レビュー
FeliCa搭載、防水・防塵ボディ、ロングライフバッテリーなど、国内ユーザーに配慮したスペック

人気の国産SIMフリースマホ、シャープ「AQUOS sense plus」レビュー

2018年6月下旬に発売された、シャープのSIMフリースマートフォン「AQUOS sense plus SM-M07」の人気が続いている。価格.comの「スマートフォン」カテゴリーでは強豪ひしめく人気ランキングで9位前後をキープし続けている(いずれも、2018年8月中旬現在)。隠れたロングセラー機と言えるだろう。

画面サイズ(解像度):約5.5インチ(1080×2160、IGZO液晶)
サイズ(幅×高さ×厚さ):71×151×8.9mm
重量:約157g
SoC:Snapdragon 630 SDM630(2.2GHz×4+1.8GHz×4)
RAM容量:3GB
ストレージ容量:32GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大400GB)
OS:Android 8.0(発売後2年間に最低2回のバージョンアップを保証)
SIMカードスロット:nanoSIM×1
LTE対応バンド:B1/2/3/4/5/8/19/26/28/41
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:搭載
FeliCa:搭載
指紋認証センサー:搭載
ワンセグ/フルセグ:非搭載/非搭載
メインカメラ:約1,640万画素
サブカメラ:約800万画素
バッテリー容量:3,100mAh
USB:USB Type-C(Quick Charge 3.0、USB Power Delivary対応)

流行の縦長ディスプレイを取り入れつつ、防水・防塵対応など、国内向け仕様がうれしいボディ

IDCの調査によると、2018年第1四半期における国内携帯電話出荷台数で、アップルに続く2位という快進撃が伝えられるシャープのスマートフォン「AQUOS」シリーズだが、今回取り上げる「AQUOS sense plus SM-M07」は、SIMフリー専用設計のミドルレンジモデルだ。1080×2160のフルHD+表示に対応する流行の縦長約5.5インチIGZO液晶を備え、縦横比16:9の従来型ディスプレイよりも表示できる情報が約23%向上している。この画面は切り欠き(ノッチ)がなく、四隅も丸められていないオーソドックスな形状だ。液晶テレビの技術を取り入れた広色域技術「リッチカラーテクノロジーモバイル」やバーチャルHDRを搭載しており、特に赤や緑の表現力が増しており、画質の面で不満はない。

IGZO液晶ディスプレイは、液晶テレビの技術を応用した「リッチカラーテクノロジーモバイル」を搭載し、赤や緑の表現に強い

シャープのスマートフォンでは定番ののぞき見防止機能「ベールビュー」も搭載されている

シャープのスマートフォンでは定番ののぞき見防止機能「ベールビュー」も搭載されている

ボディサイズは、約71(幅)×151(高さ)×8.9(厚さ)mm、重量は約157gで、ベーシックモデル の「AQUOS senses lite SH-M05」と比較して、高さは増えたものの、横幅は1mmコンパクトになった。樹脂素材を使ったボディは、高級感には乏しいが、最近のスマートフォンとしては比較的計量だ。なお、IPX5/8等級の防水仕様(浴室を含む)と、IP6Xの防塵仕様をクリアしている。

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で、手元のデジタルスケールで計測した重量はカタログスペックと同じ約157g

側面部分が丸められているので、手にした際のサイズ感もコンパクト

側面部分が丸められているので、手にした際のサイズ感もコンパクト

外部インターフェイスは、USB Type-Cポート、NFCポートとFeliCaポート、Bluetooth 5.0といった、最新の規格をフォローしている。特に、電子マネーや乗車券などとして国内ではニーズの多いFeliCaポートの搭載は、防水・防塵仕様対応とともに、海外メーカーの製品と比較した優位点となっている。

ボディ下面に、リバーシブルのUSB Type-Cポートを配置する

ボディ下面に、リバーシブルのUSB Type-Cポートを配置する

指紋認証センサーは、設定によってホームボタンとしても利用できる

指紋認証センサーは、設定によってホームボタンとしても利用できる

近ごろは省略されるモデルも少なくないヘッドホン端子も、ボディ上面に搭載されている

近ごろは省略されるモデルも少なくないヘッドホン端子も、ボディ上面に搭載されている

基本スペックを見てみよう。搭載されているのは、クアルコム社のミドルレンジ向けSoC 「Snapdragon630 (2.2GHz×4+1.8GHz×4)」で、3GBのRAMと32GBのストレージを組み合わせている。このSoCは、2017年に登場した比較的新しい世代の製品で、14nmのプロセスルールで作られており、電力消費の少なさと処理性能のバランスにすぐれている。OSは、Android 8.0だが、発売日から2年間、最大2回という条件のOSバージョンアップ保証が付いており、配布の時期は未定だが、先日Googleから正式版が発表された「Android 9 Pie」には対応するものと思われる。

実際の処理性能を、定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver.7.x)を使って計測した。総合スコアは88,613(内訳、CPU:39,693、GPU:19,720、UX:23,831、MEM:5369)となっている。総合スコア約55,000の「AQUOS sense lite SH-M05」と比較するとかなり性能アップしている。本機と競合するファーウェイの人気モデル「P20 lite」や「nova lite 2」のスコアとはほぼ同じで、処理性能でライバルに並んだと見ていいだろう。

体感速度は、特別に高速ではないものの、一般的な使い方であれば十分。アプリの起動、画面スクロールなどで処理性能の不足は感じない。なお、本機のようなミドルレンジスマホと、ハイエンド機との大きな違いは3Dの描画性能にある。3D描画負担の高いコンテンツ、たとえばゲームなどでは、ハイエンドモデルとの差が現れやすい。実際、そうしたゲームをプレイしたところ、描画負荷を調整しないと処理落ちが見られた。ただし、そうしたものをプレイしないのであれば、動作全般に不満は抱きづらい。

AnTuTuベンチマークの総合スコアは約88,000で、ベーシックモデルAQUOS sense lite SH-M05」の総合スコアおおむね55,000と比較すると、処理性能が大幅に強化されている

通信機能を見てみよう。LTEの下り最大350Mbpsの通信に対応している。また、LTEの対応バンドも、「AQUOS R Compact SH-M06」や「AQUOS sense lite SH-M05」の8バンドから10バンドに、3G(UMTS)も4バンドから7バンドに増加した。これにより、NTTドコモ、au、ソフトバンク(ワイモバイルを含む)、の国内主要3キャリアのSIMカードに加えて、海外のSIMカードとの適合性も向上している。

SIMカードスロットは1基のみだが、LTEと3G(UMTS)の対応バンドが増えており、SIMフリースマホとしての基本性能も向上している

AQUOSシリーズの持ち味であるスタミナを継承

本機は、容量3,100mAhのバッテリーを内蔵している。カタログスペックを見ると連続通話時間は約1,850分(VoLTE)、約1,690分(3G)、連続待ち受け時間は約670時間(LTE)、約780時間(3G)となっており、いずれもかなり良好な値だ。

実際のバッテリー消費だが、今回の検証は7日間行い、充電は3回で済んだ。待ち受け主体であれば3日+αのバッテリー持ちが期待できるし、作例撮影、ゲーム、SNSなどで断続的に使い続けて酷使しても2日程度は充電せずに済んだ。本機のスタミナは、「AQUOS」シリーズの特徴と言えるもので、FeliCaや防水・防塵仕様対応とともに、国外メーカー製スマホと比較して優位性のある部分だ。

また、5V/1Aの出力に対応するACアダプターが同梱されるが、Androidスマホではデファクトスタンダードの「Quick Charge 3.0」と、汎用規格である「USB Power Delivery」の両方に対応しており、より高性能な急速充電に対応している点も心強い。

バッテリーの消費はかなりゆるやか。特に待ち受け主体であればフル充電から、3日以上充電不要で使える

バッテリーの消費はかなりゆるやか。特に待ち受け主体であればフル充電から、3日以上充電不要で使える

検証中のバッテリー温度変化。最高でも40℃程度で収まるので、ボディから不快な熱を感じることは少ない

検証中のバッテリー温度変化。最高でも40℃程度で収まるので、ボディから不快な熱を感じることは少ない

応答速度にすぐれ、動く被写体に強いメインカメラ

メインカメラが約1,640画素のイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせたもの。ボディから少し出っ張っている

本機のカメラは、メインカメラに約1,640画素、フロントカメラに約800万画素のイメージセンサーを搭載した比較的シンプルな構成だ。メインカメラはオートフォーカスの速度に特徴があり、動く被写体でもタイミングを逃さず撮影できる。以下に作例をいくつか掲載してみた。なお、カメラ任せのオートモードで撮影を行っている。

めまぐるしく飛びながら花の蜜を吸うアオスジアゲハを撮影。オートフォーカスの速度だけでなく、シャッターのタイムラグも少ないので、本機のカメラ性能が生かせた1枚だ

白いバラを撮影。ホワイトバランスは、実際の色に近い仕上がりだ

白いバラを撮影。ホワイトバランスは、実際の色に近い仕上がりだ

手前の石像にフォーカスを合わせて、被写界深度の深い構図で撮影。シングルレンズカメラに広角レンズなので、構図全体にピントが合う

浅草寺の本堂の大屋根を下から覗き、陰影差の大きな構図を作った。HDRが動作するため大きな破綻はないが、構図右下に見える「お水舎」の屋根は明るさの限界に近い

LED照明の暗い店内で撮影。10数枚撮影した中で一番手ぶれの少ないものを選んだ。明度が不足しており、フラッシュを使ったほうがよかったかもしれない

東京駅の丸の内側の夜景。20枚ほど撮影した中でもっとも手ぶれが目立たないものを選んだ。こちらも高感度撮影だが、雰囲気もあり仕上がりは悪くない

本機のカメラは、シングルレンズのオーソドックスなものだが、応答速度は4万円台のスマートフォンとしてみればなかなか良好で、応答速度を活かして動く被写体でも狙った構図で撮影が行えるだろう。いっぽう、暗い場所で高感度撮影を行う場合、光量の不足と手ぶれが起こりやすい。暗所撮影では、ボディの固定に気を使いつつ、場合によってはフラッシュを積極的に使うなどの工夫が必要そうだ。

十分な機能性に加えて、購入のしやすさも人気の理由

以上、「AQUOS sense plus SM-M07」のレビューをお届けした。本機は、価格.comの最安価格が39,800円(2018年8月15日現在)で、SIMフリースマホの人気価格帯の3万円前半より少し高めだが、FeliCaポート、防水・防塵対応のボディ、電池持ち、最低2回のOSバージョンアップ保証などを考慮すれば納得できる価格だ。

デメリットは、RAMが3GB、ストレージが32GBと容量が少ない点。同価格帯で4GBのRAMや64GBのストレージを搭載しているものが珍しくないので、スペックは見劣りしてしまう。

ライバルとなる製品は意外と少ないが、HTCの「U11 life」は「Snapdragon 630」搭載、防水・防塵ボディ、FeliCaポート搭載、4万円前後の価格という点が近い。ただ、この両機は販路が大きく違う。「U11 life」の取り扱いはMVNOでは「楽天モバイル」と「IIJmio」、「NifMo」くらいで、あとはHTCの直販サイトでしか購入できない。いっぽう本機は、取り扱いのMVNOも多く(シャープの案内だけで7社)、家電量販店での取り扱いもあるので、実機に触れてから購入できる。

性能にとどまらず、購入のしやすさという点で見ても、本機はキャリアモデルから乗り換える最初のSIMフリースマートフォンとして、手頃なポジションにあると言えるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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