いいモノ調査隊

大人気のiPhoneケース「RAKUNI」。メーカーに開発秘話を聞いてきた

モノ系ライターのナックル末吉です。iPhone Xの発売から数か月、ついにiPhoneケースの真打ちともいうべきあの「RAKUNI」のiPhone X版が発売されました。RAKUNIはiPhoneやXperia用のケースとして爆発的な人気を誇るブランドで、ユーザーの根強い支持を得ています。今回は、iPhone X版の発売に合わせて、RAKUNIを作り出したメーカーの中の人に開発秘話をインタビューしてきたのでレポートします。

キープコンセプトで進化を遂げたiPhone X版のRAKUNI

まずは、製品を見てみましょう。すでに旧型iPhoneやXperia版のRAKUNIをお使いの人にとってはおなじみのディテールですが、おさらいを含めてご覧ください。

パッケージです

パッケージです

RAKUNIの最大の特徴である背面のカバー部分

RAKUNIの最大の特徴である背面のカバー部分

RAKUNIは表面を本革素材で覆ってあり、周囲をステッチで縫製してあります。RAKUNIを象徴する機能として、各種カードや紙幣を収納できる「背面フリップ」があり、スタイリッシュなデザインだけでなく、機能性を求めた合理的なコンセプトが人気の秘訣となっています。また、専用のストラップが付属しますが、本体には留め具で装着する形状をしているため、あえて付属品を使用せず、好みのストラップを装着するなど自分流にアレンジして使用できるのもポイントの1つ。

iPhone装着部。ここに進化のヒミツがあるのですが、それについては後述

iPhone装着部。ここに進化のヒミツがあるのですが、それについては後述します

iPhone Xを装着してみました

iPhone Xを装着してみました

使用のじゃまになるカバーは不要!

RAKUNIはパッと見たかんじ、液晶画面もカバーする「手帳タイプ」のケースに見えるかもしれません。しかし、実際には液晶部分のカバーはオミットされています。その理由は、このケースが「通話時や背面カメラでの撮影時にじゃまになるカバーは不要」というRAKUNIのコンセプトに基づき設計されているためです。

確かに、手帳タイプやフリップタイプといった液晶部分も覆えるカバーがついていると、防御力は高まりますが、スマホを使うたびに「カバーを開く」というワンアクションが必要になるのが、筆者的にどうも苦手で、RAKUNIのコンセプトには激しく賛同しています。

RAKUNIの心臓部ともいうべき「背面フリップ」を開いてみました

RAKUNIの心臓部ともいうべき「背面フリップ」を開いてみました

RAKUNIのロゴが刻印してあります

RAKUNIのロゴが刻印してあります

ICカードや非常用のお札などを入れられるおなじみの機能

ICカードや非常用のお札などを入れられるおなじみの機能

iPhone XはモバイルSuicaに対応しているため、カード型のSuicaをRAKUNIに入れるシチュエーションは少ないと思いますが、たとえばいまだiOS(Apple Pay)に対応していないnanacoなんかを入れるにはもってこいのポケットです。

ただし、この背面フリップですがペラペラしないように強度を持たせてあるため、多少厚みがあります。普段使用しているぶんには持ちにくいといった不具合はないのですが、背面フリップを閉じた状態だと、iPhone Xの特徴でもあるワイヤレス充電(Qi)が使用できない点には注意が必要です。これはおそらく、背面フリップの厚みが原因で、充電用の電磁波が届かないことが理由と推測されます。背面フリップを開いてワイヤレス充電器に乗せると充電が可能なので、充電する際はフリップを開くか、それが面倒な人は、今までどおりLightningケーブルを使用するようにしましょう。

カラーバリエーションは3色展開。なぜこの色になったかを次項で解き明かします!

カラーバリエーションは3色展開。なぜこの色になったかを次項で解き明かします!

RAKUNIの開発秘話をメーカーの中の人に聞いてきた

さて、大ヒット商品となったRAKUNIですが、その仕掛け人にいろいろと話を聞いてきました。筆者が特に知りたかったのは、なぜ手帳タイプにしなかったのか、iPhone X版に展開される3色の理由についての2点です。

そんな筆者が疑問をぶつけてきたお相手はこの方!

株式会社トーモ 代表取締役社長 東智美さん

株式会社トーモ 代表取締役社長 東智美さん

RAKUNIを開発・販売するメーカー「株式会社トーモ」の東智美(ひがし ともみ)さんに、RAKUNIについてアレコレとお話を伺ってきました。

――――まず、なぜRAKUNIを作ろうと思ったんでしょうか?

東:私はバッグを持つのがどうも苦手で、いつも両手は空けておきたいと思っているんです。たとえば、コンビニに行くだけなのにバッグを持って行くのも面倒だし、財布を裸で持ったとしてもiPhoneも持つと荷物が2つ。これが煩雑に思えました。そこで、RAKUNIのようにクレカやICカードを収納できるケースがあればiPhoneだけ持って買い物に行けると考えました。また、旅行の際にホテルのカードキーを留め具があるRAKUNIに入れていけば、 落としてしまう心配もありませんし、盗難に遭わないように注意すべき持ち物がiPhoneだけになるのは大きいんです。そこで行き着いたのがRAKUNIのデザインコンセプトです。

RAKUNIの図面を見せてくれた東さん

RAKUNIの図面を見せてくれた東さん

――――カード収納タイプといえば液晶カバーがついた手帳型が主流ですが?

東:液晶カバーを折り返して使用すると、背面カメラが隠れてしまうし、通話のときもじゃまになっちゃうので、いっそのことないほうがいいかなと。試作段階やRAKUNIになる以前のモデルには手帳タイプもあったんですよ。

RAKUNIの前身となるケースも見せてくれました。スリップオンタイプで液晶部分も防御できる仕様

RAKUNIの前身となるケースも見せてくれました。スリップオンタイプで液晶部分も防御できる仕様

――――RAKUNIを開発するうえで最も苦労した点を教えてください。

東:iPhone本体を留めるホルダー部分なんですが、この「巻き」を精密に作らないとiPhoneが外れたり、ケースが破損したりする恐れがあります。実際に、iPhone X版以前はトルコで生産していたのですが、時おり破損する不具合が発生しました。そこで、今回のiPhone X版から生産拠点を中国に移したんですが、ほぼ不良品が出ていません。これがRAKUNI iPhone X版の進化点です。

開発に苦心したというホルダー部

開発に苦心したというホルダー部

この出っ張らない「ほぼツライチ」なフィット感は確かにすばらしい

この出っ張らない「ほぼツライチ」なフィット感は確かにすばらしい

カメラの露出部もキッチリ成形されています

カメラの露出部もキッチリ成形されています

――――今回発売された3色のカラーリングが選ばれた理由は?

東:開発時はさまざまなカラーのサンプルが浮上しました。決め手となったのは、iPhone Xのフレーム部分のメッキとの相性です。このピカピカな部分とマッチするレザーの色と風合いがなかなか見つかりませんでした。その中でも納得の色だったのがこの3色というワケです。

この角度から見るとケースとメッキの相性が重要になると東さんは語る

この角度から見るとケースとメッキの相性が重要になると東さんは語る

スピーカーやLightningコネクタなどを露出させると、どうしてもメッキが見えてしまう

スピーカーやLightningコネクタなどを露出させると、どうしてもメッキが見えてしまう

開発時に試行錯誤した本革素材のカラーサンプル

開発時に試行錯誤した本革素材のカラーサンプル

ボツカラーとなった試作品の数々

ボツカラーとなった試作品の数々

――――最後に伺います。RAKUNIがこれだけの大ヒットしただけに「もうかってまっか?」

東:「ボチボチでんな!」(笑)

大阪出身だけあって関西弁が軽快な東さんでしたー

大阪出身だけあって関西弁が軽快な東さんでしたー

RAKUNIがどれだけこだわりを持って世に送り出されたかがよくわかったのではないでしょうか。やはり筆者としては、液晶カバーがない仕様は強烈な個性と使いやすさを兼ね備えたコンセプトではないかと思います。また、レザーの風合いや背面フリップのアクセント、留め具の微妙な角度がついたエッジなど、デザイン面においてもライバル製品よりも数ランク上な気がします。女性はもとより、男性が持っても違和感のないフォーマルさとカジュアルさを兼ね備えたRAKUNIで、アナタのiPhone Xをスタイリッシュにキメてみましょう。

ナックル末吉

ナックル末吉

スマホ、パソコン、家電などのガジェット系記事を執筆するモノ系ライター。それ以外にもハイレゾオーディオや文房具、バイク、食レポなどについても執筆するため「節操がないのが持ち味」と豪語する。

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