僕こと自堕落王(ジダラキング)が買い物をする際のルールのひとつに、「1日のうち8時間使うモノはケチらない」というのをかかげています。8時間……つまり24時間のうちの1/3ですが、それぐらいガッツリ使うモノ(たとえば靴、眼鏡、枕を含む寝具など)は、「いちばんいいと思ったモノを使うほうが、QOLが大きく上がるんじゃない?」という話です。
仕事用の椅子もここに含まれますが、昨年に引っ越して以来、仕事机+椅子ではなく、和室で座椅子に座っての作業が増えました。新居の和室が風通しよくて快適だからなんですが、そうなると確実に1日8時間以上は座椅子に座りっぱなしということに。普通の座椅子だと長時間の座りっぱなしが結構しんどいので、これは改めて仕事用に使える座椅子を選び直す必要がありそうだぞ……?
仕事用の座椅子ということであれば、まずは後頭部までカバーしてくれるハイバックの背もたれと、腰のサポートが必要です。それにデブのもっちりボディを受け止めてくれる座面の広さと、肘掛けもないと困ります。あとは休憩の際にゆったりとリラックス姿勢が取れるかも大きなポイント。ダラダラ、ゴロゴロできる性能はむしろ最重要課題と言えるでしょう。そこは妥協しない!
どっしりとした重厚感が頼もしいサンコー「ぐ〜たら極め座椅子」
という条件で探していき、よさそうだったのが、サンコー「ぐ〜たら極め座椅子」でした。まず製品名がいい。そしてキャッチコピーが“一畳完結生活”というのも、「君、わかっているな〜」って感じ。この時点ですでに、我がお尻を全面的に託しても間違いはなさそうです。
シートは硬めで、お尻から背中にかけてのしっかりしたホールド感が気持ちいいです
座面は約500(幅)×約650mm(奥行)とかなり大きめ
体重80kgのぽっちゃり体型おじさんが座っても余裕。キツくはないけどホールド感はある、適度な座り心地です
まずシートに関しては、いわゆるゲーミングチェアのような構成です。ふかふかクッションではなく、シート形状で包み込むタイプ。背もたれも、身長175cmの僕が深く座っても確実に後頭部まで届きます。全体的にやや硬めの座り心地ですが、クッションが足りないというわけではなく、単に味付けとして「必要以上に沈み込みすぎない」というチューンのようです。仕事用としてはこれぐらいの“沈まなさ”が快適だと思います。
腰と首のクッション位置調整で、フィット感を詰めていきます
加えて、腰と首にそれぞれ別体のクッションが用意されているので、必要に応じて据え付けます。というか、座面が奥に向かってやや下り坂になっているタイプなので、背筋を伸ばして座る場合は腰のクッションがないとやや不安定。こういったホールド感重視の椅子は身体に椅子をフィットさせる必要があるので、座り方や背もたれ角度に合わせて首・腰ともにクッション位置をこまめに調整したほうがいいでしょう。
台座の回し心地は割と重めなので、座った状態で勝手にフラフラ回りません
机に向かって仕事中。「疲れたなー」と感じたら……
クルッと回転して休憩モードに。視界が変わることで気分も変わります
底面は360度回転式の台座なので、机から身体の向きをクルッと変えることが可能。机に向き直った姿勢から素早く90度回転してリクライニング姿勢で休憩、というポジションチェンジも一瞬で行えます。
リクライニングレバー。ここを引いている間はフリーに背もたれが倒せます
フルフラット状態。このままスヤァ……と寝られそう
ヒジ置き下にある突起が高さ調整用レバー。開き角と前後位置は自由に動かして決められます
リクライニングは右側面のレバーで行い、22段階で最大180度フルフラットまで。自分のポジションに合わせての微調整は当然として、仕事の手を休めて即バタンとシームレスに昼寝へと移行できるのはうれしいところです。さらにヒジ置きの高さ・開き角・前後位置がそれぞれ調整可能な点も、座り姿勢を安定させる意味で地味に助かります。
座り姿勢が安定した次は、「座ったままでいかにダラダラできるか?」という部分の検証です。まず目に付くのは、座面左側から伸びたアーム。こちらはグネグネと自在に曲げられるベンダブルなスマホ/タブレットホルダーです。
タブレットを手に持ってずっと電子書籍を読んでいると、腕が疲れてくるんですよね。座椅子にホルダーが付いていると恐ろしく快適です
先端のホルダーにスマホやタブレット(最大対応画面15.6インチまで)を挟むことで、ハンズフリーで電子書籍を読んだり動画を観たりできます。また仕事で使う場合は、サブ液晶をここにセットしたり、スマホを手元カメラ化してWeb会議に参加するなんて使い方も。あと、意外と便利だったのが、攻略サイトをタブレットに表示しながらゲームすることです。参照が早くなることで、わからないところがあってもゲームの進行が止まりにくく、サクサク進められました。うーん、快適!
攻略サイトを横目にゲームをプレイできます
ドリンク用のカップホルダーも、あって助かる装備のひとつ。床に飲み物を置いてしまうと、うっかり倒して大惨事というのがよくあることなので、カップホルダーは安全対策として必要です。あと、結露したペットボトルで机や床が濡れるのも避けられますし。また、カップホルダーの下にはヘッドフォンを引っ掛けておけるハンガーも付いています。これが地味に便利。ただし、カップホルダー/ヘッドフォンハンガーに関しては、ヒジ置きにクランプで挟みこむ方式なので、長時間装着しっぱなしだと、ヒジ置きにくっきりと跡が残りそう。
ヒジ置きに増設するカップホルダー。マグカップの直径に合わせてホルダーが動くので、大きめのカップでも安定して置けます
ヘッドフォンハンガーはゲーミングチェアに必須装備
使い始めの組み立て時に関する注意が一点。背もたれを座面の金属フレームにボルトで固定するんですが、このフレームのフチがわりと鋭いので、うっかり触るとスパッと手を切ってしまう可能性が。できれば、この作業時には軍手などを着けるほうが安全だと思います(作業後はフレーム上にカバーをネジ留めするので安全です)。
このあたりがちょっと危険なので、組み立て時は要注意
さて、しばらく座ってみた印象としては、思った以上に仕事ポジションが快適。座椅子仕事はどうしても背中が丸まって呼吸が浅くなったり、肩こりがひどくなったりするのですが、そのあたりで辛さを感じることはほぼありませんでした。「ぐ〜たら極め座椅子」の名に反して、実はかなり仕事向きな座椅子かもですよ、コレ。それでいてリラックス姿勢への移行もスムーズなので、1度座っちゃうともう立つスキがない。とにかく「ずっと座っていられるわ〜」という感じ。ともあれ、仕事用座椅子を求めている人であればおすすめです。