筆者はサウナが好きで、サウナ歴は約3年ですが、「ととのう」がどういうことなのか、正直よくわかりませんでした。
しかし約1年前、「ととのう」という言葉の生みの親であり、サウナ界のレジェンド「濡れ頭巾ちゃん」さんに取材して、「ととのい」に少し近づけました。
とは言え、「濡れ頭巾ちゃん」さんに教えてもらった方法にチャレンジし、恐らく「ととのう」に近い経験はできたものの、はたしてそれが本当に「ととのった状態」なのかどうか、自分では確信を持てませんでした……。
「サウナには何分くらいいるのがいいのか?」「水風呂は何秒くらいがベストか」「ふわ〜っとするが、これが“ととのい”なのか?」。
そんな感じでいまだサウナ迷子の筆者、ある日こんなものを見つけました。
「大人の科学マガジン Special サウナウォッチ ととのいが数値で見える!サウナ専用デバイス サウォッチ」です! 「大人の科学マガジン」とは、学研が出版している”元祖ふろく付きマガジン”で、大人版の「科学と学習」。大人を対象とした科学系の付録が毎号人気の出版物です。
定価は税込8,990円。プレミア価格で売られているケースも!
「サウナウォッチ」とは、サウナ中に装着するデバイスで、「ととのいが数値で見える!」ものだとか。なんと! 筆者がまさに求めていたものです。
シンプルで小型の形状
サウナ好きの漫画家、タナカカツキさんが企画発案、日本サウナ学会代表理事である加藤容崇博士が監修、サウナ好きで有名で、サウナの資格まで持っている女優、清水みさとさんが表紙となれば、サウナーはピンときます。「これはマジのやつだ」と。
使い方は簡単。装着していつもどおりサウナに入るだけで、心拍数から「ととのい」がわかると言うのです。
男女問わず使えるスタイリッシュなビジュアル
早速使ってみましょう!
まずは「サウナウォッチ」を充電します。スマートフォンなどと同様のUSB Type-Aの充電アダプターをご用意ください。下の写真のように充電します。
ベルトを外すと端子が出てくるので、アダプターに接続すれば充電が始まります。簡単!
使い方はかなりシンプル。手首に装着したら下部のタッチボタンをタッチし、モードを切り替えます。
装着するのは左右どちらの手首でも、手首の外側内側どちらでもOKです。
タッチボタンをタッチするだけで操作が可能
精密機器ですが、もちろんサウナ用なので防水機能付きですし、95度のサウナ(座面温度80度)まで対応しています。
防水加工済み規格IP68
心拍数などの身体のデータは、本体裏面にあるセンサーで計測します。
本体裏面のセンサーで心拍数や体表温度を計測!
それではいよいよ、「サウナウォッチ」を着けてサウナに入ってみました。まずは、平常時の心拍数を計測します。
平常時の心拍数は装着するだけで計測できます
使い方を確認しておきます。といってもかなり簡単で、サウナに入る前にサウナモードを表示→タッチボタンを長押ししてサウナモードにするだけ。
サウナモードなら画面全体が赤くなるので、パッと見たときにわかりやすい
水風呂に入る際は、水風呂モードを表示→タッチボタンを長押しして水風呂モードにします。
水風呂モード時は画面が青くなります
外気浴をする際は、休憩モードを表示→タッチボタンを長押しして休憩モードにします。
休憩モードでは画面が緑色に
これを「サウナ→水風呂→休憩」のセット数分だけ繰り返し、最後は「終了」ボタンを押せば完了! 記録したデータは専用アプリ「サの国」に自分で同期します。
アプリ「サの国」に事前に身体の情報を設定しておくことで、「ととのい値」の精度が上がります
サウナから出たらアプリ内の「データ同期」をタップすると、データが同期されます。同期されたデータは「サウナの記録」から確認できます。
アプリ上でデータ同期をタップすれば、「サウナウォッチ」と同期開始。すぐにデータがアプリに反映されます
本誌にあるように、筆者も実際のサウナで使ってみました
「サウナウォッチ」を装着し、サウナに行ってみました。普段サウナ中はタオルとロッカーキーくらいしか持っていないこともあり、最初は「あの人、時計着けてサウナ入ってる!」ってジロジロ見られないかな? なんて不安でした。しかし、本体はスリムでシンプルな形状なので、目立たなかったのか誰も気づいている様子はありませんでした。
そもそも銭湯やサウナって、そこまで他人に干渉する人はいないというか、自分の心地よさを求めているものなので、他人を気にしている人って少ないのかもしれないですね。
そのことに気づいてからは、マイペースに計測を開始。動きはスタート(ストップ)→モード変更の2タップなのでテンパることもなく、いつもどおりサウナが楽しめた気がします。
よかったことは、いつもは時計を気にして「今日は8分くらいかな……あれ、12分計のどこから始めたっけ、えーっと、あと多分3分くらい?」などといろいろ考えすぎてしまうのですが、サウナウォッチはサウナに入った時間を計測してくれているので、「そろそろ汗がやばい! 出よう」と思ったタイミングでチラっと時間を確認し、「まだ7分か、じゃああと1分だけ頑張ろう」なんてことができる。いつもより時計を気にしなかったのはよかったと思います。きっと「ととのい」に影響しますよね。
気をつけなければいけないと感じたポイントは、防水機能があるとはいえ、やはり「サウナウォッチ」に水はかからないほうがよいということ。サウナの中で汗が「サウナウォッチ」に垂れたり、水風呂の中に腕ごとドボン! と入れたりしてしまうとタッチボタンが反応してしまい、まだ終了していないのにモードが勝手に終了してしまったことがありました。なので、「サウナウォッチ」を装着している腕はできるだけ濡らさないようにしたほうが安心です。
まずは1回目の記録を見てみましょう。
想像していた以上にかなり細かいデータが出るんだな〜と驚きました。心拍グラフから、セットごとにどのくらいの時間をかけたか、そして総括コメントまで記載されています。
何より「ととのい値」として数値で出ているので「どのくらいよかったのか」「前回と比べてどうだったのか」がわかるのは具体的に確認・比較できていいですね〜。
1回目の「ととのい値」は58……うーん、いまいち?
改めてグラフで見てみると後半に行くにつれて心拍数の差があまりありません。本来なら休憩のタイミングで「安静時心拍」まで下がるのが望ましいのですが、あまり下がらずに次のセットに行ってしまっている……。これではあまり「ととのい」ができていないのかも……と明確に要因がわかります。
心拍数の差があまりないのがいまいちととのえていない要因なのかも?
2回目の記録を見てみましょう。
お、今度は「ととのい値」が82にまで上昇しました!
なぜか安静時心拍が表示されていませんが、先ほど同様に「73」とします。2回目は比較的心拍数の上下があること、そして休憩のタイミングで安静時心拍に近いところまで戻せたことで、かなり「ととのい」に近い状態なのではないでしょうか?
実際に体感としても2回目のほうが「ふわ〜」っとした感覚、そして気持ちのよいぼーっとした感じが得られたので、データどおりうまく”ととのえた”のでしょう。
1回目のサウナは水風呂が19度、2回目のサウナは水風呂が15度と温度が異なっていたことも理由のひとつかもしれません。これまで「水風呂が苦手だからできるだけ冷たすぎない19度のほうのサウナに行こう」と思っていたのですが、データ的には水風呂の温度が低いほうが私はととのいやすいのかも……といったこともわかりました。
1回目よりも心拍数の差が大きく、実感としても「ととのい」に近いものを感じた!
何も考えないことが醍醐味のサウナで、このようなデバイスを装着することはあまりよくないのでは? と思うかもしれません。ですが、「サウナウォッチ」はその存在を気にしすぎないように操作は最低限、そして万が一押し忘れたりしてもあとでアプリから情報を修正する機能もあります。
さらに、カスタマイズすることで、設定した心拍数になると「サウナウォッチ」が振動しサウナを出るタイミングを教えてくれたり、傾けると点灯したりするなど、集中を妨げないための機能も備わっています。
装着していつもどおりサウナに入るだけでその日の状況を教えてくれる「サウナウォッチ」は、サウナライフをより楽しくよいものにしてくれそうです!