爪を整えると、なんとなく一日楽しくなるのがオンナゴコロ。キーボードでの作業中も、爪が綺麗だと心が浮き立つものです。そんな筆者は普段ジェルネイルをしていますが、ジェルは「オフがしにくい」ため、1ヶ月くらいは同じネイルで過ごしてしまうのが悩みのタネ。しかし、一か月も経つと爪の根本は伸びて「爪の3分の1だけ裸爪」という悲しいビジュアルになります。しかも、1ヶ月外せないと思うと、仕事のことを考えてどうしても地味なデザインを選ばざる得ません。
こんな理由から、最近はマニキュアが気になる筆者。施術も手軽だし数分でオフできるので、週に何度もデザインを変えられるのは魅力的です。とはいえ、マニキュアの面倒なところは「なかなか乾かない」ところ。乾かす途中で傷をつけたり、よれたり、ゴミがついてしまったり……。せっかく塗ったのに“もう一回塗り直し”ということもよくあります。
ジェルネイル2週間後の爪。根元が数ミリ伸びているが、オフが大変なので1ヶ月ごとのチェンジです。爪が伸びても目立たないよう、毎回爪の根元が透明なグラデーションという面白味のないデザインになるのも悩みのタネ
こういった「マニキュア失敗あるある」経験者が多いのか、最近はマニキュアを素早く乾燥させる製品が発売されています。そのなかで今回試したのは、ツインバードの「マニキュアファン SH-2769P」(以下、マニキュアファン)。プレートに指を置くと風が起こり、マニキュアが素早く乾燥するというシンプルな製品です。なんといっても価格が2,000円(税別)と非常に低コストなのも魅力的!
マニキュアファンは、一見ジェルネイル用ライトのような外見。風を放出する本体のまわりに、マニキュアのボトルや小物が置けるホルダーが配置されている特徴的な形です。大きさは女性の手のひらより少々大き目で、A5サイズの紙にピッタリ乗るサイズ。単三形アルカリ乾電池2本で駆動するコードレスタイプなので、持ち歩きや移動が簡単なのも便利そうですね。
本体サイズは145(幅)×205(奥行き)×80(高さ)mm。重量は265
色は濃い青みがかったピンクで、いかにも女性らしいデザインです
製品上部から空気を取り込み、内部上方から風を送る仕組み。黒いプレート部分全体がスイッチになっており、ここを押すと自動的に風が送られます
ファンの周りには、マニキュアや小物が置けるホルダーが。左右の手を入れ替える時に、マニキュアや小物も一緒に移動できるのが便利
単三形アルカリ電池2本で駆動。コードレスなので、ちょっとした移動もストレスなく行えます
大きさはA5サイズの文庫にピッタリと乗るサイズ。家庭用のコンパクトなジェル用照射器と同じくらいのサイズです
使い方は非常にシンプルで、本体中央にある黒い「スイッチプレート」に手をのせるだけ。プレートが押されている間は電源がONとなり、風が放出されます。手を外すと電源が自動的にOFFとなるので、スイッチの消し忘れもありません。
とはいえ、これも一長一短。我が家で量ったところ、プレートスイッチが起動するには約180gの負荷が必要。対して、指を自然にプレートに乗せた重さは90gほど。つまり、軽い力で動くとはいえ常にマニキュアファンを動かすように「意識する」必要があります。ボーっとテレビを観ながら乾かしていると、何度かファンが止まってしまうこともありました。このあたりは、電源をロックする機構が欲しかったところです。
手をのせ、プレートに圧力をかけるだけでファンが動作します。爪の上を本体が覆う形のため、ゴミが付着しにくそうなのも気に入りました
無理をすれば、両手を同時に乾燥させることもできます。ただし、両手同士が触れてマニキュアに傷がつかないように注意が必要
プレートをONにするには約180gの力が必要でした。ちなみに、筆者の指先の重さは約90g。このため、ファンを回すにはつねにプレートを軽く「押す」よう意識する必要があります
施術していて便利に感じたのがコードレスな点。ネイル作業は、ベースコートにカラーマニキュア、トップコートと、左右の手を入れ替えつつ、次々と作業する必要があります。そのたびにネイルファンの位置を入れ替えるため、コードがないのは非常に便利。作業中にテレビが観たくなったり、別の部屋に移動という場合も、コードレスなのでストレスなく移動できます。足のペディキュア用に使用するときも、コードレスなので間違って引っかけて転ぶ、といった失敗もありません。
ペディキュアの乾燥もマニキュアファンで行えます。コードレスタイプなので、足に引っかけたりといった面倒もありません
また、移動の際に役に立ったのが、本体周りにあるホルダーの存在。小さ目のマニキュアボトルのほか、ちょっとした小物も入れられるので、一緒に移動できるのば便利でした。ただ、このホルダーの穴は6個あるのですが、一番大きなサイズで4.3×3.3cmの不規則な形。小さなマニキュアボトルなら2本入りますが、大き目のボトルは入らないという微妙なサイズ。一番小さな穴に至っては最大幅が約1.2cmで、比較的小さ目のボトルも入りませんでした。
小さな穴に関して、最初は「このホルダー、何に使えばいいの?」と悩んだのですが、コットンや綿棒を入れたところ非常に便利! 不器用な筆者は、マニキュアが指まではみ出すことが多いのですが、このとき活躍するのがコットンや綿棒。しかし、今まではコットンを取り出すために、コットンのフタを開けるとマニキュアに傷、綿棒を取り出そうとすると、マニキュアに綿棒の綿ゴミが付く……と、事態が悪化することも多かったのです。しかし、ホルダーにコットン、綿棒を入れるようになってからは、これらの問題はほぼなくなっています。
ホルダーは全部で6個。一番大きな穴には一般的なサイズのマニキュアボトルが1本。小さ目のボトルなら2本入りました
小さい方の穴には、比較的小さなボトルのマニキュアでも入りません
小さな穴にはコットンと綿棒を入れるのにピッタリ。マニキュアがはみ出たときなどに探し回る必要がなく便利です
左右の手を入れ替える時など、マニキュアファンとともに小物なども片手でヒョイと移動でき、効率よくマニキュアが塗れます
ところで、商品を購入する時に一番気になるのは「実際に乾燥時間が短縮するのか」という点ではないでしょうか。これは、明らかに「早い!」と断言できます。試しに、マニキュアを塗った爪を1分マニキュアファンにかけたところ、触ってみるとペタッとくっつく感触はありますが、指の跡はつきませんでした。一方、自然乾燥させた爪は指にマニキュアがついてしまうほどの生乾き。もちろん、爪にも指の跡がくっきりと残りました。マニキュアファンを3分も使用すれば表面はかなり乾燥するので、乾燥中の予測できない傷や、ゴミの付着はずいぶん減らせそうです。
また、うれしかったのが、使用中は指先が風でひんやりと冷たくなること。「冬は寒いじゃないか!」と思うかもしれませんが、じつは「暑さ」はマニキュアの大敵らしいのです。筆者は以前、毎年夏になると発生するマニキュアの「気泡」に悩まされていました。調べてみたところ、これは体温でマニキュア内の空気が膨張して発生するもの。つまり、指先が冷えていれば発生しにくい現象だったのです。そこで、今回30℃以上に暖房を効かせた暑い部屋でマニキュアを塗ってみたところ……なんと、1時間後には普通の爪では気泡が発生したにもかかわらず、マニキュアファンを使用した爪はほぼツヤツヤ! 気泡は数時間後に発生することもあるので、これで完全に解決するとは断言できませんが、筆者にとってはうれしい結果でした。
まずは、マニキュアの失敗例(左)と成功例(右)。チップを指に装着してマニキュアを塗布してみました。その後、すぐに寝てしまったので表面に傷とゴミ、そして布団の布目の跡が付着。 理想はもちろん、ツヤツヤと光る右のような状態です
マニキュア塗布後、45秒ほどマニキュアファンで乾燥させ、アイブラシでやさしく表面を撫でてみました。マニキュアファンを使用したチップ(右)は表面が乾いていたため変化がありませんが、自然乾燥させたチップ(左)は表面が剥げてしまいました
マニキュア塗布後、45秒ほどマニキュアファンで乾燥させてから片栗粉をかけてみました。自然乾燥(左)のほうはゴミがボッテリと張り付くのに対し、マニキュアファン(右)のほうはうっすら付着した程度。水で流したところ、自然乾燥のほうはザラザラ感が残ったものの、マニキュアファンのほうはツルツルに
マニキュアを3度ほど厚塗りしたチップを、30分乾燥後に爪楊枝で軽くひっかいてみました。結果はファンを使用したもの(右)も、自然乾燥させたもの(左)もほぼ同じ結果。表面は素早く乾燥させられますが、中まで乾燥させるのは難しそうです(注:写真は傷がわかりやすいよう、チップ裏面から光を当てて撮影)
可能なかぎり暑くした室内でマニキュアを塗布したところ、自然乾燥させた爪(左)は気泡だらけのチップに……。一方、風をあてて指を冷やしながら乾燥させたチップ(右)には、2つ程度の気泡しかありませんでした
※今回は数種類の実験をしましたが、マニキュアの種類や環境によっては、同じ結果にならないこともあります。これらの結果は参考としてお読みください。
筆者が使用したマニキュアは速乾タイプではないのですが、それでも1分以内に表面が乾くのは便利のひとこと。ちょっとしたゴミならば水で流せますし、傷もつきにくくなり、マニキュアの失敗が大幅に減りました。
メーカー希望小売価格は価格は2,000円ですが、実売はさらに安くなっているショップも多く、コストパフォーマンスの良いのもポイント。本体もコンパクトで収納にも困らないので、いざという時のために一台置いておくのもよいもかもしれません。
久しぶりにマニキュアを塗ったところ、その手軽さにマニキュアの魅力を再発見した筆者。最近はずっとジェルネイルだったのですが、これからは普段はジェルネイル、お出かけの日はジェルの上からマニキュアを塗って「派手ネイル」を楽しもうかと思っています。伸びかけたジェルを隠すのにマニキュアを使うというのもアリですね。