SIMフリースマートフォン(スマホ)市場で、存在感を高めつつあるモトローラ・モビリティ・ジャパン(以下、モトローラ)。コストパフォーマンスの高さはもちろん、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)をいちはやく日本に持ち込んだメーカーとして知られている。スマホに機能を追加できる拡張モジュール「MotoMods」を展開するなど、他社にない独自の取り組みにも力を入れている。そんなモトローラが2017年秋冬商戦向けモデルとして、「Moto X4」とMotoModsの新モデルを発表した。
5.2型のフルHD液晶を搭載するMoto X4。価格は53,800円(税別、Motoストア価格)
Moto X4は、同社の高性能モデルである「Moto Xファミリー」の第4世代モデル。5.2型のフルHD液晶を搭載するボディは、前面と背面にガラスを使ったスタイリッシュな仕上がり。IP68相当の防水・防塵仕様なので、キッチンやアウトドアなどでも安心して利用できる。カラーは「スーパーブラック」と「スティーリングブルー」の2色。
5.2型の液晶を搭載するが、左右のベゼルは細く、コンパクトで握りやすい
カラーは「スーパーブラック」と「スティーリングブルー」の2色。ガラス素材なので、ピカピカで指紋は目立つ
アウトカメラは1200万画素の望遠カメラと800万画素の広角カメラのデュアルカメラ。望遠カメラにはデュアルピクセルAF技術を採用することで、高速なAFを実現している。撮影後にフォーカスの位置を変更できる「セレクティブ・フォーカス」、写真の一部の色を残して、モノクロ写真に加工できる「スポットカラー」などを搭載する。また、カメラを向けた建物や物体の名前などを調べられる「ランドマーク認識機能」を搭載。認識精度は、ユーザーが使えば使うほど高くなるという。動画は4K/30fpsでの撮影が可能。
フロントカメラは1600万画素で、光量が少ない場合でも明るく撮影できる「アダプティブ低光量モード」や、複数人で自分撮りするときに便利な「パノラマモード」などを備える。「ビューティモード」や「フェイスフィルター」といった、同社の定番カメラ機能も搭載する。
最近のトレンドを抑えたデュアルカメラ
セレクティブ・フォーカスとスポットカラーを組み合わせた写真(右)。背景をぼかしつつ、手前の花の黄色だけを残したモノクロ写真に仕上げている
独自機能としては、ヘッドホンやスピーカーなど最大4台同時にBluetooth接続して音楽を再生できる機能を搭載。Bluetoothヘッドホンを使って2人で同じ音楽を楽しむ、といったことが可能だ。また、パソコン上のパスワード認証をMoto X4の指紋センサーで代替できる「Moto Key」を搭載。ショッピングサイトのログイン時などに利用できる機能で、パソコンに専用アプリをインストールすることで使える。
基本スペックは、CPUがオクタコアの「Snapdragon 630」(2.2GHz)、メモリー(RAM)が4GB、ストレージ(ROM)が64GB。microSDメモリーカードスロットを備えており、最大2TBまで対応する。バッテリー容量は3000mAh。外部インターフェイスにはUSB Type-C端子とヘッドホン出力端子を備える。OSは「Android 7.1.1」
ネットワークはLTEがバンド1/2/3/4/5/7/8/18/19/26/28/38/40/41、3Gがバンド1/2/4/5/8/19に対応。同社では国内の大手3キャリアの通信バンドに対応するとしている。SIMカードスロットはnanoSIMタイプで、DSDSをサポート(microSDメモリーカードと排他仕様)。IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz帯/5GHz帯)準拠の無線LAN、Bluetooth 4.2、NFCなどを搭載。テザリングもサポートする。
本体サイズは約73.4(幅)×148.4(高さ)×7.99(厚さ)mm、重量は約163g。Motoストアでの価格は53,800円(税別)。発売はスパーブラックモデルが10月27日、スティーリングブルーが11月2日。
フラッグシップスマートフォン「Moto Zファミリー」で利用するMotoModsの新モデルとして、「Motoゲームパッド」と「Moto360カメラ」の2つを10月27日に発売する。MotoModsは、スマホの機能を拡張する拡張モジュール。バッテリーやカメラ、プロジェクターなどが発売済みだ。
今回発売されるMotoゲームパッドは、コントローラスティックや十字キーなどの物理ボタンを備えたコントローラー。Moto Zに装着すると、見た目は完全に携帯ゲーム機だ。Bluetoothで接続するタイプと違い、直接接続しているので操作が途切れたり、遅延したりしないのがメリット。Motoゲームパッド本体に1035mAhのバッテリーが内蔵されているので、スマートフォンのバッテリーを使わずに、最長8時間連続して使える。すべてのゲームアプリで使えるわけではないが、対応ゲームを集めたアプリが用意されており、こちらからゲームを入手できる。価格は11,800円(税別、Motoストア価格)。
Motoゲームパッドを装着すると、スマホが携帯ゲーム機に変身
対応ゲームは「Moto Game Explorer」というアプリにまとめられている
専用端子で接続するため、途切れたり、遅延したりしないのがMotoModsのメリット
Moto360カメラは、4Kでの360度動画や静止画を撮影できる360度カメラ。通常のカメラアプリを立ち上げると、スマホ本体のカメラを使うか、Moto360カメラを使うかを選べる。編集やライブストリーミング配信なども可能。価格は29,800円(税別、Motoストア価格)。
Moto360カメラ
価格.comで人気のSIMフリースマホメーカー(大手キャリアを通じてスマホを販売しているメーカーを除く)を調べると、1位がファーウェイ、2位がASUS、3位がモトローラとなっている(製品ページのPV数、2017年10月16日週)。モトローラは3番手といっても、上位2メーカーとの差は大きい。モトローラは秋冬商戦向けに、「Moto Z2 Play」「Moto G5s Plus」「Moto G5s」、そして今回発表したMoto X4の計4モデルをそろえた。販路もMotoストア、量販店、MVNO経由と着実に広げている。上位2メーカーにどこまで迫れるか、秋冬商戦のモトローラに注目したい。