昔から「炭酸」が大好きだ。1年中、あのサワッとしたのど越しを求めて炭酸水や炭酸飲料を愛飲している。暖かい季節になると1日1Lは消費するため、ついに炭酸水メーカーを導入してみることに。選んだのは、グリーンハウス「ツイスパソーダ」だ。水だけでなく、いろいろな液体を炭酸にできるため、思いつく限りの「炭酸にしたらおいしいんじゃないか?」という飲み物を炭酸に変身させてみた!
数ある炭酸水メーカーの中から「ツイスパソーダ」を選んだのは、何と言っても、「水以外の液体も炭酸にできる」という点に惹かれたから。液体を入れるボトルと炭酸を噴出するノズルの間から圧力が逃げる構造で、圧力の逃げ道にジュースなどの添加物が詰まる危険がなく、ノズルの炭酸噴射口も逆流を防ぐ設計になっているためだという。
もちろん、何でもOKというわけではなく、牛乳などの脂肪分を含むものや、果肉などの固形物を含んだ液体、高温の液体には使用できない。とはいえ、スパークリング牛乳やスパークリングホットコーヒーなどが飲みたいという人は少ないと思うので、大きな問題ではなさそう。
今回用意した「ツイスパソーダ スターターキット」には、ボトル(キャップ付き)とノズル、カートリッジ(6個)が入っている。ボトルは2年を目安に交換する
気になるコストだが、カートリッジひとつで、水の場合950ml、それ以外の飲み物の場合は720mlまでを一度に炭酸にできる。カートリッジは10本から100本程度のパックで販売されており、安いと1回70〜80円程度の計算になる。水950mlを一度に炭酸にする場合は買うより安いが、少量ずつ炭酸にする場合は、そこまでコストパフォーマンスはよくないかもしれない。
すぐにでもジュースやお酒を炭酸にしたい気持ちを抑え、まずは、シンプルに炭酸水を作ってみる。「ツイスパソーダ」の使い方は簡単で、ノズルにカートリッジを取り付け、ボトルに差し込んで「かちっ」と音がするまで回すだけだ。所要時間は、およそ1分で、液体をしっかり冷やしておく以外には特に準備は必要ない。電源は不要なので、アウトドアのレジャーにも持っていける。
炭酸(二酸化炭素)は冷たい液体に溶けやすいため、液体はよく冷やしておくとよいそう
ノズルにカートリッジを取り付ける。炭酸はノズルの先端から噴射される
ノズルをボトルにセットして時計回りに回すと、ノズルから「ぶしゃぁーーー!」と炭酸の噴射が開始。泡が落ち着いた後、1分ほど待ってからノズルを外す
できた炭酸を飲んでみた。炭酸は強すぎず弱すぎずで、万人受けすると思う。市販の炭酸水は、口に含んだ時に口の中が気泡でぶくぶくになり、飲んだ途端にゲップが出てしまいそうな強めの炭酸水も多いが、それが苦手な人でも飲みやすいだろう。
気泡が小さめなので、ピチピチとやさしい口当たりではあるが、炭酸は決して弱くはない。上品に弾ける炭酸は、水以外の液体とも相性がよさそうだ
筆者が強めの炭酸を欲している時に愛飲している「ウィルキンソン タンサン」(左)と、「ツイスパソーダ」で作った炭酸(右)をグラスに注いだ様子を比べてみると、炭酸の強さは多少弱いのがわかる
ボトルはワインボトルくらいの大きさなので、ひとり暮らし用の冷蔵庫のボトルホルダーにも無理なく収まった。炭酸は、翌日でも若干弱くなっているかなという程度だったので、丸1日程度で飲みきれば問題ないだろう
使用済みのカートリッジは、先端に穴が開くので見分けやすい。処分する際は、スチール製ゴミとして捨てればよい
つづいて、「ツイスパソーダ」で水以外の液体を炭酸にして楽しんでみた。絶対おいしいと思ったらそうでもなかったり、冒険してみたら意外といけたり。かなり興味深い。
用意したのは、無糖紅茶、緑茶、それぞれ果汁100%のぶどう、オレンジ、りんごジュース、アイスコーヒー、ワイン、梅酒、炭酸のほとんど残っていないビール、めんつゆ。ジュースや梅酒は果肉の入っていないものを選んだ
水代わりに飲みたいくらいティーソーダが好きなのだが、市販のものは加糖が多く、水分補給に飲むのはためらってしまう。「ツイスパソーダ」なら、理想的な無糖ストレートティーソーダが簡単にできる。
結構泡立つ。今回入れたのは500mlだったが、最大量を入れていたら溢れていたかも
グラスに注ぐと泡立ちが落ち着く。さわっとしたのど越しに紅茶の香りがさわやか! 期待通りのおいしさ。スペアボトルを購入して常備することを心に決める
紅茶がいけるのなら緑茶はどうだろう? 試してみたところ、問題なく炭酸にできた。
泡立ちは紅茶よりも控えめ
なぜか苦味を強く感じるので、ようかんなどしっかりとした甘さの和菓子と合いそうだ
甘い炭酸飲料ももちろん好きだ。しかし、市販のものは果汁がほとんど入っていない上に糖類が多く含まれているものが多いのでたまにしか飲まないようにしている。そこで、果汁100%ジュースで健康的な炭酸飲料を作ってみることに。
まずは果汁100%のぶどうジュース。果汁を凝縮したような濃厚な色に、なんだかいやな予感がし、規定量より少ない400mlで挑戦した。
予感的中。炭酸化を始めてすぐに泡が立ち、溢れてきた。ボトルとノズルの隙間から、ぶどうジュースが滴る
炭酸の噴射が終了しても1分ほどはノズルを抜かないほうがよいため、やきもきしつつ1分ほど放置。その後ノズルを外すと大惨事に(笑)
味自体はおいしく、炭酸もしっかり含まれていた
ちなみに、透明な白ぶどうジュースでも試したところ大惨事にはならなかったので、ぶどうジュースそのものが不向きなわけではなさそうだ。繊維質がある液体がNGというのに関係しているのかもしれない
オレンジジュースオレンジジュースはぶどうジュースの時よりも少ない300mlで試したところ、ノズルの先端に付くか付かないかという所までしか泡立たず拍子抜け。
ちょっとビビリ過ぎたようだ。カートリッジをむだ使いしてしまったようで申し訳ない気持ちになる
かなり泡立ってしまったが、普通においしい。炭酸も弱くない
りんごジュース続いてりんごジュース。筆者は「アップルタイザー」が大好きなので、りんごジュースは今回の大本命のひとつで、味も見た目も期待通りに仕上がった。
りんごジュースはにごっているものもあるが、今回使用したのは透明のもの。600mlで試す。泡立ちがみられたが、すぐに落ち着いた
まさに「アップルタイザー」のよう! ぶどうとオレンジは炭酸化することによって味がややきつくなる感じがしたが、りんごジュースは逆にさわやかで軽やかな味わいになったように感じた
もちろん味には期待していないが、怖いもの見たさで試したのがコーヒー。あっさりとした加糖のアイスコーヒーを選び、色の濃い液体を炭酸化することにトラウマがあり、少なめの400mlで試すが、またもやいやな予感が的中。しかし、意外と味は悪くないのだ。
今回はキッチンのシンクの中でノズルを外したため、大惨事にはいたらず
コーヒーリキュールを使ったカクテルに近い感覚でさわやかな飲み口。冷たいミルクをそそいでカフェラテにしてもなかなかおいしいと感じた。問題なく炭酸化できれば、また飲みたいと思えるレベルなのだが、惜しい
炭酸のお酒も好きだ! というか、基本炭酸のお酒しか飲まない。あまり得意ではないワインでさえ、スパークリングになるとぐびぐび飲めてしまう。そこで、白ワインを炭酸にしてみることに。これがおいしかったら、「食前に飲む分だけ炭酸化して、残りを普通に飲む」など、1本でも違う飲み方ができておしゃれなのでは!?
規定量の720ml入れてみる。無事あふれず炭酸注入完了!
見た目はスパークリングワイン。しかし、いかにも、「白ワインに炭酸を入れました!」という雑な味で、スパークリングワインの軽やかな飲みやすさがない。「似て非なるもの」とはこのことだ。ワインの種類を変えればよいのか? と思いつつ、再チャレンジする気にはなれず、「勉強になった」ということで終了
梅酒をソーダ割りにすると薄くなるのがいやなのだが、かといってロックでは口当たりがおもしろくない。そうだ! 梅酒そのものをソーダにしよう。
問題なく炭酸化するうえ、梅酒のいい香りがあふれだしてきて幸せなひととき……
絶対おいしいのはわかっていたけれど、やっぱりおいしい。炭酸にするとやたらとのど越しがよくなり、普段より量が入ってしまうのでその点は注意したい
家飲みの翌朝、中身が半分以上残っている缶ビールがいくつも放置されていたりする。すっかり気が抜けてしまっていて、いつももったいないと思っていたのだ。「ツイスパソーダ」があれば解決すると思いきや……。
炭酸注入を始めた途端、すごい勢いで泡立ち、あっという間にあふれてくる
しかも、炭酸はまったく復活していない。あれだけ泡立てば当然といえば当然か
最後は料理に挑戦。濃縮タイプのめんつゆを炭酸水で割るとおいしいといううわさを聞いたので、やってみた。こちらは適度な濃さにあらかじめ水で薄めためんつゆを炭酸にするため、炭酸割りよりもっとシュワシュワになるはず。
初めてのしょっぱい系、しかも色が濃いので、念のためかなりの少量(400ml程度)でチャレンジ。問題なく炭酸化は完了した
そうめんと一緒に食べてみると、じゅわっとした口当たりは確かに楽しいが、筆者は普通のめんつゆでいいかなと思った。なお、みょうがなどの薬味と一緒に食べたほうが「炭酸感」を感じやすい
今回の検証では、「ツイスパソーダ」で炭酸にするのに向いていない飲み物があることもわかったが、それを差し引いても、「もっと早く使えばよかった!」と感じた。「ツイスパソーダ」の最大のメリットは、やはり、水以外の液体を炭酸化できること。そのまま炭酸にすれば、炭酸で割ることで味が薄まることがないというのが◎。いろいろんなスパークリングカクテルを楽しみたい場合も、リキュールの種類を増やすより、割りものを炭酸にして種類楽しんだほうが効率はよさそうな気もする。
「ツイスパソーダ」では炭酸の強さは選べないが、「超強力炭酸でないとダメ」「微炭酸しか飲めない」というわけでなければ、不満は感じないと思う。据え置きタイプでないため、使用する時以外は見えない場所へしまって置けるのもうれしい。次から次にいろいろな液体の炭酸化を試したくなるので、スペアのボトルと追加のカートリッジは必須だろう。
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。