年間で2000億ポイント以上が発行され、これまでに1万ポイント以上を獲得した人は1880万人。
これらの数字が示すとおり、楽天ポイントは非常に多くの人が貯めているポイントだ。実際、楽天カードや楽天ペイの利用、楽天市場での買い物、楽天ポイントカードの提示など、さまざまなシーンで貯めることができる。
貯まったポイントは楽天グループの各種サービスをはじめ、多様な使い道が用意されているが、選択肢が多すぎて逆に悩んでいる人もいるのではないだろうか。そこでここでは、ムダなく使い切れるよう、楽天ポイントの主な10の使い道を紹介する。
参考:「10%の高還元率も!楽天カードのお得な使い方をズバリ解説」
さまざまな使い道が用意されている楽天ポイント
通常ポイントは実質、無期限有効だが、期間限定ポイントは最短で2週間前後
最初に知っておくべきは、楽天ポイントには通常ポイントと期間限定ポイントがあること。通常ポイントは有効期限が最終獲得月から1年(正確には11か月後の月末)となっており、日常的に貯めていれば実質、無期限有効だ。いっぽう、期間限定ポイントはキャンペーンなどで貯まるが、有効期限はその都度異なり、短いものでは獲得から2週間前後の場合もある。
期間限定ポイントは、一部のサービスで利用できない場合も
ポイントの使い道に関しても、期間限定ポイントは制限があり、一部利用できないサービスがある。また、他社のポイントから交換した楽天ポイントも、有効期限は通常ポイントと同じだが、利用先は一部制限される場合がある。なお、ポイントを利用する際は、有効期限の短いものから消費される。
楽天ポイントには利用上限があり、楽天の会員ランクによって上限が異なる。最上位のダイヤモンド会員は1回および1か月につき50万Pまで。そのほかの会員(プラチナ、ゴールド、シルバー、レギュラー)は1回につき3万P、1か月につき10万Pまでとなる。ただし、利用先によっては、別途上限が設けられている場合もある。
以下、利用先ごとに特徴をまとめた。また、利用先ごとに通常ポイント、他社から交換した通常ポイント、期間限定ポイントが利用可能かどうかについて表にしたので、こちらも参考にしてほしい。
(1)楽天グループのサービスで使う
(2)楽天ポイントカード加盟店で使う
(3)楽天カードの利用代金に充当する
(4)楽天Edyのチャージに使う
(5)楽天ペイの支払いに充当する
(6)ANAのマイルに交換する
(7)お買いものパンダグッズに交換する
(8)楽天クラッチ募金に寄付する
(9)家族間でポイントを移行させる
(10)ポイントを投資して運用する
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→原則使用できる(一部のサービスは不可)
楽天ポイントの代表的な使い道は、楽天グループのさまざまなサービスで支払いに充当すること。楽天市場をはじめ、楽天トラベル、楽天ブックス、楽天モバイル、楽天デリバリー、楽天ビューティ、楽天TV、楽天チケット、ラクマなど、20以上のサービスが対象だ。
いずれも原則として1P=1円相当。期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントも原則、利用可能だ(一部のサービスでは不可)。サービスによっては50P以上や100P以上でなければ利用できないなど、最低利用ポイント数が設定されている場合がある。ポイントで支払った場合でも、ほかの方法で支払った場合と同様にポイントが貯まるが、そもそもポイントが貯まらないサービスもある。
数ある対象サービスのなかでも、特筆したいのが楽天市場で取り扱われているふるさと納税。ポイントを使って支払った分に関しても、税金控除の対象となる。楽天銀行の口座保有者を対象とした「少額あんしん保険」は、月額120円からの保険があり、支払いにポイントを使うこともできる。特に買いたいものがなく、有効期限が迫った期間限定ポイントの使い道に困った場合は、こうしたものに使ってもいいだろう。
また、楽天証券ではポイントで投資信託の購入ができる。あくまで投資のため、資産が減るリスクもあるが、運用に成功すれば元手を増やせるうえに、現金化できることもメリットだ。投資信託の購入は100Pから可能。2019年10月28日からは国内株の購入にも対象が広がる予定で、こちらは1Pから利用できる。ただしこちらは、期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用できない。
競輪の車券が購入できる楽天Kドリームスでは、楽天ポイントを投票用電子マネー「デルカ」へのチャージに、50P以上1P単位で利用できる。期間限定ポイントや他のポイントから交換した楽天ポイントは、通常のチャージでは利用不可だが、一部のチャージ方法によっては利用できる場合がある。
楽天市場で扱うふるさと納税でも、楽天ポイントを利用できる。ポイント支払分も税控除の対象になるのはうれしいところだ
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できる
街ナカの楽天ポイントカード加盟店でも、会計時にポイントカードまたはアプリを提示することで、楽天ポイントを支払いに充当できる。ただし、店舗や商品、併用する支払い方法によっては、ポイントを使えない場合や、アプリに対応していない場合もある。
楽天ポイントカード加盟店でポイントを使う場合は、原則として1P=1円相当。期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントも原則、利用可能だ。ほとんどの加盟店は1P単位で利用できるが、一部10P単位など利用単位が定められている加盟店もある。ポイントで支払った場合でも、基本的にほかの方法で支払った場合と同様にポイントが貯まり、ポイント払いをするとボーナスポイントがもらえるキャンペーンが行われることもある。
楽天ポイントカード加盟店は、マクドナルド、ミスタードーナツ、すき家、大戸屋、デイリーヤマザキ、出光、大丸・松坂屋、ビックカメラなど大手チェーンのほか、地方の小規模店でも使える店が多数ある。生活圏内の加盟店を把握しておくと、期間限定ポイントの有効期限が迫った場合も慌てずに済むだろう。
スーパーやドラッグストア、各種量販店などでポイントを使う場合は、購入する商品の価格にも注意したい。たとえばネットで100円で買える商品を、ポイントが使えるからと言って、加盟店で120円で買ってしまっては、1Pの価値を下げてしまうことになる。他店では売っていないものや、書籍など定価販売が基本となっているものに使ったほうが、ポイントの価値を高く保てるだろう。
楽天ポイントの加盟店には、さまざまなジャンルの店舗が加入している
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できない
楽天ポイントは、クレジットカードの楽天カードの利用代金(キャッシングを除く)に充当することもできる。1P=1円として、50P以上1P単位で利用可能。ただし、期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用できない。申し込み期限は毎月15日22時まで、もしくは20日22時まで。どちらになるかは、引き落とし口座に登録している金融機関によって異なる。
楽天カードの利用代金に充当できるということは、言い換えるとカード払いができるすべての店でポイント払いができるということ。ポイントの使い道が大幅に拡大するので、楽天ポイントを貯めている人は、楽天カードを持っておいて損はないだろう。また、楽天カードは利用額に対して基本1%のポイントが貯まるが、支払いにポイントを充当した場合でも貯まるポイント数は変わらない。
楽天銀行デビットカードでも、同様にショッピング利用代金の支払いにポイントを充当できる。デビットカードは利用額が即時引き落としとなるため、常に全額ポイント払いをするか、事前に設定したポイント数を毎回利用するか、いずれかを選べる。こちらも期間限定ポイントは利用できないが、ほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用可能。
楽天銀行デビットカードも利用額に対して基本1%のポイントが貯まり、支払いにポイントを充当しても貯まるポイント数は変わらない。ただし楽天カードは月間合計利用額に対してポイントが計算されるが、楽天銀行デビットカードは1回の決済ごとの計算になるなど、ポイント計算のルールが多少異なる。楽天カードのほうが無駄なくポイントは貯められるだろう。
楽天銀行プリペイドカードの場合は、1P=1円分として、50P以上1P単位でチャージに利用できる。こちらは期間限定ポイント、およびほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用不可となる。カード利用に際してポイントは貯まらない。
楽天ポイントを貯めている人にとっては、必携とも言える楽天カード
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できない
楽天ポイントは、電子マネーの楽天Edyへのチャージにも利用できる。楽天Edyにはカード型やおサイフケータイ型など複数のタイプがあるが、楽天ポイントでチャージできるのは、「楽天Edyの利用で楽天ポイントが貯まる設定」となっているもののみ。期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用できない。
チャージは1P=1円相当として、10P以上1P単位で利用可能。1回につき2万5000P、1か月につき10万Pが上限。チャージは申請後、すぐ受け取り可能となるが、初回チャージ申請から7日間は、1日最大500Pまでの制限があり、受け取り開始までに最大2日かかる。
ポイントからチャージをすると、1%が上乗せされるキャンペーンも頻繁に開催されている。たとえば500Pをチャージすると、Edy5円分が後日プレゼントされる。また、楽天ポイントが貯まる設定をしている楽天Edyは、200円利用につき1Pが貯まる(一部店舗および商品を除く)。
楽天Edyは主要なコンビニをはじめ、全国約64万か所で利用可能。特に近年は全国のスーパーマーケットで利用できる店が増えている。また、吉野家や一部の飲料自販機など、クレジットカードは使えないが楽天Edyなどの電子マネーなら使えるという店もある。ビックカメラもクレジットカードで支払った場合は、ビックポイントの還元率が基本8%となるが、楽天Edyで支払った場合は基本10%になる。
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できる
楽天ペイはQR/バーコードを使った街ナカの店でのスマホ支払いと、楽天IDを使ったネットでの支払いに分かれるが、どちらを使う場合でも支払いに楽天ポイントを充当できる。街ナカで使う場合も、ネットで使う場合も1P=1円相当で、期間限定ポイントも利用可能。街ナカでは1Pから利用でき、200円利用につき1Pが貯まる。ネットでは50Pから利用でき、100円利用につき1Pが貯まる。
楽天ペイの加盟店は日々増加中で、実店舗ではローソンやファミリーマート、松屋やファーストキッチン、エディオンやビックカメラ、多数のドラッグストアなどで利用可能。ネットではドミノ・ピザ、TOHOシネマズ、無印良品などで利用できる。
キャンペーンも頻繁に行われているが、ポイント充当分に関しては対象外となる場合もある。参加条件をよく確認してから利用しよう。ちなみに楽天イーグルスの本拠地である楽天生命パーク宮城、ヴィッセル神戸の本拠地であるノエビアスタジアム神戸では、対象試合に楽天ペイを使うと、ドリンク100円引きやグッズ購入で10%ポイントバック(シーズン中2,000Pが上限)などの特典が受けられる。
楽天ペイなら、期間限定ポイントも支払いにも充当できるのはメリットになる
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できない
楽天ポイントはANAのマイルに2P→1マイルのレートで交換できる。申し込みは50P以上2P単位となり、1回につき1,000P、1か月につき2万Pが交換上限。期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用できない。申し込みから交換完了までは約1週間かかる。
ANAのマイルは有効期限が3年(正確には36か月後の月末)だが、楽天ポイントは冒頭で説明したとおり実質無期限有効。つまり、楽天ポイントを持っておけば、必要とするマイル数にあと一歩足りないときなどに、不足分の調整が可能となる。交換レートや交換上限、交換にかかる期間などに注意したうえで、上手に活用するといいだろう。
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できる
楽天の公式キャラクター「お買いものパンダ」のグッズのなかには、楽天ポイントの交換でしか手に入らないものもある。2019年8月現在、ステッカー、マグカップ、ぬいぐるみなどが用意されており、250Pから交換可能。期間限定ポイントや、ほかのポイントから交換した楽天ポイントも利用できる。
楽天イーグルスやFCバルセロナとコラボしたグッズもあり、時期によっては福袋が出品されることもある。人気商品はすぐに完売してしまうので、「お買いものパンダ」ファンは日頃からポイントを貯めておいたほうがいいだろう。
期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できる
楽天クラッチ募金では、ポイントを使って寄付ができる。楽天クラッチ募金は2011年の東日本大震災をきっかけに生まれたインターネット募金。国内外の災害支援を中心に、時期によって異なる寄付先が用意されている。
楽天クラッチ募金には1P単位で寄付が可能で、期間限定ポイントや、ほかのポイントから交換した楽天ポイントも利用できる。領収書は発行されず、税金控除の対象にはならないが、ポイントの有効期限を切らせてしまいそうなときなど、失効させるくらいなら被災地支援などに活用してほしい。
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用不可
楽天カードには本カード会員と家族カード会員の間で、または同じ本カード会員を持つ家族カード会員同士の間で、ポイントが移行できる「家族でポイントおまとめサービス」がある。ポイント移行は50P以上1P単位で利用でき、月間10万Pが上限。申請から3日以内に移行先に反映される。期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用できない。
家族カードが発行できるのは、生計を同一にする配偶者、親、子供(18歳以上)となっており、本カード会員ひとりにつき、家族カードは最大5枚まで発行できる。「家族でポイントおまとめサービス」を活用すれば、まとまったポイントが必要になった場合や、家族にお小遣い的にポイントをプレゼントしたい場合などに役立つだろう。
※期間限定ポイント、他社のポイントから交換した通常ポイント→使用できない
当面ポイントを使う予定がないなら、運用にまわすことも検討しよう。「ポイント運用 by 楽天PointClub」では、100P単位でポイントを投資して、運用することが可能だ。手数料などは不要。期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントは利用できない。
投資先には積極的な運用を目指すアクティブコースと、安定的な運用を目指すバランスコースがある。(1)で紹介した楽天証券のサービスは、ポイントを投資信託や国内株の購入にあてるものだが、こちらは運用対象がポイントになる。各コースの基準価額に連動してポイント数が日々増減する。こまめに値動きをチェックして、上がったタイミングで引き出し、下がったタイミングで追加したほうが、運用益は得やすいだろう。
運用中のポイントはいつでも1Pから引き出せるが、反映までには受付から1〜2営業日が必要となる。正確には営業日14時までに手続きすると、翌営業日22時以降に反映され、引き出し時のポイント数は受付の翌営業日の基準価額をもとに確定する。なお、追加の投資や引き出しの手続き中は、確定まで次の追加・引き出しは不可となる。
貯めた楽天ポイントを、運用にまわすのもひとつの方法。投資の経験を積むこともできる
以上、楽天ポイントの主要な10の使い道について解説した。
少しでも確実に得をしたいなら、通常ポイントは楽天カードの利用代金に充当することをおすすめする。たとえば楽天市場で100円の商品を購入する場合、ポイント払いでは貯まるポイントは1Pだが、楽天カードで支払って利用代金をポイントで充当すれば、商品購入分とカード利用分で最低3Pが貯まることになる。
期間限定ポイントやほかのポイントから交換した楽天ポイントも、ポイント払いでもポイントが貯まるサービスで使ったほうが得。たとえば楽天市場なら100円につき基本1Pが貯まる。ただし、商品によっては送料がかかるなど、特に少額の支払いでは選択肢が少ないことが難点だ。全品送料無料の楽天ブックスや、少額から使えて送料もない楽天TVなどのデジタルコンテンツ系サービスで使うことも考えよう。
楽天ポイントでは、有効期限の短い期間限定ポイントをどう使い切るかが課題のひとつになる。上記で見たように期間限定ポイントを利用できるのは原則、「楽天グループのサービスで利用」「楽天ポイント加盟店での支払いに利用」「楽天ペイの支払いに充当」「お買いものパンダグッズに交換」「楽天クラッチ募金に寄付」の5種類となる。楽天ペイはネットでの支払いは100円につき1Pが貯まるが、利用できるショップはそれほど多くない。実店舗での支払いは200円につき1Pだが、ファミリーマートやローソンなどでも使えるので、有効期限が迫ったポイントを手早く消化するには最適な手段と言えるだろう。
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