レビュー

介護だけじゃない。お若い人にも有用な電動リクライニングベッドを20代娘が使ってみた

電動リクライニングベッドというと、介護用というイメージが強いですよね。しかし、体調管理の面でぜひ若い方にも注目してほしいんです。アテックスの「ルルド」ブランドから登場した電動リクライニングベッド「ルルドベッド AX-BEL655」(以下、ルルドベッド)を自宅に導入し、体調に悩む20代の娘に使ってもらったら大喜び! そこで実感した魅力をご紹介しましょう。

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません。

寝るとき横になれない! 逆流性食道炎に苦しむ娘

まずは、今回ルルドベッドを使用した、わが家の娘について紹介させてください。娘は昨年の夏、謎の体調不良に悩まされるようになりました。胸焼けがして吐き気が止まらず、夜も眠れない状況。食も細くなっていて、どんどん体力が落ちていく。当初は夏バテからくる胃炎という診断だったのですが、投薬による治療で症状がまったく改善されないため、病院を変えたところ「逆流性食道炎」という診断が下されました。

で、逆流性食道炎の何が辛いかと言うと、「横になれない」こと。フラットな状態になって寝ると胃液が逆流して吐き気が止まらなくなり、夜中に何度も目が覚めてしまうのです。娘は常に睡眠不足のためバイトにも行けず、夏休み明けに学校へ行くのにも支障が出始めました。

そのため、当初はリビングのソファに座って寝ていたのですが、リビングではほかの家族の動きがあるので熟睡できないことに加え、足をおろした座った姿勢で寝ていると足がむくむなど、やはり問題が出てきてしまいます。どうにかならないかとインターネットで調べてみると、逆流性食道炎患者のために三角柱の形をしたウレタンマットが売っていました。ベッドに設置すれば身体を起こした姿勢で寝られるものです。しかし、ウレタンマットは角度が決まっているため、その角度が自分の体型や症状に合うかどうかは使ってみないとわかりません。

当初は、布団袋に毛布を詰め込み、枕やネックピローも使って角度を工夫して寝ていました。これで1年弱過ごしていたのです

苦肉の策として、使っていない布団や毛布を布団袋に詰めて、娘に合った角度に調節して使っていました(↑上の画像参照)。調子のよいときには1枚抜いて角度を少しゆるやかに、調子の悪いときは多めに詰めて角度をつける、という具合に。ただこれも完全ではありません。日によって症状が変わり、それによって最適な身体の姿勢も変わるのですが、すぐに対応できるものではないので、娘は時折、夜中に吐き気をもよおして眠れないこともありました。

わが家に現れた救世主! 女性に人気な「ルルド」の電動ベッド

そんなわけで、娘は夜中に調子が悪くなることがありながらも、上記の工夫で1年弱を過ごしてきたのですが、この間、症状は一進一退といったところで改善に向かうことはありませんでした。そんな折、「アテックスがルルドブランドから電動リクライニングベッドを発売した」との情報が舞い込んできたのです。参考価格は87,780円(税込。2019年10月時点での価格.com最安価格)。

こちらが「ルルドベッド AX-BEL65」

こちらが「ルルドベッド AX-BEL65」

電動リクライニングベッドというと介護用のイメージが強く、価格も20万円以上する高価なものという先入観があったため、これまで全く思いもつかなかったところにこの発表。目からウロコが落ちる思いでした。ルルドは若い女性向けの健康機器を低価格で提供しているメーカーということもあるので、これはひょっとして娘にはちょうどよいのではないかと。

アテックスのルルドといえば、正方形型のマッサージクッションがその手軽さとデザイン性で働く女性の心をわしづかみにして一世を風靡したのが記憶に新しいですが、実はアテックス自体は1992年の創業以来ベッドの開発を続けており、現在でも電動リクライニング式や収納式など数種類のベッドを販売しています。これまでの累計販売台数は400万台以上とのこと。

今回、ルルドブランドで電動リクライニングベッドを発売するのは初めての試みで、そのねらいは若年層の取り込みだそうです。私もそうでしたが、電動リクライニングベッドといえば、やはり病気の人やお年寄りが使うものという固定観念を持った人は多いでしょう。それを打破すべく、若い女性に浸透しているルルドのブランドで今回新たに電動ベッドを発売したものです。

運ぶのは重いけど、ほぼ組み立てられて届くからありがたい

ルルドベッドは、ほぼ組み立てられた状態で配送されてきます。到着後にユーザーがやることはキャスター、ヘッドボード、足元ずり落ち防止用ガードを取り付けるだけ。組み立ては10分程度で終わります。ただし、ベッド本体は約48kg、付属のマットレスが約9kg、合計約57kgとかなり重いです。娘の部屋が2階だったので私と妻、娘の3人で運びましたが、かなり大変でした。男手がもうひとり欲しかったくらい。

ルルドベッドはこのような状態で届きます。本体だけで約48kg。想像以上に重く、階段を2階まで上げるのには苦労しました。これにマットレスが付属します

組み立ては簡単で、10分程度で完成します。上半身が起き上がった時のマットレスのズレ防止用にゴムマットが付属

付属のマットレスを敷けば完成

付属のマットレスを敷けば完成

逆流性食道炎の娘が大喜び! ひと晩中、姿勢を維持できる

ルルドベッドは腰と膝裏が当たる2か所が可動するため、付属のマットレスもこの2か所が折れる仕様になっています。今回、娘が使ってみてよくわかったのですが、この「電動ベッドの膝裏に当たる部分が可動する」というのがミソです。

娘が布団袋を使って上半身を起こして寝ていたとき不便だったことのひとつに、「腰がずり落ちる」というのがありました。寝ているうちにどんどんずり落ちてきて姿勢がゆるくなり、胃酸が逆流して夜中に気分が悪くなって起きてしまう、ということがときどきあったのです。ルルドベッドは膝裏の個所が折れることで腰にくぼみができ、お尻がズレない。ひと晩中、姿勢が変わらずにいられるのです。

布団袋で調節していたときは寝ているうちに腰がずり落ち、胃液が逆流してしまい眠れなくなることも

布団袋で調節していたときは寝ているうちに腰がずり落ち、胃液が逆流してしまい眠れなくなることも

膝裏を持ち上げることでお尻がズレずに、ひと晩中姿勢を保っていられます

膝裏を持ち上げることでお尻がズレずに、ひと晩中姿勢を保っていられます

以下の動画は、実際にルルドベッドを稼働させているところ。背・足を同時に上げた場合。背もたれは70°まで、足は30°まで無段階に可動するので、自分の好きな位置で止めることができます。

それに、リモコンで簡単に角度を変えられるのも利点です。日によって体の調子が変わるため、楽な日には角度をゆるめて、辛い日には角度をつけてということが簡単にできます。また、今日は調子がよいからと少しフラット気味にしても、夜中に体調が急変する場合もあるのですが、そのときにはすぐにリモコンで上半身を起こすことができます。

付属リモコンでは背だけ/足だけの上下と、中心のボタンを押せば背・足を同時に上げ下げできます

付属リモコンでは背だけ/足だけの上下と、中心のボタンを押せば背・足を同時に上げ下げできます

ルルドベッドを使い始めて2か月。熟睡できるようになった娘

逆流性食道炎は高齢者に多い病気ですが、最近では若い患者も増えているそうです。食生活や姿勢など、原因はさまざまなよう。娘がなぜ罹患したのかは定かではないですが、考えられるのは姿勢の悪さ。依存症かというくらいにスマホとiPadを手から離さないのです。特に、イラストを書くのが好きで、iPad Proを使って時間があれば何かしら描いています。背中を曲げたその姿勢が胃と食道を圧迫し続けた結果、逆流性食道炎に罹ってしまった可能性もあるのでは、と筆者は見ています。

実際、ルルドベッドを使いはじめて2か月が経ちましたが、娘の体調はすこぶるよく、夜中に気分が悪くなって起きることがほぼなくなりました。ひと晩中、姿勢が変わらずにいられるのが大きいのか、熟睡できるようになったそうです。

親としても、娘がこの夏の猛暑を乗り切れるか心配でしたが、今では毎日元気に仕事に行けるようになってひと安心。もちろん、ルルドベッドがすべての要因というわけではないでしょうが、導入前と導入後では娘が吐き気をもよおす頻度が激減したので、少なからず影響したと思われます(※あくまでも筆者の予想です)。

ソファ代わりにしてスマホやパソコン、読書するのもイイ

もちろんルルドベッドは、娘のような逆流性食道炎患者にだけ向いているわけではありません。普段、リラックスしながらスマホやパソコン、読書をするという目的にも合います。上半身を70°まで起こせるので、ひとり暮らしや個室といった狭い部屋でもソファ代わりに使えるからです。

また、真ん中のレバーを引けば簡単に折りたたむことができるので、友人が来たときなど、狭い個室を広く使いたい場合にも便利。ただ、マットレスが結構しっかりできているので折りたたんでも浮いてしまい、それほど広くはなりませんが(笑)。でも、ベッドを折りたたんでマットレスを干す、といった利用方法にはよいかもしれません。

娘は、イラストを描くときにもルルドベッドを利用することで姿勢がよくなりました。普段から胃と食道が圧迫されなくなったことも、体調が回復した原因かもしれません

以下の動画の通り、ルルドベッドは男性の力であれば片手で折りたたむことができます。非力な娘はできませんでしたが(笑)。

折りたたんだらこんな感じ。マットレスがしっかりした作りなのでキレイに2つには折れず、コンパクトにはなりません、でも、マットレスの湿気を抜くにはこれくらい開いていたほうがよいかも

ベッド下のスペースの有効利用もできますよ

ベッド下のスペースの有効利用もできますよ

まとめ:「電動ベッド=介護用」という固定観念はもうナシ

先述の通り、これまでは電動リクライニングベッドというとどうしても介護用というイメージがありましたが、どうやらそういう固定観念は捨てるべきのようです。筆者も寝る前にリラックスするため、電子書籍や小説、雑誌、漫画を読んだり、タブレットで動画配信を観たりしていますが、普通のベッドで真横になった姿勢ではどうにも見づらい。肩もこる。

ルルドベッドなら、寝る前はソファ状態でリラックスして本などを読み、眠くなったらフラットにして就寝というスタイルが可能。なんとすばらしいことでしょう。それに通気性もよいし、ベッド下の掃除がしやすいのもイイ。元々は逆流性食道炎の娘のために導入しましたが、残りの家族分も同じルルドベッドを買おうかな? と思い始めている今日このごろです。

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません。

近藤克己

近藤克己

1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。主に生活家電を中心に執筆活動する家電&デジタルライター。レビューや検証記事では、オジさん目線を大切にしている。得意分野は家電流通・家電量販店。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画、歴史、猫。

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