「定価8400円のビニール傘」。これを聞いて皆さまはどんな感想をもたれますでしょうか。今回ご紹介するのは、あの美智子皇后陛下が雨の園遊会でお使いになったというビニール傘、その名も「縁結(エンユウ)」です。
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カバーを取っても、やはりあふれ出る気品 |
もちろん、なんの理由もなく8400円になった訳ではありません。
このビニール傘、いたるところに、普通の傘でも見たことないようなすごいテクノロジーが使われています。たとえば、持ち手部分。しっかりたたんでいない状態でも勝手に開いてしまわないように、骨の先端を収納できます。
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シャキーン |
さらに。傘を開く時、金具部分に手の皮を挟まないように、やわらかいカバーがついています。
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普通の傘でもなかなか見かけない、うれしい気づかい |
さらにさらに、なんとこの傘。驚くべきことに、「穴が開いている」のです!!
………。
「それって大丈夫なの?」と、多くの方が思われたことでしょうが、もちろん不良品という訳ではありません。穴はわざと開けてあります。
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見事に開いちゃってます |
実はこの穴。「逆止弁穴開き加工」という名前がついていて、傘の内側に吹き付けた風を逃がす役割を持っています。これにより、かなりの強風でも、傘を差している人は涼しい顔で立っていられるという訳。もちろん、外からの水は通しません。
ちなみにこの技術、ビニール傘でしか実現できないものなんだとか。ビニールという素材を選んだのにはれっきとした理由があったんですね。
このほかにも、軽くて丈夫な「ホワイトグラスファイバー」を骨に使っていたり、もち手の防水サテン生地で使い勝手を損なわずに気品を演出したりと、とにかく技術の粋がつまった超エリートビニール傘、それが縁結なのです。
世はすっかり使い捨て社会になりましたが、こんなところから見直してみるのも一興かもしれませんね。くれぐれも、コンビニの入口なんかに置き忘れないようにご注意を。