ASUSは、都内で発表会を開催し、SIMフリースマートフォン3機種「ZenFone 5Z/5/5Q」の日本市場投入を発表した。市場想定価格は、それぞれ69,800円(税別。以下同)、52,800円、39,800円となっている。発表会で展示されていた実機とともに、その機能や特徴をレポートする。
ASUSが最新SIMフリースマートフォン3機種を投入(写真は「ZenFone 5Q」)
「ZenFone 5/5Z」は、昨今のスマートフォンにおいてトレンドになりつつあるノッチ(切り欠け)を採用し、画面占有率90%を誇るSIMフリースマートフォンだ。ハイエンドモデルの「ZenFone 5Z」は、ソニー「Xperia XZ2」やシャープ「AQUOS R2」など今期のハイエンドスマートフォンにも採用されるCPU「Snapdragon 845(オクタコア、2.8GHz)」を搭載。メモリーは6Gで、ストレージ容量は128GB。バッテリー容量が3300mAhとなっている。ノッチを使ったFHD+(2246×1080、19:9)のSuper IPS+液晶による大画面表示のほか、AI搭載カメラやAIを活用した新機能も特徴だ。
いっぽう、ミドルハイモデル「ZenFone 5」は、CPUが「Snapdragon 636(オクタコア、1.8GHz)」、メモリーが6GB、ストレージ容量が64GB、バッテリー容量が3300mAhのスマートフォン。「ZenFone 5」と「ZenFone 5Z」の間に基本スペック以外の大きな差はなく、見た目や機能はほぼ同じ。OSに関しても、両機種ともに「Android 8.0」を搭載する。
ノッチ採用で大画面になった「ZenFone 5」シリーズ(写真は「ZenFone 5Z」)
カラーは、両機種ともにシャイニーブラック(左)とスペースシルバー(右)の2色
発表会で特に強調されていたのはAIに関する機能。被写体を認識して自動で撮影モードを設定してくれる「AIオート」や、性能を底上げする「AIブースト」など、AIを活用したさまざまな機能を搭載する
16のシーンと被写体を認識して自動で撮影モードを設定する「AIオート」
CPUをオーバークロックして動作させる「AIブースト」
ASUSによれば、ベンチマークソフト「AnTuTu Benchmark」のスコアは、「ZenFone 5」が142053で、「ZenFone 5Z」が270014だったとのこと(AIブースト時)。特に「ZenFone 5Z」のスコアはこのクラスでも驚異的なもの
「AI充電」は、朝7時にちょうど満充電にするなど、ユーザーの生活リズムに合わせて充電しバッテリー劣化を防ぐ機能だ
通信機能では、microSDカードとの排他利用になるが、両機ともにDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応。周波数的には、ドコモ、au、Y!mobileの「VoLTE」をサポートする。キャリアアグリゲーションにも対応するが、こちらは「ZenFone 5」が2CA、「ZenFone 5Z」が3CAとなっている。
価格.comマガジンでは、「ZenFone 5」を実際に試し、前モデルの「ZenFone 4」と比較したレビュー記事を掲載済み。気になる基本スペックやベンチマークテスト結果、外観デザイン、AI搭載カメラなどを事細かにレポートしているので、詳細はそちらを確認していただきたい。「ZenFone 5Z」が気になる人も、基本スペック以外は「ZenFone 5」とほぼ同じなので、チェックしてみてほしい。
ASUS「ZenFone 5」を速攻レビュー! AIカメラやノッチ採用でクールに進化
なお、発売日は「ZenFone 5」が5月18日、「ZenFone 5Z」が6月下旬となっている。
処理性能はさほど高くなくても構わないが、値段はそこそこできっちりと使える端末を探している人に刺さりそうなのが「ZenFone 5Q」だ。CPUは「Snapdragon 630(オクタコア、2.2GHz)」、メモリーは4GB、ストレージ容量は64GBとミドルクラスのスペックに落ち着きつつも、画面占有率80.3%の画面や、フロントカメラとメインカメラそれぞれがダブルレンズを採用したクアッドカメラなどの特徴を備える。また、microSDカードと2枚のnanoSIMカードを同時使用できるトリプルスロットを採用しているのもポイントだ。OSは、最新バージョンよりひとつ前の「Android 7.1.1」となっている。
発表された3機種の中で最も低価格な「ZenFone 5Q」
本体サイズは76(幅)×160.5(奥行き)×7.7(厚さ)で、重量は約168g。フルHD+(2160×1080、18:9)の6型ワイドIPS液晶を搭載し、画面上下部のベゼルを狭くした狭額縁デザインを採用。ナビゲーションキーは、画面下部ではなくディスプレイに表示されるオンスクリーン方式となっている。
6型ワイドIPS液晶を搭載しながらも本体サイズは5.5型クラスに抑えられている
天面にはイヤホンジャックを備える
写真では隠れてしまっているが、充電は底面のmicroUSBポート(USB 2.0)で行う
左側面にはSIMカードスロットを搭載
右側面には電源ボタンと音量調節ボタンを備える
背面は光沢があるメタルボディ。指紋認証センサーを背面に備える
カラーは、ルージュレッド(左)、ムーンライトホワイト(中央)、ミッドナイトブラック(右)の3色展開
メインカメラは、1600万画素の広角カメラ(F2.2)と800万画素の超広角カメラ(F2.4、広角120°)のデュアルレンズ構成。フロントカメラは、2000万画素の広角カメラ(F2.0)と800万画素の超広角カメラ(F2.4、120°)という構成だ。スナップ写真から風景写真、大人数や背景を広く写す自撮りなど、幅広い撮影に対応してくれるだろう。
メインカメラは、800万画素の超広角カメラ(上)、1600万画素の広角カメラ(下)のデュアルレンズ構成。使用するカメラはワンタップで切り替えられる
左が広角、右が超広角カメラのアングル。超広角カメラは、広角カメラより画質は劣るものの、風景写真などで活躍しそう
「ZenFone 5Q」は、フロントカメラもデュアルレンズになっている。左が超広角カメラで、右が広角カメラ
2つのフロントカメラで自撮りしてみたが、超広角カメラ(右)はかなり広い構図で撮影できる。大人数での自撮りや、背景を含めて自撮りしたいときに便利だろう
通信機能では、「ZenFone 5/5Z」と同様にドコモ、au、Y!mobileのVoLTEをサポートし、キャリアアグリゲーション(2CA)に対応。対応バンドは、LTEがB1/2/3/5/6/7/8/18/19/28/38/39/41、3Gが15/6/8/19、GSMが900/1700/1800/1900/2100MHz。
「ZenFone 5Q」は、手に取りやすい価格ながらもカメラ機能に力が入れられたスマートフォンになっている。ミドルレンジのSIMフリースマートフォンでカメラ性能を重視している人は検討する価値がありそうだ。
最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。