レビュー
独自の機能性を備えたユニークな国産スマホ

NTTドコモ「arrows NX F-01K」10日間使用レビュー

NTTドコモのAndroidスマートフォン「arrows NX F-01K」が2017年12月8日に発売されて1か月半ほど経過した。価格.comのユーザーレビューでは総合満足度4.47だが、なかでも文字入力(項目別3位)やボタン操作(項目別13位)など、操作性についての評価が高い(いずれも2018年1月16日時点)。それらのポイントに加えて、カメラやバッテリーの持続性など、10日間使ってわかった本機の魅力をレポートする。

「arrows nx F-01K」は、タフネスボディや、画面拡大・スクロール機能「Exlider(エクスライダー)」、虹彩認証機能、日本語入力システム「ATOK」の搭載など“他にはない特徴“にこだわったモデルだ

現状で最強クラスのタフネス性能を備えるボディ

NTTドコモの「arrows NX F-01K」(富士通製。以下、F-01K)が発売されたのは2017年12月8日。富士通のスマートフォン「arrows」シリーズでは上位に当たる「NX」シリーズの1年ぶりとなる新モデルだ。ボディは、1080×1920のフルHD表示に対応する約5.2インチの液晶ディスプレイを搭載し、サイズは、約72(幅)×149(高さ)×8.1(厚さ)mmで、重量は約154gとなっている。先代「F-01J」は約5.5インチ、先先代「F-02H」が約5.4インチのディスプレイをそれぞれ搭載していたので、ひと回りコンパクトになった形だ。

フルHD表示に対応する、約5.2インチの液晶ディスプレイを搭載。「IPS-NEO」と呼ばれる黒の表現にすぐれた液晶パネルを採用している

本機のボディは、IPX5/8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様をクリアしているほか、米国国防総省の調達基準「MIL-STD-810G」のうち、落下、耐衝撃、防水(浸漬)、防塵(6時間風速あり/72時間)、塩水耐久、防湿、耐日射(連続/湿度変化)、耐振動、防水(風雨)、雨滴、熱衝撃、高温動作(60℃固定/32〜49℃変化)、高温保管(70℃固定/30〜60℃変化)、低温動作(-20℃固定)、低温保管(-30℃固定)、低圧動作、低圧保管、氷結(-10℃結露/-10℃氷結)という23項目をクリアしている。この対応項目数は、夏モデルの「arrows Be F-05J」
や前モデル「F-01J」の14項目よりもはるかに多いばかりか、タフネススマホの代表的モデルであるau「TORQUE G03」の23項目(京セラ独自基準の2項目を含む)よりも多い。

注目点としては耐落下衝撃性能の高さと塩水対応だろう。耐衝撃性能は高さ1.5mからの落下に耐えるもので、身長170〜180cmほどの人の胸ポケットから落下しても耐えられる。また、塩水対応のスマートフォンは、本機とTORQUE G03くらいで、アウトドアユースを想定している人にとって本機は貴重な選択肢となっている。

樹脂と金属を一体形成したボディ。樹脂の軽さと、金属の強さを併せ持つ。異なる素材間で目立ちやすい継ぎ目もない

側面を囲む金属製のフレームは肉厚に作られており、落下時におけるバンパーとして機能する

側面を囲む金属製のフレームは肉厚に作られており、落下時におけるバンパーとして機能する

ストラップホールも装備されており、落下防止にひと役買っている。また、海や川での紛失を防ぐフロートを取り付ける際にも活用できる

搭載される新CPU「Snapdragon 660」は、ハイエンド機に迫る処理性能を誇る

以前の「arrows NX」シリーズは、最新の高性能CPUを搭載するまぎれもないハイエンドモデルだったが、近ごろは、ミドルハイクラスのCPUを備えたアッパーミドルモデルという位置付けに移行している。「F-01K」も、ミドルハイクラスのCPU「Snapdragon 660」を採用しているが、このCPUは、「Snapdragon 6XX」番台の最新モデルで、国内では、シャープの「AQUOS R Compact」にも搭載されているもの。搭載されるRAMは4GB、ストレージは32GBで、microsSDXCメモリーカードは256GBまで対応している。OSはAndroid 7.1だがAndroid 8.0へのバージョンアップが予定されている。

実際の処理速度を、定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」を使って計測したところ、総合スコア「103,187」(内訳、3D:29,553、UX:33,245、CPU:32185、RAM:8,204)となった。総合スコアが10万を超えるのは、2016年登場の「Snapdragon 820」や2017年登場の「Snapdoragon 835」を搭載するソニー「Xperia XZ」やサムスン「Galaxy S8」などのほか、ファーウェイの「Kirin 970」を搭載する「Mate 10 Pro」などに限られていた。実際の体感速度もかなり優秀なレベルで、最新のハイエンドCPU搭載機と比べても大きく見劣りはしない。昨今の買い替えサイクルである3年ほど前のモデル「arrows NX F02-H」や「Xperia Z4」および「Xperia Z5」あたりと比べれば、レスポンスや描画速度は大きく向上していることが実感できるだろう。

「AnTuTuベンチマーク」の総合スコアで10万点を超えた。ミドルハイクラスのCPU搭載機としてはかなり良好なスコアである

次に、電池持ちを見てみよう。本機は容量2,580mAhのバッテリーを内蔵する。富士通の「arrows NX」は以前から電池持ちのよさが特徴だが、本機の「電池持ち時間」(ユーザーの利用パターンの平均をとり、それに基づいた条件で計測したスマートフォンの電池持ちを示す指標)は、約120時間となっている。この値は、前モデル「F-01J」と同じだが、F-01Jの2,850mAhよりも少ないバッテリー容量で実現しているのがポイントだ。今回の検証は10日ほど行ったが、その間に充電は4回行った。ヘビーに使えば1日強、待ち受け主体であれば4日はバッテリーが持続した。総じて筆者の予測よりも電池が長持ちする印象だった。

なお、急速充電については、従来からのQuickCharge 3.0とともにUSB PDにも対応している。NTTドコモの最新のACアダプター「ACアダプター06」を使った場合の充電時間は約140分で、バッテリー容量の割に充電には時間がかかる傾向である。

検証期間中の5日間のバッテリーの消費ペースを示すグラフ。SNS主体で1日数時間程度のペースで使うくらいなら、2日〜2日半程度はバッテリーが持つ

USB PD対応充電器を使った際の充電ペース。フル充電までかかった時間は約143分だった。残量60%あたりまでの充電ペースが速い

付加機能も豊富で、FeliCaポートやNFCポート、Bluetooth 5.0、フルセグおよびワンセグのテレビチューナーを搭載する。Wi-Fiについても、IEEE802.11 a/b/g/n/acの各規格に加えて、高速通信技術のMU-MIMOにも対応している。

底面にUSB Type-Cポートを搭載。こちらはUSB 2.0対応となっている

底面にUSB Type-Cポートを搭載。こちらはUSB 2.0対応となっている

注目の「Exlider」に加えて、「ATOK」やスライドインランチャーなど独自のUIが魅力

本機の大きな特徴である「Exlider(エクスライダー)」は、側面に備わる電源ボタン兼指紋センサーをなぞることで、画面の拡大や、オートスクロール操作が行えるというもの。なお、これらの機能はさまざまなアプリで広く使えるので実用性が高い。

「Exlider」自体の操作はシンプルで、軽くダブルタップするだけで、画面の拡大とオートスクロールを切り替えられる。慣れないうちは、不意にセンサー部分に指が触れてしまい、意図しないタイミングで画面が拡大したり、スクロールが始まることがあったが、これは慣れの問題。なお、設定で「Exlider」をオフにもできる。NTTドコモや富士通では、「Exlider」を視力に少し自信のなくなってきた40代〜50代向けの機能としてアピールしている。もちろんそうしたユーザーにとって間違いなく便利だが、片手で持ちながら画面を簡単に拡大できる快適性は、世代を選ばず使えるだろうだろう。

側面の電源ボタンを軽くなぞって操作する「Exlider」。プリインストール以外のアプリや、設定画面でも利用できる

Twitter公式アプリの画面を「Exlider」で拡大。最大5倍まで自在に大きさを調節できる

Twitter公式アプリの画面を「Exlider」で拡大。最大5倍まで自在に大きさを調節できる

日本語入力については従来からarrowsシリーズで採用されてきた「Super ATOK ULTIAS」が搭載される。ジャストシステムの「ATOK」をベースにしつつ、手書き文字入力をシームレスに使うことができるうえに、無料で使える「ATOK キーワードExpress」を使えば、新語や注目語がサジェスト変換に現れる。また、これも以前からarrowsシリーズに搭載されているアプリのアイコンやショートカットを登録しておく「スライドインランチャー」や「キャプメモ」、なぞるだけでテキストをコピーできる「なぞってコピー」もユニークかつ便利な機能だ。

アプリのアイコンやショートカットを登録できる「スライドインランチャー」。arrowsシリーズではおなじみの機能だ

なぞった部分の文字をコピーできる「なぞってコピー」もarrowsシリーズではおなじみの機能。テキストのコピーが簡単に行える

スクリーンキャプチャーにメモを加えて共有まで行える「キャプメモ」も引き続き搭載される

スクリーンキャプチャーにメモを加えて共有まで行える「キャプメモ」も引き続き搭載される

また、虹彩認証センサー「Iris Passport(アイリスパスポート)」および指紋認証センサーという2種類の生体認証センサーを備えている。Iris Passportは、従来のものと基本的に同様だが、カラーフィルターが改良され明るい場所での認識精度が向上しているという。なお、赤外線カメラを使っているので、暗い場所でも問題なく使えるうえに、認識の精度と速度は高く、サムスン「Galaxy S8」の虹彩認証機能よりも使い勝手はよい。

苦手部分もあるが、おおむね良好な撮影が行えるメインカメラ

本機のカメラは、メインカメラが約2,300万画素、フロントカメラが約500万画素となっている。特に、メインカメラはスマートフォンの中でも屈指の高画素数で、高速で迷いの少ないハイブリッドAFを備えているなど機能性は高い。シャッターのタイムラグを削減した応答速度の速さも特徴となっている。

以下、夜景を含む作例を掲載した。いずれも初期設定のまま、カメラ任せのオートモードで撮影を行った。

メインカメラは、約2300万画素。ハイブリッドAFや電子式手ブレ補正機能を備える

メインカメラは、約2300万画素。ハイブリッドAFや電子式手ブレ補正機能を備える

自然光のほぼ入らない店内で撮影。ISO感度は125、シャッター速度は1/33秒でフラッシュなし。これくらいの明るさの構図では手ブレは現れにくい

晴天で、はためく巨大なのれんを撮影。タイムラグの少なさを生かし、柄がそろった瞬間を狙って撮影した。コントラスト差が大きい状況になったためか、少しフレアが現れた

手持ちで夜景を撮影。ピントは構図右手前の電飾の施された植栽に合わせた。ISO感度は250、シャッター速度は1/17秒で、このほか10カットほど撮影したがこの1枚がいちばん手ブレが少なかった。なお、どの夜景カットもノイズはさほど目立っていない

本機のカメラには、「Galaxy S8」のような光学式手ブレ補正機能は搭載されていないので、夜景撮影ではしっかりと固定する必要がある。ただ、ノイズは抑えられているので、手ブレさえ抑え込めれば満足のいく仕上がりになるだろう。また、明暗差のある状況でフレアが現れやすい傾向があり、ピントを合わせる場所、つまり露出を最適化させる場所を変えたうえでいつもより多めに撮影しておいたほうがよさそうだ。

豊富な独自機能を持った、使いやすい1台

Androidスマートフォンは、年々画面が大きくなっているが「F-01K」は先代モデルや先先代モデルよりも、ひと回り以上画面やボディが小さくなっている。「Exlider」によって情報自体は見やすく、コンパクトボディと視認性を両立させた製品と言えるだろう。

FeliCaやワンセグ/フルセグのテレビチューナーなどの、富士通が以前から得意としてきた豊富な機能性はもちろんだが、最高レベルのタフネス性能、虹彩認証と指紋認証の2種類の生体認証、「Exlider」、「Super ATOK ULTIAS」といった独自の要素も多く、積極的に選ぶ理由を豊富に備えた製品と言える。

価格を見ると、NTTドコモの直販サイト「ドコモオンラインショップ」における機種変更時の実質負担金(一括払い)は、38,232円で、画面サイズなどでは競合する部分の多いソニー「Xperia XZ1」の31,104円や、人気モデルのアップル「iPhone 8(64GBモデル)」の31,104円あたりと比べると少し割高だが(価格はいずれも税込)。本機ならではの特徴に魅力を感じられる方にとっては、十分のその価値が見出せるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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