ピクセラから2018年7月6日に発売された「Xit Brick(サイトブリック) XIT-BRK100W」(以下、Xit Brick)は、接続したPC(Windows/Mac)でテレビ番組の視聴や録画が可能なPC用テレビチューナーです。
地上/BS/110度CSデジタル放送に対応する上に、チューナーを2基搭載することで2番組同時録画まで可能。「Xit Brick」があれば、テレビとブルーレイレコーダーなしでもテレビライフを満喫できそうなので、実際に試してみました。
3波&2番組同時録画に対応する「Xit Brick」。価格.comでの最安価格は17,945円(税込。8月21日時点)
「Xit Brick」は、チューナーを2基搭載したPC用テレビチューナー。WindowsとMacの両OSに対応しており、PCのUSBポートから電源を供給するためコンセントなどに接続する必要はありません。ポータブルHDDのようなコンパクトなサイズで、自室や寝室などテレビがない部屋でも、録画したテレビ番組をPCで手軽に視聴できます。
「Xit Brick」のサイズは、78(幅)×132(縦)×18(厚さ)mm。分厚いものの、5.5型スマートフォンと並べると一回り小さく見えます
側面にはmini USBポート(Mini-B)とアンテナ入力端子を搭載。ちなみに、USB2.0ケーブル(A-miniB)は付属しますが、アンテナケーブルは付属しません
「Xit Brick」でテレビの視聴、録画を行うには、USB2.0ケーブルとアンテナケーブルでPC、アンテナ端子に接続する必要があります。ただし、録画した番組を視聴するときは、アンテナ端子に接続する必要はありません。それに加え、録画したデータはPCのローカルに保存されるため、「Xit Brick」なしでもPC単体で録画した番組を視聴可能です(録画時に設定必要)。
テレビ番組の視聴や録画時は、「Xit Brick」をPCとアンテナ端子に接続する必要がある
つまり、録画さえしてしまえば、自室や寝室などアンテナ端子がない部屋や外出先などでも録画した番組を楽しめるというわけ。また、専用のアプリ(iOS/Android)を使うことで、スマートフォンやタブレットからも、録画した番組をチェックできます。
というわけで、次項では、実際に「Xit Brick」を試して、その使い勝手をチェックしてみました。
「Xit Brick」を使う前に、PCに専用ソフトウェア「Xit」をインストールします。なお、Windows版Xitを使う場合は、事前に「Microsoft .NET Framework 4.6.2」をインストールしておく必要があります。
なお、「Xit」の動作環境は以下の通りです。
・Windows
対応OS:Windows 10 Home/Pro、Windows 8.1/Windows 8.1 Pro、Windows 7 Service Pack 1以降 Home Premium/Professional/Ultimate 各日本語版(64bit版)
CPU:2013年以降発売の Intel Celeron / Core i シリーズ(最低)、Core i5以上(推奨)
ストレージ:1GB以上の空き容量が必要(録画データ用に別途容量が必要)
メモリ:4GB以上(最低)、8GB以上(推奨)
・Mac
対応モデル:2013年以降発売のMac Pro、2011年以降発売のMacBook Air/MacBook Pro/iMac/Mac mini
対応OS:macOS High Sierra(10.13)、macOS Sierra(10.12)、OS X El Capitan(10.11)、OS X Yosemite(10.10)、OS X Mavericks(10.9)
ストレージ:200MB以上の空き容量が必要(録画データ用に別途容量が必要)
メモリ:2GB以上
「Xit」のインストールが完了したらチャンネルスキャンを行い、すぐにテレビの視聴や録画が可能です。アンテナ端子に直接接続していることもあり、視聴画質は安定しています。
テレビ番組の視聴は、アンテナ端子への接続が必要ですが、その分ハイビジョン放送と同じ画質で楽しめます
録画機能は、視聴中の番組を手動で録画、番組表から番組を指定、日時指定、設定した条件に適する番組をおまかせで録画、の4つが用意されています。録画の画質はDR(最高画質)のほか、画質を圧縮するHX/HS/HL/HEから選択可能。最大の15倍録画の場合、1TBに約1500時間録画できます。
地上/BS/110度CSデジタル放送の番組表から直接番組を指定して録画予約可能
録画予約時は、画質、PC持ち出し再生(後述)、繰り返し録画(1回、毎日、毎週など)を指定できます。録画予約の方法は、一般的なブルーレイレコーダーとほとんど同じです
「Xit Brick」は接続したPCからUSBで給電しているため、PCの電源がオフになっていると録画できませんが、スリープ状態だと問題なく録画できていました。前述した通り、録画した番組を視聴する際は、「Xit Brick」をPCに接続するだけでOK。アンテナ端子に接続する必要はありません。そのため、アンテナ端子がない部屋でも録画番組を視聴できます。
録画した番組は、「Xit Brick」をPCに接続するだけで視聴可能
再生機能は、シークバーによる再生位置の調整、スキップ(スキップする秒数を設定可能)、チャプター移動、早戻し/早送りなど、ブルーレイレコーダーに備わる一般的な機能が網羅されており、使い勝手は非常に高いです。
再生画面は、スキップ、チャプター移動に加え、シークバーをドラッグして再生位置を調整できるなど、メディアプレイヤー的なUI(再生画面は、スクリーンショットを撮影すると、著作権保護によりコンテンツ部分がブラックアウトします)
使っていて便利だったのは、「パソコン持ち出し再生」という機能。これを録画時に設定しておけば、「Xit Brick」をPCに接続しなくても、録画番組の再生が可能になるというもの。外出先などで録画番組を視聴したい際に重宝しました。
外出先で録画した番組を見たい場合は、「Xit Brick」なしで視聴できる「パソコン持ち出し再生」が便利
アプリ「Xit wireless」(Android/iOS)を使えば、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末でも「Xit Brick」で録画した番組を視聴できます。視聴機器が「Xit Brick」と同じホームネットワークに接続されていることが条件ですが、スマートフォンやタブレットで手軽に自宅のどこでも見られるのは便利です。
ベッドで寝転んでスマートフォンで録画番組を見るなど、ユーザーの好みに合わせた幅広い使い方が用意されています
録画した番組は、保存先ドライブを自由に設定できるほか、外付けHDD(NTFS)にも保存可能。「Xit」から、録画番組をDVD/Blu-ray/SeeQVault対応メディアに書き出すこともできます。
筆者は、PCやスマートフォン向けのモバイルテレビチューナーを過去に使用していましたが、ワンセグ/フルセグ受信のため、使用する場所によっては画質が安定しないことがネックでした。その点、「Xit Brick」はデジタル放送そのままの画質で視聴、録画できるため、高い満足度を得られるはずです。
自宅はもちろんのこと、外出先でもノートPCさえあれば録画した番組を視聴できる「Xit Brick」は高い利便性を備えていると言えるでしょう。また、ユーザーの好きなように視聴、録画の設定をカスタマイズでき、さまざまな機能が盛りだくさんの専用ソフトウェア「Xit」も使い勝手がよかったです。自宅にPCはあるけれども、テレビやブルーレイレコーダーを持っていない人は、チェックしてみてはいかがでしょうか。
最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。