PC用マウスに関しては、20年来ごく一般的なタイプを利用し続けてきたのだが、2年ほど前にふとトラックボールマウスを試してみたところ、これがなかなかに快適で、以来エレコム製の人差し指操作タイプ「M-DT1DRBK」を使い続けてきた。親指操作タイプを含め、さまざまな製品を試した結果チョイスした製品なので、満足感高く使い続けてきたのだが、ふとしたきっかけでエレコムのホームページを見たところ、いつの間にかいくつかのバリエーションモデルが登場してる! しかも、ボール径が大きくなって、さらに使いやすそう!? ということで、さっそく新登場した製品を借用し、現在使用している「M-DT1DRBK」と比較して、その使い勝手を試してみることにした。
今回テストしてみた製品は、 人差し指操作タイプの「M-DPT1MRBK」と、人差し指、中指のどちらでも操作できる大型トラックボールを採用した「M-HT1DRBK」の2つ。手持ちの「M-DT1DRBK」も含め、すべてワイヤレス接続モデルだが、「M-DPT1MRBK」のみ特殊で、3モデル共通の2.4GHz(専用ワイヤレスレシーバー付)に加え、Bluetooth接続や有線接続にも対応している。その他にも、耐久性や使い勝手の向上など、随所に改良が施されている様子。これは、大いに期待できそうだ。
ということで、各モデルのディテールを紹介しつつ、「M-DT1DRBK」に対してどう操作性が変わったのかをレビューしていこう。
ということで、まずは2年間にわたり使い続けてきた「M-DT1DRBK」から。
こちら、世にある人差し指操作タイプトラックボールマウスとは異なり、手にすっぽりと収まるエルゴノミクスタイプのデザインを採用しているのが特徴でとなっている。本体中央前方、ちょうど人差し指&中指の位置に直系22mmのトラックボールを配置。直径2.5mmの人工ルビーを支持に採用することで、スムーズな操球感が工夫されている。
写真中央部に見える球体状のものが人工ルビーを使用した支持。これによりスムーズな操作感を実現している
トラックボールのすぐ右側には右クリックボタン、親指側(左側面)に左クリックボタンが配置されており、右クリックボタンは細長い形状ながらもほんの少し出っ張っているため扱いやすい。また、親指側には上下+左右スクロール&クリック付のスクロールホイールや進む/戻るボタンも配置されており、慣れればかなり使い勝手がよい。トラックボール左側にはファンクションボタンを3つ用意。ファンクションボタンを含むショートカットの割り当てなどは、PCソフト「エレコム マウスアシスタント」から行えるようになっている。
さらに、スクロールホイールのすぐ横にはポインター速度変更スイッチもあり、こちらによってポインター速度を1500と750カウントの2段階で切り替えることもできる。
右クリックを除くすべてのボタンが右側に集中してレイアウトされている
左側面にはクロール&クリック付のスクロールホイールや進む/戻るボタン、3つファンクションボタンがずらりと並ぶ
なお、本体バッテリーは単3電池を使用。「ローエナジー」と「ハイスピード」という2つのワイヤレス動作モードが用意されており、想定電池使用期間は「ローエナジーモード」で約273日、「ハイスピードモード」で約176日(どちらも1日8時間のパソコン操作中5%をマウス操作に割り当てた場合を想定)となっているが、デスクトップ上(のノートパソコンなど)では「ローエナジーモード」で十分なので、実際には単3アルカリ電池で8か月以上1年近くは持ち続けてくれる。電池交換も楽なので、動作時間に対してはいっさいの不満はない。
もうひとつ付け加えると、本体底面にワイヤレスレシーバーの収納スペースがあり、持ち運びが楽な点も嬉しい。実は、これがないとワイヤレスレシーバーがどれか分からなくなってしまったり、どこかになくしてしまうことがあるため、意外と便利だ。
付属のレシーバーは超小型なので、なくさないように本体に収納できるのはありがたい
さて、実際の使い勝手はというと、いままで2年間使い続けてきただけあって、操作感はなかなかのもの。特に細長の小サイズながらほどよい存在感を示す右クリックボタンは絶妙な形状で、右クリックを頻繁に使う人間にとってはとても扱いやすかった。ポインター速度も1500が好みに合ったので、そちらを利用している。
今回の記事に繋がる部分として、唯一不満に思っていたのがポインターの微細なコントロールだ。大きな移動は直感にマッチしていてよいのだが、文字の部分選択など画面上で数mmを微調整したい場合、とても神経を使うボールコントロールになってしまうのだ。こちら、2年間も使い続けているうちにだいぶ自由に操れるようになってきたのだが、多くの人に諸手を上げてオススメできる、とまでは行かない。事前に試してみて欲しいポイントだ。