あらゆるモノやサービスの値上げが止まらないこのご時世。「少しでも節約したい」と考える人の強い味方となるのが、スーパーやコンビニ、新幹線、携帯電話の利用料金など、特定の支出に対してピンポイントで高還元となるクレジットカードの特典です。こうした“局地的”とも言える高還元特典の場合、「カード」と「使い道」の組み合わせ次第で10%以上の還元率を狙える場合もあり、その節約効果はあなどれません。本記事では、今人気の高還元特典を厳選して紹介します。
▼複数のスーパー・コンビニ・飲食店で最大15%還元
三菱UFJカード(年会費永年無料)
▼セブン-イレブンで最大10%還元
三井住友カード(NL)(年会費永年無料)
Oliveフレキシブルペイ(年会費永年無料)
▼セブン-イレブンで最大11%還元
セブンカード・プラス(年会費永年無料)
▼JR東日本の新幹線で最大10%還元
ビューカード ゴールド(年会費1万1,000円)
▼携帯電話の利用料金
dカード GOLD(年会費1万1,000円)
au PAY ゴールドカード(年会費1万1,000円)
PayPayカードゴールド(年会費1万1,000円)
「三菱UFJカード」(年会費永年無料)は、最近、価格.comクレジットカードランキングで人気が高まっている1枚です。基本のポイント還元率は、0.5%(※1)と標準的ですが、対象のコンビニやスーパー、飲食店で利用すると、ポイント還元率は最大5.5%にアップします。また、記事公開時点では、各種利用条件をクリアするとポイント還元率が最大15%にアップするキャンペーンも実施されています(※2)。
※1 1か月の利用額1,000円につき1P貯まる「グローバルポイント」を、「Amazonギフト」など1P=5円のレートで交換可能なギフトやポイントと交換した場合。以下、本記事に記載している還元率はすべて1P=5円での交換を想定。
※2 最大15%還元は、2025年1月31日までの利用が対象。公式サイトによると、2025年2月以降も、内容を変更してポイント還元特典が継続される予定とのこと。
本特典の対象となる店舗は、セブン-イレブン、ローソンといったコンビニや、くら寿司、スシローなどの飲食店、さらに、オーケー、オーゼキ、肉のハナマサなどのスーパーを含めた、合計23のチェーンやブランドです(2025年1月時点)。
このなかで特に注目されているのが、2024年8月より新たに下記14のチェーンやブランドが特典の対象に加わったスーパーです(2025年1月時点)。クレジットカードの高還元特典の対象にスーパーが含まれることはめずらしく、ルール変更時にはSNSなどでも好意的な声が目立ちました。
各社公式サイトなどをもとに作成。国際ブランドにVisa、Mastercard、JCBを選んだ場合は上記14のチェーンやブランドがすべて特典の対象。AMEXを選んだ場合は東武ストア、ヤマナカ、フランテロゼ、フランテのみが特典の対象
主に首都圏で人気のスーパー「オーケー」も高還元の対象
下記は、「三菱UFJカード」で現在実施されている、最大15%還元の内訳です。前出のとおり、本特典で適用されるポイント還元率は5.5%(1+2)ですが、2025年1月31日までは、各種利用条件をクリアすることで最大15%にまで還元率を上げることができます(1〜8の合計)。ムリのない範囲でポイント還元率アップを狙ってみてはいかがでしょうか(ただし、2025年2月以降は内容が変更される可能性がありますのでご注意ください)。
■本特典で適用されるポイント還元率
1 基本ポイント → 0.5%還元
2 スペシャルポイント → +5.0%還元
■条件を達成することで上乗せされる還元率
3 リボ払いサービス「楽Pay」の登録、または「分割払い」、「カードローン」を1万円以上利用 → +5.0%還元
4 月々のショッピング利用金額に応じて → 最大+1.5%還元
5 携帯電話料金または電気料金の支払いに利用 → +0.5%還元
6 スマホでの支払い(Apple Pay、QUICPay、App Store、Google Play)→ +0.5%還元
7 MUFGカードアプリにログイン → +0.5%還元
8 上記5つのうち4つの条件達成 → +1.5%還元
▼下記の関連記事では、実際に「三菱UFJカード」を利用している編集部員がメリットや注意点を解説しています。
「三井住友カード(NL)」(年会費永年無料)や「Oliveフレキシブルペイ」(年会費永年無料)など、三井住友カードが発行するほとんどのクレジットカードには、特定のコンビニや飲食店にて、カードを登録したスマホのタッチ決済で支払うと最大7%還元となる特典が付帯しています。
さらに、本特典の対象店のなかでも、コンビニ最大手のセブン-イレブンについては、対象店で唯一、最大10%還元が適用されます。セブン-イレブンをよく使う人は利用を検討する価値のある特典と言えるでしょう。
セブン-イレブンにおける本特典のポイント還元の流れや内訳は下記のとおりです。
・セブン-イレブンの公式アプリである「セブン-イレブンアプリ」をダウンロードのうえ、「7iD」や「Vポイント」を設定
・「セブン‐イレブンアプリ」の会員コードを提示 → 「セブンマイル」0.5%還元
・三井住友カード(NL)や「Oliveフレキシブルペイ」などの対象の「三井住友カード」を登録したスマホでタッチ決済 → 「Vポイント」9.5%還元
※「セブンマイル」は10マイルごとに「Vポイント」10Pへ交換できるため、「セブンマイル」と「Vポイント」の合算で実質10%還元
対象の「三井住友カード」があればセブン-イレブンでの買い物がおトクに
本特典の注意点としては、「支払い方法」があげられます。セブン-イレブンで最大10%還元となるのは、「スマホのタッチ決済」で支払った場合のみ。「リアルカードでのタッチ決済」では、ポイント還元率は1.5%にとどまるので注意しましょう。
また、カードに付帯している「iD」での決済や、タッチ決済の上限額(店舗によって異なり、セブン-イレブンは原則1万円まで)を超えた場合などに決済端末に差し込んで支払った場合もポイントアップの対象外となり、そのカードの基本のポイント還元率(ほとんどの三井住友カードは0.5%)が適用されるのでご注意ください。
セブン-イレブンをよく使う人なら、「セブンカード・プラス」(年会費永年無料)もおトクな1枚です。「セブンカード・プラス」の基本のポイント還元率は0.5%ですが、セブン-イレブンで利用する場合は還元率が10%にアップします。さらに、「セブンカード・プラス」の支払い口座にセブン銀行の口座を設定すると、セブン-イレブンでのポイント還元率は合計11%になります。
本特典のポイント還元の流れと内訳は下記のとおりです。
・「セブンカード・プラス」を「7iD」に登録
・セブン-イレブンで「セブンカード・プラス」にて決済 → 「nanacoポイント」9.5%還元、「セブンマイル」0.5%還元
※「セブンマイル」は10マイルごとに「nanacoポイント」10Pへ交換できるため、「セブンマイル」と「nanacoポイント」の合算で実質10%還元
・「セブンカード・プラス」の引落口座にセブン銀行を設定のうえ、セブン-イレブンで「セブンカード・プラス」にて決済 → 「nanacoポイント」1.0%還元
「セブンカード・プラス」ならセブン-イレブンで最大11%還元(セブン銀行併用時)
記事公開時点では、「セブンカード・プラス」の月間の利用額(セブン-イレブンに限らずどの店舗での支払いでもカウント対象)によってセブン-イレブンでのポイント還元率が上がるキャンペーンが実施されています(2025年4月15日利用分まで)。
月間利用額7万円を達成すると、セブン-イレブンでのポイント還元率が1%アップ(最大12%還元)、同じく、月間利用額12万円を達成すると2%アップ(最大13%還元)します。この還元率の上乗せ分については、いずれも「nanacoポイント」で付与されます。
JR東日本が発行する「ビューカード」は、JR東日本の鉄道や商業施設などで利用するとメリットの多いクレジットカードです。「ビューカード」にはいくつかの種類がありますが、なかでもおトクさが目立つのが、「ビューカード ゴールド」(年会費1万1,000円)です。
「ビューカード ゴールド」は、基本のポイント還元率こそ0.5%と標準的ですが、「モバイルSuicaへのオートチャージ」で1.5%還元、「モバイルSuica定期券の購入」で6%還元など、JR東日本ユーザーがメリットを感じられる高還元特典が豊富です。また、年間の利用額に応じて最大1万7,000Pのボーナスポイントが付与される特典もあります。
そして、「ビューカード ゴールド」の特典のなかでも、とりわけインパクトが大きいのが「JR東日本エリアの新幹線チケットの購入」に対する10%のポイント還元です。
旅行や出張、親類縁者への訪問などでJR東日本の新幹線をよく使う人にとってはメリット大
「JR東日本エリアの新幹線のチケット購入」での10%還元の手順は下記のとおりです。
・「えきねっと」に会員登録し、「JRE POINT会員番号」と連携(すでに登録、連携済みの人は不要)
・「えきねっと」で「ビューカードゴールド」を支払い手段とし、「新幹線eチケット」を購入(予約時決済・指定席)
※「新幹線eチケット」を利用するには、チケットを紐づけるモバイルSuicaや交通系ICカードが必要。
たとえば、東京〜金沢間を「新幹線eチケット(指定席)」で移動する場合、片道料金は1万4,180円です。この際に、「ビューカード ゴールド」を使って「えきねっと」できっぷを購入すると1,403Pが付与され、往復なら2,806Pが獲得できます。単純計算にはなりますが、東京〜金沢間であれば、4往復で「ビューカード ゴールド」の年会費1万1,000円の元が取れることになります。
▼下記の関連記事では、実際に「ビューカード ゴールド」を利用しているカード評論家が実体験に基づいてメリットを解説しています。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話を使っている人は、ぜひ、各社(グループ)が発行しているゴールドカードの利用を検討するといいでしょう。どのカードにも、毎月の携帯電話や光回線の利用料金に対する最大10%のポイント還元特典が付帯しており、なかには、格安プランに対しても最大10%のポイントを還元するカードもあります。
ドコモ……dカードGOLD(年会費1万1,000円)、基本のポイント還元率1%
KDDI……au PAYゴールドカード(年会費1万1,000円)、基本のポイント還元率1%
ソフトバンク……PayPayカード ゴールド(年会費1万1,000円)、基本のポイント還元率1.5%
各カードとも年会費が1万1,000円かかりますが、仮に毎月1万円の携帯電話利用料を利用する人がこれらのカードを使って支払えば、毎月1,000P、年間で1万2,000P貯まる計算となり、これだけでも年会費分をペイすることができます。また、基本のポイント還元率がいずれも1.0%以上と比較的高めに設定されているのも魅力のひとつです。
毎月一定のポイントがコンスタントに貯まっていきます
携帯3社のゴールドカードを比較するうえで注意したいのが、最大10%還元の対象となる料金プランの違いです。「dカード GOLD」は、ドコモの携帯電話とドコモ光の利用料金の支払いが最大10%還元の対象ですが、このうち、料金が安めに設定されている「ahamo」と「irumo」(いずれも携帯電話のプラン)、そして「ahamo光」(ドコモ光のプラン)については最大10%還元の対象外となり、基本の還元率である1%が適用されます。
いっぽう、ドコモ以外の2社のゴールドカードには、最大10%還元の対象を広げる動きがあります。
「au PAYゴールドカード」は、auブランドの料金プラン(携帯および光回線)に加えて、2024年12月より、廉価なサブブランドである「UQ mobile」の利用料金に対しても最大10%還元の対象を拡大しました(ただし、オンライン専用ブランドである「Povo」は最大10%還元の対象外)。
「PayPayカード ゴールド」も、2025年2月請求分より、ソフトバンクのサブブランドで格安プランを提供している「ワイモバイル」の利用料金への還元率を、従来の3%から最大10%に引き上げることを発表済みです。このように、現状、携帯3社のゴールドカードは、格安プランに適用されるポイント還元率の点で対応が分かれています。
一般的に、クレジットカードのポイント還元率は0.5〜1%程度です。しかし、本記事で紹介してきたクレジットカードの特典では、いずれも最大で10%以上のポイント還元を受けることが可能です。これらの特典を最大限活用すれば、大きな節約につながります。
たとえば、30〜50代の人がコンビニで使う金額は、年間約7万2,000円との調査結果があります(※)。少々現実的ではないかもしれませんが、仮にこの支出をすべて「対象の三井住友カード×セブン-イレブンで最大10%還元」の特典を利用して支払うと、これだけで年間7,200円相当の節約になる計算です(このケースで貯まるVポイントは1P=1円で利用可能)。
同様に、スーパーなら「三菱UFJカード」、JR東日本の新幹線なら「ビューカード ゴールド」といったように、目的ごとにおトクなクレジットカードを使い分けるとより効果的です。少々手間はかかるかもしれませんが、ぜひ各クレジットカードの強みを最大限に活用していきましょう。
※総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」内、「年代別のコンビニ利用額(月額)」をもとに計算。