月額500円以下で使える安さがうれしい

単体で通話や通信ができる「Apple Watch Series 3」のセルラーモデルは革新的かも!

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アップルの腕時計型端末「Apple Watch」の第3世代モデルが登場した。携帯通信機能が搭載され、「iPhone」なしで通話や通信ができるようになったのが一番の特徴だ。携帯電話会社と協力し、利用料金を月額500円以下に抑えたのも利用者としてはありがたい。携帯通信機能を備えた「Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデル」の実用度をチェックした。

Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデル。今回はスペースグレイのアルミニウムケース(42mm)とグレイスポーツバンドを試用した。価格.com最安価格は52,693円(2017年9月28日時点)

外見はそのままで中身がパワーアップ

Apple WatchはiPhoneと組み合わせて利用する腕時計型端末。iPhoneにかかってきた電話に出たり、メール・メッセージなどの通知を手首で受け取ったりできる。それ以外にも、地図を見たり、心拍数を計測したり、音楽を再生したり、写真を見たり、スマートウォッチとしては多機能なのが特徴だ。また、アップルらしい、すぐれたデザインで、ナイキやエルメスといった有名ブランドとのコラボにも力を入れている。

昨年2016年に発売された第2世代モデルの「Apple Watch Series 2」はGPSを搭載し、ジョギングやウォーキングなどを楽しむ人向けに機能が強化されたほか、耐水性能を備え、水泳中でも使えるようになった。今回の第3世代モデルは、見た目は第2世代モデルと変わらず、バンドも使いまわせる。外観は変わっていないが、その中身は大きく進化している。70%高速化したデュアルコアプロセッサー「S3」や、独自開発のワイヤレスチップ「W2」を搭載し、何をするにしてもサクサクと動作する。

さらに、Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルでは、携帯通信機能もサポートし、単体での通話と通話が可能となった。これにより、たとえばジョギングに出かけるときに、ペアリングしているiPhoneを自宅に置いたままでも、Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルさえあれば、電話に出たり、メッセージを確認したり、道順を調べたりできるようになったのだ。

ラインアップはアルミニウムケース、ステンレススチールケース、セラミックケースの3種類。携帯通信機能のない「Apple Watch Series 3 GPSモデル」もあり、こちらはアルミニウムケースのみ。カラーはアルミニウムケースが3色、ステンレススチールが2色、セラミックケースが2色。バンドも引き続き豊富な種類が用意されている。ケースのサイズは、38mmと42mmの2タイプでこれまでと変わらない。

Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルの価格はアルミニウムケースが45,800円から、ステンレススチールケースが64,800円から、セラミックケースが139,800円から。Apple Watch Series 3 GPSモデルは36,800円から(いずれも税別、アップルストアでの価格)。

Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルは、クラウン(竜頭)が赤色。それ以外はApple Watch Series 2とほとんど変わっていない

Apple Watch Series 3と同じタイミングで発表された、ナイロン製のスポーツループ。ソフトなさわり心地と通気性のよさが魅力

携帯通信機能でできること

Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルの一番の特徴である携帯通信機能を見ていこう。

できることは、通話、メール・メッセージのやりとり、現在地の確認とナビゲーションなど、iPhoneとつながっている場合とほぼ同じだ。試しに、ペアリングしているiPhoneを機内モードにしてみると、約10秒後にApple Watchが携帯電話通信網につながり、文字盤に緑色の丸が4つ表示された。丸の数は電波の強さをあらわしている。どのネットワークに繫がっているかは、「設定」のネットワーク接続のアイコンの色でわかる仕組みだ。白の場合はBluetoothか無線LANで、緑色の場合は携帯電話通信網に接続されている。

海外では消費電力少ない無線LANに積極的につながりにいって、携帯電話通信網につながりにくいという現象が報告されているが、今回はそんなことはなくスムーズに携帯電話通信網につながった。

携帯電話通信網に接続しているときは、文字盤の中心に緑色の丸が表示される。丸の数は電波の強さを表している

iPhoneと接続している場合はネットワーク接続のアイコンが白色

iPhoneと接続している場合はネットワーク接続のアイコンが白色

携帯電話通信網に接続していると、ネットワーク接続のアイコンは緑色

携帯電話通信網に接続していると、ネットワーク接続のアイコンは緑色

この状態で、iPhoneに電話がかかってくると、Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルで電話を受けて、スピーカーフォンで話せる。クリアな音質で聞き取りやすく、こちらの声が相手に聞き取りにくいということもなかった。電話としては実用的に使える。電話アプリを開くと、iPhoneと同じ発着信履歴や連絡先が表示されるので、電話をかけるのに苦労することはない。キーパッドを使って電話番号を入力して発信することも可能だ。Apple Watchで受けた電話やメッセージはiPhoneと同期されるので、どちらで受けたかを気にする必要はない。

iPhoneとつながっていなければできないこともある。サードパーティのアプリはまだ対応していないものも多く、「Twitter」などが利用できなかった。また、携帯通信網に接続した場合、バッテリー駆動時間が短くなる。LTEに接続した状態の連続通話時間は1時間以上とかなり短めだ。iPhoneと接続した状態だと3時間なので、1/3となってしまう。

キーパッドを使って発信できる

キーパッドを使って発信できる

Twitterなどは携帯電話通信網に接続していると利用できない。iPhoneとつながっている場合は利用可能

Twitterなどは携帯電話通信網に接続していると利用できない。iPhoneとつながっている場合は利用可能

音声アシスタントの「Siri」にお願いして、電話をかけたり、メッセージをやりとりしたり、タイマーをかけたりすることも可能だ。前モデルでも同様のことができたが、第3世代モデルではSiriが音声でしゃべってくれるようになった。使い方によってはApple Watchの画面を見ずに済むようにもなり、運動中などの使い勝手が大幅に高まっている。

Apple WatchでSuicaを使っている人にとっては、単体でチャージできるのもうれしいはずだ。iPhoneを持たずに出かけて、Suicaの残高が少なくても単体でチャージできるので、残高が少なくて電車に乗れない、なんてことがなくなる。

設定と気になる料金は?

Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルは、携帯電話通信網との接続に必要なプロファイルを遠隔から書き換え、LTEなどで通信できる「eSIM(Embedded SIM)」を採用している。設定はいたって簡単だった。ソフトバンクの場合は、iPhoneとペアリングした後に、iPhone側のWatchアプリで「モバイル通信を設定」を選び、会員ページ「My SoftBank」にログインして、サービスに申し込むだけ。店頭に行く必要はなく、設定は5分ほどで完了した。

月額料金はNTTドコモが500円(税別)、auとソフトバンクバンクが350円(税別)。3キャリアとも期間中に申し込むと一定期間無料で使えるキャンペーンを実施しているので、この機会に試してみるといいだろう。注意点はNTTドコモ、au、ソフトバンクの3社でしか使えないこと。MVNOのSIMを利用しているユーザーは今のところ使えない。

設定はペアリングしたiPhoneで行う。といっても、設定画面を数回タップし、パスワードを入力するだけだ

設定はペアリングしたiPhoneで行う。といっても、設定画面を数回タップし、パスワードを入力するだけだ

さまざまな可能性を秘めたCellularモデル

そのほかには、気圧高度計が搭載され、たとえば山を登ったら、その高度が記録できるようになった。駅やオフィスで階段を上るという行為も運動としてカウントされる。また、心拍数を計測し、安静時に異常に高い数値を記録した場合に教えてくれる機能も追加された。さらに、10月以降にはアップデートで「Apple Music」に直接つながり、音楽やラジオを単体で楽しめるようになる。

少し前までスマートウォッチは、“スマホの次”の最有力だった。しかし、街の中でスマートウォッチをしている人を見かけることはほとんどないのが現状だ。できることはスマホの通知を手首で受け取るくらいで、そのために毎日充電しなければならないのは手間でしかない。そもそもスマホを肌身離さず持っている人にとって、手首で通知を受け取る必然性がない。

毎日充電してでも使いたい、使っておいたほうがよさそうと思わせるのが今回のApple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルだ。なにせ、単体で電話ができて、通信もできる、小さなスマホと言える。Apple Musicが使えるようになれば、「AirPods」と組み合わせて「iPod」にもなる。バッテリーの問題はあるが、Apple Watch Series 3 GPS + Cellularモデルは、iPhoneの周辺機器から卒業し、本当の“スマホの次”へ一歩前進した存在と言っていいだろう。さらに、ほかの機器へのeSIMの応用にも期待したい。たとえば、MacにeSIMが搭載され、好きなときに携帯通信網が使えて、支払いがiPhoneと一本化されれば、もっと便利になるはずだ。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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2017.11.17 更新
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