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楽天経済圏で累計140万ポイント獲得!“住人”が実践する「ムリしないポイ活」

「改悪続き」という声も聞こえてくる楽天経済圏のリアルな評価は?

「楽天」、「ドコモ」、「au」、「PayPay」。今、ポイ活に欠かせないのが「ポイント経済圏」(ネット経済圏とも)という考え方です。これは、リアル店舗やECサイト、銀行、証券、携帯電話など、同じ企業グループ(あるいは提携グループ)のサービスで「同じポイント」が貯まり、それをお金がわりに使えるエコシステムのことを指します。

本企画では、ますます注目度が増しているポイント経済圏のヘビーユーザー(住人)に取材。経済圏の内側で実践しているリアルなポイ活について聞いていきます。今回は「楽天経済圏」がテーマ。楽天経済圏で年間10万ポイント以上貯め続けている「しんすま」さん(ハンドルネーム)にお話をうかがいました。

取材協力・解説 しんすまさん
30代、メーカー勤務の会社員で4人の子どもの父親。運営しているブログでポイ活や資産運用などのお役立ち情報を発信中。ハンドルネームの由来は「シンプル&スマート」から。楽天経済圏の利用歴は約10年。ほぼ毎年10万ポイント以上を獲得

楽天経済圏デビューから約10年で140万ポイント以上獲得

しんすまさんが楽天経済圏の“住人”となったのは2013年のこと。プロ野球「東北楽天イーグルス」の優勝(日本一)を知り、「優勝セールで、楽天市場がすごくおトクになるんじゃないか?」とチェックし始めたのがきっかけだったそうです。

その後、「楽天カード」を作ったり、「楽天モバイル」に契約したりと、楽天経済圏でのポイ活が軌道に乗ってからは安定して毎年10万ポイント以上を獲得。驚くべきは累計の獲得ポイント数で、なんと141万ポイント以上(!)にも達しています。

しんすまさんの累計獲得ポイント数のキャプチャー画面。全楽天ユーザーのポイント獲得ランキングの上位1%に入る高スコア(画像はしんすまさん提供)

しんすまさんの累計獲得ポイント数のキャプチャー画面。全楽天ユーザーのポイント獲得ランキングの上位1%に入る高スコア(画像はしんすまさん提供)

しんすまさん
しんすまさん

SPUやセール(後述)によって、楽天市場でのポイント倍率が30倍を超えていた時期もあったので、楽天経済圏での支出総額はおそらく400〜500万円ぐらいだと思います。それに対して、軽自動車が買えてしまうぐらいのポイント(楽天ポイントは1Pt=1円で使えるので)を受け取っていたと考えると、あらためて楽天経済圏のすごさを実感します。

2019年のピークを境にルール変更に合わせた現実路線へ

しんすまさんの楽天ポイント獲得遍歴をもう少し詳しく見てみましょう。

2013年に楽天経済圏に興味を持ち、2016年に「楽天モバイル」を契約したことでポイ活が本格化。その後2019年には、年間で30万ポイントほど獲得するなど楽天経済圏にハマっていったそうです。

「しんすま」さんの楽天ポイント獲得数の推移(2024年は5月末までの獲得見込)

「しんすま」さんの楽天ポイント獲得数の推移(2024年は5月末までの獲得見込)

しんすまさん
しんすまさん

2019年ごろは、年会費11,000円の「楽天プレミアムカード」や「楽天カード保険」など、さまざまな楽天のサービスを利用することで、がんばってSPU(※1)のポイント倍率を上げていました

また、2019年に国が実施した「キャシュレス・消費者(ポイント)還元事業」(※2)の影響もありました。対象店で最大5%還元されるとあって、私も対象店を探して楽天ポイントを稼いでいました。

※1 楽天のSPU(スーパーポイントアッププログラム)
楽天の対象サービスを利用することで、「楽天市場」でのポイント還元率が上がる特典。楽天のサービスでポイントを貯めるには、まず、楽天会員の登録が必要で、これをクリアすると「+1倍」でポイント還元率が「1%」に。この状態で、そのほかのSPUの条件をクリアしていくことでポイント還元率が上がる仕組み。近年は、ポイントアップの条件や倍率がよく変更されている

(SPUの例)
・楽天カードの申し込み&利用 +2倍(+2%)※利用分1%と特典分1%
・楽天銀行口座で楽天カード利用代金を引き落とし +0.3倍(+0.3%)
・楽天証券で月30,000円以上ポイント投資(投資信託) +0.5倍(+0.5%)
など
※上記のルールは2024年4月時点のもの

※2 キャシュレス・消費者(ポイント)還元事業
2019年10月1日の消費税率引上げにともなって9か月間実施された国の施策。需要の平準化とキャャッシュレス決済の普及が目的。中小・小規模事業者の対象店でのキャッシュレス決済の利用で最大5%還元された

「楽天モバイル」の本格参入からSPUの条件悪化が目立つように

しかし、2019年をピークに獲得ポイント数は下落します。その理由としてしんすまさんは、「SPUのルールがひんぱんに変更されるようになったことが大きい」と指摘します。楽天は2020年に「楽天モバイル」で携帯電話事業に本格参入。その余派もあり、2021年ごろから、「楽天モバイル」以外の楽天のサービスのSPUのおトク度が下げられている印象を持っていると言います。

しんすまさん
しんすまさん

楽天経済圏界隈で特に騒がれたのは、2021年4月の「楽天ゴールドカード」の改悪です。「楽天市場」で「楽天ゴールドカード」(年会費2,200円)を利用すると、それまでは「+4倍(4%還元率が上がる)」だったのが、「+2倍(2%還元率が上がる)」に半減。年会費無料の「楽天カード」の特典と同じレベルになり、カードを持つメリットがなくなりました。

大きな動きはこの後も続き、2023年末には「楽天モバイル」を使うメリットが上がったいっぽう、私が使っていた「楽天プレミアムカード」のメリットがなくなってしまいました(楽天市場で5%還元→「楽天カード」と同レベルの3%還元にダウン)。それもあり、今は「楽天プレミアムカード」ではなく、年会費無料の「楽天カード」を利用しています。

▼2023年末のSPUのルール変更については、こちらの記事で解説しています。

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それでも、楽天経済圏に居続けるメリットはアリ

SPUのルール変更の影響を受けつつも、しんすまさんは「楽天経済圏で年間10万ポイント獲得を狙える使い方」を続けられているといいます。この章では、2024年4月の記事執筆時点でしんすまさんが実践している具体的な方法を教えてもらいます。

【基本の型】SPUとキャンペーンをかけ合わせる

しんすまさん
しんすまさん

まずは、私の楽天経済圏でのポイ活の基本的な考え方からご紹介します。それが、「SPUで還元率を上げること」と「買い物を楽天市場のセールに集中させること」のかけ合わせです。SPUは、あくまでも今の生活でムリなく使えるものだけを狙います。時期によって倍率は変動しますが、現在は常時7.8倍をキープしています。

こうして基本のポイント還元率を上げておき、「楽天市場」のキャンペーンのときに買い物を集中させ、「買い回り」などによってさらに還元率を上げるスタイルで、年間10万ポイント以上は獲得できています。

【SPU】SPUは7.8倍をキープ(2024年4月時点)

しんすまさん
しんすまさん

2021年以前は、SPUで常時9.5倍を保っていましたが、前出のとおり「楽天プレミアムカード」の改悪などがあったため、その後は3.3〜3.8倍に落ち着いていた時期もあります。

2024年4月時点では、一時やめていた「楽天モバイル」を再び使い出したこともあり、下記のとおり7.8倍をキープできています。前出の2023年末のルール変更で「楽天モバイル」の倍率が「+4倍」にアップしたので、それを狙った形です。個人的には、エリア的に問題がなければ「楽天モバイル」はぜひ検討してもらえればと思っています。契約も簡単ですので、サブ回線として持っておくのもアリだと思います。

このほか、下記の一覧で「難易度低め」としているものは、比較的どなたでも達成しやすいSPUではないかと思います。

しんすまさんのSPU達成状況(2024年4月時点)

○難易度低め
・楽天会員……+1倍(1%)
・楽天カードでの支払い……+1倍(+1%)
・楽天カード特典……+1倍(+1%)
・楽天銀行口座で楽天カード利用代金の引き落とし……+0.3倍(+0.3%)
※しんすまさんは現在利用していないものの、「楽天銀行口座で給与・賞与・年金を受け取りで+0.2倍(+0.2%)」も初心者におすすめのSPUとのこと(このSPUは楽天カード利用代金の引き落としをしている人が対象)



○難易度高め
・楽天モバイル「Rakuten最強プラン」の契約……+4倍(+4%)
・楽天証券で「楽天ポイントコース」を設定のうえ、3万円以上(現金併用可)のポイント投資(投資信託)……+0.5倍(+0.5%)

【キャンペーン1】「楽天スーパーセール」の「ショップ買い回り」を狙う

しんすまさん
しんすまさん

キャンペーンの中でも「楽天スーパーセール」をメインに利用しています。「楽天スーパーセール」は楽天市場で年4回(3月、6月、9月、12月)開催されます。

「楽天スーパーセール」の期間中は半額商品や割引き商品が増えます。さらに「1店舗1,000円以上の商品を購入するごとに、還元率が最大で+10倍(通常の1%還元が含まれるので実質最大+9%)」になる「ショップ買い回り」おトクです。この還元率は、SPUで上がった還元率にプラスされるので、私の場合16.8%還元(7.8%+9%)が狙えるわけです。

我が家は子どもが4人いることもあり、食料品をまとめ買いすることが多いです。定番は保存の効く冷凍食品。後は妻の趣味であるお菓子作りに使うチョコやナッツ、私が飲むコーヒーなどです。食料品以外ではトイレットペーパーなどの日用品も定番。欲しいものをメモしておいてセールで買うことでムリなく10店舗買い回れます。

【キャンペーン2】「お買い物マラソン」にも注目

しんすまさん
しんすまさん

「楽天スーパーセール」の買い回りの注意点として、セールでもらえるポイントの上限があります。1回のセールで7,000ポイントまでしか付与されません(SPU分のポイントは別途もらえます)。

これを補う意味でぜひ活用したいのが「お買い物マラソン」です。こちらは「楽天スーパーセール」ほどおトクな商品はないのですが、「ショップ買い回り」はあり、最大でポイント8倍が狙えます。「お買い物マラソン」はほぼ毎月開催されていて、多いときで月に2回開催されることもあります。「楽天スーパーセール」で買いすぎを防ぐために買い物を分散させたり、「楽天スーパーセール」での買い忘れを補う目的で利用しています。

ただし、「楽天スーパーセール」と同じく「お買い物マラソン」の買い回りで獲得できるポイントも、1回のセールにつき7,000ポイントまでなのでご注意ください。

【キャンペーン3】セール期間中の「5と0のつく日」はチャンス

しんすまさん
しんすまさん

毎月、5と0のつく日(5日、10日、15日、20日、25日、30日)は、楽天市場の全ショップで還元率が+1倍(+1%)になるので、こちらもうまく活用しましょう(楽天カードで支払った場合&要エントリー)。SPUの楽天会員登録分、楽天カードの特典分と合わせると合計で4%還元になります。

「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」は1週間程度開催されることが多いので、期間中に「5と0のつく日」が訪れます。この日に買い物を集中させることで、より効率的にポイントが貯まります。

【ポイントの使い道】キャンペーンでもらえるポイントは「楽天ペイ」で忘れずに消費

しんすまさん
しんすまさん

こうして貯めたポイントですが、使わずに期限が切れて「失効」となるほど残念なことはありません。特にキャンペーンで獲得できるポイントは、有効期限が1年間ある「通常ポイント」ではなく、1か月半あまりで期限切れとなる「期間限定ポイント」が多くあるので要注意です。

私は、「期間限定ポイント」をスマホ決済の「楽天ペイ」で消費するようにしています。以前は使える店が少なかったのですが、最近はコンビニ、ドラッグストア、飲食店、家電量販店など、多くの店で使えるようになったので重宝しています。

「楽天ペイ」で支払う際には、アプリ上で「すべてのポイント/キャッシュを使う」をまずチェック。そしてその横にある「設定」から設定画面に入り、「ポイント優先」を選びます。これでポイントから支払う設定となります。また、自動的に期間限定ポイントから消費されるので、使い忘れはほぼ確実に防げます。

まとめ:“住人”が感じる楽天経済圏の強みとは?

しんすまさんは、楽天経済圏の“住人”となって10年あまりが経過。SPUの改悪などから、一時はPayPay経済圏への乗り換えを検討したこともあったそうですが、楽天経済圏のわかりやすさなどにひかれ、今も楽天経済圏にとどまっています。

しんすまさん
しんすまさん

楽天経済圏の魅力は、「SPUをムリなく高めた状態で、楽天市場のキャンペーンでまとめ買い」という、「ポイ活の仕組みのわかりやすさ」にあると思います。私がこの仕組みに慣れていることも大きいと思いますが、PayPay経済圏でのポイント獲得の仕組みは少し複雑に感じられてしまい、「続けやすさ」という面では楽天経済圏のほうがすぐれていると感じました。

そして、今回の取材で累計獲得ポイントを計算してみて、あらためてポイント倍率をコツコツ積み上げることの威力も感じました。「ポイント倍率+〇倍」を「焼け石に水」と思うか「チリも積もれば山となる」ととらえるかによって、ポイ活の成果が大きく変わります。皆さんもできる範囲で楽天経済圏での倍率アップを楽しんでもらえればと思います。

楽天市場の強さが経済圏の核(取材を終えて)

ポイント経済圏のはしりとも言える楽天経済圏。SPUのルール変更が続いていることもあり、筆者はなんとなくマイナスのイメージを抱いていました。しかし、しんすまさんに取材し、そんな状況でもコツコツとポイ活を続ける人とまったくやらない人との間には、大きな差が生じることを感じさせられました。

そして、しんすまさんのお話を聞いて感じたのが、「楽天市場」の強さです。ほかのポイント経済圏にもECサイトがありますが、品ぞろえではなかなか「楽天市場」にはかなわないでしょう。「楽天市場」には生活で必要なものが揃う安心感があり、しんすまさんのように、セール時期に買い物を集中させるポイ活のスタイルでも困ることはなさそうです。このように、ECサイトとしての「楽天市場」の強みが、楽天経済圏の “核”となっているように感じられます。

今後もSPUなどの動向には注意が必要ではありますが、楽天経済圏の魅力は健在のようです。筆者もそのひとりなのですが、普段なにげなく楽天のサービスを使っている人は多いと思います。使い方を少し意識するだけで受け取れる楽天ポイントを大きく増やせるかもしれません。

百瀬康司
Writer
百瀬康司
フリーランスライター。副業をはじめ、投資、貯蓄、節約などマネー企画全般を取材。ビジネスや働くママのジャンルでも取材経験豊富。雑誌、Web、夕刊紙、書籍などで執筆。「真に価値ある情報提供」を使命とする。
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野 洋介(編集部)
Editor
野 洋介(編集部)
書籍や月刊マネー誌の編集者を経て価格.comマネー編集部。“世界3大投資家のひとり”を含む投資家、専門家、経営者、副業実践者などへの取材経験豊富。名字の読みは「の」。ルーツは北陸(らしいです)。
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