レビュー
発売開始に先駆け、製品版を4日間使用!

単なるキワモノスマホではない! 大画面が欲しいなら「M (Z-01K)」は買って損なし

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続々と新モデルが登場するAndroidスマートフォンだが、折り畳み式の2画面ボディを備えるNTTドコモの「M (Z-01K)」は、極め付きの個性派だ。2月上旬の発売を前に、その製品版をいち早く入手できた。4日ほど使ってみた本機の魅力をレポートしよう。

今回入手した「M (Z-01K)」は、開発途中版ではなく製品版。化粧箱の中にはマニュアルもきちんと入っている状態だった

2画面の合計面積は7インチディスプレイを上回る

折り畳み式のボディに、2つの画面を備えた「M(Z-01K)」(ZTE製。以下、M)は、折り畳めば1画面、ボディを広げれば2画面のスマートフォンとして利用できるユニークなAndroidスマートフォンだ。

そのボディは、約72(幅)×151(高さ)×12.1(厚さ)mm(折り畳み時)で、重量は約230g。2面の液晶ディスプレイはそれぞれ約5.2インチのサイズで、画面解像度1080×1920のフルHD表示だ。長辺に備わるヒンジを開けば、画面解像度2160×1920の大型画面を備える横幅が約144mmのスマートフォンに変身する。なお、ヒンジの強度に不安感はなく、カッチリ作られているので、強度は安心だ。折り畳んだ状態で厚みが12.1mmもあることに加えて、丸みのないデザインのため、コンパクトとは言いがたいが、これは致し方ないところだ。

手元のデジタルスケールで測った重量は229g。実機を手にすると相応の重量感は感じる

手元のデジタルスケールで測った重量は229g。実機を手にすると相応の重量感は感じる

厚さが12.1mmあるうえに、角のある四角いデザインなので、コンパクトとは言いがたい。ヒンジは遊びがなくかなり頑丈な作りだ

ヒンジを開いた状態。ディスプレイはフラットになり、フレームの出っ張りも気にならず、タブレットに近い使用感になる

本機のディスプレイはかなりの狭額縁設計だ。そのおかげで、ボディを広げた状態で左右のディスプレイの間にできる隙間は、目測で2mm程度に抑えられている。本機の先祖に当たる元祖折り畳み2画面スマホ「MEDIAS W」では、ベゼル幅がこれよりずっと広く、ディスプレイの一体感はいまひとつだったので、ここには5年分の進化を感じる。

なお、2画面表示の際の情報量は、2160×1920表示となり、現在のハイエンドスマートフォンでは一般的な2560×1440よりも多い。また、ディスプレイの面積は、計算上約144cm2(約74cm2×2面)となるが、これ7インチディスプレイを上回る面積だ。ディスプレイの表示モードは、(1)片面のみ表示、(2)両面に同じものを表示、(3)両面に別のものを表示、(4)両面を1つの画面としてという4パターンから選べる。なかでも両面に別々の内容を表示させる(3)のパターンでは、Android 6.0以降の標準機能“マルチウインドウ”との相性がとてもよい。また(4)の両面をひとつの画面として使う場合だが、一部のアプリで動作が不安定になることもあったが、検証期間中に行われたアップデートで動作の改善したアプリもあった。時間が解決する余地が大きいので、あまり目くじらを立てることはないだろう。

左右のディスプレイ間のベゼル幅は目測で2mm程度。1枚のディスプレイに近い操作感覚で使える

左右のディスプレイ間のベゼル幅は目測で2mm程度。1枚のディスプレイに近い操作感覚で使える

約5.2インチのディスプレイを2面使った表示面積は7インチディスプレイを上回る。アスペクト比はほぼ正方形で、Webサイトはもちろん、電子書籍や雑誌も見やすいうえに、1面をゲームに、もう1面に攻略サイトを表示させるなど、別々の内容を表示させることもできる

画面が広いため、かな入力とテンキーを同時に表示する、ソフトウェアキーボードの表示でも余裕がある

画面が広いため、かな入力とテンキーを同時に表示する、ソフトウェアキーボードの表示でも余裕がある

全般に機能面はシンプルが、側面の電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねている。このほか、スクリーンショットやカメラの起動が行えるファンクションボタンも備える

2画面の切り替えは、画面下の「M」アイコンをタッチして現れる4種類のアイコンで行う

2画面の切り替えは、画面下の「M」アイコンをタッチして現れる4種類のアイコンで行う

左右に別の画面を表示させるモード。指2本を使ったジェスチャーで表示するアプリを入れ替えることもできる

左右に別の画面を表示させるモード。指2本を使ったジェスチャーで表示するアプリを入れ替えることもできる

2つの画面を仮想的に1画面として表示させた場合のスクリーンショット。全般に文字が大きくなり、かなり見やすくなる。もちろん縦位置でも横位置でも使用可能だ

処理性能は上々。機能はシンプルだがサウンド性能は高い

2面のディスプレイという特徴を生かすため、フロントカメラはなく、カメラは約2,030万画素のメインカメラのみ。通信機能では、LTEの3波キャリアアグリゲーション(3CCA)に対応しており、下りで最大500Mbpsの通信が行える。Wi-Fiは、IEEE802.11 a/b/g/n/acの各規格に対応し、Bluetooth 4.2にも対応。USB Type-Cポート、指紋認証センサーも備えている。なお、サウンド機能はなかなか強力で、DACとヘッドホンアンプを一体化し、ノイズキャンセリング機能を備えた旭化成エレクトロニクス製のオーディオチップ「AK4962ECB」を備えている。また、サウンドエンハンサーとして「Dolby Atoms」も搭載されており、動画のストリーミングなどを含むヘッドホン端子からの出力に適用される。なお、左右独立のスピーカーを備えているので、本体だけでステレオ再生が行える。

いっぽうで、表裏両面にディスプレイを備えた折り畳みの特殊なボディ構造なので、防水および防塵仕様、耐衝撃性能は備えていない。また、ワンセグおよびフルセグの各テレビチューナーや、FeliCaおよびNFCポートもアンテナの設置スペースが限られるため非搭載となる。

カメラは表面のメインカメラのみ。なお、このカメラのある側がメインディスプレイで、カメラがその目印になっている

明暗の差が大きな構図を撮影。やや淡白な味付けの発色だが、暗部のノイズも目立たず、空の明るさも破綻がない

間接照明の暗めの店内で、スポットライトに照らされたうどんを撮影。手ブレが現れやすく、10カット以上撮影したうち、半分に手ブレが見られた。暗い場所ではしっかりホールドして撮影したほうがよさそうだ

基本スペックを見ると、クアルコムのハイエンドクアッドコアCPU「Snapdragon 820 MSM8996(2.2GHz×2+1.6GHz×2)」に、4GBのRAMと64GBのRAMを組み合わせた、ハイクラスとしては標準的なもの。増設用のmicroSDXCメモリーカードスロットは、256GBまで対応。OSは、Android 7.1.2だが、Android 8.0へのバージョンアップが予定されている。定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(バージョン6.Xを使用)」を使ったベンチマークテストの結果は、1画面表示の場合の総合スコアが151,437(内訳、3D:60,841、UX:47,624、CPU:32,487、RAM:10483)。なお、2画面使用時の総合スコアは140,780(内訳、3D:55,941、UX:43,511、CPU:31,884、RAM:9,444)で、描画負担が大きくなる分、2画面表示のほうがスコアは低めだった。体感速度についてはこのクラス相応で十分以上のレベルだが、さすがに、負荷の大きな3Dゲームを行いつつ、アプリのアップデートやSNSを表示させるなど、処理がかさむともたつきが現れることがある。また、たまに左右の画面に表示のわずかな時間差が現れることがあり、判定のシビアなアクション系のゲームでは1画面で使用したほうがよさそうだ。

AnTuTuベンチマークのスコア。左が1画面常時の場合、右が2画面表示の場合だ。やはり描画負担の大きい2画面のでは、3DやUXといった描画に関係するスコアが伸び悩んだ

2画面ディスプレイのため、電池持ちはいまひとつ

内蔵式のバッテリーは容量2,930mAhとやや少ない。いっぽうで、電力消費の大きなディスプレイが2画面あることでバッテリーの消費は大きくならざるを得ない。今回は4日間の検証を行ったが、その間に充電は2回行った。なお検証中は2画面表示と1画面表示を必要に応じて切り替えており、常時2画面で使っていたわけではない。最初に行うセットアップや設定作業では、1時間半ほどの間に25%ほどのバッテリーを消費している。その後も、使えば使っただけバッテリーが減ってゆき、最近のスマートフォンと比べると、電池の持ちはあまりかんばしくない。

もう少し使い続ければ、本機のバッテリー消費のクセが把握できそうだが、電池使用量を見ると、上位から「画面」が19%、「セルスタンバイ」が8%、「アイドル状態」で7%となっているので、やはりディスプレイの消費電力が大きそうだ。いずれにせよ、筆者の利用ペースで「M」を1日持ち歩くなら、モバイルバッテリーか充電器が必須となる。

検証した4日間で途中に中断が入ったものの充電は2回行った。本機と同世代のCPUを備えるほかのモデルと比べると、バッテリー消費のペースは早めだ

大画面の便利さを改めて実感できる個性派スマートフォン

折り畳み式2画面スマホという特徴のある「M」は“変態スマホ”と表現されることも多い。確かにそう表現したくなる気持ちもわかるが、大画面だがボディは大きくしないという目的のために、折り畳みスタイルを採用したもので、最初から物珍しさを狙ったものではない。使ってみて思うのは、全画面表示にした場合の視認性のよさで、むしろ小型タブレットに近い使用感覚だ。近ごろは一部のスマートフォンでタブレットに迫る画面搭載モデルもあるが、2画面合計の面積なら7インチクラス以上で、正方形に近い縦横比が得られる本機の使い勝手のよさは、それらとは別モノだ。また、Android OSに備わるマルチウインドウ機能を存分に活用できる点も魅力だ。キワモノ扱いで敬遠する人も少なくないが、「M」だけの独自の魅力や使い方は確かに存在するし、処理性能も高い。あらかじめ、こうしたボディの特性や搭載されていない機能を理解しておけば、買っても後悔はしないだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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