格安SIMの通信速度を徹底調査

【2022年11月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査した。2022年11月10日・14日に実施した今回は、スピードテストアプリの下り平均速度やアプリダウンロード速度が前回から減速しつつも、長期的には比較的安定している様子が見えてきた。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、12回線の格安SIMの通信速度を調査している。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、2020年3月以降は筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査を続けていたが、2022年5月から東京駅周辺での調査を本格的に再開した。

今回の調査日は東京駅周辺が2022年11月10日(木)、佐久平駅周辺が11月14日(月)。測定にはモトローラの「moto g50 5G」を用いた。

調査方法は以下のように「スピードテストアプリ」と「Playストアからのアプリダウンロード」の2通りを実施した。

【調査方法1】
スピードテストアプリ「Speedtest - インターネット速度」(Ookla)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移を「moto g50 5G」の動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象となる格安SIMは、以下の12種類だ。「moto g50 5G」は5Gネットワークに対応しているが、12回線とも4Gネットワークで調査を行っている。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
mineo(Aプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
BIGLOBEモバイル(タイプD)
OCNモバイルONE(新コース)
イオンモバイル(ドコモ回線)
・LinksMate
NifMo
日本通信SIM
y.u mobile
QTmobile(Dタイプ)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2022年11月10日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2022年11月10日実施。単位はMbps、以下同様)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが7.41Mbps(先月は15.64Mbps)、上りが8.08Mbps(同6.35Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの17.20Mbpsが最も速く、LinksMateの14.55Mbps、OCN モバイル ONEの12.79Mbps、UQ mobileの11.90Mbpsがこれに続く。上り通信速度はUQ mobileの22.23Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.57Mbps(同4.38Mbps)だ。回線別に見てみるとワイモバイルの14.41Mbpsが最も速く、mineo(Aプラン)の9.18Mbps、UQ mobileの4.43Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル:17.20Mbps
2位 LinksMate:14.55Mbps
3位 OCN モバイル ONE:12.79Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル:14.41Mbps
2位 mineo(Aプラン):9.18Mbps
3位 UQ mobile:4.43Mbps

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2022年11月14日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2022年11月14日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが15.89Mbps(先月は12.09Mbps)、上りが5.64Mbps(同4.50Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの60.88Mbpsが最も速く、UQ mobileの40.43Mbps、OCN モバイル ONEの27.28Mbpsがこれに続く。上り通信速度はUQ mobileの25.70Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が7.95Mbps(同6.72Mbps)だ。回線別に見てみるとワイモバイルの44.07Mbpsが最も速く、mineo(Aプラン)の14.59Mbps、UQ mobileの13.46Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:60.88Mbps
2位 UQ mobile:40.43Mbps
3位 OCN モバイル ONE:27.28Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:44.07Mbps
2位 mineo(Aプラン):14.59Mbps
3位 UQ mobile:13.46Mbps

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2022年11月10日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2022年11月10日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが20.52Mbps(先月は46.00Mbps)、上りが7.73Mbps(同6.80Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの30.78Mbpsが最も速く、これにy.u mobileの28.88Mbps、QTmobile(Dタイプ)の26.35Mbps、UQ mobileの25.63Mbpsと続く。上り通信速度は日本通信SIMの17.73Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が13.45Mbps(同29.14Mbps)だ。回線別に見てみるとmineo(Aプラン)の20.64Mbpsが最も速く、OCN モバイル ONEの20.36Mbps、y.u mobileの19.57Mbps、QTmobile(Dタイプ)の19.09Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル:30.78Mbps
2位 y.u mobile:28.88Mbps
3位 QTmobile(Dタイプ):26.35Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 mineo(Aプラン):20.64Mbps
2位 OCN モバイル ONE:20.36Mbps
3位 y.u mobile:19.57Mbps

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2022年11月14日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2022年11月14日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが23.08Mbps(先月は23.31Mbps)、上りが6.60Mbps(同6.60Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの50.45Mbpsが最も速く、UQ mobileの45.25Mbps、mineo(Aプラン)の28.83Mbps、y.u mobileの28.15Mbpsがこれに続く。上り通信速度はUQ mobileの24.15Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が14.00Mbps(同14.74Mbps)だ。回線別に見てみるとワイモバイルの33.68Mbpsが最も速く、UQ mobileの19.13Mbps、mineo(Aプラン)の19.07Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:50.45Mbps
2位 UQ mobile:45.25Mbps
3位 mineo(Aプラン):28.83Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:33.68Mbps
2位 UQ mobile:19.13Mbps
3位 mineo(Aプラン):19.07Mbps

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2022年11月10日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2022年11月10日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが27.75Mbps(先月は34.51Mbps)、上りが6.74Mbps(同6.69Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はy.u mobileの75.83Mbpsが最も速く、UQ mobileの59.10Mbps、OCN モバイル ONEの48.13Mbps、LinksMateの44.95Mbpsがこれに続く。上り通信速度はワイモバイルの18.48Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が14.82Mbps(同11.60Mbps)だ。回線別に見てみるとUQ mobileの38.16Mbpsが最も速く、mineo(Aプラン)の28.44Mbps、ワイモバイルの26.61Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 y.u mobile:75.83Mbps
2位 UQ mobile:59.10Mbps
3位 OCN モバイル ONE:48.13Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile:38.16Mbps
2位 mineo(Aプラン):28.44Mbps
3位 ワイモバイル:26.61Mbps

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2022年11月14日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2022年11月14日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが18.42Mbps(先月は21.64Mbps)、上りが6.43Mbps(同7.02Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの56.03Mbpsが最も速く、UQ mobileの35.48Mbps、OCN モバイル ONEの22.15Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Aプラン)の21.80Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が12.86Mbps(同10.81Mbps)だ。回線別に見てみるとワイモバイルの40.91Mbpsが最も速く、mineo(Aプラン)の27.99Mbps、UQ mobileの22.27Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:56.03Mbps
2位 UQ mobile:35.48Mbps
3位 OCN モバイル ONE:22.15Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:40.91Mbps
2位 mineo(Aプラン):27.99Mbps
3位 UQ mobile:22.27Mbps

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。参考とし
て、前回(2022年10月)および前々回(2022年9月)の調査結果も併記している。

まずはスピードテストアプリの下り通信速度からだ。

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの37.60Mbps(前回は40.47Mbps)、2位はUQ mobileの36.30Mbps(同36.35Mbps)、3位はy.u mobileの30.36Mbps(同33.33Mbps)だった。

下り通信速度は大半の回線が前回と比べて減速している。12回線全体の平均速度は18.85Mbps(同25.53Mbps)だった。

次は、スピードテストアプリの上り通信速度の結果だ。

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

1位はUQ mobileの18.05Mbps(前回は14.32Mbps)、2位は14.26Mbpsで並んだワイモバイル(同19.02Mbps)とmineo(Aプラン)(同13.45Mbps)だった。

順位は入れ替わっているが、上り通信速度のトップ3は前回と同じ3回線が占めている。12回線全体の平均速度は6.87Mbps(同6.32Mbps)だった。

最後はPlayストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの27.63Mbps(前回は23.52Mbps)、2位はmineo(Aプラン)の19.98Mbps(同22.44Mbps)、3位はUQ mobileの19.34Mbps(同24.24Mbps)だった。

こちらも順位は入れ替わったが、トップ3の顔ぶれは前回と同じだ。12回線全体の平均は11.11Mbps(同12.90Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回2022年11月は、スピードテストアプリの下り平均速度とPlayストアからのアプリダウンロード平均速度が前回10月と比べて遅くなった。スピードテストアプリの下りはmineo(Aプラン)以外の11回線、アプリダウンロードは12回線中9回線が前回よりも減速している。

より長いスパンで見るとどうだろうか。以下のグラフは、2021年10月以降の12回線全体の平均速度推移を示したものだ。点線から左側は佐久平駅周辺のみでの速度となる。2022年2月と同年5月は直前の月と比べて数値が上がっているが、これは2月の端末更新と5月の東京駅周辺での調査再開による影響が大きい。

12回線全体の平均速度推移(2021年10月〜2022年11月。2022年2月から調査に用いる端末を変更していることと、2022年4月までは佐久平駅周辺のみの結果であることに留意)

12回線全体の平均速度推移(2021年10月〜2022年11月。2022年2月から調査に用いる端末を変更していることと、2022年4月までは佐久平駅周辺のみの結果であることに留意)

グラフを見てみると、2022年6月以降の6か月間の速度はスピードテストアプリの下りが16.13Mbps〜25.53Mbps、アプリダウンロードが8.82Mbps〜14.17Mbpsの範囲で推移している。

格安SIMユーザーが急速に増加していた過去にはスピードテストアプリの下り平均速度が(端末などの調査条件が変わらなくても)1か月で3倍近く変動することもあった。いっぽう、今夏以降の月ごとの速度は以前ほど極端には増減しておらず、格安SIM全体の通信環境が比較的安定していることが示唆される。

次回の調査は2022年12月上旬〜中旬を予定している。第8波に入りつつある新型コロナウイルス感染症の流行が、年末に向けての人の流れにも影響する可能性がある。次回の格安SIMの速度にも注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る