「iPhone 8」の発売をひかえ、各社が通信サービスの強化を実施!

NTTドコモ、au、ソフトバンク各社のLTE最新動向

このエントリーをはてなブックマークに追加

新型「iPhone」の発売を控える9月は、毎年スマートフォンに関係する新サービスや新料金などが集中して発表される季節でもある。ここでは、端末選びの際に役立つ情報として、NTTドコモ、au、ソフトバンク、3キャリアのLTEに関する最新サービスを紹介しよう。

3.5GHz帯、3CC CA、256QAM、MIMO対応などでLTEの通信速度がアップ

NTTドコモは2010年に、auとソフトバンクは2011年にサービスを開始したLTEは、毎年通信速度が向上しているが、この秋、通信キャリア3社は下りを中心に更なるスピードアップを果たしている。

この秋に各社が発表したLTEの速度アップは、昨年より商用利用が始まっている3.5GHz帯の活用や、複数の電波を束ねて高速化する「キャリアアグリゲーション(CA)」、より高密度な変調方式である「256QAM」、複数のアンテナを組み合わせるMIMO技術をより高度化させることなどで実現されたものだ。

NTTドコモ
東名阪地区で国内最速下り最大788Mbpsのサービスを開始

NTTドコモは2017年9月4日より、下り最大788MbpsのLTEサービスを開始している。この788Mbpsのサービスは、同社が2016年よりサービスを開始した3.5GHz帯(帯域幅20MHz)のチャンネル2本と、東名阪地区限定の1.7GHz帯のチャンネル1本を組み合わせることで実現したもので、利用できるのは東名阪地区に限られる。また、1.7GHz帯に対応していない地区では2.1GHz帯を組み合わせた738Mbpsのサービスが利用可能だ。

NTTドコモでは、3.5GHz帯の基地局を、人が密集する都市部のターミナル駅や繁華街などから先に展開する方針で、都市部ではこの速度アップをいち早く実感できるだろう。NTTドコモが総務省に提出した3.5GHz帯基地局の設置計画を見ても、人口カバー率は、平成28年度(2016年度)末で8.3%(1711局)、平成29年度(2017年度)末で37.6%(8300局)、平成30年度(2018年度)末時点で55.5%(17085局)を予定しており、ライバル他社と比べて設置ペースは速い。

なお、この下り最大788Mbpsの高速通信に対応するスマートフォンは、現状でサムスン「Galaxy S8/ S8+」、ソニー「Xperia XZ Premium」、シャープ「AQUOS R」、モバイルWi-Fiルーターの「Wi-Fi STATION N-01J」のみとなる。「iPhone 8 /8 Plus」や「iPhone X」でも3.5GHz帯は利用可能だが、788Mbpsや738Mbpsの通信には対応していない。

4×4のMIMOに対応させつつ、3.5GHz帯×2と東名阪地区限定の1.7GHz帯を組み合わせることで下り最大788Mbpsを実現する

東名阪地区以外では、1.7GHz帯の代わりに2.1GHz帯を組み合わせることで最大通信速度は738Mbpsとなる

東名阪地区以外では、1.7GHz帯の代わりに2.1GHz帯を組み合わせることで最大通信速度は738Mbpsとなる

au
新型iPhone用に、下り最大558Mbpsの国内初4CC CAサービスを用意

auでは、2017年9月22日に、「4CC CA(Four Component-Carrier Carrier Aggregation)」サービスを開始する。4CC CAとは、auがすでにサービスを開始している3.5GHz帯(帯域幅20MHz)×2波と、auの関連会社であるUQコミュニケーションズが運営中の2.5GHz帯WiMAX 2+(帯域幅20MHz)×2波の合計4波を束ねたもので、下り最大558Mbpsの高速通信を実現している。この558Mbpsという通信速度は、NTTドコモなどの通信速度からするとやや低いが、auによると、その狙いは、速度の上限値の追求よりも混雑時における下限値の底上げの意味が大きいという。なお、この4CC CAに対応している端末は、現時点で「iPhone 8/ 8 Plus」のみ、「iPhone X」については現時点で発表はない。

4CC CAで使用するWiMAX 2+は2012年にサービスが始まっており、通信可能なエリアは以前よりかなり広がっている。いっぽう、3.5GHz帯の基地局は、au(KDDI)が総務省に提出した計画によると人口カバー率は、平成28年度(2016年度)末で0.1%(1,717基地局)、平成29年度(2017年度)末で5.1%(5,085基地局)、平成30年度(2018年度)末になると急増して51.4%(16,973基地局)になる予定。このように、本格的なエリア展開は少し先になるので、当面の間は、4CC CAを使える場所はかなり限定されるだろう。

国内初となる4波を束ねた4CC CAを最新「iPhone」向けに開始する

国内初となる4波を束ねた4CC CAを最新「iPhone」向けに開始する

これとは別に、9月1日より、「Galaxy S8/S8+」「AQUOS R」やWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT W04」を対象に、下り最大速度が従来の590Mbpsから708Mbpsにアップされた。エリア展開の詳細はまだはっきりしていない部分が大きいが、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県の一部エリアから先行して始まり、東名阪地区で徐々に拡大していく方針だ。

最大590Mbpsから708Mbpsの速度アップには変調方式に256QAMが使われる。従来の64QAMでは6ビットのデータしか載せられなかったが、256QAMでは8ビットのデータを載せることができ、通信速度が33%アップした

ソフトバンク
新型iPhoneなどでMassive MIMO 2.0がスタート。AQUOS Rが612Mbpsに対応

ソフトバンクでは、次世代の5Gネットワークの中核技術のひとつである、大量のアンテナを組み合わせた通信技術「MassiveMIMO」を現状のLTEネットワークでも採用しているが、2017年9月22日より、「Massive MIMO 2.0」として、キャリアアグリゲーションに対応させたほか、2.5GHz帯の帯域幅を現在の20MHzから30MHzと1.5倍に拡大し、さらに3.5GHz帯も対応させるなどの増強が行われる。このMassive MIMO 2.0では、複数の基地局の動作を協調させる「Distributed MIMO」や、同時に1対1の通信しか行えなかったMIMOの欠点を改善した「MU MIMO」を、下りと上りの両方向に採用するなどの改良がなされ、電波環境の安定性が高まる。なお、Massive MIMO 2.0は、既存のソフトバンクの4G LTEサービス「SoftBank 4G」と、ワイモバイルの4G(AXGP)対応端末で利用可能で、「iPhone 8 / 8 Plus / X」でももちろん利用可能だ。

MIMOを活用した4つの技術を組み合わせた「Massive MIMO 2.0」を9月22日よりスタートさせる

MIMOを活用した4つの技術を組み合わせた「Massive MIMO 2.0」を9月22日よりスタートさせる

この、Massive MIMO 2.0とは別に、ソフトバンクでは、モバイルWi-Fiルーターの「Pocket WiFi 601HW」で提供していた、下り最大612Mbpsのサービスを、同社のスマートフォン「AQUOS R」にも対応させた。これは、3.5GHz帯×2波と、2.5GHz帯(AXGP)を組み合わせたものだが、2.5GHz帯は現在エリアもかなり広がっているものの3.5GHz帯は、昨年からサービスが始まったばかりのためエリアはまだ限られる。なお、ソフトバンクが総務省に提出した3.5GHz帯基地局の設置計画によれば、平成28年度(2016年度)末までに2471局(人口カバー率4.5%)、平成29年度(2017年度)末までに10386局(人口カバー率29.4%)、平成30年度(2018年度)末までに23031局(人口カバー率50.5%)となっており、今年度から来年度にかけてエリア展開が進む見込みだ。

3.5GHz帯×2波と、2.5GHz帯(AXGP)を組み合わせることで下り最大612Mbpsの通信速度を実現する

3.5GHz帯×2波と、2.5GHz帯(AXGP)を組み合わせることで下り最大612Mbpsの通信速度を実現する

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
特別企画最新記事
特別企画記事一覧
2017.10.17 更新
ページトップへ戻る