GeForce GTX 1080を搭載しながらMacBook Airに匹敵する厚さ18mmを実現

ゲーミングノートPCに革新を起こすNVIDIAの「Max-Q Design」とは?

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NVIDIAは、2017年5月30日〜6月3日に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2017」で発表した、薄型で軽量なゲーミングノートPCを実現する「Max-Q Design」について、日本国内でも記者説明会を開催。NVIDIAの最新ハイエンドGPU「GeForce GTX 1080」を、いかにして厚さ18mmの薄型ノートPCに収めたのか。その工夫を説明した。

MacBook Air並みの薄型筺体にGeForce GTX 1080を搭載できる「Max-Q Design」

最近のゲーミングノートPCの中には、先述の「GeForce GTX 1080」を搭載した製品がある。本体の厚さは30mmを超え重さは4kg前後があたりまえ。強力な冷却機構を備えるとはいえ、かなり分厚く重いのが欠点だ。もちろん性能を落とせば小さくはできるもののパフォーマンスも低下する。ゲーミングユーザーだけでなく、一般ユーザーにおいても、パフォーマンスも携帯性も両立したゲーミングノートPCが待ち望まれていたのだが、まさにそんな声に応えたのが「Max-Q Design」だ。

薄くて軽く、そして静かなゲーミングノートPCは、ゲーミングユーザーの夢だ

薄くて軽く、そして静かなゲーミングノートPCは、ゲーミングユーザーの夢だ

「Max-Q Design」とは、最新の3DゲームやVRゲームのプレイに必要十分な処理性能を備えた、ゲーム用薄型ノートPCのデザインコンセプトだ。実際には、ゲーミングノートPCを手がけるPCメーカーと、GPUを提供するNVIDIAの2社が協力して最適化を施した、ゲーム用に特化した薄型ノートPCにつけられるブランドという位置付けになる(今後ブランドとして展開していくかは語られていない)。

ちなみに、「Max-Q」という言葉はNVIDIAが考えたものではなく、宇宙航空関係の用語のひとつ。意味は「人間が搭乗したロケットを宇宙に打ち上げる際、ロケットにかかる負荷(動圧)が最大になる時点」で、ロケットはこのMax-Qに基づいて設計されているという。ゲーミングノートPCにもこの考えを適用したのが「Max-Q Design」とのことだ。

「Max-Q Design」準拠のゲーミングノートPCでは、前世代のゲーミングノートPCと比較して、3分の1の厚さで、パフォーマンスは最大3倍を実現するというもの。今後登場してくる製品の中には、厚さ18mmというMacBook Airと同等の薄さながら、ゲーミングパフォーマンスは現在提供されているプラットフォームよりも最大70%高いものも登場予定だという。

「Max-Q Design」に準拠したノートPCは、前世代の「GeForce GTX 880M」搭載のノートPCと比較して、厚さは3分の1、重さはほぼ半分、性能は3倍になるという

そんな「Max-Q Design」準拠のノートPCに搭載されるGPUは、Pascal世代の主にモバイル向けの「GeForce GTX 1080」「GeForce GTX 1070」で、これらは「Max-Q Design」向けの選別品ではなく、現在販売されているゲーミングノートPCにも搭載されているのと同じものが採用される。では「Max-Q Design」最大のポイントは何か。NVIDIAによると、「GPUのピーク効率」「冷却機構」「次世代の電源レギュレーターの採用」「対応ゲームの最適化」で、なかでも重要なのが前の3つだという。

「Max-Q Design」の4つの大きなポイント

「Max-Q Design」の4つの大きなポイント

GPUのピーク効率についてはこうだ。GPUの性能は電力をかけた分だけ上がるが、あるポイントを超えるとその伸びしろは次第に小さくなっていく。いっぽうで、かけた電力に応じて発熱は増えるので全体的な効率は悪くなる。「Max-Q Design」では、電力効率が高く発熱も小さい、もっとも効率がいい状態で動作するようになっているという。

消費電力が増えた分だけパフォーマンスは上がるが、その伸び代は次第に小さくなっていく

消費電力が増えた分だけパフォーマンスは上がるが、その伸び代は次第に小さくなっていく

パフォーマンスの向上率はあるポイントを境に悪くなる。このポイント付近でGPUを動作させることで、パフォーマンス、サイズ、静けさのバランスがとれるそうだ

そのGPUのピーク効率を左右するのが、PCメーカー各社が工夫を凝らす放熱設計と、GPUに電力を提供する電源回路だ。これらはNVIDIAとPCメーカーが情報を綿密にやり取りして作られていくという。そのため、同じGPUを搭載していてもチューニングは異なってくる。

会場に展示されていたGeForce GTX 1080を搭載した「Max-Q Design」準拠のASUS「ZEPHYRUS」。ディスプレイ部を開けると底面が開くというユニークなギミックを備えた冷却機構を搭載している

「Max-Q Design」採用のGeForce GTX 1080搭載ノートPCと、非「Max-Q Design」のGeForce GTX 1060搭載ノートPCのパフォーマンスを比較したグラフ。厚さは同じ18mmだが、性能は1.5倍以上違う

ゲームプレイ中の耳触りな騒音も軽減

「Max-Q Design」では騒音も軽減されている。静かな住宅地と同じくらいの騒音量40dB以下に抑えられる。ゲームプレイ時に集中できるだけでなく、周囲にもやさしい。また、GeForceの動作音を抑えられる「NVIDIA WhisperModeサイレントテクノロジー」も発表。GeForceの設定アプリ「GeForce Experience」に実装される機能で、ゲームのフレームレートの調整やグラフィック設定により、GeForceを静かに動作させられるという。なお、この機能はGeForceを搭載する全てのパソコンで使用できるとのこと。ちなみに、「Max-Q Design」採用のノートPCでこの機能を使えば、騒音をさらに抑えることができるそうだ。

「Max-Q Design」のノートPCは、動作音も静かになるという

「Max-Q Design」のノートPCは、動作音も静かになるという

GeForceの設定アプリ内に新たに追加される「Whispermode」では、フレームレートやグラフィック構成の設定を変えることで、動作音を抑える

「Max-Q Design」準拠のノートPCは、6月27日から全世界で発売予定(日本国内の発売は未定)。20社以上が順次提供していく予定だ。具体的な価格のアナウンスはされなかったが、NVIDIAの担当者によれば「既存のゲーミングノートPCに比べて若干高くなる」とのこと。なお、説明会の会場では、以下の3機種が展示されていた。

GeForce GTX 1080を搭載するASUS「ZEPHYRUS」(厚さは18mm)

GeForce GTX 1080を搭載するASUS「ZEPHYRUS」(厚さは18mm)

GeForce GTX 1070を搭載するCLEVO「P950」(厚さは19mm)

GeForce GTX 1070を搭載するCLEVO「P950」(厚さは19mm)

GeForce GTX 1070を搭載するMSI「GS63」(厚さは18mm)

GeForce GTX 1070を搭載するMSI「GS63」(厚さは18mm)

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.11.17 更新
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