「アイコス」専用タバコスティック「テリア」や「センティア」の1本を2回分吸えるようになる加熱式タバコデバイス「Fasoul(ファソウル)」の最新モデル「Fasoul C2」って知っていますか。
GEEK MIRACLE (HK) LIMITEDの「Fasoul C2」。カラーは全4色展開で、写真は「Velvet Gray」
本稿では旧モデルからどのように進化したのかを解説するとともに、「アイコス」と吸い比べ、「本家と味は変わらないか」「1回目と2回目の味わいは同じ?」などをチェックします。
左が「Fasoul C2」。「アイコス」は、形状や価格帯が近い、「アイコス イルマ アイ ワン」(右)を比較に使用しました。タバコスティックは「テリア リッチ レギュラー」(中央左)と「テリア オアシス パール」(中央右)でテイスティング
「Fasoul」は、香港のGEEK MIRACLE (HK) LIMITEDが展開しており、日本では2023年9月に「Fasoul C1」がデビュー。今回紹介する「Fasoul C2」は、その後継機種です。
「Fasoul C2」のパッケージを開封。デバイス本体や取扱説明書のほか、USB Type-Cケーブルが付属しています
旧モデル「Fasoul C1」からの進化点は多岐にわたります。ルックス的には、レザー素材と金属素材を美しくあしらい、高級感のあるデザインに。また、サイドディスプレイが搭載されたことで、予熱進行状況やバッテリー残量がひと目で確認できるようになりました。
「Fasoul」ロゴのアイコンは、電源オン/オフや、残りの吸引(パフ)回数の目安を表示。下の電池マ―クはバッテリー残量です
機能面も、当然アップグレードしています。「Fasoul C2」は「Fasoul C1」より7秒早い、18秒で予熱完了。また、バッテリーでは「Fasoul C2」は15%増え、1回の充電で「Fasoul C1」よりも5本多い、20本が吸えるようになりました。
デバイスの機能比較。プレスリリースより
「Fasoul C2」のサイズは、19(幅)×36(奥行)×93.4(高さ)mmで、重量は95.5g。「Fasoul C1」は19(幅)×36(奥行)×87(高さ)mmで、重量は65gでしたので、刷新により少々大きくなりましたが、幅と厚みは同じなので使用感には影響がないレベルでしょう。
なお、「アイコス イルマ アイ ワン」(右)のサイズは、16.4(幅)×30.6(奥行)×121.4(高さ)mm、重さは73g
ちなみに、「Fasoul」シリーズが1本で2回分吸える理由は、独自の加熱方式にあります。本シリーズは、「アイコス」シリーズが採用している内部加熱式ではなく、タバコスティックを包んでいる紙の上からヒーターで加熱する外側加熱方式を採用。
「Fasoul」では独自の「3D加熱方式」で、タバコスティックを360度方向から直接加熱。対象面積を広く確保し、全体的な加熱効率を向上させています
これにより、1回目の喫煙ではスティックの外側のタバコ葉を主に使用。2回目は、1回目で加熱しきれなかった部分や残ったタバコ葉を再加熱することで、再喫煙が可能になるのです。
ここからは、実際に「Fasoul C2」でタバコスティックを吸って味わいをチェックします。まずは、「アイコス」シリーズが誇るレギュラータイプの王道「テリア リッチ レギュラー」から。
オートスタート/ストップなので、タバコスティックを挿入口に挿せば電源がオンになり、加熱がスタート
加熱待ち時間(予熱時間)は18秒。「アイコス イルマ アイ ワン」は約20秒ですし、まったくストレスなく吸い始められます。そして味わいは、堂々としたキックがあり、本家にも引けを取りません。
味わいはパワフルで、違和感はまったくなし
「テリア リッチ レギュラー」は、「アイコス」シリーズ専用タバコスティックの中では、人気の高いレギュラータイプであり、その魅力は濃厚なボディや上質なコクなどにあります。「Fasoul C2」でも、その力強い喫味はしっかりと感じられ、十分に満足できるデバイスだと思いました。
本家とも比較。交互に吸ってみました
「アイコス イルマ アイ ワン」でも同条件で吸ってみると、やはり同等の味わいです。いやむしろ、ひと口目のキックは「Fasoul C2」のほうが強いような気も……。全体的に「Fasoul C2」は立ち上がりが元気で、いっぽうの「アイコス イルマ アイ ワン」は最後まで安定した味わいが楽しめると感じました。
「Fasoul C2」1回目の、喫煙後のタバコスティック。これは一般的に「シケモク」と呼ばれますが、ここから2回目の喫煙へ
2回目も吸い方は初回同様。「シケモク」を挿入口に挿すと自動でオンとなり、18秒後から喫煙可能に。肝心の味わいは、少々焦げたフレーバーによる雑味は感じるものの、これはある種当然であり、想定内。キックは十分にあって、タバコ感自体は1回目と大差ありませんでした。
しかしながら、吸い続けると徐々に違和感が……。味の薄さや吸い応えの弱さが感じられ、雑味も如実に出てきました。明らかに劣化した味わいになるのは否めません。紙巻きタバコの「シケモク」を吸ったときほどではないものの、あの感覚にも近いです。完全に1回目と同じ味を2回目も楽しめる、とはなりませんが、2回目として割り切って吸うには十分な味と言えるでしょう。
左は、「Fasoul C2」で2回分味わった吸い殻。右は、「アイコス イルマ アイ ワン」で普通に1回吸い切ったもの
なお、「アイコス イルマ アイ ワン」で使った「シケモク」を「Fasoul C2」に挿して吸ってもみましたが、感想は「Fasoul C2」の2回目と同じ味。「アイコス」シリーズをメインに使っている人も、もしものときのサブ機として「Fasoul C2」を持っておくといいかもしれません。
レギュラータバコ以外のスティックの場合、味わいはどうなるのか? という点も調べるべく、複層的な風味が特徴の、カプセル入りフレーバー系メンソールでも試してみました。なかでも人気が高い「テリア オアシス パール」でチェックします。
まずは「Fasoul C2」でテイスティング
味の感想は、こちらも違和感のないテイスト。「テリア オアシス パール」のポテンシャルが十分に引き出されおり、ベリーやマンゴーを思わせるジューシーな果実味、その土台から支えるメンソールの爽快感をしっかりと享受できます。
「アイコス イルマ アイ ワン」でもテイスティングして、答え合わせ
「テリア オアシス パール」でも、「Fasoul C2」と「アイコス イルマ アイ ワン」とで交互に吸い比べましたが、こちらもデバイスによる味の違いはありません。むしろ「テリア リッチ レギュラー」を吸った際に感じたキックの印象強さがない分、より違和感なく味わえました。
続いて、2回目の味わいもチェック
そして「テリア オアシス パール」の「シケモク」を、「Fasoul C2」で再度喫煙。なるほど、タバコの喫味以上に、果実味やメンソール感のパワーダウンは否めません。加えて、そのまま吸い続けると、味の薄まりや雑味の要素も如実に出てきました。とはいえ個人的には、2回目なら全然アリな味だと思いました。
右下の吸い殻が、「Fasoul C2」で2回味わった吸い殻。その上は、「アイコス イルマ アイ ワン」で1回吸ったもの
今回比較したデバイスの各スペック(筆者調べ)
「Fasoul C2」と「アイコス イルマ アイ ワン」それぞれで、「テリア リッチ レギュラー」と「テリア オアシス パール」を吸ってみましたが、喫煙1回目の味わいに大きな差はありませんでした。ただし、「Fasoul C2」の特徴である「シケモク」吸い(2回目)をすると、雑味や劣化を感じ、そのクオリティーダウンはパフを重ねるごとに大きくなっていきます。
今回試し吸いした「テリア」シリーズは各580円ですが、各530円の「センティア」シリーズなら、より節約できます
しかしながら、個人的には紙巻きタバコの「シケモク」吸いほどの劣化は感じませんでしたし、違和感なく楽しめる人もいると思います。節約したい愛煙家や、タバコスティックを切らしがちな人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。