iPhoneの最新モデル「iPhone X」が発売されてから、約1か月が経過した。発売当初は品薄状態が続いたものの、今、店頭では「在庫あり」の文字が目立つようになってきた。
新しいスマホを購入したとき、最初に悩むのがケース選びだ。本稿では、やっとのことでiPhone Xを入手したユーザーに向け、Webサイト「UNiCASE」「AppBank Store」「Amazon.co.jp」「Hamee」「zozotown」、そして価格.comの6サイトにおいて人気のモデルをタイプ別に紹介。iPhone Xの「スペースグレイ」を使った、各モデルの試用レビューと合わせてお届けする。
目次
ケースタイプ1 上質感がハンパない! 「アップル純正品」
ケースタイプ2 できるだけ装飾したくない! 「シンプル」
ケースタイプ3 自動スリープが便利! 「手帳型」
ケースタイプ4 iPhone Xを守り抜く! 「タフネス」
【おまけ】 人と差がつけられる! 「ユニーク」
まとめ
アップル純正のiPhone X用ケースは、3タイプ全25種類をそろえる
「iPhone Xシリコーンケース」は、写真の9色を含む全12色で展開
「iPhone Xシリコーンケース」は、iPhone Xのためにアップルがデザインしたシンプルケース。さすが純正品だけあって、iPhone Xのボタン類やカメラ、ボディにぴったりフィットする。内側の裏地には、やわらかなマイクロファイバーを採用し、外側は絹のようにやわらかなシリコンを使用する。
●すぐれているポイント
やはり純正品ならではのサイズのぴったり感が、他のメーカーの追随を許さないレベル。iPhone Xは、裸の状態だと飛び出たメインカメラの周囲にゴミがたまりやすいが、同ケースなら、小さなゴミさえ通れる隙間がない。
●気になるポイント
本モデルは、純正ケースの中では一番スタンダードなタイプだが、税込で5,000円を超える少々お高めの設定。高品質ではあるが、「とりあえずコレにしておこう」とはなりづらそう……。
「iPhone Xレザーケース」は、全9色で展開
「iPhone Xレザーケース」は、特殊ななめし加工が施されたヨーロピアンレザーを使用。やわらかな肌触りと経年変化が楽しめる。機械加工されたアルミニウムのボタンカバーは、各ケース本体の色に合わせたカラーリングを採用する。内側は、前述の「iPhone Xシリコーンケース」と同じマイクロファイバーの裏地を使用。
●すぐれているポイント
サイズは、「iPhone Xシリコーンケース」と同じく精密な仕上がり。特筆すべきは、なめし加工が施されたヨーロピアンレザーの上品で高級感のある素材感だ。このレベルのレザーケースが、「iPhone Xシリコーンケース」に、1000円追加すれば購入できるのはうれしい。レザーならではの経年変化も楽しみだ。
●気になるポイント
特になし。強いて言うなら、レザー素材のため水に弱そうなところ。
「iPhone Xレザーフォリオ」は、全4色で展開
「iPhone Xレザーフォリオ」は、なめし加工&仕上げを施したヨーロピアンレザーの手帳型モデル。ケースを開くとiPhone Xがスリープ状態から復帰し、閉じるとスリープ状態に戻る。内側のマイクロファイバーの裏地には、紙幣やカードを数枚入れられるスペースを用意した。
●すぐれているポイント
上品なヨーロピアンレザーの高級感に加え、シンプルだが使い勝手のいいポケット付きのフタにより利便性も保護力も高い。レザー素材の手帳型ケースの決定版と言えよう。ケース裏面にロゴのみをのせたミニマルなデザインも◎!
●気になるポイント
特になし。
「Matchnine HORI for iPhone X」は、写真のクリアとブラックの全2色で展開
「Matchnine HORI for iPhone X」は、ポリカーボネート製ケース。薄さ0.6mmという限界に近い薄さを実現し、ケースを付けてないような一体感は楽しめつつ、ポリカーボネート素材が熱に強いため、経年変形などの心配が少ない。重量の実測値は10g。
●すぐれているポイント
0.6mmという厚みは、純正品をはじめ、他社製品でもあまり類を見ない極薄さ。iPhone Xを裸で使っているような感覚が味わえた。極限までiPhone Xのデザインを生かして使いたい人は、これ1択だろう。ボタンやカメラのための穴も、ほぼフィットするサイズの正確さもウリだ。また、10gという軽さもうれしい。
●気になるポイント
薄さを追求しているモデルだから仕方のないことだが、カメラ部分が出っ張っているため、iPhone Xを机に置いて使おうとするとガタガタと不安定になるのは否めない。また、指紋の汚れが目立ちやすく、使っていると多少白っぽくなってきてしまう。今回はクリアタイプをiPhone Xの「スペースグレイ」に装着して試用したが、「スペースグレイ」の場合は、ブラックタイプを装着したほうが汚れは目立ちにくかった。
「ハイブリッドケース」は、写真のクリアとブラックの全2色で展開
「ハイブリッドケース」は、TPU(熱可塑性ポリウレタン)とポリカーボネートの2つの素材を組み合わせた耐衝撃ケース。側面には弾力性のあるTPU素材を、背面には頑丈で透明度の高いポリカーボネート素材を使用している。背面には、指が痛くなりにくいシリコン加工のリングが付いており、そこに指を通して使うことでiPhone Xの落下を防止する。重量の実測値は32g。
●すぐれているポイント
リングがとにかく便利。基本は持つたびに指を通して使うのだが、その動作にはすぐに慣れた。リングありだと安定感が抜群で、逆にリングなしのツルツルしたケースに変えると不安になるほどだった。また、スマホで映画や動画を鑑賞する人は、スタンドとして使えるリングをより重宝するはずだ。
●気になるポイント
前述したように、iPhone Xはメインカメラの周囲にゴミが溜まりやすい。「ハイブリッドケース」はカメラと穴のフチの間に比較的広めの隙間があるため、ゴミが溜まるのを防げないのが残念だ。また、リングの可動部がゆるくなってしまう可能性があり、そうなるとスタンドとして使えなくなってしまうという不安はある。
「XBYO Moulded case」は、写真のブラックを含む全4色で展開
adidas originalsのアパレルライン「XBYO(エックスバイオー)」のケース。職人の手によって綿密に裁断された東レ製の「ウルトラスウェード」を背面に採用しており、ソフトで贅沢な肌触りと、しっかりとしたグリップ力を実現した。重量は実測値で26g。
●すぐれているポイント
「ウルトラスウェード」が、想像以上に触り心地がよく、長時間使用していても指にやさしい。また片手で持った際、指に引っかかるグリップ力もあって有能だった。「ウルトラスウェード」は同時に高級感も演出しているので、スポーティーでありながら大人の雰囲気を醸し出している。側面のTPU素材のマット感もかっこいい。
●気になるポイント
側面のTPUが少々厚めで、電源ボタンの穴が深い。そのせいで、親指で押すときはほかの製品より多少グッと押し込まなくてはならない。また、ゴミが溜まりやすいメインカメラの周囲に隙間があるのも残念。
「FlipNote Slimフリップノートケース」は、写真のヘアラインネイビーとヘアラインブラックの全2色で展開。どちらもハンドストラップが付属する
「FlipNote Slimフリップノートケース」は、iPhone Xのスマートセンサーに対応したマグネット式手帳型ケース。フタを開けるとiPhone Xが自動的にオンに、閉めると自動的にスリープ状態になる。フタの一部は折り返すことができ、卓上スタンドとしても機能する。重量の実測値は69g。
●すぐれているポイント
とにかく、フタの開閉でiPhone Xを自動でオン/オフできるのが便利。電源ボタンをほとんど押さずに操作できる。また、手帳型とはいえスリムな設計なので、ズボンのポケットにもすんなり入った。さらに、卓上スタンドの状態で、iPhone Xの画面の角度を多少変えられるのも便利だった。
●気になるポイント
カメラの穴が大きすぎること以外は特になし。強いて言うなら、マナーモード切り替えスイッチをオン/オフする際、わざわざフタを開けるのが多少面倒くさかった。
「iPhone X 手帳型ケース」は、写真のオレンジを含む全6色で展開。写真は右手持ち用で、左右が逆に設計された左手持ち用もある
「iPhone X 手帳型ケース」は、素材にタンニンなめしを施した栃木レザーを採用。滑らかでつややかな質感や、経年変化が楽しめるケース。ストラップやバックグリップを搭載し、手帳型でありながら安定した片手操作が可能だ。フラップは開閉が簡単なマグネット式を採用。重量の実測値は103g。
●すぐれているポイント
栃木レザーの質感は、文句のつけようがないほど上質。試用していて多少スクラッチなどの傷が付いたが、それも革製品としての味わいを深めていた。経年変化が楽しみだ。バックグリップとストラップの使い方もすぐに慣れ、この安定感を味わうとほかのケースが不安になるほど、筆者の手にはフィットした。
●気になるポイント
ほかの手帳タイプのように、フタの開閉でiPhone Xが自動オン/オフにならないのが少し不便。
「URBAN ARMOR GEAR METROPOLISケース」は、写真の「マグマ」を含む全3色で展開
「URBAN ARMOR GEAR METROPOLISケース」は、アメリカ国防総省が定めた試験法規格「MIL規格」をクリアした耐衝撃性にすぐれる手帳型ケース。フロントカバーには、カードポケットをひとつ装備しており、フラップはマグネット式を採用する。重量の実測値は61g。
●すぐれているポイント
フタを閉めると、しっかりと保護されているようで安心感が得られる。といっても、フォルムはごつすぎず、スマートに使えるのがうれしい。
●気になるポイント
フタのフラップがサッと閉めたときに、本来収まるべき個所からずれてしまうことがあった。気にならない人もいるだろうが、少し惜しい。また、フタの開閉でiPhone Xが自動的にオン/オフできない。
「Shock Resist Case」は、写真のブラックを含むアースカラー全6色で展開
「Shock Resist Case」は、滑らかな曲線が特徴の人気ケース「iFace First Class」とのコラボモデル。MIL規格「MIL-STD-810G 516.6Procedure W」に準拠し、落下時の衝撃などからiPhone Xを守る。背面パネルには、アースカラーを基調にしたマットコーティングを施している。重量の実測値は50g。
●すぐれているポイント
側面のくびれのおかげで、持ちやすさは抜群だった。そのうえ、衝撃にも強いのが心強い。マットコーティングを施したシンプルなデザインがカッコよく、飽きがこなさそう。カメラ穴のサイズも完璧。
●気になるポイント
これと言って、使いづらいと思ったポイントはなし。
「LINKASE CLEAR/Gorilla Glass for iPhone X」は、写真の「ブラック縁+ブラックTPU」のほか、「シルバー縁+クリアTPU」「シルバー縁+グレーTPU」の3色で展開
「LINKASE CLEAR/Gorilla Glass for iPhone X」は、アップル製品自体にも採用実績がある米Corning社のゴリラガラスを採用。硬度9Hの強度があり、ガラスの表面に傷は簡単には付かない。側面には、内部をハニカムデザインにして衝撃吸収性を高めたやわらかいTPU素材を使用する。重量の実測値は26g。
●すぐれているポイント
スリムなデザインなうえに、背面ガラスの透明性もすぐれており、スマートに持ちたい人に最適なモデル。ゴリラガラスは指紋がまったく付かないわけではないが、サッと布で拭けば透明性は戻るのでずっと美しく使えそうだ。
●気になるポイント
側面のTPU素材が比較的硬いため、長時間持ち続けると多少手が疲れた。四つ角は特に強化されているわけではないので、ハニカム構造を採用しているとはいえ角から落下したときの耐衝撃性には不安が残る。あと、声が話し相手に伝わらないほどではないが、スピーカーの穴のズレは少し残念。
「IP68防水防塵タフネスケース ノーティカル」は、写真のブラックを含む全6色で展開
「IP68防水防塵タフネスケース ノーティカル」は、防水と防塵の国際規格の最高スペック「IP68」に準処する完全防水モデル。前面&側面ケースにiPhone Xを入れ、背面パネルでタッパーのようにフタをした密閉状態で使用する。各コーナーにはラバー製クッションを採用し、落下からの衝撃を吸収。フレームはソフトタッチグリップ仕様で、持った時に滑りにくくなっている。重量の実測値は61g。
●すぐれているポイント
完全防水なのに、Face IDの認識もタッチパネルの操作も問題なく行えた。普段使いというよりは、水辺などのアウトドアで重宝しそう。また、耐衝撃の完全防水ケースにしては、シルエットもスリムで使いやすかった。
●気になるポイント
本ケースを装着した状態で通話はできたが、相手の声がくぐもって少し聞こえづらい印象だった。下部のステレオスピーカーも片方がふさがれているためか、出る音がこもって聞こえるので、アラームを使うときなどは外したほうがベター。
「FLASH 東京回路線図」は、写真の緑を含む全3色で展開。モチーフは東京の電車路線図のほか、パリ、ニューヨーク、京都の地図バージョンもあり
「FLASH東京回路線図」は、東京の鉄道路線を電子回路で表現したユニークなモデル。東京駅の個所には2mmの赤色LEDが搭載されており、iPhone自身が発する電波を電力に変換し、昇圧することで光る仕組みを採用する。電池は必要ない。そのほか、大小の抵抗器やセラミックコンデンサなどの電子部品が実装されている。
路線図は、西は大船駅、東は成田国際空港まで網羅。東京駅のLEDは通常時は光らず、iPhone Xが強い電波を発した時にランダムに光る仕組み。なお、電子部品を実装後、クリアな樹脂で封止しているので、表面は滑らかだ
「コーデュラフルカバー」は、写真のブラックを含む全4色で展開
「コーデュラフルカバー」は、アウトドアグッズによく使われる撥水性と防汚性にすぐれた素材「コーデュラ」をケース外側に配したモデル。「コーデュラ」には、さらにテフロンコーティングが施されており、耐久性も高い。携帯に便利なカラビナ付き。
背面中央にはスタンド機能付き。さらにホールドベルトも搭載されており、持ち手を差し込んで使用すれば、安定した操作ができる
「Mood Case」は、1色のみの展開
「Mood Case」は、ケース背面を色が変わる「サーモクロミックフィルム」でコーティングした二重構造モデル。表面温度で色が変わるため、さまざまな表情が楽しめる。外側のケースはライトウェイトポリカーボネイト素材を、側面のインナーバンパーは透明のTPUを採用。MIL規格「MIL-STD-810G」に準拠し、耐衝撃性が高い。
背面の「サーモクロミックフィルム」は、表面温度により色に変化が現れる
「Damda Folder」は、写真のブラックを含む全6色で展開
「Damda Folder」は、ケース背面下部にカードホルダーを搭載するモデル。カードホルダーには、厚みのあるカードを最大5枚まで収納できる。また、ポリカーボネートとTPU の2層構造で、MIL規格「MIL-STD-810G」に準拠しており、耐衝撃性にもすぐれる。
ケース背面下部には、開閉式のカードホルダーを搭載。名刺だと実測で23枚まで収納できた
ケースの選び方としては、iPhone Xのデザイン性をできる限り壊さずに持ちたい人は「アップル純正品」や「シンプルモデル」を、画面の保護や上質感を演出したい人は「手帳型」を、とにかく頑丈に保護して安心して携帯したい人は「タフネスモデル」を選ぶといいだろう。筆者もそのひとりだが、カメラ周りの汚れが気になる人は、カメラの穴のサイズがぴったりなモデルがベターだ。
いずれの場合も、可能なら購入前に1度実物を持ってみることをオススメする。ケースのグリップ感は、片手操作の安定性や疲れにくさに大きく影響するので、サイズ、材質などで自分に合うものを選ぶことも心がけてほしい。