないものの、4分30秒なら今まで以上にじっくりと楽しめるようになった。

もし「グロー・ハイパー・プロ」を入手するなら、その性能に合わせて、今一度、吸う銘柄を考え直すべきだと思う。

起動ボタンを長押しすると、吸える状態になるまでのカウントダウンが始まる

起動ボタンを長押しすると、吸える状態になるまでのカウントダウンが始まる

従来モデルだと、残り30秒などで警告のLEDが点灯するのが普通だったが、本機では吸っている間、常に残り時間が把握できるのがいい

従来モデルだと、残り30秒などで警告のLEDが点灯するのが普通だったが、本機では吸っている間、常に残り時間が把握できるのがいい

ディスプレイだけではない「グロー・ハイパー・プロ」の魅力

BATは、本機に新・加熱技術「HEATBOOSTテクノロジー」を採用しているとさらっとアナウンスしているが、これは実は「グロー」自体の味わいを変える大きな変化だ。加熱式タバコデバイスのメーカーは各社企業秘密として、加熱温度をコントロールする独自の加熱曲線を持っているが、「HEATBOOSTテクノロジー」は確実にデバイスを進化させており、現行のタバコスティックのウマさを格上げしている印象を受けた。

これだけ革新的だからこそ、デバイスの安さに定評のあるBATが3,980円という破格の値づけを行ったことにもうなずける(それでも十分安いが……)。

カラフルなAMOLEDディスプレイにばかり目が行ってしまうが、加熱式タバコデバイスとしての大きなジャンプアップを成功させた「グロー・ハイパー・プロ」。「グロー」はいぶした酸味のあるニオイが広がるのが苦手だと避けていた人にも、おすすめできる製品となった。

カラバリは4色展開

カラバリは4色展開

吸い終わると、タバコスティックを捨てるように指示が出る

吸い終わると、タバコスティックを捨てるように指示が出る

終了後のあいさつ

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清水りょういち
Writer
清水りょういち
嗜好品評論家。20年間、情報誌「月刊歌謡曲」編集長を務めた後、Webメディアを中心に執筆活動を開始。現在は買物情報サイト「特選街web」ディレクターとして活動している。「Forbes JAPAN」「ダイヤモンドオンライン」などへの寄稿多数。専門分野はタバコをはじめとする嗜好品、新商品・新技術、シェーバーなど。深い知識と鋭い視点で、商品の魅力や価値をわかりやすく解説する。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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