レビュー
ダイナミックバイブレーションシステムや高い処理性能が魅力、カメラやオーディオの優位性は薄まった

縦長ディスプレイを備えた「Xperia XZ2」5日間使用レビュー

2018年5月31日に、ソニーモバイルの最新スマートフォン「Xperia XZ2」が、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアより発売された。今までのイメージをくつがえす上質なデザインやユニークな機能「ダイナミックバイブレーションシステム」を備え、今後発売を控える「Xperia XZ2 Compact」や「Xperia XZ2 Premium」の出来を占ううえでも注目のモデルである。そのNTTドコモ版「SO-03K」を5日間使ったレビューをお届けする。

■NTTドコモ版「SO-03K」のスペック
画面サイズ(解像度):約5.7インチ(1080×2160)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約72×153×11.1mm
重量:約198g
防水/防塵:○(IPX5/8)/○(IP6X)
CPU:Snapdragon 845(2.8GHz×4+1.8GHz×4)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:64GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大400GBまで対応)
OS:Android 8.0
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:搭載
FeliCa:搭載
ワンセグ/フルセグチューナー:搭載/搭載
メインカメラ:約1920万画素
フロントカメラ:約500万画素
バッテリー容量:3060mAh
電池持ち時間:約125時間
USBポート:USB Type-C

ついに採用された縦長ディスプレイ。スベスベでツルツルな手ざわりが印象的

ソニーモバイルのスマートフォン「Xperia」シリーズは、国内ではAndroidスマートフォンの人気モデルとして長らく君臨している。デザインも細かな手直しはされているが2013年に登場した「Xperia Z」から続く板ガラスのようなシルエットを継承しており、マンネリと言われつつも、イメージはずっと一貫していた。そんな中登場した、今回の「Xperia XZ2」は、曲面を多用した新デザインを採用し、印象を一新させてきた。今回手にした実機は、表面のガラス素材と背面の曲面デザインと、表面の2.5Dガラスの組み合わせで、スベスベでツルツルの手ざわりが印象に残る。先行して発売されている海外のレビューなどでは、曲面デザインのためテーブルに置くとクルクル回りやすいという指摘があったが、ガラスや金属などの上に置くと、確かに勝手に滑り出すこともある。滑りやすい場所に置くときは、下に紙や布などを敷くなど注意したほうがよさそうだ。

ディスプレイは1080×2160のフルHD+表示に対応した約5.7インチの縦長液晶となった。縦長ディスプレイによって、表面に占めるディスプレイの比率を高めており、今までにない新鮮なフォルムをもたらしている。持ちやすさに直結するボディの横幅は、前モデル「Xperia XZ1」とほぼ変わらないレベルに抑えつつ、画面自体の大きさは、5.2インチから5.7インチに拡大した。液晶パネルは引き続き「トリルミナスディスプレイfor mobile」を採用。超解像技術の「X-Reality for mobile」や、コントラスト比を高める「ダイナミック コントラスト エンハンサー」など、Xperia XZ1と同等の機能を装備。ボディデザインは大きく変わったが、透明感のある画質はXperiaならではの特徴をそのまま残している。

縦横比9:18の縦長ディスプレイを採用、フォルムが刷新された

縦横比9:18の縦長ディスプレイを採用、フォルムが刷新された

操作ボタンは本体右側面に集中して配置。Xperiaシリーズの特徴であるシャッターボタンも引き続き搭載されている。なお。ヘッドホン端子は廃止された

丸みを持たせた背面のデザインは、従来モデルと最も大きく変わった部分だろう

丸みを持たせた背面のデザインは、従来モデルと最も大きく変わった部分だろう

側面の電源ボタンに配置されていた指紋認証センサーは背面中央に移された

側面の電源ボタンに配置されていた指紋認証センサーは背面中央に移された

Xperiaシリーズのディスプレイは透明感のある独特の画質が特徴。画面は縦長になっても、その点は変わっていない

画面の面積が増えたので、1画面で表示できる情報量も増えた。またAndroid OSの基本機能であるマルチウインドウも使いやすい

フロントカメラは約500万画素。左右にレンズがあるように見えるが、カメラは写真右側部分のひとつ

フロントカメラは約500万画素。左右にレンズがあるように見えるが、カメラは写真右側部分のひとつ

Xperia XZ2の重量は、カタログ値で198gとなっており、競合する「Galaxy S9」の161gや「AQUOS R2」の181gと比較すると1〜2割ほど重い。厚みも11.1mmで、10mmを越える厚さは、最近はタフネスモデルくらいしか見かけない。曲面のボディの良し悪しはあるが、他機種と比べるとやはり大きめに感じる。

手元にあったデジタルスケールで測った重量は199g。縦長5.7インチディスプレイ搭載機としては重めだ

手元にあったデジタルスケールで測った重量は199g。縦長5.7インチディスプレイ搭載機としては重めだ

ベンチマークテストの結果は良好。ダイナミックバイブレーションシステムは体験する価値大

処理性能を見てみよう。本機は、最新のハイエンドSoC「Snapdragon 845(2.8GHz×4+1.7GHz×4)」を搭載している。このSoCは、「Galaxy S9」や「AQUOS R2」など今期のハイエンドモデルに広く搭載されており、従来の「Snapdragon 835」より処理性能が2〜3割ほど向上している。なお、ハイエンドSoCで重視されるGPUの処理性能も3割ほど向上した。RAMは4GB、ストレージは64GB、microSDXCメモリーカードスロットは400GBまで対応している。OSはAndroid 8.0だ。なお、今夏にNTTドコモおよびauから発売される予定の上位モデル「Xperia XZ2 Premium」との大きなスペックの違いは、主にこのRAM容量にある(Premiumは6GB)。

体感速度はかなり良好だ。描画などで高い処理性能が求められるゲームアプリ「アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ(ミリシタ)」では、描画設定を最上位の「3D高画質」でプレイしても、処理のもたつきは現れず、かなり遊びやすい環境だった。

「ミリシタ」を最上位の3D高画質に設定しても。処理はスムーズだった

「ミリシタ」を最上位の3D高画質に設定しても。処理はスムーズだった

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク Ver.7.08」を使用し、実際の処理性能を計測した。総合スコアは、254,331(CPU:85036、GPU:106,108、UX:53,912、MEM:9,275)となった。このスコアは、SoCとメモリー容量が同じ「Galaxy S9」の262,579(CPU:88,645、GPU:106,295、UX:59,156、MEM:8,483)と比較すると、1万ほど総合スコアに差がついたが、体感レベルではほとんど変わらない。今夏のハイエンドスマートフォンとして、文句なしの性能と言っていいだろう。

左がXperia XZ2のスコア、右がSoCとRAM容量、ストレージ容量が同じ「Galaxy S9」のスコア。両機のスコア傾向はよく似ているが、CPUとUXの部分で差がつき、総合スコアで1万ほどの差がついた

「Riptide GP」では、エンジン音にあわせてダイナミックバイブレーションシステムが動作。アクションゲームなどでは迫力アップに大きな威力を発揮しそうだ

ダイナミックバイブレーションシステムは強弱を3段階で調節可能

ダイナミックバイブレーションシステムは強弱を3段階で調節可能

オーディオ性能は、ソニーが手がけるXperiaシリーズの大きな特徴だが、本機は、圧縮音源をハイレゾ相当までアップコンバートする「DSEE HX」や、サウンドエンハンサー「ClearAudio+」、イヤホンの音質最適化機能などを、前モデル「Xperia XZ1」から引き続き搭載。ただし、ヘッドホン端子は省略されており「デジタルノイズキャンセリング」機能が削除されている。

有線のイヤホン・ヘッドホンとの接続には同梱の変換アダプターを使いUSB Type-Cポートに接続するか、Bluetooth接続のワイヤレスイヤホン・ヘッドホンを使うことになる。なお、Bluetoothの高音質コーデックとして、LDACおよび、aptX HDに対応しているので、ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンを選ぶ場合、これらに対応しているものを選ぶとよいだろう。

なお、ライバルとなるLGの「V30+」や、ミドルレンジ向けの「LG style」などで採用例のある、クアッドDACの搭載は見送られた。クアッドDACはノイズの軽減やダイナミックレンジの向上など、音質をオーディオ専用機に迫るレベルに改善してくれる。オーディオにこだわるXperiaシリーズなので、次世代機にはぜひ搭載してほしいところだ。

ヘッドホン端子がなくなったため、有線のイヤホンを使いながらスマートフォンを充電する場合、別売りのアダプター「EC270」が必要となる

シンプルで扱いやすいシングルレンズカメラ

Xperia XZ2のメインカメラは、これまでと同様の約1,920万画素シングルカメラだ。今期発売されるハイエンドスマホでは、サムスン「Galaxy S9+」やシャープ「AQUOS R2」がデュアルカメラを採用しているし、ファーウェイの「P20 Pro」に至っては、トリプルカメラを搭載しているので、これら競合モデルと比べると、やや見劣りして見える。なお、8月に登場予定の上位モデル「Xperia XZ2 Premium」については、デュアルレンズカメラを搭載するので、これとの差別化のためかもしれない。

メインカメラは、約1,920万画素で変更はない、ホワイトバランスを正確に計測するRGBC-IRセンサーも搭載されている。なお、4K HDR動画撮影が行えるようになったほか、従来HD表示だったスーパースロー動画撮影機能がフルHD表示に対応するなど進化はしている

カメラのハードウェアは従来と変わらず、約1920万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」にF2.0のGレンズを組み合わせる。機能面では、4K HDRの動画撮影および、フルHD画質のスーパースロー撮影に新たに対応した。4K HDRで撮影した映像は、本機のディスプレイでは正しく表示ができないので、外部のディスプレイに映し出す必要がある。スーパースロー撮影がフルHDに対応したことで、画角が広がり、より広い範囲を撮影できるようになっている。

以下に、作例をいくつか紹介しよう(いずれもオートモードで撮影を行っている)。

晴天下の畑にて撮影したひとコマ。撮影に有利な条件ではあるが、帽子や葉の質感も申し分ない。ホワイトバランスも肉眼に近い印象

十分な光量のある水槽で、ナマズの一種であるプレコを接写。特徴的な模様もきれいに写っている

十分な光量のある水槽で、ナマズの一種であるプレコを接写。特徴的な模様もきれいに写っている

同じ構図だが、露出を合わせる場所を、上の写真では構図左上のガラス屋根に、下の写真では構図右上の屋根裏の影部分に合わせた。いずれの構図も明暗差が大きくスマートフォンのカメラには厳しい条件だが、HDR機能が階調をうまく制御しており、大きな破綻は見られない

銀座・数寄屋橋交差点のソニービル跡地付近を撮影。手ぶれやノイズは目立たないが、Galaxy S9のような肉眼以上の鮮明さまでは至っていない

銀座のアイコンである銀座和光を夜景撮影。手持ち撮影だが手ぶれもなくノイズも目立っていない。手軽に夜景撮影が楽しめる

ライオン像に焦点を当てて撮影。こちらも明暗差が大きな構図だが、夜景とは思えないような鮮明さで写せた

ライオン像に焦点を当てて撮影。こちらも明暗差が大きな構図だが、夜景とは思えないような鮮明さで写せた

使い倒しても1日は持続するバッテリー

本機は容量3,060mAhのバッテリーを搭載している。これは前モデル「Xperia XZ1」の2,700mAhと比較して、1割ほどの容量アップだ。カタログスペックを見ると、実際的な電池持ちの指標である「電池持ち時間」が、NTTドコモ版「SO-03K」では125時間、au版の「SOV37」では約105時間となっている(ソフトバンクは同スペックを公表していない)。いずれも、Xperia XZ1の約 110時間(NTTドコモ版SO-01K)や、約100時間(au版SOV36)よりも、少し向上している。

今回の検証機であるSO-03Kでは、5日間の検証に際して、5回の充電を行った。ほぼ丸一日の18〜30時間使ってバッテリー残量が1けたになるという感じである。ただ、1時間の通勤の間に20〜30%程度のペースで電力を消費することもあった。

なお、本機は、充電のバッテリー劣化を防ぐ充電最適化技術や、ユーザーの利用パターンを学習して充電速度を調整する「いたわり充電」を備えており、長期間安心して使うことができるいっぽう、充電にかかる時間は160分(NTTドコモの「ACアダプタ 07」使用時)と、少し長めである。

検証した5日間のバッテリー消費のペース。18〜30時間程度のペースで充電を繰り返した。筆者の利用ペースなら1日1回の充電で済みそうだ

検証期間中のCPU温度の変化、40℃を超えたのは処理負担の大きなゲームを続けてプレイしたときと、動画撮影を断続して行ったとき。発熱は近年のハイエンドスマホとしてはやや高い部類だ

満足できる処理性能のいっぽう、カメラやオーディオ機能では競合機種と比べてやや見劣りする部分も

以上、Xperia XZ2の性能に迫った。最新世代のSoC「Snapdragon 845」を搭載したことで、処理性能は現時点での最高クラスにあり、最新のハイエンドモデルらしいスムーズな動作は大きな魅力である。また、高い処理性能が要求されるゲームを快適に遊びたい場合にも適している。いっぽう、シングルレンズカメラやオーディオ機能については、今でも高いレベルにあるものの、かつてのようにライバルを圧倒するような優位性は薄い。8月に登場する上位モデル「Xperia XZ2 Premium」では4Kディスプレイや6GBのRAM、デュアルレンズ化されたメインカメラを搭載しているので、さらなるハイエンドモデルを求めるユーザーはそちらの方が適しているだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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